【感想・ネタバレ】ハチ公の最後の恋人のレビュー

あらすじ

霊能者の祖母が遺した予言通りに、インドから来た青年「ハチ」と巡り会った私は、彼の「最後の恋人」になった……。運命に導かれて出会い、別れの予感のなかで過ごす二人だけの時間――約束された至高の恋。求め合う魂の邂逅を描く奇跡の物語。[写真・若木信吾]

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「好きな小説は?」と聞かれたら真っ先に思い浮かぶのが、この本。初めて読んだのは10年以上も前なのに、何度読み返しても引き込まれてしまいます。
高校生のマオと、やがて遠い地へ旅立ってしまうハチ。おばあちゃんの予言通り、やっと出会えたのに、別れの日は刻々と近づいて…お互いを好きなまま、もう一生会えなくなってしまう二人。あまりに辛すぎる展開ですが、最後の日まで恋人としっかり向き合い、全身で別れを受け止める主人公の姿はとても美しく、鮮烈な印象を残します。
恋愛中の人には、愛する人が側にいる幸せを。失恋した人には前を向いて歩く勇気を与えてくれる、そんな力強い小説です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人と人が出会う時、後から思えば、ほとんどが期限付き。別れは付きものだけど、だからこそ別れの悲しみにどっぷり浸るだけに終わらないで、それをエネルギーにして前に進む、どこまでも現実を生きていこうという力を与えてくれる。スペリチュアルな雰囲気や宗教観の中に、あくまで厳しい現実を受け入れて、抱きしめて、自分の足で力強く生きていこうとが感じられる。

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2024年04月30日

Posted by ブクログ

食べたいものを食べて、
眠りたいだけ眠って、
ふたりの時間をたっぷり味わって、
特別幸せって顔で毎日過ごしたい。

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2022年01月16日

購入済み

お互いに終わりがある事を分かっている期限付きの恋。楽しいと切ないが混ざり合う。でもだからこそ一瞬一瞬を大切に愛おしく過ごせたのかな。大好きなラブストーリーです。

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2025年03月26日

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何年かぶりに再読
ほんとにほんとーに大好きな本
どっかに行っちゃった初版の単行本サイズをコレクションとして探してる!!

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2020年12月05日

Posted by ブクログ

大好きな本です。
若い頃に読んだ時は、ヒリヒリした乾いた気持ちになりました。
ふたりが離れるしかないなんて信じ難く、悲しくてやるせなくて、先が見えなくて。たくさん泣きました。
多分、その頃好きだった人のことを重ねてたんだと思います。
一生会えないのは苦しいけど、どこかで生きてくれてるならいいなぁ、とか。
30も半ばになって読んだら、「若さだなぁ〜」となんだか羨ましく思い、ふたりがとても愛おしかった。。。
そして、若い頃のわたしはまおちゃんと全然違って、相手に依存したり、自分の思いを優先させたり、身勝手な恋愛してたなぁと恥ずかしく思ったりしたのでした。

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2020年03月03日

Posted by ブクログ

宝物の一冊。
大好きな人を思う心にとても共感。
マオちゃんの目線とか。。
周りの人との関係、環境、、それをどう捉えてるか。
いい言葉がたくさん。。
心が震えました。
泣ける。。。
自分の琴線に触れまくった。
私も似たようなこと考えるなと思いました。
あと、もっと自分の気持ちに真摯に向き合いたいと思いました。

最後の描写は、私も新宿の大通りで似たような事を思った事があり、状況がかさなりました。
お母さんとあーなったことも。変わるんだ…、、という気持ちも。。。
私の中で、ハチは私の親友に似てます。私は親友と出会えた時に初めて心許せる人が出来たと思いました。世界が鮮やかになった。時間が美しくなった。楽しくなった。生きるのって悪くないなって思えた。真の友達ってこんなにこんなに良いんだって思いました。

色んな事がすごい。
この本に出会えてよかった。。

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2016年06月29日

Posted by ブクログ

運命に導かれて出会い、
別れの予感の中で過ごす二人だけの時間
求めあう魂の邂逅を描く愛の物語
(作品紹介より)

