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龍王は愛しい番を求めない
龍王の「番」――それは本能で惹かれ合う魂の片割れ。 天涯孤独の少女・千世は、引きとられた遠縁の家で番の印を持つ幼い少女・美耶の保護者代わりとして継父母にこき使われていた。学校にも行けず育児に追われる毎日。しかし千世は美耶の印に関するある“秘密”を握っており、後ろめたさからその状況を受け入れるしかなかった。 ある時、街中で美耶をつけ狙う謎の男に襲われ、逃げた先で偶然異界へと迷い込んだ2人は、そこで龍族の青年、漣と出会う。彼は龍王を名乗り、番の印を持つ美耶と保護者代わりの千世を厚くもてなしてくれるが、美耶の印の“秘密”を知る千世は手放しに喜べない。 一方で漣も、自らの番であるはずの美耶ではなく、千世に惹かれてしまう自分に大いに戸惑い……。 -
脂肪の塊り Boule de Suif
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ギ・ド・モーパッサンの代表作、『脂肪の塊り』(原題: Boule de Suif)がフランス語で読める!<b/> 『脂肪の塊り』(原題: Boule de Suif)は、1880年に刊行されたエミール・ゾラが主宰した自然主義文学の短編集『メダンの夕べ』(Les Soirées de Médan)の中に収められた、フランスの小説家、ギー・ド・モーパッサン(1850-1893)による短編小説。 普仏戦争を背景に、娼婦エリザベート・ルーセ(ブール・ド・スイフ)を主人公にした物語で、モーパッサンの出世作であり、彼の数多い短編小説の中でも最も有名な作品の一つである。本書は日本語翻訳ではなく、フランス語でお読みいただけます。 -
百窓の殺人
ご存じだろうか、百窓を。 1995年冬。 ある館に招待された僕と安宅先生は 不可解な連続殺人事件に巻き込まれた―― 異彩を放つ、偏愛・館ミステリー! 1995年冬。大学時代の恩師である安宅先生に誘われ、僕は雪山奥深くの館にやってきた。マニアの間で伝説的存在の建物「百窓」を復元したもので、そのお披露目会だという。他にも文化研究者や特撮関係者など百窓に縁深い人間が集められたが、二日目の朝、そのうちの二人が死体で見つかる。体には拷問を受けた痕が。僕と先生は調査に乗り出すが惨劇は止まらず……。 -
天上の青
大久保清事件をもとに書かれた名作の上巻。 波多雪子の家の庭先に咲いていたヘヴンリー・ブルー(天上の青)という朝顔を見て、「きれいな青だなあ」といって近づいてきた宇野富士男。じつは三十過ぎだというのに定職を持たず、青果店を営む実家に寄生しながら気ままに生きている男だった。その後も時折訪ねてくるようになった富士男のことを、「いささかの不実の匂いのする男」だと感じながらも穏やかに受け入れる雪子は、富士男が他の女性と交わった話を聞いても動じるようなそぶりは見せない。しかし、「俺がもっと決定的にだめな人間だってわかった時、あんたは愛想を尽かすよ」という富士男は、連続殺人犯だった。 女子高生やデパート店員、書店の客など、誘いに乗りそうな女性に声をかけ、天才的ともいえる作り話で共感を誘って、最後は自分勝手な怒りを爆発させ殺してしまう――。でも、凶行に及んだあとは、決まって雪子を思い出し、「一度でいいから膝枕さしてくれないかな。そうすると、とても安心できるような気がするんだ」と甘えたりする。はたしてこの奇妙な関係はいつまで続くのか――。 1970年代に発生した連続殺人事件を下敷きに書かれた渾身の長篇。 -
文藝 2026年春季号
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【創作】 八木詠美「アンチ・グッドモーニング」 松田いりの「ハッピー山」文藝賞受賞第一作 古典新訳・能 岡田利規 訳「杜若(かきつばた)」 【特集1 うたのことば】 ◎短篇 九段理江「No Time to Die」 児玉雨子「神になるつもりがないなら帰って」 日比野コレコ「内海 among the sea」 崎山蒼志「きっかけ」 井戸川射子「肯(うべな)い」 芝夏子「でも、やっぱり、おめでとう」 ◎対談 瀬戸夏子×青松輝「『短歌ブーム以後』を俯瞰する 私性・テクスチャー・SNSをめぐって」 ◎「わたしたちを揺さぶる“うたのことば”」うたのことば30人アンケート 彩瀬まる、いしいしんじ、井戸川射子、大崎清夏、大田ステファニー歓人、大前粟生、川野芽生、暮田真名、小泉綾子、児玉雨子、小指、斉藤壮馬、最果タヒ、崎山蒼志、佐藤文香、芝夏子、鈴木絢音、TaiTan、つやちゃん、年森瑛、奈倉有里、バイク川崎バイク、ピノキオピー、日比野コレコ、藤田貴大、フロクロ、細倉真弓、マーサ・ナカムラ、ゆっきゅん、吉田靖直 ◎エッセイ・論考 つやちゃん「K-POPアイドル、うたにならないことばたち」 寺尾紗穂「いくつもの声がささやく―労働歌をさがして」 向坂くじら「歌わないまま、しかし歌う ―歌と詩、それから、わたしの好きなポエトリーリーディングの話」 吉田靖直「うたとことば」 鳥居咲子・soulitude「Z世代アイコン、イ・ヨンジのラップに潜む私小説性」 宇川直宏「病の歌、傷の歌 ~声帯AI中原昌也のブルース」 【特集2 ハン・ガンを読む ―傷と庭を抱いて】 ◎詩 ハン・ガン、斎藤真理子 訳「声(たち)」 ◎座談会 ハン・ガン、オール翻訳者座談会 きむふな×井手俊作×斎藤真理子×古川綾子「〈ことばの杖〉をバトンする」 ◎読書会 11 月21日、ハン・ガン作品をみんなで読む 中村佑子「ハン・ガンを読んだ日の記憶」 小川公代「緑の導火線としての文学」 金川晋吾「撮りながら読む、読みながら撮る」 年森瑛「ずっと情けない」 待川匙「一人読書会」 【新・短期集中連載】 往復書簡 星野智幸×シン・ミナ「地球から半歩」 【連載】 皆川博子「ジンタルス RED AMBER 風配図II」【最終回】 円城塔「ホモ・ネクロ」【第3回】 岸本佐知子「尻 on fire 日記」【第4回】 いとうせいこう「難民移民モノローグ」【モノローグ4】 岸政彦「犬は人生」【第4回】 柳美里「JR常磐線夜ノ森駅」【第8回】 町田康「ギケイキ」【第50回】 【季評】 水上文「たったひとり、私だけの部屋で 文学の場」2025年10月~11月 【書評】 中村文則『彼の左手は蛇』【評】山下紘加 絲山秋子『細長い場所』【評】豊永浩平 山崎ナオコーラ『陽ちゃんからのそよ風』【評】山田由梨 古谷田奈月『うた子と獅子男』【評】濱野ちひろ 紗倉まな『あの子のかわり』【評】あわいゆき 児玉雨子『目立った傷や汚れなし』【評】渡辺祐真 大崎清夏『いいことばかりは続かないとしても』【評】滝口悠生 佐佐木陸『ごみのはての』【評】向井康介 【連載】 山本貴光「文芸的事象クロニクル」2025年9月~11月 著者一覧 次号予告・編集後記 -
山之口貘 小説全集
近代・現代を代表する沖縄生まれの詩人。生涯、借金に追われる貧乏生活を送りながらも、その精神は詩人であり続けた。 山之口貘は、近代・現代を代表する沖縄出身の詩人である。 1922年、絵の勉強を志して19歳で上京し、日本美術学校に入学するが、わずか1カ月で中退。父の事業が失敗し、約束されていた仕送りが一度も届かなかったため、放浪生活に入る。友人の下宿を転々としながら本郷絵画研究所に通った。 翌年の9月1日、関東大震災に遭遇。罹災者恩典により一度帰郷するが、22歳で詩稿を抱えて再び上京。しかし定職には就けず、再び放浪の日々が始まる。結婚までの16年間、書籍問屋の荷造り人、暖房屋、鍼灸屋、ダルマ船の運搬助手、汲取屋、鍼灸医学研究所勤務、ニキビ・ソバカス薬の通信販売など職を転々としながら、夜は公園や駅のベンチ、友人の下宿、勤め先のビルの空室などを仮住まいとして詩作を続けた。 結婚後も貧乏神に取り憑かれたような借金生活が続いたが、「生涯詩人」としての姿勢は一貫していた。そして、その生き方に呼応するように、暮らしもまた「生涯貧乏」であった。 本全集に収められた21篇の小説は、すべてが過去の生活実態を赤裸々に描いた私小説である。貘が生きた時代、そして詩が生まれた背景が、独自の飄々とした筆致で描かれている。 【目次】 自伝 ぼくの半生記 小説 ダルマ船日記 詩人便所を洗う 天国ビルの齋藤さん 詩人国民登録所にあらわる 詩人の結婚 無銭宿 お福さんの杞憂 野宿 穴木先生と詩人 親日家 貘という犬 月謝 第四「貧乏物語」 質屋の娘 関白娘 光子の縁談 第三日曜日 アルパカ・ルパシカ 詩人の一家 汲取屋になった詩人 首実験に来た客 年譜 山之口貘の生涯 【著者】 山之口 貘 1903年、沖縄県那覇市に生まれる。1922年に上京後、職を転々としながら詩作を続ける。 1936年、草野心平が金子光晴を通して原稿を依頼したのが縁で詩誌『歴程』の同人となる。生前に『思弁の苑』(1938)、『山之口貘詩集』(1940)、『定本山之口貘詩集』(1958)の3冊の詩集を上梓。死後1年経って『鮪に鰯』(1964)が出版されたが、4冊を合わせても198篇しか残していない。 1963年、59歳で胃癌で逝去。死の直前に沖縄タイムス賞受賞。1978年、琉球新報社によって山之口貘賞が設立。 -
銘仙の呼ぶ声が/おばぁが織った振袖
