ブックライブの書店員おすすめレビュー

すべて のおすすめレビュー

  • ブックライブ書店員

    ゆるいおかっぱ頭がトレードマーク!人気イラストレーター・たかぎなおこさんのコミックエッセイが配信開始です。
    こちらの作品は身長150cmの著者が、
    ・日常生活でどんな不自由を経験しているのか。
    ・背が低い人は周りがどんな対応をしてくれると嬉しいのか、悲しいのか。
    ・どんな工夫をすれば素敵な150cmライフを過ごせるのか。
    などなどを紹介。背の低くない方にも発見と驚きがあります。「電車の網棚って意外と高い位置にあるのね~」などなど。
    身長150cm前後の方にはぜひ読んでほしい!特に本書はファッションに役立つ豆知識が豊富に書かれているので、共感と「なるほど~」が同時に押し寄せること間違いなしです。
    この本が良かったので、逆に身長の大きな男性をフィーチャーした「190cmライフ。」なんてのもあれば面白いのに!と思いました。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    どうおすすめしようか、非常に困る一作。なぜなら、極力ネタバレや先入観なしで読んでいただきたいから(「このマンガがすごい!2013」オンナ編第2位 などの冠も、ここではいったん忘れてほしい)。語りすぎるとつまらなくなってしまう。けどおすすめはしたい。このジレンマは書店員にとって苦しく嬉しい悩みでもあります。
    作者の穂積さんは、表題作「式の前日」がデビュー作だそうですが、16ページ―読書時間にして2分程度―という短さの中で、台詞と間(ま)で読み手を引き込む構成力が見事。
    表情のバリエーションやコマの使い方などがややパターン化しているため、今後に期待したいところですが、収録されている6本の短編のうち「式の前日」「あずさ2号で再会」は秀逸です。先に「どちらの作品も、読み終わった後でもう一度読み返したくなる。」とだけ、予告しておきます。私は職場で読んでいてうっかり涙ぐみそうに…。
    幸福な2分間の読書体験をどうぞ。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    稲村ヶ崎、佐助稲荷、江ノ電のホーム…読むたびに潮の匂いが蘇る。鎌倉・湘南も吉田秋生さんも大好きな私にとって、まさに俺得な作品です。
    29歳・22歳・19歳の姉妹と13歳の腹違いの“妹”が、父の死をきっかけに一緒に暮らすところから始まる物語。1995年発表の『ラヴァーズ・キス』と設定が一部リンクしているので、併せて読むのもおすすめです。
    エピソードのそれぞれが、誰もがいつか直面する人生のワンシーンです。死にゆく人との向き合い方、実らぬ恋の終わらせ方、抗えない現実を受け入れる方法…と並べると深刻なようですが、吉田先生のタッチと相まって読後感はとても清々しいです。
    モノローグの一つ一つが印象的で、中でも「死ぬために故郷へ帰ってきた人と 生きるために故郷を棄てようとする人 どちらもつらく悲しい」(2巻より)という一節は、ふるさとの意味を考えさせられます。それでも鎌倉は山も海もただ静かに在って、人々を見守り見送る街として描かれています。読めばきっと鎌倉を歩きたくなりますよ。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    物語の主人公・倫子は、瞳が紫色になる時、人間から豹へ変身する能力を持つ。一方、変身人間の存在を世間に知らしめるべく、生物教師・曽根原は倫子に人体実験を施そうとその身体を狙う。曽根原と倫子、そして倫子の血を引く娘、麻衣との親子二代にわたる攻防を描いた物語。
    何がすごいかって、このマンガ、残酷描写が徹底しています。優しくて良い人だと思っていた人物が裏切ったり、殺されたり…。何の前触れもなく起こる残酷なシーンには胸がえぐられます。しかもこの漫画、途中で主人公まで死ぬんです。ドラゴンボールじゃないですよ。これ、少女マンガですよ。徹底した容赦のなさですが、だからこそ真に迫る緊張感に、読んでいるこっちまで手に汗握ること間違いなし!恋愛などの人間関係だけを描いた少女マンガには飽きちゃった、という人にとてもおすすめです!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    最近、好みのタイプを聞かれて、「年上の人」と答える女性って多い気がしませんか?そんな私も年上がこのm(どうでもいい)
    だがしかし!!!!
    今回は一見、弟みたいにしか思えない(私は弟いないですが)年下男子の魅力にズームイン(´▽`)σ
    なにが魅力ってそりゃあもう【ギャップ】!普段は甘えんぼなのに、時折大人の男の顔をする。ワガママかと思えば、素直で笑顔が可愛くて……年下に振り回されるのも悪くないかもーヾ(*´▽`)ノミ☆イヤ~ン!可愛い可愛いアイツは、年下の男の子ぉ~♪
    この『世界はボクらのために!』の港くんはイチオシの年下男子!とーっても甘え上手でちょっぴり強引なのがイイ!可愛く「ダメ?」なんていわれた日にゃあ、「ううんいいよ(*´∀`*)」ってなっちゃうーーー!!!!走りだした妄想は止まらない!!!!ぜひ、年下男子に魅了されてみてください♪

