大崎梢のレビュー一覧
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旅先で偶然出会った人と食べ物を通して、人生観が変わり、前向きになれる話を集めたアンソロジー。トラブルと偶然は旅につきもの。毎回すぐに「禍転じて~」になるとは限らないが、ターニングポイントとして意識されている。
全7話の中で、私は「夢よりも甘く」が最も気に入った。育ててくれた亡き祖母の思い出話。少女はそれが作り話であると薄々気づくのだろうが、大人になっても大事に温め続けている様子(例えば身近な人に指摘されてムキになる場面)が胸に刺さる。現実を知ってしまい、旅行中はコレといった良い出来事もなく、疲れ果て打ちひしがれて、旅が終わりに近づく。このまま静かに物語が終わるのかと諦めかけたところで、帰国後に -
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Posted by ブクログ
何の前知識もなく読んで、ミステリーだったのか!と途中で気がついた。
表紙の絵と「かぞえ歌」なんて、ほのぼの物語を想像するじゃない!
犯人が分かってすっきりすると言うよりは、いろいろな出来事のつながりが、そうなるわけですか…(フムフム)というかんじで面白かった。
p.300
「なぜ自分だけ、どうして自分がとさんざん思いもしたけれど、ほんとうに自分だけだろうか。」
「けっして自分だけではない。」
「思い通りにいかない現実をなんとか歩いていくしかない。多くの人がそうしてきた。」
謎解きミステリだけではなくて、ひとの生き方も読める面白いものだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ守山篤史
東京近郊で生まれ育ったが、この春から高知大学に通う大学生。理学部。高知は父の郷里。市内の山側にある祖父母の家に住むことになった。
祖父母
高知に住む。
篤史の父
都内の商社に勤める。
多郎
篤史と同い年の従兄弟。高校卒業後、専門学校に進み、ゆくゆくは家業を継いで自転車屋になるだろう。
加容子
多郎の母親。
月島
リーダー。酒屋さん。口ひげを蓄えた三十男。
三雲祐司。
サブリーダー。
小池
高知大で一番はじめに親しくなった。岡山出身。
横井
ときどきいっしょにランチを食べる。
磯川
名古屋出身。高知大に拠点を置くよさこいサークルに所属。
カジユキタカ
無口。ダンスリ -
Posted by ブクログ
前半、あまり好みでない作品が続きましたが、後半すごく良かったです!
おもしろかった3作品
「こっちを向いて。」
分かるー‼︎って話でした。大人になってから友達作るのって難しい。こちらと向こうに友達を作ろうという願望が、まさに同じタイミングで存在しないと成立しない。
自分が今までに経験した感情が言語化されてる感じで気持ちよくて、そして切なかったです。
「ラインのふたり」
いたずらして笑ってはいけないのに全身で笑い出したくなる感じ。笑いすぎてお腹痛くて涙出る、みたいな。そういう時の女子同士の連帯感を思い出しました。
終わり方も良かった。
「獣の夜」
一番好きです。ジビエ、全然興味なかったけ -