大崎梢のレビュー一覧
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ネタバレ「ピピン」を出し続けていくために、編集者ができることは限られている。今まで通り細部に至るまで作り込み、女の子たちの趣味嗜好を置いてきぼりにせず、ピュアでポップなローティーン誌をめざす。ミスを真摯に謝罪したのちは、きちんと顔を上げ、現場を引っ張る。噂話は尾ひれが付いておもしろおかしく回るものだが、離れてしまっては惜しい雑誌であることが最も有効な鎮静剤になりうる。平の編集者はそうなのだろう。けれど管理職の人間はもっと具体的な責任の取り方が求められる。
次に会った時、彼女にもうもう少しきちんと話をしよう。今いるところで精一杯、頑張ってみようと。 -
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ネタバレ書店大賞事務局に不審なFAXが届く。
8年前に閉店した、金沢の飛梅書店からの告発状のような脅迫状のような文。
一体だれが何の目的でこんなものを送り付けたのか。
福岡の書店バイトの子とともに杏子と多絵が、謎を解くために奔走すればするほど謎は増し、それとは別ルートで同じ謎を追っていた、別シリーズの出版社営業員たちの調べた事実を突き合わせた時、初めて謎は真実の姿を現わしたのだ。
本筋の謎よりも、その背景である書店大賞(もちろん本屋大賞のこと)の内幕が興味深かった。
本が売れない今、どうやって本を売るかという気持ちから、本屋さんたちが立ち上げたこの賞は、回を重ねるごとに注目を浴び、規模が大きくなり -
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ネタバレ目次
・平台がおまちかね
・新人営業マン・井辻智紀の一日 1
・マドンナの憂鬱な棚
・新人営業マン・井辻智紀の一日 2
・贈呈式で会いましょ
・新人営業マン・井辻智紀の一日 3
・絵本の神さま
・新人営業マン・井辻智紀の一日 4
・ときめきのポップスター
・新人営業マン・井辻智紀の一日 5
大崎梢がデビューした頃は、今ほど書店や出版社などを舞台とした本が出ていなかったと思います。
しかし今、私もそれなりにそれらお仕事小説を読みましたので、今更出版社の営業マンの仕事だけを書かれても満足は出来ない。
では、ミステリ小説としてのこれはどうか?
正直、ミステリとしてはあまり面白くありませんでした。 -
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本が大好きな中学生の野々香。
普通の女の子なのだけれど、本が好き、特に作家の荒木真琴の作品が好き、という気持ちは誰にも負けない。
発売前の荒木真琴の新作が校内に置き忘れられている――。
この謎を解くべく、動き始めると、なぜか気に食わない同級生の高峯秀臣が絡んでくる。
しかし、動いているうちに、次第にいろいろな人々に出会い、世界を広げていく。
書店でのPOP展示、小学校での読み聞かせ会などの実現に奔走する。
読み聞かせ会のボランティア、ビトさんとマリちゃんの間の不幸なかけ違いを、十年近い時を隔てて野々香たちが修復していくのも、読んでいて温かい気持ちになる。
野々香は、他の人の本の好みを決して -