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「人間は運命をかえることができる 豹にない知恵をもって… そしてきみは豹じゃあない そうだろ?」

    「バナナフィッシュ」という謎の言葉を巡るマフィアとストリートキッズの抗争が、国家の陰謀にまで発展していくという少女マンガらしからぬ骨太ストーリーと、アッシュと英二の絆がこの作品の魅力です。
    高いIQと身体能力、美貌を兼ね備えたアッシュ。容赦なく人を殺す冷徹さと年相応の無邪気さ…十代で二つの顔を持たざるを得なかったアッシュの生い立ちはかなりハードですが、彼の心を救うのは銃を持ったことさえない日本人の英二でした。
    第8巻にヘミングウェイの『キリマンジャロの雪』の豹の話が出てきます。“死”について考えたことがあるか、と問うアッシュに、英二は冒頭の台詞で答えます。ストリートキッズのボスであるアッシュに臆せず対等に向き合う英二だから言える、友への言葉。
    血腥い世界で見返りを求めない友情がいかに難しく、そして奇跡のようなことか。この作品を読み返す度に涙し、マンハッタンに思いを馳せています。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    百合は人生の潤滑油だ!
    ゆるくても、ゆるくなくてもいいんです!百合を探して3000里、ついに見つけたクリーンヒット百合マンガ♥純情なのに、ちょっと刺激的な展開もある!?私の一押し百合作品です♪
    主人公・千鶴ちゃんが、叶ちゃんという都会からきた美人ちゃんに恋しちゃう…という、割とありがちなお話ですが、この千鶴ちゃんが、んもぅ、可愛い!!!
    叶ちゃんが好きで、近づきたくて、でも近づくと上手く喋れない…。マンガで自信がなくてモジモジしている子をみると、「ええい、じれったい( ̄σ‐ ̄)!!」と思うけれど、百合ものの中で、自信がない女の子はなぜか可愛くてたまらないo(`ω´*)o♪これからの時代は百合ですよね♥

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    私事ですが、今月から3ヶ月連続で3人の友人が子供を産むので、その前祝い(?)的に手に取ってみました。
    「男性も妊娠して子供を産む世界」という設定は突飛ですが、妊娠して初めて分かる「満員電車が怖い」という感情など、物理的にも心情的にもまだまだNOTバリアフリーな現実社会の実態が「妊夫」の目線で描かれていて、改めて気づかされる部分も。オムニバス形式のストーリーの中には、高校生の妊娠や不妊のことなども描かれていますが、全体的に重くならず、説教臭くもなくてポジティブに読めるので、男性にもおすすめしたいです。
    「男の出産に対する世間の風当たりの強さ」はあくまでフィクションですが、「男の出産」の部分をマイノリティーな「何か」に置き換えると、男女ともに共感できる人は多いはず。
    主人公から妊娠をカミングアウトされて、「ホントにあたしの子なの?」と第一声で疑ってしまう相手の女性の反応に、思わず笑ってしまいました。実は女性の方が「そうなった」時に疑り深いのかも!?

