大崎梢のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ父と二人暮らしだった中学生の花南子は,父の単身海外赴任に伴い曾祖母の五月さんがオーナーであるアパートの一室に引っ越してくる。その矢先,五月さんはぎっくり腰でしばらく入院することになってしまう。近所に住む母子家庭の男子,根尾くんと仲良くなり,彼が持ち込んできた近所でおきた事件を独自に操作することに。そのさなか,同じアパートの2階に住む今津という調査会社で調査員をしている青年と知り合う。中学生の男女二人で事件に首を突っ込む二人を心配してか,今津は何くれとなく二人をサポートしてくれる。
そんなこんなでいくつかの事件に関わっているうちに,今津の意外な正体が明らかになってくる。
「きらきらを少し」
根尾の家の近所に住むおじいさんが行方不明になっているらしい。姿を消したと思われる時間帯に根尾自身が不審な黒い車を目撃している。が海外に住んでいる家族に警察が連絡を取ったところ,急な用事で出かけているだけだと答えたらしい。
「ここだけに残ってる」
花南子の部屋を外からこっそり覗いているという不審者がいるという。
「マイホームタウン」
根尾の隣の部屋の男が根尾の母親に興味を持っているらしく,根尾の母親が参加してる川清掃のボランティアにも参加しようとしているらしい。様子を探るべく花南子も根尾と一緒にボランティアに参加することにする。
そこで隣の男が関心を持っているのは実は根尾の母ではなく別の人だと解る。隣の男の目的とは。
「おばあさんがいっぱい」
花南子は今津がアパートを引き払ったことを知る。
五月さんが出かけたっきり帰ってこない。さつきから聞いた昔話を手がかりに隣町の相馬と言う家にまでたどり着き,さつきさんが訪ねてきたことを突き止めるが。
「ここから上がる」
根尾の住んでるアパートで火災が発生する。たまたまアパートまで来ていた花南子は色々怪しい部屋に逃げ遅れていた子どもの救出に向かう。しかし煙を吸ってしまい気を失いかけたとき,自分の名前を呼び捨てで呼ぶ声を聞く。花南子を助けたのは... -
Posted by ブクログ
一般論ではなく自分に関わる案件として捉えた場合、綺麗事では済まない感情が沸き上がってくる。そうして自分の器の大きさを知り、それが自己評価より小さいことに落胆する。けれども落ち込みながらも、変わってゆきたいと決意し、分かち合える人を大切にしたいと願う。
設定なとが当世風であるものの、普遍的なティーンの成長譚ではなかろうか。ご近所の普通のおじさんおばさんたちにも、いろんな遍歴や葛藤があって「まさに人に歴史ありだな。なにげに暮らしてる大人すげえ」と思った自分の中学生時代を思い出した。あまり器が大きくなっていないことに気付かされるのは切なかったが、世間という外側から自己を知った衝撃を、共感したり思い起こさせる作品だと思う。 -
Posted by ブクログ
いくつか身近で起こる???な事件をするりと解決しちゃう近所の探偵さん、今津さん。なぞもなぞでなるほど〜ととても納得できるものばかり。よかった!
