小説 - 光文社作品一覧

  • サンセット刑事
    -
    奇観を誇る佐賀の『七ツ釜』で会社員・波多野仁の死体が発見された。かつては凄腕(すごうで)でならした末森刑事も捜査に加わる。現場に残された波多野の車から発見された6枚の写真……そこに写されていたのは、なんと末森の幼少時の恩人・菊池香織の一人娘・恵理子であった。著者のテーマである、「宿命のもつ恐ろしさ、奇怪さ」を集大成した、入魂の本格推理!
  • 桂離宮殺人旅情
    -
    新婚旅行で京都を訪れた新妻の夜里子(よりこ)が、桂離宮を見学した夜、謎の失踪を遂げた。唯一の手掛りは、彼女が残した一枚の紙片。夫・直道は、夜里子の親友・夏木梨香に異変を告げ、姉の香奈、さらには小早川警視正の協力を得る。やがて浮かんだ夜里子と伯父・中津原の不倫関係。だが、怪しいと睨んだ中津原が惨殺体で発見され、同じ場所からもうひとつ意外な死体が……。
  • 郷愁 サウダーデ
    -
    哀切なファドの調べが流れるポルトガル・リスボン。カメラマンの桑田は、南蛮屏風や螺鈿(らでん)細工などの撮影にやって来ていた。老いの入口に立つ彼の胸に去来するのは、あり得たかも知れないもう一つの人生。異国の地で思い惑う男の情感(表題作)。過ぎ去った時の重みを捨て去りかねて、最終幕への一歩手前でたたずむ男たち。そのうしろ姿を細やかに描く傑作短編集!
  • 林真紅郎(はやししんくろう)と五つの謎
    3.3
    林真紅郎、元法医学者。愛妻を事故で亡くしたのを契機に勤務先の大学を辞し、35歳の若さで「隠居」生活に入った。そんなある日、12歳の姪と行ったコンサートで事件は起きた。ステージ上のマジックで消えた女性が、トイレの個室で殴打された姿で発見される(「いちばん奥の個室」)。バラバラの謎が真紅郎の頭の中でシンクロするとき、一挙に〈事件〉は解決する! 本格推理の傑作。
  • 蚊取湖殺人事件
    3.1
    スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。被害者の首には包帯が!? 警察は二人を疑っているらしい。そこで彼女たちは身の潔白を証明するため、スキー場で知り合った男と協力して犯人捜しを始めるが……(表題作)。「謎解き」「奇術」そして「伝統職人もの」、バラエティに富んだ泡坂マジック、巧みの世界!
  • 砂時計
    3.0
    親友に“離婚した女と一緒になってくれ”と頼まれたら……? 二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻・波妙(はたえ)と奇妙な同居生活を始める。半月後、能勢は殺人容疑で逮捕された。波妙は「計画的犯行だった」と二見に告白。親友の確信犯的殺人の背後には何が……!?(表題作) 紋章上絵師、仕立職人、奇術師等々――奇才が仕掛けた綺羅星(きらぼし)の如く並んだトリック。哀歓漂う傑作選。
  • 夢の密室
    -
    来条美箱(らいじょうみはこ)は、就寝前に“カヴァハイ”という飲み物を飲んで不思議な夢をみた。ホテルの一室での密室殺人。しかも容疑者は、別れた夫・靖彦だった。彼の虚言癖が原因で別れたのだが、なぜか憎めない。靖彦が助けを求めてのテレパシーではないか、と感じた美箱は、謎解きを開始するが……(表題作)。鬼才が放つ、奇妙で不思議なファンタジック・ミステリー。
  • 王を探せ
    3.8
    だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?――その亀取二郎は、2年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐えきれず、彼は憎き強請(ゆすり)屋・木牟田(きむた)を撲殺する……。警察がつかんだのは、犯人が「亀取二郎」という名前であること。だが、東京都近郊だけで同姓同名が40名。やっと絞りだした数人は、みなアリバイをもつ、亀取二郎ばかり。鬼貫・丹那のコンビが捜査するなか、犯人は次なる兇行に及ぼうとしていた!
  • 死びとの座
    3.2
    一人めの被害者は、芸能人のミッキー中野こと秋葉原好一(よしかず)だった! 彼は東京・中野区の公園に置かれたベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた。──捜査陣は、つぎつぎに出現する容疑者に困惑する。スチュワーデス、フリーのルポライター、ライバルの同業者たち……動機を持つ人物が多すぎるのだ。鬼貫(おにつら)警部は北へ西へと奔走し、彼らのアリバイ工作を崩そうとするが……。
  • 武田勝頼の正室(つま)
    -
    天正五年、十四歳の咲姫は、甲斐の太守(たいしゅ)武田勝頼に輿(こし)入れした。織田・徳川連合軍に大敗した武田は、甲相同盟の強化を計る。だが、やがて咲姫の兄・北条氏政が、勝頼との同盟を反古(ほご)にし、織田と同盟を結んだ。木曾義昌の謀叛、さらには武田一門筆頭の穴山梅雪の逆心と、名門武田氏は滅びの道を辿るが……。悲運の武将・武田勝頼を敬愛し、殉じた女の生涯を活写!(『涙、らんかんたり』改題)
  • ストレスパワー~プレッシャーが飛躍のバネになる~
    -
    ストレスは攻撃的ストレスと、逃避的ストレスとに分けられる。その蓄積によって起こる病気も異なる。また、仕事などをバリバリと熟(こな)していくうえでは、攻撃的ストレスは大いに有効となる。作家で、生物学を教える著者が、独自の体験をもとに、人体をマルチ的、マクロ的、トータル的に眺め、解説する画期的ストレス解消の手引書。
  • あの道この道
    -
    江戸時代には早漏も不能も存在しなかった? 将軍は皆そうだったという腎虚(じんきょ)とは。なぜ「相模(さがみ)女は淫乱」か。性の禁忌(きんき)、縁起、呪術(じゅじゅつ)とは。間男(まおとこ)の日仏に見る扱い方の違いは。……など。現在の川柳(せんりゅう)ブーム、その原点とも言うべき古川柳のばれ句を、一流の女性観で艶(つや)やかに解釈する、吉行流ばれ句の密(ひそ)かな楽しみ方。
  • 殿様ごっこ~酒場「デルタ」物語~
    -
    女と男が本音と嘘で化かしあう夜の銀座。酒場「デルタ」では今夜も“銀座の恋の物語”がくりひろげられる。――「夜分、お邪魔しちゃって」と妙なあいさつで、二人のお伴を従え、店に入ってきた若い男。この財閥の御曹司(おんぞうし)が、アルバイトホステスを見初めて大人の女に仕立てたのだが……。夜の修羅場(しゅらば)を四分の一世紀生きぬいた著者が描く、粋(いき)で悲しい大人の恋……。
  • 男の戸籍
    -
    『私は男が大好きである。人間としても、恋人としても、友人としても、夫・つばめ・間男(まおとこ)・旦那―あらゆる立場の、あらゆる表情の男が好きなのである。とにかく男大好き、男バンザイ! この本は、女好きのあなたに捧げる、男好きの女からの、ちょっと長めの内緒話である』(あとがきより)直木賞作家が贈る傑作小説集!(『浮気人間絵図』改題)
  • 半ダースもの情事
    -
    「脱ぐぞ」男はいきおいよく裸になり、今度は私の顔の上に馬のりになった。あかい口紅のままの私の唇に、ぐいと無理やり──女の怨念、女の献身、女の悲嘆、女の愛憎、女の倒錯……。銀座のママ、作詞家など波乱の人生体験をもつ著者が、はじめて女の側から“男と女の本音の世界”を描いた、切れ味するどいロマン傑作集!