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    ぴかぴかぴかりん じゃんけんぽん!
    女児アニメと侮ることなかれ、友情・努力・愛・アクションにウルトラハッピー!
    健気な主人公たちに、大人でもハッとさせられる瞬間がプリキュアにはあります。TVアニメ放送中は「どうせ今週も泣かされるんだろ」と身構えながら観てもやっぱり毎週泣かされていましたよ…。
    今回ご紹介している本の元となる映画も、もちろん女児にまざって観てきました♪
    主人公の前に現れる謎の少女は恨みを持っていて、世界から笑顔をなくそうと画策してきます。笑顔や友情で過去を乗り越え敵を倒す主人公たち…内容はシンプルなのですが、シンプルだからこそパワフルに少女たちの思いが…!と、案の定泣かされてきたわけですが、コミカライズされた本書を読むと感動が蘇りますね。ちなみに今なら8/31まで、プリキュアのアニメコミック全シリーズが半額です★
    プリキュアを観た方はもちろん、観ていない方にもおすすめしたい。王道女児アニメに真理あり!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「がんばれば いつか 好きになってくれるって」
    高校に入学し、クラブ活動に胸を躍らせる主人公・都築(つづき)りかの前に現れたのは、3年生の美野原先輩だった。みの先輩に一目ぼれしたりかは、先輩が部長を務める現代文化調査研究部に入部。先輩のいる部室、先輩と過ごす夏休み…嬉しいことはたくさんあるけれど先輩の心にいるのは――。
    りかも先輩もむくわれない恋をしていて、だからこそ胸がキュンとするのと同時に、キューンと切なくなるんです。りかが先輩の「彼女」に平手打ちをする場面があるのですが、そんな行動にすら共感してしまい、ついつい読み入ってしまいます。全2巻という比較的短めのお話ですが、読み終えた後の余韻と満足度はまさに五つ星。りかの「願わくば 甘い恋」は、最後にはどうなるのでしょうか。
    青春時代を思い出させてくれる、恋をしたくなる、そんな温かいお話です。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    超お金持ち高校生6人組、その名も「有閑倶楽部」。日本屈指の財閥令嬢、大病院の御曹司、文化人一家に生まれたお嬢様、警視総監の一人息子、宝石商の令嬢、駐日スウェーデン大使の子息。聞くだけでぎょっとするような肩書きの令息・令嬢が、いく先々で騒動を巻き起こします!個性がどぎつい6人組が幸か不幸か事件に首をつっこみ、はちゃめちゃに暴れ回っていつの間にか解決していくのが爽快!気分が落ち込んだ時に読むと、とにかくすっきりします。
    私が一番好きなキャラクターは、深窓のお嬢様・白鹿野梨子。いかにもな「ですわ」口調に憧れて、姉と一緒にお嬢様ごっこをした幼いあの頃はいい思い出…。野梨子の初恋を描いたラブストーリーの回は必見です☆(ちなみに第10巻収録)コメディーがメインでありながら、アクション、ホラー、さらにラブストーリーもある大満足の少女マンガは『有閑倶楽部』だけ!

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    表紙に描かれているのは何とも可愛らしい女の子、名前は「絆」。
    そんな彼女に惚れてしまった主人公「槙」くんですが、偶然にも同じクラス(定番ですな)になった絆の口から衝撃的な一言が!!!
    「こう見えても男です」
    こんな驚愕の事実が開始5ページ目で語られる恐ろしいマンガ、『プラナス・ガール』。
    世の男の娘好きの同志たちがこぞって手に取り、あれよあれよと人気が出たという、ニッチなマンガにしては異例の出世作。
    あなたもぜひぜひ、新しい扉を開けてみませんか?