「銘仙の呼ぶ声が」 高校生のカナは、骨董市で出会ったアンティーク銘仙に触れた瞬間に不思議な声を聞いて、衝動的に秩父への小旅行を決意する。旅先で出会ったのは、祖母の銘仙を守るためコレクターになったアヤノさんや、思い出の銘仙との別れを惜しむおばあさん――銘仙の着物を通じて時代と世代を越えて交流する人たちを描く、絹の里・秩父と銘仙をめぐる小さな旅の物語。 「おばぁが織った振袖」 「まりちゃんの振袖、おらが織ってやるよ」十七歳の茉里奈におばぁが宣言した。初孫の成人を祝う祖母は、機織りの伝統技術を持つ織り子。家族にとってはただの"おばぁ"だけど、その手仕事には誇り高き技が宿っている。織り上がった着物に初めて袖を通す成人式の日に起こった、振袖と家族の物語。 -
月刊「潮」2026年2月号
月刊「潮」2026年2月号 主な内容 【特別企画】 二〇二六年 日本と世界の現在地 米中経済戦争の間で日本が生き残る道はあるか。 鈴木一人 「あの党は嫌い」――行き過ぎた党派性がもたらす社会の危機。 善教将大 ≪連載≫ ニッポンの問題点 瀬口清之 VS 田原総一朗 強硬な世論に流されず日本は全方位外交で中国と向き合うべき。 【特集】 世界が憧れる北の大地――北海道 圧倒的な自然が息づく故郷は僕の原風景。 小日向文世 分断と不寛容の時代に三浦綾子の文学が伝える「希望」。 田中 綾 エスコンフィールドの“挑戦”はまだ始まったばかり。 前沢 賢 エスコンフィールドHOKKAIDOの楽しみ方MAP。 編集部 北の大地に生きる人々の生き様を描いていきたい。 河崎秋子 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 「火宅を出ずる道」篇 【新連載】 平成の回廊――創価学会と日本社会 連立離脱に見る歴史の断層。 與那覇 潤 【新連載】 ドクター・ヒラハタの健康・長寿アドバイス 花粉症。 平畑光一 【人間探訪】 阿刀田 高 愛するって自己満足。人であることを享受するのが人生。 【アスリート列伝】 立石正広 「ドラフト一位は、プロのスタートラインに立っただけ」 横尾弘一 大地震への警鐘×オシャレを愉しむ=僕のスタイル。 鎌田浩毅 戦火の中で母と歌った讃美歌が兄・征爾の原点でした。 小澤幹雄 【ルポ】 精神疾患の親を持つ子どもたちの見えない悩み。 黒島暁生 【好評連載】 鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 鎌田 實 VS 村木厚子/高島礼子の歴史と美を訪ねて 白蔵盈太 VS 高島礼子/聖地を歩く――交わる死者、人、自然 佐藤弘夫/他 その他 -
とりかえばや陰陽師とはぐれ検非違使2
誰もが呪に頼る不穏な都で、黒白バディに最強の敵!? 時は平安。都はおまじないのような呪が流行り、あちこちで騒動が起きていた。 そこで立ち上がったのが、黒衣の検非違使・三浦貞頼と、白衣の陰陽師・安倍菊月の異色バディ。 不穏な事件の裏で暗躍する法師陰陽師の正体は!? 異色のバディが都の難事怪事を解決する平安ファンタジー第二弾! ●目次 序 第一章 受領夫婦の後悔 第二章 菊月は男か、女か 第三章 足を失った権大納言 第四章 鳳凰と玄道 結び ●著者 東京都生まれ。著作に「平安あかしあやかし陰陽師」「平安後宮の薄紅姫」(どちらも富士見L文庫)、「平安姫君の随筆がかり」(講談社タイガ)、「晴明の事件帖」(ハルキ文庫)、「源氏物語あやとき草子」(双葉文庫)各シリーズのほか、『きみの最後の一カ月、恋はオパール色になって』(二見サラ文庫)、『夫婦包丁のおしながき』(ポプラ文庫)、『芥川龍之介は怪異を好む』(キキ文庫)など多数。 -
追放令嬢アリーの怪奇事件録
カリウス王国辺境伯の長女で第二王子の婚約者だったアリーは、卒業パーティーで突然の婚約破棄を言いわたされる。国外追放された先で「相談所 薄明の夕暮れ」を訪ね、美形のマスター・ルードと出会うも突如、彼の幽霊を見る能力が彼女に乗り移り……? 霊への対処法を学ぶため店の受付係となったアリーはルードと事件に挑むが、徐々に二つの国を跨ぐ陰謀に巻き込まれていく。更に女嫌いで有名なルードはなぜかアリーに激甘で!? -
ヒビカイー365日の怪談 #2026 冬の「超」怖い話 超合本
一日一怪。365日「怖い」と「不思議」が楽しめる日めくり怪談、ヒビカイ。 2026年版は、冬の「超」怖い話・干支シリーズ全12巻の「超」合本! 12年間の軌跡をまとめた全373話、文庫本にして2700ページがこの1冊で楽しめる恐怖の福袋。 現在紙書籍では入手困難なシリーズ初期のうち、電子化されていなかった幻の「午」と「申」も収録された完全版です。 2026年の【怪活】はこの本で! ①「超」怖い話 午(2014年)★初電子化 ②「超」怖い話 未(2015年) ③「超」怖い話 申(2016年)★初電子化 ④「超」怖い話 酉(2017年) ⑤「超」怖い話 戌(2018年) ⑥「超」怖い話 亥(2019年) ⑦「超」怖い話 子(2020年) ⑧「超」怖い話 丑(2021年) ⑨「超」怖い話 寅(2022年) ⑩「超」怖い話 卯(2023年) ⑪「超」怖い話 辰(2024年) ⑫「超」怖い話 巳(2025年) ※「超」怖い話4代目編著者・加藤一による巻頭言、解説書き下ろしを収録。 -
