司馬遼太郎のレビュー一覧
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才蔵が主人公。
幸村と佐助は、才蔵と対立状態になることもあるため(才蔵は幸村の部下ではない)、ふたりに苛立つこともあります(笑)。
どうしても才蔵を応援してしまう。
何となく、才蔵が幸村方につくのが、いやというか……。
孤高の忍びであってほしいのですね。
こんなに幸村と佐助に敵愾心を抱いたことは、初めてです(笑)。
幸村は、普段はにこにこしてるけど、才蔵の力量を高く買っているので、「味方にならぬのなら殺してしまわなければならぬ」くらい平気で思っている、黒い人です。
佐助はまあ、幸村が大好きな、普通のかわいこちゃんです。
豊臣も徳川もどうでもいいけど、主に惚れてしまったので、そのために働く、 -
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全巻通読後のレビュー。
全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。
しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。
島津久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。
物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さら -
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全巻通読後のレビュー。
全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。
しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。
島津久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。
物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さら -
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カメラに向かって司馬さんが語ったものの文章化であって、小説やエッセイ以上に、司馬さんの生々しい思いが伝わってくる。解説でも述べられているが、「私は非力ですなぁ」という嘆きともとれる言葉によって、この本の内容がリアルに迫ってくる。
司馬さんに対して、日清・日露戦争と比べて太平洋戦争を否定的に扱いすぎる、という批判があるらしい。だから司馬さんは昭和を小説にできなかったのだ、と。
しかし、小説家が小説で伝えることのできないほど、屈折した、強烈な思い、印象・・・。だからこそ耳を傾けるべきなのではないだろうか。
それに、日本人であって、あの戦争を否定的に捉えない人など、いないと思う。