大崎梢のレビュー一覧
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ネタバレ『百万円分の無駄』 新津きよみ
『一生遊んで暮らせる方法』 原田ひ香
『12万円わんこ』 大崎 梢
『廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか?』 永嶋恵美
『わらしべ長者のつくりかた』 福田和代
『塾に行かない子どものための五つのクリンプス』 図子 慧
『二千万円の差額』 松村比呂美
「アミの会」のアンソロジーです。久々です。
お金がらみのお話を集めたもので、原田ひ香のヒットにあやかったのかな。
どれも面白かったんですが、『廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか?』 が
一番好きです。映像で観たいと思ってしまった。シスターフッドってヤツ?
転売ヤーに転落しようとしている買い物依存症の友人を救おうと -
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「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー
既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。
なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
女性あるあるです。
そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。
坂井希久子さんの「ト・モ・ダ・チ」はイヤミスを連想させるどろどろした話で、もはやホラーの様にも思えて怖かった。
千早 茜さんの「卵の殻」は繊細な女性心理が描かれていて女性の執着がただただ恐ろしい。
「サバサバした女なんていないよ」のセリフが印象に残ります。
子供時代の競争意識、嫉妬心を描いた大崎 -
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トップアスリートの光と影。
そういうもの、端から見てるとドロドロしたものが含まれているように思ってた。
確かにそれはあるけれど、それだけではない。
高みを目指して挫折して、自分の人生は終わったと全てを諦めて敗北感と共に生きていく。
そんなのは、何かに一生懸命になったことのない人の戯言だ。
アスリートとして頂点を目指すことは終わったのかもしれないけど、その経験を生かしてその後の人生をいくらでも豊かに生きていくことができる。
誰かを応援しながら、自分も応援して。
スポーツは、それをやっている人だけのものじゃなくて、支える人も観戦する人もいろんな人がいて、それぞれの人のもので。
それぞれの人の希望の -
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ネタバレ温かな記憶を巡る「想い出」アンソロジー。
お気に入りは福田さんの「幸福のレシピ」と新津さんの「ゲストハウス」。
「幸福の〜」は、パティシエだった亡き夫の想い出のクリームブリュレの味が忘れられない琴子。旅行先として昔住んでいた神戸で思いを馳せていると、ひょんな事から知り合った一樹と一緒ににスイーツ巡りをする事になり…
夫が定年退職後に自分の店を持つ事を計画し、後輩と一緒に新作のケーキを公案していた事を知る琴子。そして、後輩が店を持つ事となりそのレシピが日の目を見ることができて良かったです。想い出のクリームブリュレがもう一度食べられた事がほんわかした気持ちになれました。
「ゲストハウ -
購入済み
ごちそうさまでした!
ご贔屓の先生から始めましての先生まで、ほぼ全て楽しく美味しく読めました
たぶん、ご近所のあのお店?とか今度旅行に行ったら探してみよう!とか実在するお店がモデルになっていたりでワクワクしました
想い出編だったからか、ちょっと寂しかったり秘密があったりもしますが最終的には納得できるので安心して読めました -
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あなたは『埋蔵金伝説』を信じていますか?
この国のどこかに、現在の価値に換算すると数千億、それ以上ともされる莫大なお宝が眠っているのではないかという『埋蔵金伝説』。『大政奉還のあと、江戸城は無血開城となったが、財宝の類はほとんど残されていなかった』。それは『明け渡す前にどこかに運び出したのだろう』と言われる『徳川幕府の埋蔵金』にまつわる『伝説』を筆頭にこの国にはたくさんの『埋蔵金伝説』が存在します。『埋蔵金』というキーワードでネット検索をするとおびただしい検索結果が表示され、実際にそんな『埋蔵金』を掘り当てるために人生を狂わせてもいく数多の人たちが存在するともいうその『伝説』。
それがた -
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過去の後悔、疑念・・・時を超えて知らされる真実。
切なくも優しい、5つのストーリー。
正に過去の忘れ物が見つかったような物語。なんだか小さな刺が刺さっているようで心の片隅で気になっていたことが、ぱあっと晴れるよう。ハラハラしつつも温かい気持ちになれました。
「沙羅の実」 不動産仲介会社で営業をしている『弘司』は、担当先で小学校時代の教師と再会する。すると彼は弘司に関わりのある二十年前の二つの事件について語り始める。
二つの事件とは、当時六年生の児童拉致監禁と、その子の同級生の父親の転落死。切ない事件の真相は何となく察しがついたが、はっきりと書ききってしまわないことと、ミスリードを利用した最 -
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「家族」とは何か。家族である意義とはどこにあるのか。さらには、正義とは、個人のアイデンティティとは、幸せとは...等々、優しい文体で綴られる基本的には暖かな話なのに、いろいろと考えさせられる。
とある事情で、父+息子と、母+娘に分かれて暮らすことになった一家が主人公。章が替わるごとに「主役」のメンバーが入れ替わり、それぞれの主役の主観で話は進む。両親はともかく、小学生だった子どもたちが、それぞれの屈託を抱えながらも乗り越えていく & 乗り越えた後で振り返る感じが、とてもリアルで説得力がある。
一緒にいることがあたりまえ、と考えてしまいがちな「家族」が、離れて暮らすことによって見えて -
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まんぞく!
ミステリってこのくらいのボリュームの短編集が読みやすいかもしれない。気分でない時は他の本に行って戻ってきても、弊害ないし。
そしてどのお話も、どこか考えさせられる軸が入っている、気がした。
個人的には、砂糖壺は空っぽ、喫茶マヨイガ、太陽と月が星になる、あたりが好きかな。
ミステリと女の子同士の恋って、相性いいわよね…!
喫茶…は、ショートストーリーだけど、言いたいことは声を大にして言っていいんだということが、すっと伝わってきた。
そしてそして、語り手が姉妹で入れ替わりながら時間が進んでいく太陽…は、悲しい結末だけど、憎しみが必ずしも憎しみにはならない(?)ところに救われる。 -
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ネタバレ【Pretty】【Pop】【Pure】【Pipin】
【女の子はP】が好き!
予想外の配置転換により、全く興味の無い中学生女子向けのファッション雑誌の編集者になってしまった男性主人公。
大学時代は、マスコミについて調査するサークルに所属し、語学留学や体力作りにも励んだ。
その成果が実を結び、サークル内では快挙と呼べる名門と言われる老舗出版社「千石社」に入社する。
文芸部門の編集者を志ざしながら、入社後二年間は時事ネタ満載の週刊誌の雑用係として働いた。
裏方ながらも、誰もが知る週刊誌の現場で働けることに誇らしさもあった。
そんなさなかでの配置転換!!!
文芸部門から -
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Posted by ブクログ
2021/08/16
あの文春砲を日々ぶっ放しまくってる文春系列の文春文庫から出版されている週刊誌の記事が出来上がっていく過程を小説にした話。
本の紹介では作者の大崎さんが綿密な取材に基づいて書いたとあり、おそらくこの話の中に描かれているそれぞれの話にも多少のフィクションなどはあると思うけど、モデルとなる人物がいたり、モデルとなる出来事があったりするのだろうなと思うくらいにリアリティがあった。
自分自身の感覚だと正直、「ある事無い事噂程度の話でも大した取材もしないで芸能人や政治家などのよろしくない話を脚色をつけまくって雑誌を作ってる」「訴えられたって雑誌が売れれば資金は回収できるしオッケ