辻邦生電子全集 4巻 初期小説 『廻廊にて』『夏の砦』ほか
『廻廊にて』『夏の砦』等、1968年までに発表された小説13篇と、小中高時代の作文・小品8篇、関連エッセイ等を収録。 『廻廊にて』『夏の砦』「遠い園生」「異国にて」「城」「影」「ある晩年」「旅の終り」「蛙」「空の王座」「北の岬」「見知らぬ町にて」「ある告別」、1968年までに発表された初期の小説13篇と、小中高時時代の作文・小品8篇、関連エッセイおよび創作ノート等12篇を収録。 『廻廊にて』は、1963年に発表された辻にとって初めての長篇小説。一人の女性画家の生涯を、彼女の死後に残された資料や関係者の証言から再構築していくという形式で、第4回近代文学賞を受賞、作家としての地位を確立した作品。『夏の砦』は1966年に書き下ろしで刊行された2作目の長篇小説で、一人の女性の精神的な遍歴と「生」の回復を描いている。また、「遠い園生」は、辻邦生が旧制松本高等学校の学生だった19歳の時(1945年)に執筆し、同校の寄寮雑誌「思誠」に発表した最初期の作品で、辻の「原点」ともいえる。さらに「異国にて」はヨーロッパ紀行をモチーフにした6篇の小品集。 解説は作家・詩人の池澤夏樹氏が担当。付録として『廻廊にて』の草稿、『夏の砦』創作メモ等を収録する。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
現代ユウモア全集 14巻 『晴れ後曇り』 細木原青起
明治~大正~昭和に活躍した人気漫画家&挿絵画家で俳人、唯一の作品集。その貴重な作品16篇を収録。 細木原靑起は明治時代にデビューし、大正~昭和にかけて人気を博した漫画家、挿絵画家、俳人。現代では、「日本の漫画家の嚆矢は彼の(鳥獣戯画の)鳥羽僧正」と論じた、『日本漫画史』(1924年)で知られる。高浜虚子、伊藤左千夫、伊藤晴雨などの小説の挿絵を描き、新傾向自由律俳句の俳人としても活躍。1928年には日本挿画家協会の創立に協力し、長らく委員も務めた。 作品集の存在しない靑起にとって本巻の収録作品は貴重。巻頭の「女房を拾ふまで」から、明治期の浄瑠璃作品のパロディ「再生のお里澤市」、漫画脚本形式の「エレキの威力」、酒乱の[夫]が禁酒に成功するまでの酒飲みの苦労を笑う「禁酒」など、シャープで艶のある独特な挿絵とともに楽しめる16篇を収録。 本巻が発行された昭和4年は世界恐慌が起こり、日本でも昭和恐慌が始まる。当時の暗く厳しい状況では、靑起の作品のような庶民が軽く読めて気軽に笑える作品が根強い人気を得ていたようだ。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年12月26日配信開始) ※この作品はカラーが含まれます。 -
踏み憑き 現代怪談アンソロジー
その場所はレッドカード! 報い、災い、祟り、呪い… タブーを踏み越えた者に起きた酸鼻きわまる体験談を10名の怪談作家が記録 越えてはいけない境界線、アンタッチャブル怪談集 禁忌──踏み込んではいけないとわかっているのに踏み込んだ時、封じられた怪異が目を覚まし惨劇の幕が音もなく上がる。 ・過酷な移民労働者の呪詛「ハワイの犬神」(田辺青蛙) ・古物商が踏み込んだ恐ろしい場所とは「別棟」(神沼三平太) ・事故現場で大騒ぎした若者たちを襲う惨劇「そしてひとり」(西浦和也) ・孤独な叔母の世話をしに来た男性が遭遇した恐怖「ミツコさんの目玉」(川奈まり 子) ・トラックドライバーの父に降りかかった怪「ヒッチハイク」(丸山政也) ――ほか、牛抱せん夏、クダマツヒロシ、筆者、沫、司翠々稟など10名のベテラン&新進気鋭たちの最恐怪談を収録。 -
霊界声録 死路の家
日常を襲う心霊体験! その家の廊下はまっすぐあの世と繋がっている 購入した中古住宅で家族を襲う心霊現象―― その日から家に巣食う怪異との戦いが始まった! 表題作「死路の家」より 蒐集家・真白圭のもとにくる怪談は、どれもじわじわと纏わりついてくる。気づけば怪異同士が糸のように絡み合い、静かに読者へと忍び寄る。あなたもすでに、その怪異の縁の中──もう後戻りはできない。 ・事故に遭い容姿が変貌してしまった男の不思議な告白「替え魂」 ・先祖の土地に纏わる凄惨な因業とは「神様おもい」 ・実家の寺を継ぐというレールに反発していた息子、ある日…「とげぬき」 ・なぜか交際がうまくいかない女性、その男運がない驚愕の理由「緑のおばさん」 ・30年ローンを組んで買った中古物件、住みだした途端に起こり出す怪異と危険な顛末「死路の家」など41話収録。 -
現代怪談 地獄めぐり 廻忌