  • 北太平洋の壁
    -
    アメリカ、シアトルで四人の日本人が射殺され、顔面を砕(くだ)かれた。彼らは、純金に絡(から)む大がかりな詐欺事件を日本で引き起こした企業の幹部らしい。日米の合同捜査が難航する中、捜査協力を依頼された極東航空機長、酒巻も独自の調査を始める。浮かび上がった容疑者は、犯行当時ヨットで北太平洋上にいた! 驚愕の犯罪計画と、壮大なアリバイ崩しに挑戦する渾身(こんしん)作!
  • ママ堂々としているよ~母と娘のふれあい学~
    -
    「人生八十年時代を迎えて親子関係にも締切りがある、ということを見据え、あの子なら手放しても安心、といえる子どもに育てること。それを軸に据えさえすれば、あとは自分の生きてきた人生の体重をかけて、自分流に育てればいい」(文庫版のためのまえがき)。親としてあるべき姿とは何かを探る、実体験を中心とした子育て論。
  • 結婚ぎらい
    -
    「二度と結婚せえへんデ。僕はもう、結婚はコリゴリやがな」倉田は、つくづくそう思う。惨憺たる結婚生活を解消すると、心から幸せになれた。しかも、若い女の子からも急にもてはじめ、別れた妻に「ざま見さらせ」といい気になったが……。《究極には男のキライなのは、「女」じゃないか》と考える著者が、七つの“キライ”をキツーイ筆致で描いた連作小説集。
  • 嫌 妻 権
    -
    “嫌煙席”ならぬ“嫌妻席”に男が座ったら……。妻が嫌いで、かくし部屋を持つ夫。離婚した後も、前の女房と安らぐ男。ワルイ女の子とつき合いながら、かえってワルイほうがたすかると思っている男。などなど……。男は女房(ヨメハン)のいないところで、いつも活躍している!? 中年男の哀愁と切なさを、飄々(ひょうひょう)と謳いあげる新夫婦七景!
  • 善人は若死にをする
    3.0
    本書に収めた作品は、僕が十四歳から十七歳にかけて書いた小説だ。しかし、当時の僕が世の中に見い出した疑問点や矛盾点は、現在、解消されているかどうか? そう考えると、これらの作品は〔残念ながら〕ほとんど古びていないばかりか、むしろますます切実な内容とさえ思われてくるのである。〈著者のことば〉
  • 六十歳革命
    -
    現在、世間で通用している年齢感覚や価値観は、人の寿命が60歳までの時代のもの。今となっては過去の遺物だ。80歳時代の到来に合わせて、新しい価値観を見つけ確立しよう。本人が、「老いた」などと否定的な考えを持ったら、進歩発展は確実に止まる。──著者曰く自由業という純粋培養でいたからこそ見えてきた「人生六十代から」の論拠と、その生き方を示す注目の書。
  • 二重アリバイ三重奏
    -
    人気作家、哲村玲次郎の他殺体が発見された。捜査線上に、彼の恋敵である浅田利行が直ちに挙がった。独身の二人は、同一女性に結婚を申し込んでいた。浅田は捜査員に、被害者に対するあからさまな敵意を見せながらも、アリバイを証明。死後明らかになってきた哲村の身辺の謎、そして新たな参考人が……!? 複雑に絡(から)み合う人間の欲と業(ごう)、乱歩賞作家がトリッキーに描く!
  • 暴れ蛇~くりから女刑事~
    -
    元警視庁の巡査部長・桐原夕紀は二年前、暴力団「石神会」の男に婚約者を殺害された。白い肌一面に彫った刺青は、その彼が殺された当時、復讐を誓ったときに入れたものだった。彼女は事件を機に警察から退くが、ある日、仕事相手の夫婦が殺されたのを知り、再び美しい体を利用して事件を追いかけた……。男と女の人間模様を見事に描いた傑作サスペンス!
  • 弥彦・出雲崎殺人ライン
    -
    新潟県・出雲崎で「ヤヒコニイッテ ウラ」という言葉を遺し、女が殺された。取材で、現地を訪れていた編集者の笹谷美緒と、恋人・黒江壮は、その女を三度目撃。その後の調べで、被害者は、横領の疑いをかけられ、失踪中の銀行員・水原千秋だったことが判るが……。数日後、弥彦神社裏から被害者のイニシャル入りの指輪が見つかった! 最期の言葉の謎とは?
  • 主治医
    -
    首都医大の助教授・霧島透は、主任教授・川石倉雄の後継者と目されていた。しかし、突然、川石が薬物自殺で他界した。川石は肺炎を患っており、その治療の主治医は霧島であった。さらに、霧島の誤診が川石の自殺を招いたと、マスコミが騒ぎ立てスキャンダルに! 孤立を深める霧島を、名誉教授の大蔵が自らの主治医に指名するが――。医学界の“重大問題”を問う意欲作!
