cookbookさんのレビュー一覧
レビュアー
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購入済み
網羅的な投資教科書
初心者向けということで株とは何か、チャートの読み方などの株式取引の基礎から具体的な米国株式取引にあたっての具体的な準備・情報収集・商品紹介までかなり網羅的に紹介されている。読者の投資歴によっては株式取引の基礎にあたる部分は不要と感じるかもしれない。類似書が端的に米国株式取引や投資信託・ETF取引のおすすめポイントや具体的な投資にあたっての提案にページを割いているのに比べて、網羅的で情報は多いがアクションにつなげるまでに各読者の熟考と判断が必要とされる。手っ取り早く米国株式取引を始めたい人にはまどろっこしいと感じるだろうが、投資が自己責任ということを踏まえるとある意味良心的かもしれない。
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購入済み
客観的な分析と経験の裏づけ
米国株への投資について、国としての成長余地、各セクターの景気との連動性、リスクの取り方や許容度などの観点から個人投資家へ客観的なアドバイスをしてくれている。債権や投資信託などを否定するわけではなく、それらの組み合わせも個人のリスク許容度に合わせて言及しているのも好感が持てる。時に煽り口調のネットスラングが使われているのを気にする読者もいるかもしれないが、著者が血の通った人間で実践したことを本音で語ってくれていると感じ、個人的には抵抗感もなく逆に気に入った。コロナや米中対立で若干の調整は必要なマーケットになっているかもしれないが、原理原則としては正しいと思われ今後の投資の参考にしたい。
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購入済み
世界情勢を線として理解する
新聞などのメディアで話題になった米中対立の各出来事については断片的な理解しかできていなかった。そこに本書がそれぞれの出来事の政治的経済的な意味やつながりを俯瞰的に解説してくれたことで、各国の意図や世界史的な流れを大きな絵として理解することができた。各国の規制や外交方針が今後の世界にどのような影響を与え、国としての日本やビジネスパーソンとしての日本人がどう行動すべきかを示唆する良書。著者が事実を積み上げて世界や各国の意図するところや今後の予測を淡々と語る口調も信頼感が持てる。情報鮮度も高く昨今の激動の世界情勢を整理して理解するのに非常に有用だった。
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購入済み
日韓問題の分かりやすいまとめ
2019年末に購入したものの積読状態になっていて、2020年6月になって拝読。執筆時点から韓国の大統領選挙が行われていること、新型コロナウィルスの発生などの事態の進展はあるものの、現時点でも問題が続いている徴用工問題や輸出管理問題などについての背景や分析解説は半年のタイミングの遅れを気にさせないクオリティの高さ。対談形式だと本によっては読みづらいこともあるが、本書については著者二人の掛け合いも無理がなく議論を広げたり深掘りしたりが自然で読みやすい。韓国の内政事情を優先した内向きな判断方針や韓国・日本両国のメディアの偏向などが現在の問題の核であり、日本としては戦略的に距離を置くべきという主張がさ
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購入済み
普通に良いタイムマネジメント本
タイムマネジメントについてのビジネス書としては普通に良い出来だと思う。著者の独自の経験則と読書や座学で学んだものを組み合わせて、彼のYoutuberとしての活動と数社の社長をこなすために活用しているマインドセットやノウハウを共有している。Youtubeビジネスにおける企業提携案件の獲得や相場事情についても若干ふれられており、このあたりに興味がある読者もいるとは思う。全体的に丁寧な口調でYoutube上の尖ったキャラクターとは反対の堅実な人柄が滲み出ているが、彼の徹底的なデータと戦略重視の姿勢とが相まって今の成功につながっているのだと感じた。ただ個人的には「ラファエルだから言えること」が前作ほど
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購入済み
現・元韓国人だから書ける内容
日本が好きで帰化したもしくはこれから帰化しようとしている韓国人による対談。日韓の歴史や政治の問題でこれまで論争になっている論点では特に目新しさはない。ただ、現/元韓国人だからこその韓国人のものの見方や精神構造についての机上の空論ではない実体験と当事者としての感情を伴う分析が面白い。韓国人が異なる価値観やモノサシを持っており、日本人からみて論理的にも倫理的にもおかしいことが彼らにとっては悪意なく彼らの正義になっていることを考えると、日本のこれまでのことを荒立てないアプローチは日本にも韓国にとってもすれ違いを助長するためよくないとよくわかった。両国ともに一般人レベルではお互いの国に対していただく親
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ネタバレ 購入済み
そりゃ売れるわけです
上弦の壱との闘いそのものもそれこそ息をつかさぬ速い展開でそれだけで少年漫画としては十分に面白い。ただこの漫画はそれだけではなく、敵の過去の回想でなぜ敵が鬼になるにいたったかをしっかり説明して敵にも読者が共感できるような話を織り込んでくる。プライドや嫉妬といったネガティブな感情と家族愛という温かい感情が入り混じる人間の複雑な感情をしっかり描くことで、上弦の壱も強いだけの幹部キャラとしてではなく人間味のあるキャラとして散り際には同情すら喚起する。とにかく何も考えずに読んでもよし、深読みして人間について思考するもよし、面白く深いとても良い漫画。
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ネタバレ 購入済み
嫌な奴が出てこない道漫画
主人公以外はなんだかんだで敵も味方も程度の差はあれサッカーエリートだが、基本的にみんな熱くて仲間思いのいい奴ばかりで読んでいて気持ちがよい。同じ試合の中でもいろいろなキャラがフィーチャーされて彼らの苦悩や想いが紹介されるのがお約束になっているが、この巻では特に君下が自分で決めていた限界を超える決意をしたこと、いつも喧嘩をしている大柴がこれまで口にしなかった君下を認める発言をしたところがお気に入り。この漫画は同じ巻で似たようなキャラクターの背負った物語をいくつもぶっこんでいるのだが、飽きずに素直に面白く読めるのが作者の力量か?高校サッカーが題材だが、子供から大人までが楽しめる王道作品。
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購入済み
静かな迫力のある漫画
漫画という表現手段で淡々と昭和天皇の物語をつづっている。絵も写実的でありながら見やすく、漫画ならではの過激な表現ではなくその画力によって繊細な目の動きや表情などで登場人物の心の機微を表しているのが秀逸。漫画にワンピースや鬼滅の刃のような興奮とカタルシスを求めるだけだとこの漫画の静的な表現は物足りないかもしれないが、小説と映画の中間媒体としてそれなりに分かりやすくそれでも読者に解釈をさせるような深みもある。内容としても天皇になるべくして生まれた昭和天皇の若き日の苦悩(表面上はほとんど見えないが)、周囲の従者たちの皇室への畏敬の念と対応、当時の国民の皇室との距離感など非常に興味深い。