正直言うと、思っていた以上に名作
上の文章はあまりにもアウトラインすぎる

宗教っていうきわどい題材をさらっと内包する
独特な文章の書き方や表現はやっぱりこの人ならでは

非日常の世界なんだけど、共感できる部分がいくつもあったり、
どの登場人物もどこか愛おしく思えてしまうあたりが
吉本作品の魅力なんだと思う

思い出の匂いで窒息して死にたい、とか
とにかく名言が多すぎる・・・

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2016年02月06日

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終わりがみえてる恋だからこそみえるものがあるんだね。タイミングが合わないからこそ気が合うんだね。2人の恋は違う形で続いていくんだね。なんだかちょっぴり切なくなったけど読んでよかった。

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2015年06月03日

Posted by ブクログ

私の1番の本。

何かが噛み合ったときに読むと大号泣する。そんなこともなくさらーっと読める時もある。

名作。
言葉が過不足なくて、美しい。
名言がたくさん。

ハチ公との荒削りなとろける日々。
マオちゃんの絵を描くときの心の動きと形、色彩。
これがとってもわくわく、きらきらしてる。
世界は輝いてみえる。

おっきな話で、人生をゆったりのびのびと生きる勇気が湧いたよ。

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2015年01月12日

Posted by ブクログ

読みやすいうえに頁数が少なくてすぐ読み終わった。長い頁数の本に疲れたけど、本は読みたいって人におすすめ。
どこの本屋さん探しても見つからなくて中古で買ったけど、買って良かった。それって当たり前じゃないんやよ幸せって感じた方がいいよってことが書いてあって、それを私たちが読むだけで当たり前って思わないでこれも幸せやー!って噛み締めないと、って思わなきゃだめなことに改めて気付かされる

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

初めから期限の分かっている恋。だからこその素晴らしさや哀しさ。煌めきや揺らぎ。良くも悪くも絶えず変化してゆくことの尊さ、神聖さ。若い頃特有のエネルギー。

「本当に気にいった人と人同士はいつもこんなふうに追いかけっこをしている。タイミングは永遠に合わない。そのほうがいい。2人で泣いてなんになる。2人で笑うならまだしも。」←切ない。

「私はハチを忘れないが、忘れるだろう。
悲しいが、すばらしいことだ。そう思う。」


胸がぎゅーっとなる。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

別れたくないのに、どうしても離れなきゃいけない男女もいるのに、別れる必要がないのにどうしても別れたい男女もいる、世の中の出来事ってそう言う矛盾の集合体だと思った

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2025年01月06日

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「そのときから私は言葉で説明しないことにした。
どこまでも、どこまでも説明をしたら私の血管を流れる血のことさえわかってもらえるかもしれないという甘えは、歳よりも老けた私が淋しい私の肉体から全宇宙に発信していた唯一の子供の心だった。」

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

詩集のような美しい言葉が詰まった小説。

序盤の方で、君は説明が多すぎる、といわれた主人公は「どこまでも、どこまでも説明をしたら私の血管を流れる血のことさえわかってもらえるかもしれないという甘えは、歳よりも老けた私が淋しい私の肉体から全宇宙に発信していた唯一の子供の心だった」と考える。

序盤のこの「説明が多すぎる」という投げかけは、作者の意気込み、この小説の挑戦にも感じた。
わかってほしくて言葉で説明しようとするとき、その言葉に載せきれないものこそ、ほんとうに伝えたいものだったりする。言葉の器でそれを映し出したい時は、どうやったらよいだろうと読後もしばらく考えている

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2022年03月29日

Posted by ブクログ

途中まで退屈と思ったけどハチと別れてからの描写が美しく切なかった。
若いっていいな、失恋した時に読みたい。

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2021年11月17日

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ネタバレ

 忘れられないエッセンスを閉じ込めたようなお話でした。

 「孤児みたいになって。なにがあったのかと思わせる育ち方」をしているように見えるマオと、育った土地インドに一年後帰る、自分を知って生きているハチとの生活はどれも『この一瞬を生涯忘れませんように』と願いたくなるほど澄んで見えました。