  • 医療事故
    3.0
    花城(はなしろ)病院で、看護婦・小美島裕子(こみじまゆうこ)の点滴ミスによる死亡事故が発生した。医者で弁護士の朝比奈博士(あさひなひろし)は、院長の花城一也に、和解調停の弁護を依頼される。だが、その裁判の最中に、被告の一人である裕子が失踪。博士は行方を追うが……。奥多摩で女性の焼死体が発見され、なぜか、手に点滴用の部品を握っていた! 現役医師の著者が医療現場の実態を鋭く抉(えぐ)る問題作!
  • 秘薬の処方箋
    -
    医者で弁護士の朝比奈博士(ひろし)は、様々な調査依頼を受ける。今回は、不能症(インポテンツ)の内服薬・プロスタートX(PX)を常用している柿山剛児の診察結果に関することだった。彼には、PX服用による異常血圧の疑いがあったが……。その柿山が車の中から死体で発見された! 事故死? 病死? それとも……!? 朝比奈の推理が冴える! 現役医師ならではの傑作医学推理!
  • 恐怖の万歩計~銀座紅色診療所~
    -
    妻から、ダイエットのため、1日1万歩を歩くようにと万歩計を渡された今立達三(いまだちたつぞう)だが、なかなか、そのノルマをこなすことができない。そこで、今立が考えた方法とは……? (「恐怖の万歩計」より)銀座七丁目にある紅色診療所を舞台におこる、ちょっとHな珍事件の数々。自らも現役の医師である著者が現場での体験もおりまぜ描いた診療所シリーズ!
  • 女医彩子の欲望クリニック
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    彩子は自分の患者の病名を「3H(スリーエイチ)―シンドローム」と名付けた。3Hとは何の略なのか。彩子は、ヘッド(頭)、ハート(心臓)、ヘモ(痔(じ))の略だと医局長に説明するが、本当の意味は……!? (「駆け込み病棟」より) 医療現場では時として、男と女の人間模様が浮きぼりになる。そこで働き成長していく若き女医の姿を描いた傑作4編。
  • 女医彩子のミステリー病棟
    -
    ゆうれい? まさか? 彩子の髪が逆立った。うわさだが、ここ六本木の診療所に幽霊が出るという。東京の大歓楽街のど真ん中では、どんな事件だって起こる。……しかし、こんなミステリアスな難問も、女医彩子の親身でけなげで理知的な診断の敵ではない。――人の生と死を直視する場所。そこで悩み、推理し、そして発見する若き女医の姿を描いた、心を動かす物語。
  • 誤診の壁~日系女性殺人事件~
    -
    医学博士で弁護士の朝比奈博士(あさひなひろし)、彼のもとへはさまざまな事件がもちこまれる。偶然目撃した若い女性の投身自殺で、この事件は開幕した。謎の糸をたぐるうちに朝比奈は、日系三世の女性の毒殺に遭遇。どうやら核心には、彼の母校P医大の医師たちも深くかかわっているらしい。――医師である著者が、最新の医療情報を解説しつつ描いた、朝比奈シリーズ第2弾!
  • 不倫判事~女裁判官物語~
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    京都地裁の裁判官・松宮亜紀子は、写真週刊誌やストーカー傍聴人に追われる美貌の持ち主。私生活では夫と別居、青年弁護士と不倫している……。そんな彼女が担当した大学教授殺害事件の公判が、意外な方向に展開した。提出された現場の遺留品が、すべて亜紀子の所持品だったのだ。次第に窮地に立たされる彼女の運命は……!?
  • 冬の奥嵯峨殺人事件
    -
    春待ち遠しい京都で首吊り事件発生! 老舗呉服屋「沢宗」の元常務・浜野修吉は、五千万円着服の発覚を苦に自殺したのか?……だが、暗号めいた検眼表(!?)のメモが遺留されているなど、状況には不審な点が多い。捜査陣は、「沢宗」の社長・沢村宗平を徹底マークするが……ここで第二の犠牲者が! ユニーク警部補・音川音次郎が名推理!
  • 悪夢の女相続人
    3.0
    三十五億円の遺産をめぐるトラブル!? 大手レストラン経営者・松岡宗太郎が殺された! 弁護士の日高は、殴られて気絶する直前、現場で犯人を見たといい、宗太郎の養子・信夫だったと断言。有罪ならば信夫に相続資格はなく、妻・香代子がすべてを受け継ぐが……赤かぶ検事は会心の妙手を放つ! 犯人、そして相続人は誰か? ドンデン返し鮮やかな法廷推理。
  • 信州 湯の町殺しの哀歌
    -
    二十億円もの大金を横領し、服役中だった矢部亨が脱走した。外に待たせた仲間の車で逃げるという計画的な手口だった。脱獄囚の行方が知れないなか、かみさんの春子と温泉旅行に出かけた赤かぶ検事。ところが、露天風呂に入って腰をぬかした。風呂に女の死体が浮かんでいたのだ! しかも現場の遺留品から矢部の指紋が……(表題作)。事件続出、赤かぶ検事困惑!?
  • 転勤みやげは死体付き
    -
    新任地・信州松本に降りた赤かぶ検事が見たものは、なんと強盗犯の捕り物だった! ところが、犯人・吉野秀昭は保釈金を払い、そのまま姿をくらました。転勤早々、難事件!?──そんなある日、赤かぶ検事のもとへ届いた引越し荷物のなかに、吉野の死体が発見された!(表題作)美貌の警部補・行天燎子ら、新たなキャラクターが登場、新展開をみせるシリーズ記念作!
  • カミュの客人
    -
    青山の表通りから少し入った閑静な住宅街に、カミュという小さなバーがある。入口に“Camus”というプレートのある店が、この小説の舞台である。カウンターのなかにいるマスターの秋月(あきづき)の目からみる“人間模様”は、あくまでクール。常連客とは一線を引く秋月だが、いつしか渦中に巻き込まれ……。バーの照明は、訪れる客を役者に変える。
  • 夢魔の標的
    -
    「犯人を捜し、呪い殺していただきたいのです」……表参道にある『明日見(あすみ)心霊研究所』。そこで魔女業を営む立花あすみのもとに初老の男がやってきた。彼の依頼は、惨殺された娘の敵(かたき)討ち。巨大な獣に食い千切られたような見るも無残な死体だった。魔女の能力を駆使し、調査を始めたあすみの前に美貌の青年が現われて……!? 過激に面白い、超迫力のハード・バイオレンス!