p.267 あのとき今津さんは、「君たちの言う帰れるところって、いつでも子どもに戻れて、優しい親が待っている家なんだろうね。心配しなくていい。ほとんどの人が持っていないから。家があったとしても寛容な場所とは限らない。灼熱の砂漠とか酷寒の荒野かもよ」と言った。
今津さんがお母さんの弟ならば、「寛容な場所とは限らない」とは、北海道の自分の家を指しているのだろうか。そこはお母さんの実家でもある。
灼熱の砂漠や酷寒の荒野を魔えにするような、とても居心地の悪いところだとしたら、お母さんは離婚した後、どうしていたのだろう。
p.270 がとても難しい。
「うまくしゃべれなくて。今何か言ったら、ひどいことを言いそう。自分で自分がすごく嫌いになりそうな、ひどい言葉。だから何も言えなくて」
「無理して言わなくてもいい。取り繕った上辺だけの言葉を聞かされる方がしんどい」
「そうかな」
「そうだよ」
「でも、いつまでも黙ったままじゃいられないでしょ。今にもこぼれそうな縁まで盛り上がったコップの水を、手に持って歩いている気分」
根尾は橋の欄干から流れゆく水面をじっと見つめ、しばらくしてから言った。
「コップを大きくすればいい」
「どうやって」
「安住さんも勉強しなよ。いろんなことを学んで、本を読んだり人と会ったりしていると、たぶんコップは大きくなるんだ。飛んでも跳ねても水はこぼれなくなる」花南子は欄干の上に自分の両手を出した。重ねた左右の指の間に、小さなガラスのコップが見えるような気がする。受け止め切れない、もしかしたらの現実が、なみなみと注がれている。
ニュースや漫画などの創作物でしか見たことのない身体的特徴、それについて自分は偏見は持ちたくないと思っていたし、そういう人がいても分け隔てなく接するつもりだった。心ない言葉を投げつけるような人間を嫌い、つねに公平でありたかった。
思うのと実際の行動はたぶんちがう。心もちがう。他人事と自分事でも大きくちがう。
今の自分は小さな小さなコップしか持たず、今すぐ川面に叩きつけたい衝動をこらえるのがやっと
だ。
「安住さん、おれたちまだ十五歳だよ。変われる余地だけは山ほどあるよ。少なくともおれは、春休みの前と後ではずいぶん変わった。来年の春休みまでにはもっと変わっているかもしれない。今がすべてじゃないよ」
「私も変われる?変われば・・・・・・」
今津さんのことをもっとちゃんと考えられるようになるだろうか。
春休みになるまで、今津さんとは口を利いたこともなかった。一•二号室に引っ越してすぐ五月さんが入院してしまい、直井さんの件で初めて関わりを持った。そのあと庭先に不審者が現れたので花南子が不安を訴え、解決に一役買ってもらった。川端さんのときは中学生コンビを危ぶんで、今津さんの方から事件の詳細を調べてくれた。
もしかしたら向こうからすると、予定外に近づきすぎたのかもしれない。それで五月さんが退院してすぐアパートを出た。そっと静かに離れていくつもりだったのに、火事が起きて危険な部屋に飛び込まざるをえなくなった。花南子と呼びかけ、母親について話してしまった。その直後から行方がわからない。
今津カホルという名前を使っていたわりに、徹底して関わりを避けていたのは、正体を知られたら娘は母親を失うとわかっていたからか。
娘。あの人にとって自分はどういう存在だったのだろう。
自分は母親をなくすのだろうか。
p.272 花南子はあきれたり笑ったりして、重ねていた左右の指をぱっと開いた。イメージの中のガラスのコップは川面に落ちることなく、放たれた鳥のように羽ばたいていく。
いつか両手で、父親ではないもうひとりの親を掴めるだろうか。南に咲く花のように強くたくましくなって。
自分はなくさない。自分の中の大切なものを。 -
Posted by ブクログ
ちょうど今年は伊勢に行こうと決めていたので、初めのお話はとても参考になった。行き方や伊勢うどんの由来、参拝の仕方など物語にちりばめられていたし、少年達の冒険を見守っている感じの話で、一番この中で楽しかった。どの作品も終わりに少しほっと出来てしあわせ編とはその通りたど思った。
他5作
・失われた甘い時をもとめての二人は無事に出会ったのだろうか。続きが気になった。
・浜崎の奥さんを検索してしまった。そんなに美味しいのか。食べてみたいな。
・ベネツィアは1度は行ってみたい憧れの街だな。
おばちゃんの話はきっと妄想だったようだけど、現実をみて主人公は学んだし、母との距離も縮まって良かった。
・旅での事故で旅の理由を忘れてしまったお話。佳佑のYouTube気になる...
・祖母と二人東京の食べ歩き旅。本当に美味しいというのはその味を忘れないということ、と祖母に教えられ、大人になった今、その事を息子に教えてる最後の場面がよかった。物語に出てくるビアホールはライオンかな?あそこ美味しかったな。また行きたいな。
・アイスランドで出会った女性とご飯を食べるお話。主人公の境遇が壮絶すぎて、ちょっと悲しかった。
タイトルのとおり、オーロラは見えなくてもこの旅がご褒美となって良かった。