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「君の話きいてると眠くなるね」
    主人公のハムスター・ハム子の強烈な毒づきがクセになる♪今オススメの新作ですヾ(≧ω≦)ノ

    とにかくこのマンガ、ゆる~いんです!
    例えば、出てくるウサギさんのキャラクターの紹介がざっくりで、「性格が悪いウサギ」という紹介!わ、わりと酷い(笑)
    でも・・・嫌いじゃないぜ そういうの( ´ー)ノ

    ちなみに、このハム子の作者はなんと18歳新人ちゃん!
    若い!若いぞ!!平成何年になるんかいな!
    とかいう私も18歳 (〃ω〃)きゅるん♪ と、プラス××ヶ月!(@ ̄_ ̄)…。

    ともあれ、クレイジーでキュートなハムスターに中毒者多数!?
    読むと癒されるかもしれないかも!私はゆるーく癒されましたよ、オススメです☆゚。・.。 ヽ(o'ω'o)ノ・゚・☆

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    アサダニッキさんは個人的に猛プッシュ中の漫画家です。島根出身で、登場人物の名前がすべて島根の地名という、郷土愛に溢れた方でもあります。そんな島根を舞台にした『ナビガトリア』もおすすめですが、今回はこの『青春しょんぼりクラブ』をご紹介!

    好きになった男子が100%目の前で彼女を作るという“当て馬体質”な主人公「にま」と、女装男子な隠岐島先輩・イケメンだけどアニオタな簸川先輩・他人の恋愛を観察する依ちゃんという、少々残念要素が漂うメンツを中心に、それぞれの恋を見守ったり奮闘したりと「3歩進んで2歩下がる」的展開を繰り広げます。そのやきもき具合がもどかしく残念で、でも可愛い!恋愛そのものより、友情に対してホロリとさせられる場面も多いです。

    大笑いではなく、ちょっとクスッとしてしまうギャグの畳み掛け方や、悪だくみをする生徒も結局はいい子!という設定は、作者があるインタビューで「三谷幸喜作品の影響」と話していた通り、彼の脚本を彷彿とさせる独特のリズムがあり、一度ハマると病みつきに!普段少女マンガを読まない男性にもおすすめです。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    表紙から高校野球の話かと思いきや、高校野球を応援する吹奏楽部女子のお話。
    このヒロイン、精鋭だらけの名門ブラバン部に初心者で入部しちゃうのですが、マンガによくある「眠っていた才能が開花して大活躍!」みたいのはありません。下手だけど、とにかく地道に、苦しくっても悲しくっても毎日練習。才能ないから辞めろと言われて泣きべそをかいても、クラスメイトの野球少年と励まし合いながら頑張る姿がケナゲ。

    1年先輩ってだけでこういうエラそうな先輩いたわーとかいう小さな懐かしさから、年齢を重ねたからわかる顧問の先生目線の葛藤や悔しさまで、いろんな思いを感じながら読みました。
    主役が華々しく活躍する話ではないし、奇跡が起きたりもしないけど、だから余計に自分の昔に重ね合わせて、頑張れと思いながら読み進めてしまうんでしょうね。
    部活少年少女だったオトナにぜひオススメです。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    苦労してやっと転職したOL麻衣が、イケメンエリート社員・加藤さんに告白されたけれど、会社は社内恋愛禁止!
    社内ではワンマンで他人に厳しいことから「エース」と揶揄される加藤さんが麻衣にだけ見せる素顔にどんどん惹かれ、次第に両想いになるが、2人に新たな試練が降りかかる!

    加藤さん、本当にかっこいいです。ストイックで、言い方は悪いけれど他人には優しい人で。
    イケメンでこんなに出来た人がいれば、そりゃあ好きになっちゃいます!
    ヒミツの恋って大変だけど、その分ドキドキしそうですよね!
    作中でライバルキャラが数人現れるんですけど、どこか嫌いになれない魅力満載のキャラクター達です。
    社内恋愛っていいことばかりじゃないと思うんですけど、この作品を読んでいるとこんな恋愛してみたいなって思わせてくれる作品です☆

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    「社会人になったらこんな恋愛したいわ―」と期待に胸躍らせた、若き頃の社内恋愛へのあくなき妄想(私だけでしょうか)が、なんとマンガで読めてしまいます!