  • 円卓の七人
    -
    スイスのホテルで円卓を囲む謎の七人。国籍も人種もまちまちな彼らが謀るのは、日本のある企業の強制的乗っ取りだった。「株が買い占められている」依頼を受けた国際政経興信所の黒石は見えない敵の正体と狙いを追う。外人投資の実態とスイス銀行の内幕を、独自の情報で暴く、国際経済小説の力作。
  • ボランティア・スピリット
    3.3
    地方都市・K市の市民センターで開かれている外国人労働者向けの日本語教室。講師を務めるのは「ボランティア」の日本人たち。国籍も年齢も習慣も生活環境も異なる生徒や講師たちが集まるこの場所で起こる奇妙な事件。盗難疑惑、ストーカー、恋愛騒動――。善意・悪意・偏見・嫉妬・打算・甘え……。「普通の人々」の裡(うち)にある“本音”が生々しく映し出される傑作ミステリー。
  • 信州・高原列車殺人号
    -
    爽やかな信州の高原のプチホテルと、日本の鉄道最高の標高1375メートルを走る小海(こうみ)線を舞台に、繰り返される惨劇。2年前に起きた放火殺人事件の犯人がわからないまま、営業を再開したホテル。事件当日の宿泊者が招待された翌日、再び死体が!? 家族で居合わせたトラベルライター・瓜生慎は、またまた探偵役を押しつけられて……。好評! 鉄道ミステリー。
  • つぶやく骨…秋吉台殺人事件
    -
    警察庁嘱託警視・千々岩乱(ちじいわみだれ)は、嫁の雪子と共に、山口県・萩地方へと旅に出ていた。その旅先で、12体もの白骨死体が発見された! 現場は、秋吉台の鍾乳洞・秋芳洞(しゅうほうどう)にある通称「地獄穴」。穴の中に整然と並んだ遺体には、なんと幼い子供のものも含まれていた。集団自殺か? それとも大量殺人の跡なのか!? 背後に隠されていた血も凍る真相。戦慄の怪奇幻想ミステリー!
  • 海賊島
    -
    マラッカ海峡は、昔から、海賊が跋扈(ばっこ)していたが、近年、その略奪行為は、狂暴化、大規模化してきた。背後に黒幕組織があると睨んだJSA(日本の防諜組織)は、どんな状況でも冷静で、最も戦闘能力の高い、草薙丈二を送り込んだ。丈二は海賊ルートを探るため、寝返ったふりをして、海賊島に乗り込み、黒幕と対面するが、そこで待っていたものは!?
  • 灼熱海峡
    -
    日本のロケット開発技術者が誘拐された。犯人の要求に従い、日本の防諜(ぼうちょう)組織JSAの諜報員草薙丈二は、ダイヤモンドを持って、サイパンに飛ぶ。中国、台湾、インド、日本各国のミサイル開発への思惑とかけひき、諜報員同士の敵愾心(てきがいしん)と友情にも似た感情が交錯する。丈二に、新しく意外なパートナーが登場して、THE KILLER CROWシリーズますます好調!
  • 八つの顔を持つ男
    3.0
    都内の出版社に勤務する松本正幸、50歳。妻と一男一女のごく平凡な家庭を営む。――彼は田舎に住む年老いた両親の行く末を案じ、また浪人中の息子の進路で悩む父親でもある。そしてまた、地域住民との親睦を図りつつ、部下の女性と秘かに不倫を愉しむ顔も持つ。様々な「顔」を持つ男の実体は……? 「企業」「恋愛」「家族」小説としても味わえる奇妙な連作長編。
  • 復讐病棟~ピロリ菌殺人事件~
    -
    弁護士で医師の朝比奈博士(ひろし)は、P医大の戸川助教授のハンググライダー事故死に関する調査を依頼された。戸川は胃癌発生原因のピロリ菌の研究で注目され、次期教授第一候補だったが、教授選を巡り脅迫を受けていた。一方、戸川の死の翌日、同じ朝霧高原で看護婦の自殺死体が見つかった。二つの事件の関連を追う朝比奈。そして第三の事件が! 最新医学情報を駆使した傑作!
  • 思い通りの結末
    3.0
    短編の名手が厳選する、ショート・ショートばかりを集めた文庫オリジナル作品集。 最後の数行で読者をアッと言わせるミステリー、著者には数少ないSF、怪談、そしてあなたに挑戦する推理クイズ(解答付き)、と普通の短編とは発想段階から違いがあるという著者のショート・ショートワールド豪華決定版!
  • 埋めに行く女
    3.0
    夏、北海道、富良野のホテルのロビー。「元気に富良野してるの」若い女性が電話で話している。その富良野で、赤ちゃん9人殺しの事件が実際に起きた。作者が街の中でふと耳にした会話。そこから想像がふくらみ、一編の小説が生まれる。短編の名手が新境地を開く新スタイル・ミステリー、「街の中の声」シリーズ。
  • 知床 忍路殺人旅行
    -
    かつて鬼警部といわれた星月源吾(ほしづきげんご)は、定年退職後、札幌に居を構えた。ある日、東京での戦友会に出席するため源吾は、空港まで知人・沢村(さわむら)の車に同乗した。沢村は、7歳の孫娘・薫(かおる)とディズニーランドに行くという。ところが、薫が空港のトイレで何者かに誘拐される! 源吾は犯人の車を追い、飛び乗るが……。意表をつくトリックが冴える長編本格推理。
  • 二階堂警視 夜明けの殺意
    -
    1995年1月17日、払暁(ふつぎょう)。降って湧いたような天変地異の衝撃が神戸を直撃した。空前の大惨事に、兵庫県警の二階堂警視は、大熊刑事とともに、人命救助と盗犯防止に全力を傾ける。その最中、倒壊した家屋の中から、金融業者・金田中(きんたなか)マサルの刺殺体が発見された……。自らも“阪神大震災”の被害者である著者が、人名の尊さと、自然の脅威を活写。長編推理。
  • パンドラ’S ボックス
    3.4
    画壇の若き寵児(ちょうじ)が突然、不可解な焼身自殺を遂げた。その死に秘められた驚くべき秘密とは?(「仮面の遺書」)大阪府警に届いた殺人を告白する手紙。少女の死体を古墳の稜墓(りょうぼ)に埋めたというのだ。捜査は、専門家による発掘調査を終えてからと命じられた刑事は……(「踊る警官」)。大胆な着想と鮮やかな謎解き! デビュー作を含む初期短篇7作と、エッセイ7編を収録。
  • あの虹に、ティー・ショット
    4.0
    わたしはユウ、16歳。ハワイ生まれの日系5世。お爺ちゃんのおんぼろゴルフ練習場で働きながら、サーフィンをする毎日だ。ひょんなことからジュニアのゴルフ大会に出ることになったけど、あるのは錆びた3本のクラブだけ。伸びたTシャツにゴムゾウリ姿はちょっと浮いてるけど、腕には自信アリ。――雑草育ちの少女がゴルフ界に旋風を巻き起こす、痛快青春小説!