語りの名手 五色の恐怖 怪談ブームを牽引する5人の巧者が披露する異色の競作集 地獄の饗宴がはじまる… 動画配信やイベントで活躍中の怪談巧者が結集し秘蔵の怪奇譚を書き下ろす気鋭のアンソロジーシリーズが5年ぶりに甦る! ・お笑い芸人であり5代目怪談最恐位の称号を持つ伊山亮吉 ・兵庫県尼崎市にて怖い話を100円で買い取る怪談売買所を営む宇津呂鹿太郎 ・国内外でDJ活動を展開する傍ら怪談蒐集家としても活動する響洋平 ・怪談語りのパイオニアであり【中村一門会】の弟子たちを牽引するファンキー・中村 ・看護師として医療に携る傍ら医療現場で起きた不可解な怪異を蒐集する怪談看護師・宜月裕斗。 5年ぶりに回帰した怖い話のプロフェッショナル5名が綴る恐怖の数々に戦慄せよ! -
氷帝と猫かぶり后の寵愛契約 竜鱗宮入れ替わり譚
大陸の東方に位置する大国・竜珠(りゅうしゅ)国。 竜神の末裔である皇帝は后をひとりしか娶らず、番いとなった后を生涯深く愛するという――。 竜珠国の貴族の娘・璃璃(りり)は「可憐すぎる花」と評判の才媛だが、実は玉の輿をめざず猫かぶり姫。 念願叶って、新皇帝・星火(せいか)の后に選ばれることに。 皇帝を籠絡し寵愛を得ようと目論む璃璃だが、うつくしい容姿を持ち、有能だが冷淡な〈氷の君〉と噂される星火は、「俺は后との恋は御免だ」ときっぱりと告げてくる。 思わず璃璃も「金と権力以外、陛下にこれっぽっちも興味はない」と本音を暴露してしまい、2人は全く愛のない初夜を送ることに……。 だがその翌日――目を覚ますと、なぜか互いの体が入れ替わってしまっていた! それは夫婦の愛を尊ぶ竜神がかけた呪いで、真実の愛の口づけを交わさない限り、陽が出ている間は体が入れ替わってしまうという。 2人は、昼は入れ替わった身体でなんとか皇帝業・后業をこなしつつ、夜は呪いを解くために一刻も早く相手を自分に惚れさせようと奮闘する。 だが同時に、星火が皇帝であることをよろしく思わない勢力が暗躍して……? 相性最悪(!?)の皇帝と后の、恋と駆け引きの行方は。 中華風入れ替わり×王宮ラブファンタジー! -
『余命』n年
海辺の学校に転校した有明。彼女は神秘的な雰囲気の少年、ハルキと出会う。絵のモデルを通じ、距離を縮める二人。だが、彼らはまだ知らなかった。二人の間には途方もない距離が、永遠の隔たりがあることを。 -
シャーロック・ホームズの事件録 三つの鍵
19世紀、ロンドンを賑わす大魔術師の脱出マジックで殺人が―― ホームズ×ワトスン、3つの謎に挑む本格パスティーシュ! 1887年、大魔術師の公演に沸くロンドン。その魔術師のもとに切断された指が届き、心配した妻がベイカー街221Bを訪ねてきた。ホームズとワトスンが公演へ赴くと、巨大な水槽からの大脱出の最中ありえない事故が起きる。同じ頃、若い娘が忽然と姿を消し、腕をもぎとられた彼女の人形が川で発見される。さらにワトスンは亡き母が遺した鍵のかかった小箱を受け取り……。ホームズの新たな事件! -
アメリカとアメリカ人 未来のためのエッセイ
じっとしておらず、満足せず、求め続ける国民。 人種間の差別の構図、大統領への矛盾する感情―― 『怒りの葡萄』から『チャーリーとの旅』を経て見出したのは、 祖国への愛着と痛烈な洞察。 〈アメリカとは何か〉を探求し、その行く末を見据える スタインベック最晩年のエッセイ。 〈目次より〉 私自身のアメリカ――はじめに 1 多様の統一 2 逆説と夢 3 人民の政府 4 人種は平等に作られた 5 アメリカ属 6 幸福の追求 7 アメリカ人と国土 8 アメリカ人と世界 9 アメリカ人と未来 あともどりしないために――おわりに アメリカ論のエッセンス――訳者あとがき -
花も団子も
【電子版巻末にはうごんば先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 奈良の古びた和菓子屋『ことこと庵』を預かる新米和菓子職人の紺野旭(こんの・あさひ)には「天敵」がいる。 それはこの店の店主兼和菓子作りの師匠の有楽(ゆうらく)という妖(あやかし)だ。 店を放ってほっつき歩くこの天敵はたまに帰ってくると、弟子が必死で作った菓子を勝手に「面白い(が謎の)和菓子」に作り変えたりしては自由気ままに過ごしている。 古より伝わる和菓子を愛する人と妖。 彼らはぶつかり合いながらも店を訪れる悩めるお客さんの心を優しくほどいていく。 しかし、そんな二人には お互いが知らない、ある「秘密」があった。 -
アザラシと海の約束
