司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 花神(上)

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    周防の村医から倒幕軍総司令官になり、明治に我が国の近代兵制創始者となった大村益次郎の生涯を描いた作品。初めて読んだが、とても面白かった。適塾の緒方洪庵や福沢諭吉が登場する。適塾で蘭学の修養を深め、その蘭学の才で宇和島藩で士分に取り立てられ、幕府の教授にまで登りつめる。さらに長州藩に取り立てられ、師匠の緒方洪庵が亡くなったところで上巻は終了。明治維新回天はこの人の活躍を見逃せないので、今後も楽しみです。

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    2015年01月27日
  • 翔ぶが如く(十)

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    この本を読むまで西郷隆盛を誤解していた。
    大久保利通についても同様。
    幕末から維新を知る上で、この本を読まないということはありえない。
    しかし、太平洋戦争の日本軍のとった行動心理と、西南戦争における薩摩藩の因果関係はどのようなものがあるのか気になった。同じ感覚を覚えた。太平洋戦争の際には、薩摩の桐野のような爽快さはないのかもしれないが。

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    2015年01月27日
  • 項羽と劉邦(中)

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    上巻より中巻の方が話が進み、面白かった!有名な鴻門の会も出てくるし。にしても項羽と劉邦は人間性が対極である。勇猛果敢だけれど若さゆえ突っ走りがちな項羽、知恵が回るけれど臆病、怖がりすぎな劉邦。敗走する際に我が子を何度も馬車から突き落とすって、その子らの親だろ!と。こんな臆病で怖がりな劉邦がこの後、どうやって漢帝国の開祖になるのか続きが楽しみ。因みに劉邦に降ってきた韓信、なかなかイケメンです!(笑)

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    2015年01月11日
  • 世に棲む日日(三)

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    高杉晋作は革命を成し遂げるために生まれてきたと実感した。蛤御門の変や禁門の変で松下村塾の人達が亡くなるなかで、その場に居合わせなかったのは、天の差配だろう。高杉晋作はあちら此方と動きまわるが、井上聞多の大活躍ぶりや山県有朋の台頭など明治日本で権力を握った人達の動きなどもなかなか面白い。

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    2015年01月07日
  • 花神(上)

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    主人公である村田蔵六と彼を取り巻く人々の様子が生き生きと描かれている。適塾の師である緒方洪庵、シーボルトの娘イネ、イネの保護者である二宮敬作、適塾の後輩にあたる福沢諭吉など。各人物の気質、性格と蔵六との関係が細やかに説明されていてとても面白い。

    特に印象的だったのは宇和島藩時代のエピソード。藩主伊達宗城の命で蒸気機関を造った嘉蔵と接するくだりだ。

    身分の低いちょうちん張りの男が、何の知識もないところから、自分の経験と想像力だけで蒸気機関のもとになるカラクリを造った。それを目にした蔵六がこう思う。以下引用する。


    “蔵六がむしょうに腹が立ってきたのは、これに驚嘆したあとだった。嘉蔵がヨーロ

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    2014年12月31日
  • 殉死

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    小説らしからぬ小説。事実の積み重ねに重きを置いているように見え、まるで伝記みたい。だが、旅順攻略の際に児玉登場などあるので、やっぱり創作が入った小説なのだろう。
    読後いろいろ疑問がある。あまりにも乃木は本書で無能呼ばわりされているが、そんなにも無能な乃木がなぜ三軍を率いるほどの大役を任され、また任され続けたのか。たぶん結構な人数が不思議に思うのではないだろうか。長州出身で縁故があったとか明治帝の寵愛だけでは説明が苦しいように見える。もはや50歳代の老将軍にとって縁故は関係ないだろうし、国家存亡に際して明治帝の意向で指揮官が簡単に決まるような明治国家でないことは司馬遼太郎が一番知ってることではな

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    2017年04月20日
  • 菜の花の沖(五)

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    ネタバレ

    小説部分の少ない巻。コサックによるシベリア東進や、ピュートル大帝・エカテリーナ二世のロシア近代化。アダム・ラクスマン、レザノフと続いた日本への交易要求・樺太襲撃等々、本小説の後半のクライマックスである、ゴローニン事件につながっていく出来事を体系的に解説。司馬さんには『ロシアについて―北方の原形』という著作もあり、ダブる内容もありますが、いずれもロシア国家の性質を理解するのに優良な著作。

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    2014年11月23日
  • 馬上少年過ぐ

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    司馬遼太郎氏の短編集。短編とはいっても、一つ一つ重厚でとても丁寧に書かれている。
    他の長編のダイジェスト版のようになっている小説もあり、長編に取り組んでみたいが敷居が高いと思う人は、こういう短編集から読んでみるのもいいかもしれない(といってもやはり長編がおススメだが)。
    室町時代から江戸時代まで、必ずしも一番活躍したわけではない歴史の脇役に焦点があたっていて興味深い。本当に面白くて、寝食を忘れて読んだ。

