大崎梢のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ヤングアダルトに分類した方が良いかも。
思わぬ事態に巻き込まれる高校生の女の子。
水島悠奈は、高校2年生。
二人暮らしの母は、出張中。
父・保彦は、悠奈が5歳の時に旅行先で亡くなっていた。
臨時の数学講師・津田孝之が急にやめたのに驚かされる。
津田先生とは、何度か図書室で話をしたことがあった。
12年前に父が書いた万葉集の本が図書室にあるのを見つけて以来、時々通っていた悠奈。地味で目立たない津田先生は、古代史に興味があるようで、父のことなども話せたのだ。
部屋に残っていた荷物の送り先の住所に、見覚えがあり…?
父と同じ時に旅館の火事で亡くなった若い女性・津田美里の住所と同じだった。
思い切ってその住所を訪ねると、立派な家だった。
先生のいる所に連れて行かれるが、友達や女達と飲んでいた津田はどこか危険な雰囲気で、まるで別人のような様子。
なぜ高校の臨時教師になっていたのか…?
父が亡くなった旅館の跡を見に行った悠奈は、現れた男達に拉致同然に大きな黒い車に乗せられ、連れて行かれた先では、いきなりお嬢様扱い。
主の大小路誠太郎は大金持ちらしいのだが、どうもそこの血縁と人違いされている様子。
世話係の女性には、親切にして貰えるが。
現れた津田と共にそこを逃げ出したものの、まだ不審な点があり、この機会に探ろうとすると…
父が調査のために訪ねたと思われる土地・日次(ひつぎ)村へ、一人で向かう悠奈。
山の中の村は、家系が絶えて、巫女がいなくなった村だった。
大小路家も本家はその村の出だが、巫女の家系というわけではない。
東山家と西園家という二つの家柄が競い、大小路家の富を奪い合っていたらしい…
父の死にも、何か関連が…?
悠奈には、危機に次ぐ危機が!
スリルを夢見る女の子の妄想の具現?
少女向け横溝ミステリみたいでもあり、巫女系のファンタジーみたいな雰囲気も加味しつつ。
ぐいぐい読めます。
2011年5月発行。 -
Posted by ブクログ
普通に面白かったが、読んでいる途中で、これは大崎梢さん?とふと疑問が沸いた。若竹七海さんや、七番目の小夜子」の恩田陸さんでもいいんだけど、もっと古ければデビューの頃の宮部みゆきも思い出したかな。まあ、色々ごちゃごちゃ。それでも面白いっていう価値には何の変動もないけれど、やはり女性の作家さんは共通の雰囲気があるんだなと思っただけです。
女性受けは良さそう、主人公を含めて主要登場人物が中学生男子3人、若い女性読者なら萌える?んだろうか。表紙の女の子も、実は男子だったしね(苦笑)
でも、大崎さんは多作でいいです。若竹さんは寡作だから待つのが正直しんどい。そう思うと、頑張ってどんどん書いて欲しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・感想
火事で父親を亡くし、母親と二人暮らしの女子高生。父親の旅先で起きたその事件の謎を解いていくうちに、その村の言い伝えや神事、さらには家同士の騒動にまで巻き込まれてしまいます。
巫女さんとか言い伝えとか日本風ホラー的なキーワードは苦手で、怖いと感じたけど、物語自体はそんなに怖くありません。逆に引き込まれて先が気になって止まらず、徹夜して読み終えてしまいました。
・作品紹介
内容(「BOOK」データベースより)
先生、本当のことを教えて。何で私の前に現れたの?研究者だった亡父の手帳を渡した直後、突然姿を消した先生。ほのかに想いを寄せていた高校2年の悠奈はたまらず後を追う。ところが再会したのは穏やかな先生とは別人のような鋭い眼差しの男。さらに悠奈の前に、「お迎えにあがりました」と謎の男たちが現れて―。
・著者紹介
大崎梢(おおさき こずえ)さん
東京都生まれ。2006年『配達赤ずきん成風堂書店事件メモ』(東京創元社)で作家デビューされます。児童書から一般書まで幅広く活躍されています。 -
Posted by ブクログ
成風堂書店シリーズが快調な大崎さんの初のシリーズ外作品。
父が失職し、父の実家へ引っ越してきた小学六年生・奈都の視点から語られます。
昔は大地主だったと思われる蔵波家の屋敷は、広大で複雑。
クラスメートにはほとんどお化け屋敷扱い。
家の中に住む親戚も初めて会う人が多く、緊張しまくり。
祖父は口数が少なく、大伯母の雪子にはきついことを言われ、あまり歓迎されているようには思えない。
しかも、父は職探しに行ったまま、母も祖母の元へ看病へ行って週末まで戻らないとわかり、心細さは頂点に。
隣席の男の子が見かねて、中学三年の姉のさゆりを紹介してくれ、首尾良く一緒の部屋にお泊まりして貰うことに。古い屋敷に、かねて興味津々だったというさゆりは冒険に乗り出す。
見た目は可愛らしくお行儀もいい美少女だが、好奇心旺盛で冒険好きな少年みたいなのだ。
屋根裏を探検した後、忘れてきたカーディガンが部屋に届けられ、片耳を切られたウサギのヌイグルミが置かれていた‥?!