日本中が癒された、あの「アザラシ幼稚園」が小説になった! すべてのアザラシ好きに読んでほしい、心に響く作品です。 ――ワッデン海世界遺産センター 幼いころに見た野生のアザラシに魅せられ、念願叶ってWEC(ワッデン海世界遺産センター)で働くことになったミア。しかし、著名な海洋生物学学者である父の期待に背き、研究者ではなく保護活動の道を選んだ彼女は、自分の働き方に自信が持てずにいた。そんなある日、母親とはぐれ衰弱したアザラシの赤ちゃんが保護される。ミアはこの小さなアザラシに希望の意味を込めて「キコ」という名前をつけた。それからほどなくして、1日数十人程度だったアザラシたちの動画配信に突然、数万人の視聴者が訪れる。遠い海の向こうの日本で火がつき、大勢の人たちがアザラシたちを見にきているというのだ。その様子に背中を押されたミアは、キコを海に返すために一念発起することを誓い―― -
絶対零度 情報犯罪緊急捜査
沢口靖子主演! フジテレビ系・月曜よる9時放送 ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』 待望の新章を完全ノベライズ化! 今度の敵は、“真犯人の正体が見えない”情報犯罪 新時代の刑事ドラマに、ページをめくる手が止まらない!! 高度化する情報犯罪に立ち向かうため、総理大臣と内閣官房副長官の直轄チームとして警視庁内の各課から精鋭が集められた「情報犯罪特命対策室(DICT)」。そこに生活安全課から配属された二宮奈美。地域密着型の捜査、目の前の人と向き合うことを信条に、姿の見えない「情報犯罪」と対峙していく。特殊詐欺やサイバーテロなど、高度に発達した情報技術を悪用した犯罪は、複雑に組織化され、逮捕されるのは末端の実行役ばかり。記憶力と観察眼を武器に、情報の断片を拾い集めていく奈美。なぜ彼女はDICTに選ばれたのか。やがてDICTがたどり着く国家存亡を脅かす危機とは……? 予測不能な、まったく新しい『絶対零度』の新シリーズが、幕を開ける――― -
マインド・エベレスト
エベレスト登頂に成功した写真家による絵日記 エベレスト登頂に成功した写真家による絵日記 「世界一の稜線をこの目で見たい」 40歳、仕事も家庭も不満はない。 ただ、エベレストへの憧れだけがどうしても消えなかった。 登頂を決意したその日から山頂アタック当日まで、溢れ出る感情とイメージを毎日ノートに綴った4か月間の絵日記。 「エベレストに登る。そして、必ず生きて帰ってくる」 資金集め、日々のトレーニング、家族への思い。 準備を尽くしても消えない不安、現場での予期せぬトラブル。 それでも見たい未知の景色。 毎日エベレストを描き続けることで浮かび上がってきた僕の心の中ーーMind Everest 【目次】 【著者】 関健作 1983年千葉県生まれ。順天堂大学在学中に中国側・ネパール側のエベレストベースキャンプを訪れ、ヒマラヤに魅了される。大学卒業後の2007年から3年間、ヒマラヤ山脈の国・ブータンで教員として勤務。2011年よりフォトグラファーとして活動を開始。ヒマラヤの国々を中心に撮影を続けている。 第13回「名取洋之助写真賞」、APAアワード2017文部科学大臣賞などを受賞。著作に『ブータンの笑顔 新米教師が、ブータンの子どもたちと過ごした3年間』などがある。 2024年5月13日、念願だったエベレストに登頂。 -
心の浮力
李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。 喪失と疎外、自責と愛などをテーマに、家族や介護、格差など同時代の社会問題を通して現代人の生を描く。 「言葉の届かない場所にあるはずの、人の心の複雑な薄闇に、李承雨は言葉で見事に光をあてる。精緻きわまりない八編。」――江國香織 「僕が感じてきたように、母も常に感じてきた、そうでなくてもいつか感じることになる深い後悔と罪悪感については思いが及ばなかった。喪失感と悲しみは時とともに和らぐが、後悔と罪悪感は時が経つほど濃くなることに、喪失感と悲しみはある出来事に対する自覚的な反応だが、後悔と罪悪感は自分の感情への無自覚な反応で、はるかにコントロールが難しいということに気づけなかった。」 母は僕を、もうこの世にいない兄の名前で呼ぶようになった。 夢を追い不器用に生きた兄と、堅実に歩む僕。兄弟と老いた母の愛の形を描いた李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。 【目次】 消火栓のバルブを回すと水が溢れた 空き家 心の浮力 電話に出る(出ない)べきだった 帰宅 声たち 水の上の眠り サイレンが鳴る時─剝製になった天才のために 作家の言葉 訳者あとがき 日本の読者のみなさんへ 【著者】 李承雨 1959 年生まれ、韓国全羅南道長興出身。1981 年、「エリュシクトーンの肖像」が「韓国文学」新人賞に選ばれデビュー。長編小説に『生の裏面』『植物たちの私生活』(ともに藤原書店)、中編小説に『真昼の視線』(岩波書店)、短編集に『香港パク』(講談社)などがある。大山文学賞、東仁文学賞、李箱文学賞など受賞多数。 平原奈央子 1980 年生まれ、福岡市出身。九州大学文学部史学科(朝鮮史学研究室)卒業。ソウルの梨花女子大学で語学研修、西江大学へ留学。 -
