司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 坂の上の雲(八)

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    ネタバレ

    いよいよバルチック艦隊との全面対決で、日本は天祐とも呼べる歴史的な完全勝利をおさめる。1巻ほぼ丸ごとを使った海戦の様子は、両国がついに相まみえるところから、緊張感と迫力があった。終わり方はあっさりだったが、やはりここまで読んできた達成感のようなものがあった。
    あとがき集も読みごたえがあった。

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    2026年09月05日
  • 関ヶ原(下)

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    登場人物が多く、名前が似ていて構造が非常に複雑。だから理解し切れたとは言い難い。
    でも要点だけはなぜかすんなりと頭の中に入ってきてほんっとうに面白かった、というより深かった。
    それに物語の最後の終わり方があまりにも美しすぎる。

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    2026年09月04日
  • 風神の門(下)

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    高校以来の再読。忍者モノの痛快娯楽歴史小説としてはこれ以上ないくらい面白い。個人的には「梟の城」より好き。司馬史観とは距離を置いた作品。肩の力を抜いて、ただただ楽しめる。

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    2026年09月01日
  • 義経(下)

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    出来事は概ね史実に準じている様なものの、義経の特に女性関係(誰と肉体関係があったか)については一筆加えてるなという印象。

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    2026年08月31日
  • 十一番目の志士(下)

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    司馬さんが創作した幕末最強の剣客は、最後までユーモラスな雰囲気を失うことなく迷いながらも自分を見失わずに生き続けることができたようです。身分制度の撤廃を信じて微力ながら奮闘するお里さんが良かったな。

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    2026年08月30日
  • 十一番目の志士(上)

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    架空の人物が主人公なだけに、幕末期の悲壮さよりどことなくユーモラスな雰囲気を感じます。
    史実をベースにした司馬さんの幕末作品は熱い想いと無知な純粋さから読んでいて苦しくなる場合も多いのですが、本書はエンターテイメント性が強くて純粋に面白いです。

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    2026年08月27日
  • ロシアについて 北方の原形

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    ネタバレ

    ちょうど択捉島にプーチン氏が上陸したニュースを見て、ふと気になって読んでみました。
    古い本だけどもの凄く勉強になりました。
    自分の歴史認識がとても甘かった事を思い知らされるとともに、シベリアからモンゴルそして中国と、膨大に広がるユーラシア大陸の歴史的な流れ、ソ連・ロシアという国についてよく学ぶ事ができました。
    日本という特殊な島国に住んでいたら分かりづらい事情がある事を踏まえた上で、歴史的事柄が丁寧に綴られています。
    司馬遼太郎さんの中立した立場で語られる著書にはいつも尊敬と信頼の念を抱いています。こちら側に先入観を持たせず個人的感情をしっかり線引きした上でちゃんと伝わる、すごい筆力だと思います。
    ヤルタ協定で…モンゴル(ソ連傘下)と千島列島(ソ連へ引き渡し)がセットのように戦後領域がきめられていることが何を意味するか、私はきちんと分かっていなかったし、1945年のソ連による宣戦布告には米ルーズベルト大統領による圧力があった事も知らなかった。
    p246
    「北方四島の返還については、日本の外務省が外交レベルでもって…(略)…それを放棄したわけではないとう意思表示を恒常的にくりかえすべきだと思っている。しかし、それを国内的な国民運動にしたててゆくことは有害無益だと思っている。有害というのは、隣国についての無用の反感をあおるだけだということである。」
    なるほどと思った。

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    2026年08月25日
  • 功名が辻(四)

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    山内一豊とその妻千代の話。
    高知城に行ったのをきっかけにこの本を読もうと思った。1巻から4巻まで一気に読めた。
    関ヶ原前後の話はとても面白かった。
    千代の内助の功だけで大名になったというストーリーではあるがそれはそれで面白かった。忍者の男女が登場するが必要があったのか?一豊の最後が土佐の地を治めきるところまではいってないので、どの様に土佐が治められて行き明治維新前後に繋がっていくのかとても気になった。次はそのような本も読んでみたい。

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    2026年08月23日
  • 翔ぶが如く(五)

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    前半、大久保利通と清国の恭親王のにらめっこ戦が面白かったです。頭の中のイメージ上で、2人の眉間の皺が、どんどん深くなる!そして決裂!!
    最後は戦略勝ちで大久保利通に軍配が上がる。
    でも、本当の目的を達したのかという面では、勝ったのかどうかは不明。

