大崎梢のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「書店大賞」事務局に届いた不穏な内容のファックス。
その謎を、福岡から授賞式のために上京した書店員の佐々木花乃の依頼で、成風堂書店の杏子と多絵が解き明かす。
今回は、出版社の営業、井辻智紀、真柴たちも関わり、同じ謎が立体的に解き明かされていく。
大がかりな仕掛けが楽しい。
ただ、福岡、金沢、北関東、都内各所と駆け回り、人も書店員、書店大賞事務局関係者、マスコミ、出版社関係とたくさん出てくるので、読むほうも結構大変かも。
「書店大賞」は、あの有名な賞が思われてならない。
フィクションだから、と思いつつ、やはりいろんな意見、特に批判とかも受けるんだな、と興味深い。 -
Posted by ブクログ
アミの会(仮)のアンソロジー。書き下ろしが毎度のことながら嬉しい。
11人の11の話。きっとお好みがあるはず。
私のおすすめは、「猫への遺言」「十年日記」「青い封筒」。
「猫への遺言」は、亡くなった夫からの手紙。
知りたくなかった秘密が明かされて、胸が痛む。
それは妻の側からの痛みだが、一方で夫の心も少しわかる気がする。
夫の方の胸の痛みは、甘やかな痛みと、突き刺さるような痛みの2種類。
生きていれば、そういうこともあろうか、と思ってしまう。
最後に伝えられる愛の言葉は、明かされた秘密への悲しみを癒してくれるだろうか。
それとも、それはそれ、なのだろうか。
わたしは、それも含めて、やっぱり夫 -
購入済み
色々な話が
お金に纏わる、色々な作家の色々な話。えっ?と思うもの有ったけれど、大体、面白く読めた。最近、ちょっと、ハズレの作品に当たって、腐っていたので、こんな、パッチワークみたいな短編集も、良いと思った。
-
Posted by ブクログ
〈井辻くん〉の2冊を読み終えたので、今度はそこによく登場していた〈成風堂〉のシリーズに行ってみる。
駅ビル内にある中規模書店・成風堂で働くしっかり者の店員・杏子さんと大学生アルバイトの多絵ちゃんが、身近に起きる謎に対し『書店の謎は書店員が解かなきゃ!』ということで展開するお話。
サラサラと読みやすく、杏子さんも多絵ちゃんも本のことなら何でも知っているというわけではないところもこちらとしてはついて行きやすい。
謎を解くのは勘のいい多絵ちゃんの役割だが、謎が解けた後にもうひと転がりする筋書きもなかなか良い。
日常の謎とは言え、結構ぞっとしなかったりムムッとなったりする内容が多く、その点、分かり易 -
Posted by ブクログ
ネタバレお金にまつわる短篇アンソロジー。
7名の人気作家たちのお話だけあって、それぞれ楽しめる。
○百万円分の無駄〜新津きよみ
もし、自分が宝くじで当てたら誰かに言うだろうか?使い道は?と考えてしまった。
元同級生のお店には行かないだろうな。
○一生遊んで暮らせる方法〜原田ひ香
こんな相手との生活は耐えられないだろうな…と
価値観の違い⁇
投資人生って自分の中で全く想像つかない。
○12万円わんこ〜大崎梢
ペットモデルの実情が少しだけわかった気がした。
それを取材して得られたものは、覚悟や勇気や度胸で自分のスキルを磨こうと思えたことはよかったなと。
○廃課金兵は買い物依存症の夢を -
Posted by ブクログ
ネタバレ女性作家8人による、「女ともだち」がテーマのアンソロジー。
うむむむ、女の友情はもろいというけれど、こんなにすごぉ〜く気持ち悪くて、べとっとするものばかりだろうか…
相手と『同じ』を競うような構図が、いくつもの作品に…あー、たしかに、『おそろい』スキだよなぁ…トイレ一緒に行ったりしてるよなぁ…
いやはや。下手なホラーより怖い。
どれも面白かった。
その中で、「ブータンの歌」は、くすっと笑えて、阿川佐和子さんらしい軽やかさだった。
「ラインのふたり」嶋津輝さんは初読。ちょっと山本文緒さんのような奇妙な迫力。
他の作品も読んでみたい。
「獣の夜」森絵都さん、爽やかな作品しか読んだことがな -
Posted by ブクログ
ネタバレアミの会、お金にまつわるアンソロジー。
どれもおもしろくついつい一気読み、週末で良かった…
百万円分の無駄…新津きよみ
一生遊んで暮らせる方法…原田ひ香
12万円わんこ…大崎 梢
廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか?…永嶋恵美
わらしべ長者のつくりかた…福田和代
塾に行かない子どものための五つのクリンプス…図子 慧
二千万円の差額…松村比呂美
テーマがお金だからか現実的な話が多かったけれど、わらしべ〜は、ほんわか。
図子 慧さんは初読みの作家さんでしたが、子供を育てる環境のあるあるとかすごくうまく描写されてて展開にドキドキしました。
二千万円の差額は悲しい話でしたが前向きなラストが良かった