  • 君を探してノース・ショア
    -
    「ハワイの本当の良さをアピールするCFを作ってほしい」。流葉爽太郎(ながればそうたろう)のもとに州知事からの依頼が飛び込んだ。観光PRではなく、現地の人々の誇りになるようなCF――爽太郎の出した答えは意外なものだった。現地に飛んだ流葉は1人のロコ・ガールをスカウトする。希望、挫折、そして再起へ……。様々な人々の想いをのせて、いまキャンペーンは走り始める!
  • あのバラードが歌えない
    3.0
    雨の夜。流葉爽太郎は、怪しげな男たちに追われる少女を救う。流葉亭で働き始めた彼女には、つらく哀しい過去があった。ある日、ギターを手に歌い始めた少女。その孤独な魂の叫びが、流葉の胸に深く沁みていった。やがて通い始める心と心……。彼女を世界一のジーンズ・メーカーのCFに起用する流葉。しかし、背後には執拗な追っ手の姿が迫っていた――。
  • ビバリー・ヒルズで朝帰り
    -
    ロス・アンゼルス。午前3時過ぎ。ロデオ通り(ドライブ)。一軒のブティックのショー・ウインドウの中、一心にディスプレイをする日本人らしき女性がいる。その真剣な横顔が、流葉爽太郎(ながればそうたろう)の心に焼き付いた……。広告主(クライアント)は全米最大の製薬会社。ロスに飛んだ爽太郎を待っていたのは、仕事に夢と誇りを持つ3人の女性との出逢いだった。人気シリーズ!
  • たとえゴールが遠くても
    3.0
    「防犯用に開発された特殊ガラスのCFを作ってほしい」。そんな依頼に、流葉爽太郎(ながればそうたろう)は、なんと本職の泥棒を起用する! 数々のセキュリティ・システムを破ってきた「伝説の男」を求め、爽太郎はハワイへ。行く手をはばむギャングたちとの闘い。そして、ひたむきにサッカーに打ち込む少女との出会い……。陽光きらめくハワイで、かけがえのない夢が紡(つむ)がれてゆく。
  • サヨナラには早過ぎる
    -
    夏の湘南。夜のビーチハウス。1人の女性シンガーの歌声が、ジン・トニックのように爽太郎(そうたろう)の心にしみていく……そのときドラマは始まった! 30秒のCFに命をかける男、流葉(ながれば)爽太郎が久々にのり出した仕事は、ある巨大キャンペーン。チームはロスへ飛んだ! 胸しめつける追憶、未来への夢……さまざまな想いをのせ、ロケ隊のカメラが回り始める!
  • 愛は生きてるうちに
    2.0
    「昔の恋人を探すCFを作ってほしい」。流葉爽太郎の元に一風変わった仕事が飛び込んできた! 依頼主(クライアント)は大企業、匠(たくみ)金属の会長。終戦後すぐ、ふとした誤解から別れてしまった恋人に再会したいというのだ。ところが、妨害者たちが次々と現れて……半世紀の時を超え、恋人たちは再会できるのか? ますます快調! 帰ってきた流葉シリーズ!
  • 六本木バナナ・ボーイズ
    -
    涼太郎と岩田は生まれも育ちも六本木。幼なじみの悪友で、ナンパもケンカも、いつも、つるんでやってきた。涼(リョウ)はヌード専門のカメラマン。岩田(イワ)は代々続いた魚屋をシーフードカフェに改め、シェフに納まった。こんな二人が、出稼ぎ外人と関わりを持ったことから、物語は始まる……。
  • さよならは、カンパリ・ソーダ
    -
    キーンとよく冷えたトロピカルカクテルのようなラヴ・ストーリー。 たった30秒のコマーシャル・フィルムに命を賭けて来た著者ならではの軽快で簡潔な文章、そしてストーリー展開。しかし、そこにはちょっぴりホロ苦い、男と女の機微が滲み出ている。 日本初の横組み小説で話題を呼んだ、著者出世作。
  • 望湖荘の殺人
    3.0
    大型家電量販店の経営者・二宮大蔵に毒の塗られた剃刀と殺人予告の脅迫状が届いた。いったい誰が……? 大蔵は、ある人物の協力を得て容疑者を五人にしぼり、信州の山荘パーティーに招待した。目的は殺人者の抹殺!――大型台風が山荘を襲った夜、招待客が次々に死んでいく。生き残るのは誰だ!? 結末が最終ページまでわからない本格推理、堂々の登場!
  • 「白鳥」の殺人
    -
    新潟県親不知(おやしらず)で、河田光雄が特急「白鳥」に飛び込み、死亡! さらに、東京で彼の上司・横山修司係長の死体が発見された。不正の疑いで証券会社を解雇された光雄が、不正の黒幕と噂される横山を殺し、自殺を……? 光雄に求婚されていた石野亜矢子は、彼の兄・河田次郎とともに、事件の真相を探る旅に出た。特急に仕組まれた謎は解けるか? 衝撃の結末が!(『白鳥は虚空に叫ぶ』改題)
  • アメリカ村の黄昏
    -
    ガキの街、大阪・アメリカ村。そこに巣くう組織(チーマー)・クラッシュのメンバー、満(みつる)。だが、暴力に怯(おび)え、パシリ、かっ払いを請け負う日々だった。救いは満の全てを受け入れてくれるかおりだけ。ある日、リーダーの李(り)から、満は馴染みの古着屋での窃盗を命じられる。この窃盗の背後には、アメリカ村の利権を巡るどす黒い思惑が! 暴力、性愛、裏切り、逃亡……十代の生き様を鮮烈に描く!(『聖・少年』改題)
  • 血まみれの野獣
    -
    世界最速と謳われた天才二輪ライダー・鶴田敏夫の前途に翳りなど微塵もなかった。ところが、悪徳金融業者の罠に陥ちた両親が自殺する悲劇が! さらに敏夫は恋人と引き離され、レース界を追放される羽目に! 両親の墓前に再起と復讐を誓った敏夫。数年後、F1界の頂点に彼の姿があった! 復讐の結末は? 三億円事件のモデルと噂された衝撃作。
  • 走る密室
    3.0
    マンションの一室で若妻が絞殺体(こうさつたい)で発見された。被害者の夫自身が捕まえてきた容疑者は、なんと16歳の少年だった! しかも2人の共犯者がいて、自白もしているというのだ。少年の母親から依頼を受けた弁護士・朝日岳之助の前に、少年事件ゆえの厚い壁が立ちはだかる! 朝日は彼らの無実を証明できるのか? 少年法の矛盾(むじゅん)に真っ向から斬り込んだ渾身(こんしん)の法廷ミステリー!