    そして、やっと自由民権運動に関わった偉人たちが登場してきました!ただ、板垣退助の活躍はまだ描かれていません。

    中江兆民は、ルソーの『民約論』を翻訳したり、学校を開いて教えたりしていたそうです。兆民は土佐の人ですが、どちらかというと東京で活動していた人という印象を受けました。

    土佐は政治の面では主従関係を重んじる風潮が強かったのに、もともと自由人の多い県民性があるから、自由民権運動が起こったのかなと、高知県民と自由民権運動の関わりが気になります。

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    2026年08月19日
  • ロシアについて 北方の原形

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    司馬遼太郎さんは表現力、洞察力が違います。まるでその場で見ていたかのような描写でロシアについて理解が少し深まった気がします。

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    2026年08月17日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    空海の生きた風景を司馬史感で司馬遼太郎と一緒に見つめる。

    空海の起こした密教の考え方は生きていく上で、人格を見つめ直すという点、生きやすく生きていく点でかなり私の考えとして依拠しているし、参考にしている。

    密教を知るだけでなく、至るまでの空海の生きた時代を司馬遼太郎が当時の本から一緒に考えて見つめていく、こんなに想像力が掻き立てられて面白いことはあるだろうか。
    本当ではないかもしれないが、そんな密教を起こした空海について考えていくのは面白いことだなぁって思う。

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    2026年08月16日
  • 竜馬がゆく 17

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    武市半平太らが刑死、以蔵は信じていた武市に裏切られ全てを語るが、結局は刑死。武市の死を悼む、土佐の郷士達の思いが心を打つ。この後、土佐藩、日本の行方は、竜馬の活躍は如何に

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    2026年08月16日
  • 翔ぶが如く(四)

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    政策がどんどん複雑になっていって、佐賀の乱や台湾出兵など、当時の日本はかなり迷走していたんだなと思った。
    さらに、その裏には英米などの外国の影響もあって、日本がうまく利用されたり、振り回されたりしている。
    西郷さんはただの抽象的な存在としてあって、外野の圧力が膨れ上がって暴発寸前で、惨事が起こってしまったのは、仕方なかったんだなという感じ。

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    2026年08月12日
  • 燃えよ剣

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    函館へ旅行に行く前に予習しようと、この本を読み始めました。昔テレビで山本耕史が演じてたなぁという記憶があり、山本耕史の顔が重なってしまう。
    実は日野出身。読み終えた日輪の遺跡も日野。またもや、地元の話かと楽しめました。日野から京都、東北、函館。土方歳三の野生的な感というか、持って生まれた素質というか、闘うために生まれてきたのか、大組織をまとめる偉大な人。沖田総司との阿吽の呼吸の闘いも、きっと凄かったのだろう。

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    2026年08月12日
  • 街道をゆく 41

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    単行本は1995年刊。初出は『週刊朝日』連載(1994.5.20~95.2.24)。
    文庫で400ページ、一冊丸ごと青森県。タイトルは『北のまほろば』。縄文から中世にかけての繁栄を中心に話が進むのかと思いきや、そうではなかった。三内丸山も十三湊もさっと駆け足。
    盛りだくさんなのはいいのだが、往時のおのぼりさんツアーみたいに、次から次へ行ってしまう。しかも、その間に余談が入る。それが青森と直接関係なかったりする。たとえば、会津の話、明治大の考古学教室の話、直木賞の選考メンバーの話、etc。青森と関係なく話を楽しめと言われたら、そうすりゃいいだけの話なんだけど。
    作家や芸術家では、棟方志功にかなりのページを割いている。太宰治にもページを割いてるが、解説がピンぼけ。葛西善三や石坂洋次郎もとりあげているが、いまの人はもう知らんかも。
    井上ひさしが司馬遼太郎に「会津は東北ではない」と言ったそうな。その一文が気になって、しょうがない。『街道をゆく 白河・会津のみち』を読むしかないか。

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    2026年08月12日
  • 街道をゆく 5

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    モンゴル旅行前に予習として読みました。
    司馬さんの歴史小説は多く読んできたけど、エッセイは初読み。

