司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 翔ぶが如く(八)

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    かつて徳川幕府を倒した日本で最強の薩摩軍が、この西南戦争では十分な戦略がなく、政府軍に対して優勢を保つことができない。戦略としてあるのは、西郷をたて東京に向かう途中で各地域の士族が同調し雪だるま式に軍勢を拡大して、最終的に太政官を倒すことである。しかし、現実としては熊本城に拘り、軍の配置も非効率となっていることが指摘されている。戊辰戦争と西南戦争の違いは驚くべきものである。

    薩摩軍の士族個人個人は非常に精強であり戦に慣れている反面、政府軍はまだ徴兵されて間もない兵士であり戦にはなれていない。ただ、武器・補充体制・全体の戦略という観点で政府軍が優位に立った。

    戦争における優劣を決めるにあたり

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    2010年03月09日
  • 翔ぶが如く(五)

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    明治7年、大久保利通が清国で繰り広げた外交劇は非常に印象的だ。平行線の交渉の場をあらゆる手段を用いて粘り強く挑むその姿には感動を覚える。どのような辛い立場であっても糸口を見つけるために頑なに挑み続けている一面を劇的に描いている。

    外交に限らず交渉において妥協をせずに自分の目標・目的に少しでも近づけるように努力することの大切さをしみじみと感じた。

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    2010年03月08日
  • 翔ぶが如く(六)

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    西郷の唱えた征韓論は知っていたが、征台論は知らなかった。それもまさか征韓論を反対した大久保利通が征台論を唱えたというのは、その時代背景の複雑さを物語っている。例えそこに事情があったとしても、やはり民衆から見れば太政官に対する信頼を失うことになりかねない。
    大久保は西郷のことを考え、そして、薩摩士族の不満を少しでも解消させる手段として負の影響を少ないと考えた台湾出兵を考えた。しかし、結果的にはそのこと自体が士族の不満を増大させることになる。

    一貫性の無い政策はいつの時代も国民の信頼を失う。

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    2010年03月08日
  • 翔ぶが如く(七)

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    明治10年西南戦争が勃発する前夜の状況を事細かに描写している。この戦争のきっかけとなる、西郷暗殺計画と火薬庫破りに関しては太政官側の動機がいまいち曖昧であり、そのこと自体の真偽も確かでない。ただ、どのようなきっかけにせよ、この時代の薩摩と中央政府を巡る関係から西南戦争が発生する危険性は非常に高く防ぐことは難しかったのではないかと推測される。西郷隆盛は薩摩士族にとって大きな存在であったが、それ以上に反政府の気運は強く、西郷の意思に沿わずともその西郷を表に立てることで得られる心理的な高揚感から戦争に突入した。

    ただ、冷静になって考えれば新しい政府を作ることが非常に難しいことで、人心を掌握して多く

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    2010年03月08日
  • 新装版 歳月(下)

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    Kodama's review
    征韓論で賛否が分かれた新政府。江藤新平は、佐賀に戻り政府に対抗することに。結局、征韓論を唱え、または支持した前参議は命を落とすことになった訳ですが、その江藤と西郷隆盛の共通点は、二人とも海外に行ったことがなかたこと。百聞は一見に如かず…果たして二人は海外渡航への経験があれば、違った人生を歩んでいたのかも知れません。
    (10.2.28)
    お勧め度
    ★★★★★

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    2010年03月07日
  • 新装版 歳月(上)

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    Kodama's review
    肥前佐賀藩の小吏の家に生まれ、幕末の風雲の中を掛けぬけ、新政府の参議にまで駆け上る。ここまで海外に赴くことがなかったにもかかわらず、海外に行ったことのある人間よりもその知識を持ち得ていることに人々は驚かされる。そんな卓抜した能力も彼が参議にまで至る理由なのでしょう。下巻へ!!!
    (10.2.21)
    お勧め度
    ★★★★★

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    2010年02月28日
  • 翔ぶが如く(四)

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    明治7年前後の日本が内政上の問題にかかりきりで外交にまで十分に力をまわせていないことが分かる。海外の政府やマスコミからは馬鹿にされつつも、国内の反政府分子の勢いを沈めるため征台論をかかげその実行に乗り出すところなど、内政のための外政であるとの筆者の指摘は確かかもしれない。これは今でもいえることだが、国内がしっかりしていないと、海外からつけいられうまいように利用されるリスクを負う。だからこそ、政権が変わって大変な時期といえども政治がしっかりして欲しいものだ。

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    2010年03月07日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    わが人生は一場の「俄」のようなものという明石家万吉の人生訓が、理解できるのがこの後編。時代は、ちょうど長州藩が京都で負けたあたりから万吉最後のおお仕事までの話。前編ほど痛快ではないが、万吉の度胸と運の良さは顕在。しかし、時代の変わり目からか少しこころに余裕があったのかいろんな葛藤がえがかれている。そういう意味では前編よりも少し感じる部分がおおい。