  • ココロ・ファインダ
    3.9
    高校の写真部に在籍する4人の少女、ミラ、カオリ、秋穂、シズ。それぞれの目線=ファインダーで世界を覗く彼女たちには、心の奥に隠した悩みや葛藤があった。相手のファインダーから自分はどう見えるの? 写真には本当の姿が写るの?――繊細な思いに惑う彼女たちの前に、写真に纏わる4つの謎が現れる。謎を解くことで成長する少女たちの青春を、瑞々しく描く。
  • 紅き虚空の下で
    3.0
    時代小説作家として人気の高橋由太は、本格ミステリーでも驚くべき傑作を書き上げていた! オカルトマニアの少女が絞殺され、両手首を切り落とされた姿で発見された。奇想天外な設定とひねりの利いた展開、絶妙なユーモア感覚が光る表題作。人里離れた山奥に捨てられた少年を襲う残酷で哀しい運命を描く「兵隊カラス」。一読、忘れがたい強烈な印象を残す全4編。
  • ベストフレンズ
    3.3
    朝倉風香は追いつめられていた。病気退職からの不運続きで、今やホームレス同然の身だ。そんな時、深夜のファストフード店で、中学時代のいちばんの親友・河野桜と再会する。だが、それがさらなる悲劇の幕開けだった。桜が、はずみで人を死なせてしまったのだ! 女たちのあてなき逃避行が始まる。未来のない旅路の果てに二人を待ち受ける、衝撃の運命とは?
  • ろくでなし奮闘~淫邪教団を潰せ!~
    -
    味木法律事務所の調査員・通称“ろくでなし”こと三橋玄章は、テレビプロデューサーの北川から、新興宗教の調査を頼まれた。夜ごと、集団で淫靡な踊りを舞いながら、UFOを呼ぶというのだ。三橋は、偶然知り合った城之内千春がその霊能舞踊の会の会員だと知り、探りを入れる。が、彼女は忽然と消えてしまう。千春の行方は? 教団の真の目的とは!? 痛快悪党小説(ピカレスク・ロマン)!
  • 鬼 の 都
    -
    新宿で全身を六つに切断され、局部を切り取られた凄惨な死体が発見された。さらに横浜、秋川渓谷でも……人か、鬼か!? 犯行には筋弛緩剤が使われたらしい。警視庁捜査一課から中丘記文と検見保行刑事が所轄署応援に参加。だが、捜査中に検見が鬼に啖(くら)われ、中丘にも尾行者の一群が忍び寄る。復讐に燃える刑事と鬼との死闘を描いた、著者渾身のハード・バイオレンス!
  • 風と雲の街
    -
    元刑事・鳴神一介と風来坊の去来正成は、警察で手に余る事件を請け負う、「危機管理サービス」を始めた。最初の依頼は、突然失踪した人妻の捜索。その道すがら出会った超嗅能力犬・頑鉄。臭いを嗅覚でなく脳で嗅ぎとる頑鉄に導かれ、人妻の行方を追う二人は、旧日本帝国陸軍の極秘研究に突き当たった! 過去の恐るべき“闇の遺産”を描いた、驚愕のサスペンス!
  • 天使か女か
    -
    「それであたし、今夜はだれと寝るの?」──現在の恋人・杉山と、以前関係のあった今西。福井県東尋坊(とうじんぼう)の夜、則子(のりこ)は二人のうち、どちらを選ぶか迷っていた。(久しぶりだから、今夜は今西さんと楽しんでみたいわ)と思う則子を、杉山は許してくれるのだが……?〈「北国の夜」〉 惑いながらも、禁忌をこえる男と女。人間の葛藤を鮮やかに描きだす富島文学の珠玉集!
  • 南部殺し唄
    3.0
    御無沙汰いたしました。滝沢紅子でございます。わたしと友人の春江さん、岩手県の遠野を旅していま盛岡にいるんです。父の用事も兼ねて、物見遊山にやって来たのに、座敷わらしが出るっていう旧家の土蔵で、お婆さんが消えてしまったり、殺人事件が起こったりで、もう大変! でも犯人は私たちが探り当てなくっちゃ……。
  • 魔殺指鬼
    -
    1~3巻550円 (税込)
    「ああああああ、内部(なか)に、私の内部に蛇がああああ」……見よ、みるみる上気する白い女体の表面に次々と隆起が生じていく。指一本で相手を倒し、人間に取り憑いた魔性のものを“揉み出す”整体師二人。中年の男の名は蘭城(らんじょう)。相棒の美青年は猫馬(びょうま)。彼等は京都の資産家、葉月家の虫を揉み出しにかかるが、その背後には強力な妖術使いが!「指殺」を操る新ヒーロー登場!
  • 紅蜘蛛男爵
    5.0
    ご存知、揉め事処理屋(トラブル・シューター)・醍醐蘭馬。この美しき魔人にささやかれた女性は皆、恍惚の表情を浮かべ、烈女(ヒロイン)に変身する──。彼の前に立ちはだかる長年の宿敵は、紅蜘蛛男爵こと紅蓮田十馬(ぐれんだとうま)。奥秩父に建つ謎の洋館で繰り広げられる毒蜘蛛VS毒蜘蛛の凄絶な死闘(バトル)! さしもの蘭馬も絶体絶命の危機に陥る! 疾風怒濤の面白さ、傑作スーパー伝奇バイオレンス長編!
  • 聖杯魔団
    -
    最後の晩餐で用いられ磔刑後のキリストの血を受けたといわれる「聖杯」。妖気に充ちたその杯を求めて、永劫の時を漂う古代の騎士・ぺるしゅばる。その魔手に、“死なずの醍醐”の甥・蘭馬が挑む。近未来の東京に巻き起こる、「聖杯」をめぐる凄惨な闘いの行方は! 「聖杯」に秘められた謎の力とは何か? 美貌のもめ事処理屋(トラブル・シューター)が活躍する傑作伝奇バイオレンス!