    1970年代にモンゴルに行った時のお話なので、ソ連を通らないとモンゴルに入らないなど、今とは全然違う状況に驚きました。
    当時の様子がすごくよくわかり、さすが司馬さん!
    モンゴルの大自然の描写にも圧倒される。

    私が行ってきたモンゴルは観光客向けのところだったので、司馬さんのような大感動はなかったから、よりリアルなモンゴルを味わいに再訪したいなぁ。

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    2026年08月11日
  • 新史 太閤記(下)

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    歴史本でありながら面白い。
    登場人物全てのストーリーを語ってくれるので、背景が非常に分かりやすい。

    今の大河ドラマでは弟がフォーカスされているが
    兄の人間力があればこその天下統一だったのかと思う。

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    2026年08月09日
  • 花神(下)

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    壮大な物語でした
    花咲か爺さんとは上手く表現したものです
    あまりの合理主義さに
    一緒に仕事したいと思いませんが
    まさに維新の立役者ですね

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    2026年08月09日
  • 国盗り物語(四)

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    司馬遼太郎の『国盗り物語』を読み終えた。

    最初は、無名の僧・松波庄九郎(後の斎藤道三)が、知略と行動力だけで美濃一国の覇者へと駆け上がる姿に圧倒された。坊主から油屋、そして戦国大名へ。まさに成り上がりの物語であり、自己プロデュース力や状況判断力、圧倒的なハングリー精神には学ぶべき点が数多くあった。

    しかし、この作品の魅力は単なる成功譚では終わらない。

    二巻終盤では、老いによって自らの限界を悟り、自分が積み上げたものを次の時代へ託そうとする道三の姿が描かれる。一巻で感じた「強さ」だけではなく、一人の人間としての哀愁が胸に迫った。無から有を生み出し、その志を未来へ託した道三は、最後まで私にとって最も魅力的な人物だった。

    三巻からは物語の中心が織田信長と明智光秀へと移る。私は信長が主役になるものだと思って読み進めたが、実際には光秀の視点から物語が展開される場面が多く、その構成には驚かされた。その分、光秀という人物に自然と感情移入し、「本能寺の変」へ至る心の揺れや葛藤を追体験することになった。

    一方で、信長はあまりにも機能的な人間として描かれていた。既成概念を打ち破り、新しい時代を切り開く革命家である反面、人の感情にも、自分自身の感情にも無頓着だったように感じる。その結果、最後は人の感情によって討たれるという皮肉な結末を迎える。この対比は非常に印象的だった。

    また、この作品を読みながら「勝利の方程式」という視点でも考えた。道三、信長、そして豊臣秀吉には、時代の変化に応じて柔軟に自らを変え、何度でも挑戦する姿勢があった。一方、光秀は優秀であるがゆえに理想や自尊心に縛られ、状況に応じて自分を変える柔軟さや即興性に欠けていたように思う。そして運もまた歴史を左右する大きな要素だった。しかし、その運を掴めるだけの準備ができているかどうかもまた、勝者と敗者を分ける要因なのだと感じた。

    読み終えたあとに残ったのは、壮大な歴史の感動だけではなく、人間という存在の儚さだった。

    人は夢を抱き、何かを築き、誰かへ託し、それでも志半ばで倒れることがある。努力だけではどうにもならない運命もある。それでも人は前へ進み、自分の天命を全うしようと生きる。

    だからこそ、人生は難しい。

    そして、だからこそ美しい。

    『国盗り物語』は、戦国時代を描いた歴史小説であると同時に、「人は何のために生き、何を未来へ託すのか」を問いかける、最高の人間ドラマだった。

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    2026年08月07日
  • 竜馬がゆく(七)

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    7巻目
    日本初の株式会社「亀山社中」、船がない、金がないで、さすがの竜馬も開店休業状態。ここで竜馬最後の大仕事、大政奉還の相棒、後藤象二郎との出会いが、後藤象二郎は武市半平太を死に追いやった張本人であり、竜馬たちには殺したいほど憎んだ人。だが、そういったこと全てを飲み込んで、手を結ぶ、さすが坂本竜馬。
    後藤と手を結ぶことにより、亀山社中は「海援隊」へ、ついでに陸援隊も作っちゃえ。と。
    大政奉還の案を土佐藩から提出させ、薩長に遅れないように、ただ早すぎても、遅すぎてもダメ。怒涛の展開です。「船中八策」もこの巻で。

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    2026年08月05日