【感想・ネタバレ】ハチ公の最後の恋人のレビュー

「好きな小説は?」と聞かれたら真っ先に思い浮かぶのが、この本。初めて読んだのは10年以上も前なのに、何度読み返しても引き込まれてしまいます。
高校生のマオと、やがて遠い地へ旅立ってしまうハチ。おばあちゃんの予言通り、やっと出会えたのに、別れの日は刻々と近づいて…お互いを好きなまま、もう一生会えなくなってしまう二人。あまりに辛すぎる展開ですが、最後の日まで恋人としっかり向き合い、全身で別れを受け止める主人公の姿はとても美しく、鮮烈な印象を残します。
恋愛中の人には、愛する人が側にいる幸せを。失恋した人には前を向いて歩く勇気を与えてくれる、そんな力強い小説です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年11月25日

 忘れられないエッセンスを閉じ込めたようなお話でした。

 「孤児みたいになって。なにがあったのかと思わせる育ち方」をしているように見えるマオと、育った土地インドに一年後帰る、自分を知って生きているハチとの生活はどれも『この一瞬を生涯忘れませんように』と願いたくなるほど澄んで見えました。

 些細な...続きを読むことの全てに対してもう2度とこんなことはないと自覚してしまうことが、人生の絶頂と感じる最中にはあると思います。そんな満ち足りていくらでも自分が明るい方へ伸びていけそうな時間をマオは「こんな時間が少しずつ増えていって、私はハチを忘れないが、忘れるだろう。悲しいが、すばらしいことだ。そう思う。」としています。私はまだそんな風に美しかった時間を解放することが出来ませんが、いつか運命を悟ったり身を委ねきれるように生きられる日がくればいいなと思いました。

 この本はひらけば何度でも幸せな生活とすてきな未来を思い出させてくれると思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年02月01日

吉本ばななは読む時を選ぶべき。
仕事に忙殺されているとき、人間関係に疲れきっているとき、失恋してしまったとき、何かに疲弊しきった状態で本を開くとひらがなばかりの緩やかな文体が自然と体に染み渡っていく。

「なにか本を読むかー」で普段何気なく読んでも、つらつらと綴られた文章に味気なさを感じるが、傷心に...続きを読む浸りたいときや余計なこと考えられないくらい疲れてる精神のときに読むと、人間の心の生々しさみたいなものに触れているような気がする。
わからないが。

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