よさこいカメラマンとして前から読んでみたかった1冊。
東海・北陸のよさこいしか見たことはありませんが、街ぐるみで開催されている高知のよさこい祭りを見に行きたくなりました。
途中、チームのセンターである伝説の踊り手・カジさんが他のチームからも誘われ、指導などもしていたという場面。
入賞を目指して自分
...続きを読むのチームが必死に頑張っている中、他のチームに塩を送るような行動に主人公が怒る場面でしたが、僕の中では長年疑問に思っていたことが納得できたような気がしました。
いろんなよさこい祭りに行っても各チームが仲が良いというのが前から疑問でした。一応は入賞や大賞を目指して各チームが競うのが目的なので。
ただこの本によれば、よさこいは各チームの歌、振り付け、衣装などを同じ人が手掛ける例も多く、各チームがライバルというよりは兄弟や仲間という感覚が強いこともあるそう。
さらに言うと「一緒に祭りを作り、盛り上げる」という意識が強いらしいのです。
その一方で自分たちのチームの入賞を狙って切磋琢磨するということも忘れずにやっているそうです。
ここによさこいまつりに行って感じる清々しさと熱さの根源があるのだなと納得できた気がしました。
祭りを作り上げるものとして、いろんなチームが協力して盛り上げ高めあいながら、自分のチームのレベルを引き上げるため必死に努力する。ある意味、「競争」というものの本質を見た気がしました。
この本は主人公の「初恋の人探し」という側面も持っているので、よさこいを知っている人はよさこいの背景も含めて楽しめ、初めての方も恋愛青春小説の側面からよさこいの世界に入りやすい1冊だと思います。
よさこいカメラマンとしては、ぜひ多くの方に読んでいただきよさこいに触れてもらえると嬉しいですね。