近所のおばあさんが告げた片耳ウサギの不吉な伝説とは?
旧家の謎が今…?
小学六年生、賢すぎる気もするが、恐がりな少女が危機に際してがんばる話かな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作の長編では評価を下げたけれど、気を取り直して再挑戦。うん。やっぱりこのシリーズは短編の方が断然面白い。主人公の書店員・杏子を通して、知られざる書店員の日常が描かれ、一見小奇麗で穏やかで整然としていそうな本屋さんの仕事も、実は重労働なうえに時間に追われていて大変だということがとてもよく伝わる。このリアリティと、平凡そうな日常に起こる取るに足らない(でも不可解な)謎を書店員が解くところが一番の魅力だと思う。【以下ネタバレ含むあらすじ+ひとこと感想のため未読の方はご注意】『取り寄せトラップ』同じ書籍の4件の取り寄せ依頼。だが4件の依頼主に連絡をとると、だれもそんな注文していないという。再び同様の間違い依頼があったのち、書店を訪れた女性が「自分に関係しているかもしれない」と相談に現れる。多絵ちゃんの架空取り寄せトラップで見事解決。『君と語る永遠』社会科見学に訪れた小学生グループ。その中のひとりが高い棚にある分厚い広辞苑に手をのばす。少年の心を思うと切なくて胸を打たれた。『バイト金森くんの告白』成風堂の飲み会でバイトの青年・金森くんが過去の恋話を突然告白。野次馬根性丸出しの仲間にせっつかれて披露した話の中に、違和感を覚えたのは多絵ちゃん。金森くんの恋に未来はあるのか?付録付きでパンパンに膨れた女性誌を書店で見かけるたびに(全然興味ないけど)大変だなぁと思ったのを思い出した。ええっ!?パンツが付録って…どんな狙いなんだーーー!?(笑)『サイン会はいかが?』これは読みごたえ・満足度で断トツの秀作。人気上昇中の若手ミステリ作家が「匿名でメッセージをくれるファンの正体を見破れる書店員のいる書店でサイン会を開きたい」と要望をだしているという噂を耳にして、成風堂店長は声高に名乗りをあげる。初めての大規模サイン会に浮かれる最中、多絵ちゃん頼りのファン探しの方は不穏な雲行きに…。ファンではなく実は嫌がらせを続けるストーカーに悩まされているというのだ。自分の名推理にうぬぼれた作家の若さ、思慮の足りなさが無邪気に友人を傷つけてしまったという苦い話。一方的に犯人扱いされた人の気持ちがわかりますか?と作家を責める多絵ちゃん。あれ?でもその後の「相談してくれたなら百倍有効な仕返しを考えてあげたのに」って…誰に?(これ解らない自分って頭の悪っ)間違いは誰にでもある。知らずに傷つけてしまっていることも。自分の傷には敏感でも人の傷には鈍感になりやすい。それを忘れちゃいけないなぁ。『ヤギさんの忘れもの』常連客の老人と書店員との心の交流。ラスト近くの「(好きであることさえ忘れるようなめまぐるしい毎日は厳しいけれど)本を介してのささやかな出来事は、ときに楽しくときに刺激的でときにほろりとさせてくれる」という杏子のモノローグがいい。ところで、1作目では気にならなかったけれど、2作目を読んで以来、書店限定名探偵・多絵ちゃんの謎解き、種明かしの「焦らし」がどうも感じ悪く、しっくりこない。真相がわかってもなかなかネタを割ろうとしないのがもどかしくてちょっとイライラする。普通の名探偵キャラだと、高慢・偏屈さ(ホームズ系)、奇人変人型の天才(御手洗系)、自分で真相を明かせない事情(コナン系)などで、ネタ割までのヤキモキ感も楽しめるのだけれど、多絵ちゃんの場合はなんとなく焦らして楽しんでるように感じるのは一種の僻みだろうか。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「女ともだち」をテーマにした短編小説集。森絵都さん、阿川佐和子さん以外は初めましての作家さん。
共感もありながら、ちょっと切なくちょっとホラーで楽しかった。
《印象に残ったところ》
・COPY 村山由佳
まさかの結末。そちら側の方の気持ちは分からずしても想像するだけで苦しい。相手が友情の証として発する無邪気な言葉の一つ一つをどう受け取るのか、友達として関係を深めることと、自分の本当の気持ちをぶつけることへの矛盾をどう整理するのか、自問自答の日々なんだろうと思う。