    ホテルに勤めるOL沙耶が配属先の広報部で告白されたのは、同じ部署で上司のエリート社員柘植。何事にも動じないクールな柘植に、恋愛初心者沙耶が<柘植さんの気持ちがわからない!> ⇒ <やっぱり幸せ!>というエピソードを繰り返しながら愛を深めていくという、なんとも初々しくほほえましい展開となっています。

    かつて年上上司との社内恋愛に憧れた誰もが…なんということでしょう!1巻を読み終わる頃には沙耶を自分に置き換えて、柘植さんとの恋愛にどっぷりはまっているではありませんか!あーこの妄想が醒めなかったらいいのに!読み終わると誰かに甘えたくなりますよ。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    こんな症状や経験に心当たりはありませんか?

    ・職場(もしくは学校)で男性同士がじゃれあっている姿を見ると動悸息切れめまいがする
    ・それらの男性を遠目で見ながら、「A×B」か「B×A」かで友達とケンカしたことがある

    そんな末期のあなたに処方したい一作。
    My嫁(アニメキャラ)が死んだショックで激やせし、「いやいや、ねーよww」というくらい瞳パッチリの美少女になった腐女子の主人公が4人のイケメンに迫られるという、「実はオタク」「○○したら実は美人」「逆ハーレム」という、あらゆるテンプレをこねこねしたら新しいラブコメできちゃった★というお話です。毛利元就の3本の矢もびっくりの束ね具合ですが、気を抜くとすぐにイケメンで攻×受 変換してしまうヒロインが残念ながらも可愛いです。

    作者のぢゅんこ先生は元々BL漫画家なので、「腐女子あるある」や、ちょいちょい入ってくる名作マンガの名言は、┌(┌ ^o^)┐な諸氏ならニヤニヤ必至。
    ちなみに、うちの職場にもヒロイン的思想の人がいます。毎日楽しそうで何よりです。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    いくら追い求めても、美への欲望には果てがない。私達は美しくなりたいというだけでなく「美しいものを見ていたい」という欲望も併せ持っている。
    主人公のりりこもその一人。大人気モデルの彼女の身体はほとんどが無理な全身整形によるものだった。やがて整形の副作用により精神を蝕まれたりりこを中心に、美に憑かれた人々は大きな事件を巻き起こす。
    ストーリーだけでなく、各所にちらばる幻想的な隠喩も見所だ。例えばりりこの夢の中に、現実世界でりりこを追う麻田検事が登場し「ぼくときみは前世である神父の同じ帽子の羽だった」と声をかける。そしてラスト、麻田は空から降った鳥の羽を見上げて手をかざす。これは2人がまた再び出会う運命にあることの暗示である(と勝手に解釈している)。
    『ヘルタースケルター』は未完だが、「未完の完成作」でもある。この世に美への欲望が溢れる限り、物語は続くだろう。

    2022年07月20日
  • ブックライブ書店員

    私は涙が止まらない…この『アロエッテの歌』は、今はなき漫画雑誌『ホラーM』のかつての連載作品だ。『ホラーM』といえば『ゾンビ屋れい子』『ミスミソウ』をはじめ、エロとグロとホラーとエンターテイメントが詰まった最恐にして最高の雑誌だった…懐かしい!
    作者は『口裂け女伝説』や『不思議のたたりちゃん』など、超恐怖漫画を世に輩出した大作家、犬木加奈子。しかし本作は「ああ、無情」を原作とした非ホラー漫画である。
    登場人物の飛び出た目玉やカケアミだらけの暗い背景はまさにホラーの絵柄だが、読み進めるうちに「ああ、無情」の世界観とその独特の歪んだ絵柄が不思議な調和を生んでいることに気付く。目玉の飛び出たコゼートもかわいく見える。不思議。
    そもそも『アロエッテの歌』は紙で絶版の本である。まず電子で読める感動に一度泣き、読めば中身の感動で二度泣けるというおトクさも魅力。

    2022年07月20日