 些細なことの全てに対してもう2度とこんなことはないと自覚してしまうことが、人生の絶頂と感じる最中にはあると思います。そんな満ち足りていくらでも自分が明るい方へ伸びていけそうな時間をマオは「こんな時間が少しずつ増えていって、私はハチを忘れないが、忘れるだろう。悲しいが、すばらしいことだ。そう思う。」としています。私はまだそんな風に美しかった時間を解放することが出来ませんが、いつか運命を悟ったり身を委ねきれるように生きられる日がくればいいなと思いました。

 この本はひらけば何度でも幸せな生活とすてきな未来を思い出させてくれると思います。

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2020年11月25日

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「サウスポイント」はこの作品の続編(?)みたいだったので、すぐにでも読んでみたくなって。

いやぁ、ほんと、サウスポイントに繋がってて良かった。ほんと、良かった。

この、身を切り売りしているような精一杯さ、完全であるから儚いという、太古から決まっている約束のような理に、それでも受け止めて愛して乗りこえて、「思い出」となって前に進んでいく正しさが、痛かった。

そんなきれい事じゃ、分からないし、物分りよくなれないし、夢を見ていたいし、ハッピーエンドしか見たくない。なんて、実は生々しく痛々しく感じてしまったりするのだけど、それも全部ひっくるめて、「今」を感じて生きることへのキラキラなんだろう。

そして、自分を生きて、奇跡を起こして、次の世代へ続いていく。

ばななさん、すごいなぁ。

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2017年09月17日

Posted by ブクログ

帯にあった通りの愛と救済を与えてくれる本。
素敵な言葉が沢山あって切り取りきれない。
読み終わった瞬間に私が思ったことは、一つの方向からしか物事を見ようとしないから悲しいんだってこと。

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2017年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ


「本当に気の入った人と人同士はいつもこんなふうに追いかけっこをしている。タイミングは永遠に合わない。
そのほうがいい。二人で泣いて何になる。」

スピリチュアル要素が多くて、頁数の割になかなか読むのに時間がかかったけど、日本の自然、インドの自然、街、ビルや人の色彩が鮮やかに浮かんでくる素敵な文章だった。

お母さんと、祖母の遺骨と一緒に定食を食べて2人で泣くシーン、そして最後の小さな家族会議がなんとも言えない辛さと空虚さで泣きたくなった。

夜遅くのミスドであったハチと、一生分かり合えないと思って、それでも一緒に家から逃げたお母さんと、でもやっぱりもう一緒に暮らすことは、生涯ない二人とマオちゃんの別れ。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

この作者の書く瑞々しい情景や透き通った空気感がとても好きだと思った。後味がすごく好み。
でも今の私にはあまり刺さらなかった。

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

短く、読みやすい本だったが、年を跨いでしまった…。 大好きな彼と同棲していて、いつでもいまがいちばん良い時だと思いながら過ごしているからか、別れを想像する主人公マオちゃんの気持ちに自分を重ねてぐっと辛くなった。ほんとうに回り道なく最短ルートでの結末だなと感じた。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

数年越しに再読
学生の頃に読んだ時より響かなかったな

宗教が強い
サウスポイントの前作的な作品
マヤさんが主役
愛とセックスの描写がはっきりしている

個人的にはサウスポイントの方が好き
ハチについてもっと知りたい欲が出る

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2023年11月24日

Posted by ブクログ

マオとハチの出会いから別れまでのお話。
マオの実家は新興宗教をしている。ハチは両親に捨てられインド人に育てられ、二人とも特殊な環境に育つ。登場人物も個性強い人が出てきて、スピチュアルの要素も多い。
この世界観に馴染むには少し時間がかかったが、入り込むと心地よさに眠くなってくる。
ストーリーはシンプル。これは若さゆえのまばゆさとか、誰かを愛するという、自分では気恥ずかしくて表現できない言葉の感性がいっぱい詰まっていた。
別れが決っているという、区切られた期間のなかのハチとマオの密度の濃さ。ふと思えば、誰かとの出会いがあれ永遠ではない。必ず、どんな形であれ別れはくる。
私も思い返してみた。間違いなく生涯のなかで一番幸福な日はいつだったろうかって。