私は友情と愛情は全く別物だと考えているけど、もしその両方を感じる存在がいたとしたら、自分ならどう行動するのかなと考えた。
我慢の末に歪んだ愛情を露わにした玲。初めてにして最大の罪。きっとこれでハッピーエンドになることもなさそう、きっとまだまだ苦しい日々が続くのかな、と想像した。
・ト・モ・ダ・チ 坂井希久子
ちょっと待って急にホラー。早苗は精神疾患?なのかもしれないけど。
職場のお姉様方の会話や関係性が妙にリアル。女ってこういう会話をしながら結束を固めていくのよね、って悲しくなるくらいにリアル。
そういえば昔Twitterに『新しい環境で妙に優しくしてくるような人には最大限警戒しろ』みたいな文章にとても賞賛の声が集まっていたのを思い出した。それってこういうことかしら。
でも私の経験則だとアルバイト時代(10代)、異動(30代)のとき、めっちゃくちゃ親切にしてくれたお姉さん、その後も凄くいい人だったんだよ〜。だから人によるってことでいい?
まぁでも、上手くやれる自信がないのなら職場での人間関係は希薄な方がいいよね、と再確認した作品(どんな作品)。
・こっちを向いて。額賀澪
この中で一番好きな小説だった。
志保の性格や考え方にすごく親近感を感じる。「どうしてそんなことでくよくよするの?」と言われるかもしれないけど、相手との今の関係値を崩したくない・相手は無理をしているかもしれないとか考えると動けなくなるよね。そして自己否定までがセット。全てが私すぎて、私が志保と友達になりたい。
サービスエリアでメニューを選ぶその一瞬の描写でも、志保と駒木さんと春田のそれぞれの性格が出ていて面白かった。
親友との関係性が少しだけ薄くなった?と自覚したタイミングでの出来事だったから、この一連の物語が余計に切なさを帯びている気がするけど、最後は親友のフェイスブックに勇気を出してコメントを残せた志保。私はその勇気を勝手に讃えたい。
・ブータンの歌 阿川佐和子
ちょっとだけスッキリ感のある物語。全体的に最後がモヤっとする小説が多かったからこの章に少しだけ救われた。
自分にとってのヒーローの行動、自分は覚えていてもヒーロー側は覚えてなかったりするよね。私も過去に自分のことを助けてくれた友達に、最近改めてそのことのお礼を言ったら、「そんなことあったっけ?」と言っててびっくりした。私はずっと忘れないよ。ブータンも万里に再会できて本当に嬉しかったんだろうな。
『今、自分が置かれている境遇に似た人と仲良くなる。女がともだちを作るときの条件は、基本的にそこにある。』
-ここから始まる一節は、切なくも全て真実だと頷きながら読んでいた。女友達は移ろいゆく。でもそれでいいんじゃない?と最近は思う。どこかで境遇や性格が変わって、また交わるかもしれないし。大切な思い出だけは忘れないように。あのとき支えてくれたこと、朝まで飲んで笑ったこと、傷つけるような言葉を言ってしまったこと、言われたこと。全ては難しくても、できるだけ当時の温度そのままに、大事に心に留めておきたい。少なくとも、その時の私を象ってくれたのはその時代の友達だと思うから。お互いの過去に少しでもそんな記憶が残っているのならば、それは十分幸せなことだよね。
《メモ》
短編小説って読むのは易しくても感想をまとめるのがめちゃくちゃ難しい。一小説読み終わったら、その都度ペンを取るべきか?
職場での人間関係や友達関係、ママ友との関係など、自分を取り巻く色々な人との関係値や過去の出来事を振り返りながら読んでいた。その上で改めて、私って人間関係得意な方じゃなさそう。
登場人物たちの、真っ直ぐに友情を信じる気持ちや、嫉妬で歪んでしまう気持ち、関係がグラついて自信がなくなってしまう気持ち、仕方ないから現状維持で!と開き直る気持ち、、etc全てに共感できた。私もちゃんと女してるってことね。
今は正解は分からなくても、それでも日々考えて考えての現状なのだから仕方ない。答え合わせはおばあちゃんになったときなのかな。それまで、私は今自分が大切にしたい人との関係や思い出を必死になって(もうこれが無理しているのかな?)守っていこうと思う。これが今の私の最適解です!