  • 抗争~ごろつき~
    -
    有栖川組の若頭・砂田が、ヒットマンに狙われた。跡目相続を巡る抗争が勃発したのだ。一方、一度は極道の世界から抜け出したものの、悪の魅力が忘れられず、組に戻った瞳(あきら)と涼の前にまたもや事件が! だが、仲間を目の前で殺されたとき、二人の中で何かが弾けた! 熾烈な報復、リンチ! 二人の運命は? 現代ヤクザ社会に生きる若者をリアルに描く傑作異色長編第2弾!(『ごろつき 2 (抗争)』改題)
  • やすらいまつり
    3.8
    「やすらい花や――」春の京都に響く踊り子たちの掛け声、囃子(はやし)と笛の音。玉村修(たまむらおさむ)はかつて過ごした地にやって来た。決して拭(ぬぐ)えぬ罪の意識を抱えながら。残酷なほどに運命を変えた女に再会するとも知らず……(「やすらいまつり」)。京都の祭りの裏側で激しく燃えさかる欲望の炎。京女の情念と男女の愛憎を、艶やかに優美な筆致で描いた表題作含む6編の官能短編集。
  • 公安機動捜査官
    -
    新宿のデパートで発見された絞殺死体は、まるで人間生け花であった! 被害者の華道師範・羽鳥早苗は、なんと水盤の上に立ったまま殺されていたのだ。彼女が属していた睦月流は、過激な手段を用いて流派を急激に拡大していた。公安機動捜査隊は、直ちに捜査を開始。だが、再び美貌の師範が異様な死体となって発見された……!? 絶賛「捜査官」シリーズ。
  • オワスレモノ
    3.3
    人身事故のため、停車中の通勤電車内。男は網棚付近に漂う黒い靄(もや)のようなものを目撃する。他の誰も気づかないが、禍々(まがまが)しい気配を放つ何か……。やがてそれが男に向けて迫ってきたとき、彼を襲った身の毛もよだつ出来事とは?(表題作)実話怪談の名手でもある著者が描く、日常の隙間(すきま)から立ち現れる怪異の数々! 全8編を収録。
  • 口 唇 紋~北多摩署純情派シリーズ8~
    -
    東京・立川(たちかわ)の銀行で強盗事件が発生。犯人の女が現場のガラスドアに残した「口唇紋」を手がかりに、北多摩署刑事・相馬(そうま)が必死の捜査を続ける。一方、作家・釣部渓三郎(つるべけいざぶろう)が一夜を共にした未亡人・八重川小夜子(やえかわさよこ)の娘が誘拐された。犯人の要求は身代金4億円! 二つの事件が奇妙な繋がりを見せた先に、意外な真相が浮かび上がった……。
  • やっとかめ探偵団と鬼の栖
    3.3
    夜な夜な子供の泣き声が聞こえたアパートの一室から、親子3人の姿が消えた。名古屋のミス・マープルこと波川まつ尾(74歳)の駄菓子屋に集う婆ちゃんたちは、夜逃げだ、幼児虐待だと大騒ぎ。そんな時、山深い林道から母親の死体が発見された。「どえりゃーことだがね」まつ尾の指示で、ご近所情報収集に向かう婆ちゃんたち。やがて意外な真相が……(表題作)。
  • 餓鬼岳の殺意
    3.0
    恋人の上条アキが若い男と婚約、涙をこらえながら釣部渓三郎に別れを告げた。北アルプスの孤峰・餓鬼岳への“お別れ山行”を突然襲った猛吹雪――10日間のビバーク後、二人はピッケルを胸に突き刺された男の死体に出合ってしまう! さらに多摩川で、南八ガ岳で起こる新たな殺人……。釣部は、それらの事件を繋ぐ一本の線を鋭く見抜く! 迫真の本格山岳ミステリー!
  • 女特攻捜査官
    -
    激増する女性の凶悪犯罪に対処するため、警視庁は特別編成(スペシャルチーム)「女性特攻隊」を新設した。新宿で起きた殺人事件に早速乗り込んだ女性特攻隊は、女ならではの独自捜査で、事件に謎の外国人女性集団が絡んでいることを察知した。多人種都市・東京に潜む、甘く危険な罠が女刑事(デカ)たちに次々と牙を剥き始め……!? 魅惑的な女刑事たちの活躍を描く、“捜査官”シリーズの話題作。
  • 妖魔淫殿
    -
    「念法」の達人・工藤明彦は世界的な大財閥・竜王寺家に、ボディガードとして雇われる。 竜王寺家は呪われていた。館の地下に蠢く黒い魔獣、美亜としのぶ姉妹を襲う淫蛇……しかも魔道の力を借りた熾烈な権力抗争が繰り広げられていた。13人のガードマンが惨殺された夜、工藤はしのぶの胸に妖魔の刻印を見た! エロスとバイオレンス興奮傑作!
  • 特異犯罪捜査官
    -
    花嫁衣装(ブライダル・ドレス)をまとったNo1モデルが、毒草・とりかぶとで殺された。胎児を宿したまま……。彼女は服飾(ファッション)界の首領(ドン)の娘、小泉早苗。すぐに特異犯罪捜査本部が設置され、科学捜査研究所特捜部・西大寺次長も特別参加! ところが、早苗のライバル吉村織江も早苗の葬儀中に殺害された。西大寺が早苗の生前の足跡を辿ると、驚くべき秘密が……? 絶賛「捜査官」シリーズ。
  • 殺人現場へ二十八歩
    3.0
    28階のホテル『ハイライズ下町』が国際通りに華ばなしくオープンした。ロビーは従来と同じで、人間模様の縮図となった。掏摸も忍び込み、コールガールも現れる。果たせるかな開業早々、奇妙な事件が発生! ホテル専属探偵こと田辺素直元刑事の名推理が冴え、事件ごとに読者の期待を高めていく。浅草風俗も活写した名作!