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    2010年02月11日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    書くの忘れてたので、3巻と一緒にアップ。
    村重、信長、秀吉、半兵衛など、人物も大勢登場で、いよいよ話が大きく動いてきました。

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    2010年02月02日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    有岡城の幽閉生活から生還。
    「地獄を見てきたのだ」とか、官兵衛だから言える言葉(それ以外の人だと、中二病)
    そして高松城へ。

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    2010年02月02日
  • 果心居士の幻術

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    忍者、新選組、古代史とおいしいモノがつまった、巨匠・司馬遼太郎氏による「呪術もの」「奇譚もの」的短編集です。

    本書の「壬生狂言の夜」が、司馬御大が初めて手がけた新選組もの、らしいです。ここから「燃えよ剣」などにつながって行ったんですねー。

    表題作の「果心居士の幻術」は、室町~安土桃山時代の怪人兼幻術師兼忍者と言われている、果心居士の話です。
    好きなんですよ、この手の人物。
    役小角や道鏡や、そしてこの果心居士。
    怪しいけど、なんか惹かれてしまう。

    中でも「八咫烏」は、司馬御大の作品としては異色な印象を受けました。
    古代、神武東征の時代が舞台。出雲神話を軸に展開されています。
    八咫烏は神武を

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    2010年01月30日
  • 新装版 戦雲の夢

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    泣けちゃう。戦国のゆとり世代はこんなこと考えて生きてました。夏草の賦・関ヶ原と合わせて読むと諸行無常感がとても耐えられない。

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    2010年01月28日
  • 十一番目の志士(下)

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    赤根武人への視点ががらりと変わってしまいそうな、司馬史観の目の付けどころに感服するばかりでした。嫌う人も多いですけど、やっぱり歴史の隙間を埋めるような、司馬先生の小説が大好きです。あくまでも小説なのに、本当にあったことのように感じてしまう、そんな不思議な作品でした。

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    2010年01月25日
  • 司馬遼太郎短篇全集 第三巻

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    NHK大河「龍馬伝」が始まったので読んでみた。

    大半の人は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」が原作だと勘違いしている(笑)
    司馬遼太郎は司馬遼太郎で面白い、
    ぐいぐい読ませる感じ。

    ドラマがどうなるのかちょっと楽しみ。

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    2010年01月20日
  • 菜の花の沖(二)

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    いよいよ船持ちになりました。故郷の人達とも和解するところはさらっと書いていたが、人間大きくないと許せないよね。えらい!次巻はいよいよ大きな船を作らせて船出かな。

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    2010年01月17日
  • 菜の花の沖(二)

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    北風の湯に松右衛門と多くの出会いに恵まれ、材木を冬筏で運んだりして次第に名を上げた嘉兵衛。もち船を得た嘉兵衛は淡路の弟たちを呼び寄せ教育し、運にも恵まれ蝦夷地に行くための手配が進んでいく。鰹節にとても拘るくだりがなかなか愉快です。

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    2010年04月22日
  • 草原の記

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    司馬遼太郎の年来の心のふるさとであるモンゴルについて語った紀行であり評伝である。

    モンゴル民族は、著者の言葉を借りれば、「奇跡的なほどに欲望すくなく生きて」きたのである。

    このふしぎな民族を象徴させるように、13世紀に帝国の基礎を築いたオゴタイ・サーンと現代史の非情を淡々と生きぬいた知的な女性「ツェベクさん」対比的に登場させ、心奥の詩の散文化された文章として、自由な座談調で書かれている。

    モンゴルに始まりモンゴルで終わった著者の文体の芸が完成された作品となっている。

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    2009年12月22日
  • 風神の門(上)

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    才蔵が主人公。
    幸村と佐助は、才蔵と対立状態になることもあるため(才蔵は幸村の部下ではない)、ふたりに苛立つこともあります(笑)。
    どうしても才蔵を応援してしまう。
    何となく、才蔵が幸村方につくのが、いやというか……。
    孤高の忍びであってほしいのですね。
    こんなに幸村と佐助に敵愾心を抱いたことは、初めてです(笑)。

    幸村は、普段はにこにこしてるけど、才蔵の力量を高く買っているので、「味方にならぬのなら殺してしまわなければならぬ」くらい平気で思っている、黒い人です。

    佐助はまあ、幸村が大好きな、普通のかわいこちゃんです。
    豊臣も徳川もどうでもいいけど、主に惚れてしまったので、そのために働く、

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    2009年11月07日
  • 翔ぶが如く(九)

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    全巻通読後のレビュー。

    全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。

    しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。

    島津久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。


    物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さら

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    2009年11月01日
  • 翔ぶが如く(八)

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    全巻通読後のレビュー。

    全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。

    しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。

    島津久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。


    物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さら

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    2009年11月01日