神様のリセット
ショートショートの小箱シリーズ第5弾! 怪しく面白い不可思議な世界、花咲町へようこそ! 珠玉のショートショートがラストにつながる39編 → 1編というハイブリッドな展開をご堪能あれ 舞台となる花咲町界隈は、怪しくも面白い不可思議な世界です。 随所に散りばめられた伏線と、まさかの結末をご堪能ください。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに 川柳合戦 丑の刻参り 欲張りなばあさま みんなの夢 心霊盛り 森の鍼灸院 夜のしらべ 自称宇宙人 茶屋の藁人形 手品少年 異星のターザン 口止め料込 三つ目の願い アリ仙人 流れ者の報酬 小さな英雄 オリク星 十左衛門の首 憑依生物 三つ目入道 なぞかけ町 あっぱれな忍者 首長族の商法 老舗ブラック軒 神の喫茶 昭和風小学校 長年の増築 返信王子 本物 骸骨星人 動物店員 パワーアップ 身体を張って 前世と来世は 不可思議な力 二人の先生 トリックプレー 伝説のオオカミ 神様のリセット 【著者】 目代雄一 高知県生まれ。学校勤務を経て、現在はショートショート作家。著書に『花咲町奇談』『開けてもいい玉手箱』『切手の贈り物』『森の美術館』などがあり、単行本とともに電子版も配信中。 -
ゲルニカの上にひまわりを描く
最大の悲劇は、悪人の残酷さではなく、善人の沈黙である 国家の弾圧、メディアの大罪、ネットの狂気……。 悲劇的な運命に翻弄される男が掴んだものは、救いか、さらなる混沌か。 交錯する運命。境界が消える善悪。やがて物語はこの世界の隠された真実に辿り着く。 鼓動が続く限り運命に抗え―― 国家の圧政により家族を失った男は、亡き父が残した暗号ファイルを手に、国家に無謀な闘いを挑む。次々と降りかかる理不尽に対抗するために、男が見出した最後の術は「物語の力」だった。物語で世界の有りようを書き換えようとする男が手にしたものは、祝福か呪いか……。残酷な現実に抵抗する人間の痛みと希望を描く物語のゆくえとは―― -
朧月
もう恋なんてするはずはないと思っていた――あの日、出逢うまでは。 一度はすれ違い、遠ざかった二人。再会の先に待つのは、後悔か希望か。 静けさの中に胸を打つ、大人のための恋の物語。 東京から地方都市へ単身赴任した50代の会社員・斎藤拓也は、新天地での仕事と生活に適応しようとする中、同僚の西澤レイ子と出会う。知的で誠実、気品を感じさせる彼女に対し、拓也は既婚者でありながら強く惹かれていく。互いに家庭がありながらも、仕事やランチ、何気ない会話を通して距離が縮まり、やがて淡い恋心が芽生える。禁断ともいえる感情と、それを昇華させようとする姿が丁寧に描かれる中年男女の情愛の物語。 -
ぼくたちん家 シナリオブック【電子特典付】
日本テレビ系2025年10月期日曜ドラマ「ぼくたちん家」 出演・及川光博・手越祐也・白鳥玉季 話題のドラマのシナリオブック 【電子書籍特典:期間限定で都内某所に掲出された玄一・索・ほたるの名言ポスター】画像 ※本特典は電子書籍の本文巻末に掲載しています。 脚本は本作がデビュー作となる期待の新星・松本優紀。 オリジナルストーリー全10話のシナリオを完全収録! さらに、本書でしか読めない<特集企画>を40ページ以上の大ボリュームで掲載。 ドラマの魅力を余すところなく味わえる、ファン必携の“超充実”シナリオブックです。 ●本書だけの特別企画● ☆ ぼくたちん家 メインキャスト・スペシャルトーク 及川光博、手越祐也、白鳥玉季 【特別対談】 松本優紀(脚本)×河野英裕(プロデューサー) 【インタビュー】 河野英裕(プロデューサー) ☆「索の婚姻届」掲載! ☆「玄一と索のパートナーシップ宣誓」掲載! ●ぼくたちん家● ひとりの心優しきゲイが恋をした。 恋の告白は、家を買う!? 彼らの前に現れたのは、訳ありトーヨコ中学生。 彼女のたくらみはーー 3000万円で、親を買う!? 社会の隅っこでつながる3人。 どうなる、ぼくたち!? 恋も人生も、ままならない。 それでも人は、誰かと関わってしまう。 社会のすみっこでつながった、3人の奇妙な生活。 笑って、泣いて、笑っちゃう、奇妙なホーム&ラブコメディ! -
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