  • 卑弥呼塚殺人事件
    -
    熊本菊水町に、ミス・卑弥呼コンテストの審査員としてやって来た日報旅行社の小尾久男と検死官・白川美津は、医師3人の連続殺人事件に巻きこまれた。事件の背景に浮かんだのは3人が取り組む人工妊娠の研究……。赤い曼珠沙華の花びらが、意外な犯人を割り出す! 大好評「ふるさとミステリー」シリーズ。
  • しなの千曲川殺人事件~さすらい署長・風間昭平~
    -
    組織的な外国人排斥運動を探るため、長野東署に赴任した風間昭平。その矢先、川中島の史跡公園近くで、ブラジル人カップルの他殺死体が見つかる。二人の足どりを追って上田(うえだ)に向かった風間は、ここでも殺人事件が起きていたことを知る。川を遡(さかのぼ)るように、風間は小諸(こもろ)で起きた過去の事件に辿り着くが……。長野、上田、小諸。千曲川が繋ぐ連続殺人に、風間が迫る!
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    3.7
    僕の名は有馬次郎。京都でも指折りの貧乏寺、大悲閣千光寺の寺男だ。怪盗と呼ばれた過去もあったが、縁あって慈悲深い住職に拾われ、表の世界の住人となった。厄介なのは、寺に奇妙な事件ばかりが持ち込まれること。持ち前の身軽さと裏の人脈を駆使、住職の智恵をお借りして、解決にひた走る毎日だ。京の風情と垂涎の料理の数々も楽しい、本格推理の傑作登場!
  • 失跡渓谷
    3.0
    東京・国立市のスナックのママが、店に血痕を残して失跡。その夜の最後の客は、なんと作家の釣部渓三郎(つるべけいざぶろう)だった! 重要参考人となった釣部は、ふりかかる火の粉を払うべく、彼女の複雑な男関係を洗い始める。近隣のスナックママ行方不明事件、新たに起きた殺害事件との関連は? 北多摩署の刑事、蟹沢(かにさわ)や相馬(そうま)とともに、釣部は絡み合う事件の糸を解きほぐせるのか?
  • 密殺源流
    -
    作家・釣部渓三郎(つるべけいざぶろう)は、八丈島行きの船中で、謎めいた美女・真木子と出逢う。京都で再会し、一夜を共にする二人――。その後、二人の周囲で殺人事件が続発する! 真木子の元夫が殺され、釣部が発見した釣り人の死体も彼女の知人のものだった。しかも、真木子には人には言えない暗い過去があった……。彼女を疑う蟹沢刑事と無実を信じる釣部。果たして真相は?
  • 放蕩記
    4.7
    私はなぜ小説を書くのか。お金のためである。――処女作が新人賞を取って売れまくり、使っても使ってもお金が入ってくる“ぼく”、海藤正夫(かいどうまさお)。昼も夜もなく、酒と女に溺れる放蕩の日々。それは果てしなく続くと思われたが、ある日金が底をつき、あっけなく終わる。どん底の中、小説家が見つけた真実とは? 各章ごとに文体が変貌する、佐藤正午のみに書きうる傑作。
  • 魔性熱帯
    5.0
    五井物産のバンコク支社長が誘拐された。犯人は、電話で北川雷三と名乗った! 自分の名をかたられた雷神こと元東京地検特捜検事・北川雷三は、支店長奪還に乗り出すが……。南沙(なんさ)諸島の石油開発をめぐるアジア各国の領有権争い、ポル・ポト派の影、そして、アンコール・ワットに隠された秘密とは!? 国際的スケールで描く力作。好評雷神シリーズ。
  • 金星ごっつあん 2
    -
    幕下で優勝を飾り、はやくも関取になった“瀬戸の怪童”田添茂雄の破竹の勢いは続く。が、場所中、“一晩に5回”もの情事をするほどの女好きがたたったのか、「女ごは勝負に負ける原因じゃけん」と珍しく反省する。その甲斐あって、“張って張って張りまくる”相撲でアッという間に勝利の街道を進んでいくのだが……!? 破天荒力士の痛快ドタバタ劇は今日も絶好調!
  • 色即(しきそく)ぜねれいしょん
    4.0
    09年夏公開、映画原作! 「僕」は仏教系男子校に通う高校一年生・「イヌ」こと乾純(いぬいじゅん)。彼女なし、もちろん童貞だ。ボブ・ディランに憧れ作曲に燃えてはいても、平凡で退屈な毎日――。「フリーセックスの島行かへん?」。そのひと言から、僕の夏休みはきらめき始める。友達二人とともに訪れた隠岐島(おきのしま)で、僕らを待っていたのは……。少年が成長する姿をコミカルに温かく描く、自伝的青春小説!
  • 美しい家
    3.6
    少女が神隠しに遭い、居るはずのない子供たちの笑い声が聞こえる……。「化け物屋敷」と噂される友人宅の古家(ふるや)に滞在した「私」は、いつしか「家が見せる夢」に憑(つ)かれていく――(表題作)。雨の夜、裏路地に蹲(うずくま)る影。それは雨粒が象(かたど)った朧気(おぼろげ)な女性の輪郭だった。妖しい美しさに惹(ひ)かれた男は……(「幻の女」)。怪異蒐集家としても名高い著者による、甘美な幻想譚7編。
  • 顔のない敵
    3.7
    1993年、カンボジア。NGOのスタッフが地雷除去作業をつづける荒れ地に、突然の爆発音が轟いた。立入禁止区域に、誰かが踏み入ったのだ。頭部を半分吹き飛ばされた無惨な死体。これは、純然たる事故なのか、それとも――。表題作のほか、本格の旗手・石持浅海の原点ともいうべき「対人地雷」ミステリー全6編と、処女作短編で編まれた第一短編集が待望の文庫化!
  • アイルランドの薔薇
    3.8
    南北アイルランドの統一を謳(うた)う武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で何者かに殺された! 宿泊客は8人――そこには正体不明の殺し屋が紛(まぎ)れ込んでいた。やはり犯人は殺し屋なのか? それとも……。宿泊客の一人、日本人科学者・フジの推理が、「隠されていた殺意」をあぶり出してゆく! 本格推理界に衝撃を走らせた期待の超新星の処女長編!
  • 王道の門~疾風編~
    -
    1~2巻550~770円 (税込)
    武道家たちが北海道を目指した明治の末期。宗近恭平もそのひとり。柔・剣術では食えない。名目は北海道開拓だが、目的は武芸を磨くこと。試合に継ぐ試合。鷹同士の死闘は勝っても復讐を招く。恭平は択捉に渡り、お竜の愛に戸惑った。芸か愛か。まだ驚異の護身術〃合気道〃の会得に気付かない彼は、乱世の覇道を模索する。

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