本が大好きな中学生の野々香。
普通の女の子なのだけれど、本が好き、特に作家の荒木真琴の作品が好き、という気持ちは誰にも負けない。
発売前の荒木真琴の新作が校内に置き忘れられている――。
この謎を解くべく、動き始めると、なぜか気に食わない同級生の高峯秀臣が絡んでくる。
しかし、動いているうちに、次第
...続きを読むにいろいろな人々に出会い、世界を広げていく。
書店でのPOP展示、小学校での読み聞かせ会などの実現に奔走する。
読み聞かせ会のボランティア、ビトさんとマリちゃんの間の不幸なかけ違いを、十年近い時を隔てて野々香たちが修復していくのも、読んでいて温かい気持ちになる。
野々香は、他の人の本の好みを決して批判しない。
そういうデリカシーを持っている。
中学生にしてそういう配慮があるって、すごいことだ。
秀臣は逆に、自分の鑑賞力、分析力に自信がある。
こういう二人が一緒に動くのだから、いつもぶつかり合っている。
これはこれで、中学生によくいるタイプかのしれない。
この二人を見ていると、かわいいなあ、と思う。
高校生になったら、どんな感じになるのかしら?
最後に要らん口出し。
p206の4行目の「ルカ」は「ルナ」の誤植ならんや?