三谷幸喜最新作のシナリオ完全版。 時代も、街も、人々も、情熱とエネルギーに満ち溢れていた1984年の東京・渋谷八分坂を舞台とした、フジテレビ系水10ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」のシナリオ本。 風営法改正の影響もあり、経営が立ち行かなくなったストリップ劇場「WS劇場」を芝居小屋として立て直すべく奮闘する演出家クベ。彼を中心に、クベシアターの劇団員、八分神社の神主と巫女、クベを翻弄する案内所のおばば、ワケあり?のジャズ喫茶マスターら、八分坂に生きる人々の物語。 全員演技経験ナシの劇団員が芝居に情熱を燃やす日は訪れる? クベは自らが理想とする舞台にたどり着くことができるのか? ■シナリオ全11話収録 ■菅田将暉ほか主要キャストへの緊急アンケート掲載 -
焔狼国の逆後宮 つがいの妃は空の玉座を守る
不死の呪いを持つ少女・麗娥(れいが)は、十八の時に故郷を敵国に焼かれるが、死ぬこともできず何十年も生きながらえている。 唯一の心の拠り所は、呪いを解いてくれるという「運命のつがい」の存在だけだった。 100年の時を生きた頃、遂に「運命のつがい」である楷翔(かいしょう)と出会う。 これで呪いが解けると喜ぶ麗娥だったが、期待とうらはらに楷翔は彼女を捕らえて王宮へ連れて行く。 どうやらこの国では長年まともな王が立たず、荒廃の一途をたどっていたのだが、占星術師が「不死の呪いを持つ少女が次の帝を指名すれば混乱は収まる」と予言したらしい。 王宮に着いた麗娥は、三人の皇子候補の中から帝を選べと迫られる。 当初は呪いを解くために楷翔を求める麗娥だったが、やがて国の惨状や皇子たちの事情を知り、国を救うために皇子たちの中から帝を選ぶか、自らのために王宮を逃げだして庶民である楷翔を選ぶか揺れ始める。一方で楷翔も徐々に麗娥に惹かれ、彼女の呪いを解く方法を独自に探し始めて……。 運命に翻弄される二人が選び取る、最善の道とは――。 -
人に学び、人に生かす。
Ai時代、人からの学びが人を、組織を育てる。 度肝を抜かされた星野仙一の愛、悔しさしか残らなかった名将・野村克也との出会い、指導者として学びを与えてくれた工藤公康、辻発彦……名将たち、松井稼頭央、浅村栄斗、柳田悠岐……名プレイヤーたち。実績を残せずとも心に残る多くの指導者、選手たちに学び、生かそうとしたこととは? 優しいだけでもダメ。叱るだけでもダメ。 どうすれば、指導者は選手を、組織を成長させることができるのか? 向き合い続けた平石洋介が綴るその作法は「平石洋介を作らない」。 39歳で東北楽天ゴールデンイーグルスの監督となった平石洋介。その後も、福岡ソフトバンクホークス、埼玉西武ライオンズのコーチとして請われてきた。 「年齢関係なく、意見ができる」 PL学園の先輩で楽天時代のチームメイト、その後はコーチと選手、さらにはヘッドコーチと監督というさまざまな関係性を築いた松井稼頭央は平石をそう評価する。 選手にも慕われた。「辞めないでください」行く先々でかけられた。 平石洋介が多くの選手、チームに信頼された理由。 それが「本気で人に、チームに向き合う」なかで「長所」「短所」を見つけ、必要なタイミングで伝える、ことに腐心したことだ。 なぜそれができたのか? プロ入りまで中学生で大分から大阪に渡るほどの心意気で野球に没頭し、プロ入り後は多くの失敗を経験して「人に学んできた」。そこから導き出された人生の在り方と、頼られるリーダーのあるべき態度。 -
金色の獏
江戸川乱歩や甲賀三郎と同時期に活躍した探偵小説家。サスペンスに富む作風は現代でも充分読み応えがある。探偵作家クラブ賞受賞のちに探偵作家クラブ会長を務める。骨董商の進藤老人の店に金持ちそうな紳士が訪れた。金色の獏の置物が欲しいと言うのだ。しかも高額で買いたいと言うので値段を吊り上げて売ってしまった。しかし翌朝紳士はもう一つ探しているとのこと、謎の美女も絡んできて、金色の獏の争奪戦が開始されたのであった。「金色の獏」。他に「危険なる姉妹」「蛍」を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
きみが忘れた世界のおわり
きみはあの事故で、わたしを忘れてしまった。 きみは描こうと決意する。事故で亡くした幼馴染――わたしの姿を。 第16回小説現代長編新人賞奨励賞受賞! いま注目の著者の一番泣けるデビュー作! 芸術を通して死者と向き合うといった普遍的な取り組みに、 死者視点の二人称と、さらにはSF的な趣向を加えた技巧的な意欲作。――宮内悠介 記憶喪失、アップデートされる幻覚、さらに夢を用いながら大切だった人を思い出していくという、とても凝った造りの作品で強く惹きつけられた。――薬丸岳 完成間近の卒業制作を酷評された蒼介は、事故で亡くした幼馴染・明音をテーマに絵を描き直そうと決意する。だが蒼介は、彼女にまつわる記憶を完全に失っていた。明音の情報を集めるうち、蒼介のイメージを投影した幻覚・アカネが現れる。固く蓋をした過去にたどり着くまでの、苦しくも力強い再生の物語。
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