「なんでこんなにすばらしいことをみんな、毎日しているのに、みんな、特別にしあわせそうじゃないの?」

読書あるあるというのか、前(の本)と同じような繋がりを感じる本を読むことがよくあります。
あらゆる大切な人との別れ。
「私はハチを忘れないが、忘れるだろう。そう思う」
魂は心に宿る、忘れて、そして人はまた前を向いていく。すらーっと読めてじわっときた。ラストは明るく希望がみえた。若いっていい。

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2022年01月09日

Posted by ブクログ

失恋したのに無理に元気を出そうとするのは、まだ青いバナナをレンジに入れて黄色くしようとするようなもの。

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2021年01月10日

Posted by ブクログ

頭で考えて生きるよりも、感覚で生きる方がいいなと思った。人に対して、こういう風に心を開けたらいい。ばななさんの本は時々むしょうに読みたくなる。
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もっともありふれたものともっとも通俗的なものでできている森があって、その豊かな土の中のほんの少し奥に、なにかみんなが知っているがうまく取り出せないものが、小骨のようにひっかかっているのだ。
それを考古学者みたにていねいに取り出すのが、絵を描くことだ。にせものがたくさん埋まっている。気分のいいやつ、早くいい気持ちにさせてくれるやつ。でもそれは他の誰かにまかせて、私は私の見つけた原石を、自分でみがく。私だけの組合わせたメロディーが流れ出すまで。

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2018年04月03日

Posted by ブクログ

ハチの存在が、大きい。穏やかな日常から別れが、来てしまう。エモいお話。
気になった文章は、
「嫌いな人がいたら、好きになるまではなれればいいのよ」
「離れるしかないの。問題は、心の中に入ってきてしまった場合。でもできれば入れないで、距離をとるのがいいの。本当だよ。」

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2017年12月19日

Posted by ブクログ

吉本ばななさんて本当スピリチュアルな感じお好きですね。
平凡すぎるくらい平凡に生きてきた者には理解しがたいというか踏み込めない雰囲気というか。

ただこの人の言葉は本当に美しいと思う。生々しい表現ですら。
特に大好きな作家さんではないけれど、この人の作品読むとずば抜けた感じというか、私の中では他の作家さんとは違う唯一無二の存在を感じる・・・
赤線引いときたくなるような言葉がたくさん。

で、インド育ちのハチと17歳のマオちゃん。
文学的には「そんな下らない結末にするな」と言われるでしょうが、少女漫画のように戻ってくるハチというのもちょっと期待しちゃった自分がいました。

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2017年01月08日

Posted by ブクログ

2016/06/19
いつかお別れするという確信。
それは、このハチとマオのようなものではなくても、諦めのように持っている。
今こんなに楽しいのに、この時間はすぐに終わってしまう。
こんなにも気が合う私達なのに、いつかは疎遠になってしまう。
そうやってみんな生きてきている。
忘れないけど、忘れていく

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2016年06月20日

Posted by ブクログ

今ある日常を大切に。
終わりがあるからこそ気づくことができる。
終わりがみえないから、その当たり前さにスポイルされて気づけない。
同じような、違う毎日に感謝を。

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2015年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

吉本ばななは読む時を選ぶべき。
仕事に忙殺されているとき、人間関係に疲れきっているとき、失恋してしまったとき、何かに疲弊しきった状態で本を開くとひらがなばかりの緩やかな文体が自然と体に染み渡っていく。

「なにか本を読むかー」で普段何気なく読んでも、つらつらと綴られた文章に味気なさを感じるが、傷心に浸りたいときや余計なこと考えられないくらい疲れてる精神のときに読むと、人間の心の生々しさみたいなものに触れているような気がする。
わからないが。

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2015年02月01日

Posted by ブクログ

吉本ばななをはじめて読んでみる。
大なり小なり女の人はこういうこと考えてるんだろうな、
なんて妙に納得。

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2015年07月14日

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