あらすじ
日本に次から次へと無理難題を突きつける文在寅政権。ここに来て韓国内では、曹国法相任命をきっかけに「反日」よりも「反文在寅」の声が高まっていますが、そうなればなるほど、文在寅政権側は国民の目を国外へと逸らすために、さらなる「反日あおり運転」を仕掛けることが予想されます。そのとき、日本はどう対処すればよいのでしょうか?
韓国の経済および政治に明るい両著者の結論は、「日本はもう関わるな!」。なぜなら、米中対立下における今後のサプライチェーンの動向、日本の技術の優位性などを分析すれば、自ら「レッドチーム」に行こうとしている韓国は日米にとって不要になるからです。
そのとき、果たして韓国経済はもつでしょうか? 苦境に陥った韓国と北朝鮮との「平和経済」などあり得ないと悟ったとき、朝鮮半島は再び大激動を迎えます。
両著者のファクトをもとにした徹底討論、どうぞ、ご一読ください。
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日韓問題の分かりやすいまとめ
2019年末に購入したものの積読状態になっていて、2020年6月になって拝読。執筆時点から韓国の大統領選挙が行われていること、新型コロナウィルスの発生などの事態の進展はあるものの、現時点でも問題が続いている徴用工問題や輸出管理問題などについての背景や分析解説は半年のタイミングの遅れを気にさせないクオリティの高さ。対談形式だと本によっては読みづらいこともあるが、本書については著者二人の掛け合いも無理がなく議論を広げたり深掘りしたりが自然で読みやすい。韓国の内政事情を優先した内向きな判断方針や韓国・日本両国のメディアの偏向などが現在の問題の核であり、日本としては戦略的に距離を置くべきという主張がされている。本書一冊で主張すべてを鵜呑みにするのではなく他の書籍などでの継続的な確認は必要だが、少なくとも説得力のある説明が本書ではされており、日本のこれまでの外交姿勢は通用しないというのもある程度の真理を含むものと思う。
Posted by ブクログ
2019年9月の対談を元に出版された本。
さすがにGSOMIA破棄を数時間前に撤回することまでは予期できていないが、ああ、こうして韓国はレッドチーム入りしていくのだな、という現在進みつつある「歴史」について、二人が事実を淡々と積み上げ確認していく。
日経BPやデイリー新潮での鈴置高史さんの連載などを追っているような人間にとっては、新しい情報はあまりないかもしれない。
また、この本の主旨にも沿うが、韓国自体がどうなるかということは日本にとってはあまり重要ではないので、細かいところまで知っておく必要はなく、その意味でも韓国の今後については全体感を押さえるためにこの本を流し読みする程度で良い。
日本人・日本企業としては、中国・韓国がいなくなったサプライチェーンのなかでどう生きるかという判断が必要で、少なくとも米中貿易戦争が早く終わらないかな、とか、次の米大統領選では民主党の候補者が通ればいいな、とかいう願望とともに対中・対韓ビジネスを継続するようなことであってはならないのだろう。
自分のような投資家も、そこは肝に銘じてアロケーションをしなくては。