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    2014年11月10日
  • 菜の花の沖(六)

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    2014.11.12
    いい作品だった。
    嘉兵衛の生き方に魅了された。

    外交とは真剣勝負であり、結局は個人の信頼関係が大事。そして、その積み重ねなのだ。

    仕事も全く一緒だね。

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    2014年11月12日
  • 菜の花の沖(五)

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    2014.11.6
    ロシアと日本の話。司馬遼太郎の戦争観、国家観が表れている。
    嘉兵衛の蝦夷での活躍は凄まじかったのだろう。船と海を愛した好漢。ロシアとの出会い、次の展開が楽しみだ。

    幕末前、この時期は商品経済の勃興という矛盾、鎖国という矛盾が露呈し始めていた。この矛盾が幕末、明治維新の原動力になったのか。

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    2014年11月06日
  • ロシアについて 北方の原形

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    江戸も中期に及んでようやく存在を意識し、駆引きを初めて250年ほどのロシアについて、示唆に富んだエッセイにより学ぶ。欧州人はロシア平原でロシアを感じるのに対し、我々日本人はシベリアでロシアを感じる。よって本著では、ウラル山脈以東における民族の栄華と零落としてモンゴル、そして清王朝についても詳しい。他民族に対して、日中蒙は軽視する傾向にあるが、露は親切に対応すると評価される。北方四島の返還について、そもそも領土問題について、外交レベルの主張はあっても国民運動にしたてることの無意味さがおぼろげに見えてきた。

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    2014年11月02日
  • 菜の花の沖(三)

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    2014.10.15
    当時は未知の地であったろう、蝦夷。圧政を強いられていて蝦夷を救いたいという役人のあつい思い。貧窮している幕府財政も原因であろうが、蝦夷を直轄地とすることになった。船を手に入れたことで、より自由になり、自分の意思で動き始めた嘉兵衛。政治にも関わることとなるのだが、それは次の話。雄大なロマンを感じさせる。

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    2014年10月17日
  • 菜の花の沖(二)

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    2014.10.10
    商人としての嘉兵衛が書かれており、用船をしている現在の自分の仕事と全く同じ事情であり、面白い。また日本の各地域の特色も垣間見ることができ興味深い。

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    2014年10月10日
  • この国のかたち(六)

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    ネタバレ

    この巻の途中で、司馬遼太郎は、死んだ。
    あの世で高田屋嘉兵衛と話せるといいね。歴史家には死んでからもその楽しみがある。



     司馬氏が一番書きたかったのは、昭和の戦時下の歴史のはず。事実、司馬氏はなぜ歴史を書くのかという問いに「22歳のころの自分に手紙を書いている気持なんだ。何で日本があんな風になっちゃったのか。昔の日本人はもっとまともだったに違いない。そう思って歴史を書いている。」とこんな感じで答えている。つまり、昭和の15年戦争を追及するために歴史に携わっているということだ。
     けれども、司馬遼太郎はその昭和の時代の作品は書けなかった。「書いたら、俺は、死んじゃうよ。」そう言っていたらし

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    2014年10月06日
  • 花神(下)

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    かくありたい、、と思わせてくれる人でした。大村益次郎、司馬遼太郎の作品の中でも好きな人物になりました。幕末は本当にいろんな人が描かれていて面白いですね。次は峠の河井継之助を読みます。

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    2014年09月21日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    播磨平定に奮闘する官兵衛、そして村重による謀反までを描いたもの。
    御着の小寺の殿と、秀吉との間で官兵衛の中間管理職的な苦しみが実にうまく書いてある。
    戦国時代も今も結局はサラリーマン組織なのだなあ。

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    2014年09月17日
  • 菜の花の沖(四)

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    ネタバレ

    ロシアの南下に備えた、幕府による松前藩からの東蝦夷租借と、高田屋嘉兵衛による択捉への航路開拓と開発の開始。小説であるけれども、司馬遼太郎お得意の欧米とアジア(中国的冊封体制による緩やかな支配)の領土感の違い等々の考察が面白い。

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    2014年09月07日
  • 花神(下)

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    大村益次郎を主人公にした司馬遼太郎の小説。全3巻の最終巻で、新政府の軍総司令官となり戊辰戦争に勝利し、明治維新は完成する。これほど軍事に関しては天才的だが、人間関係の下手さから反感を買い暗殺されてしまう。時代に流されながらも自分の役割を全うし、ひっそりと去っていく姿に哀愁を感じました。

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    2014年09月03日
  • 菜の花の沖(三)

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    ネタバレ

    最近並行して、ヴェネツィアや琉球のように貿易立国をしていた地域の事を書いた本を読んでいますが、この「菜の花の沖」は北前船という日本国内貿易について書いているにも関わらず、面白さは群を抜いています。天下取りの英雄や、維新の志士が出てくるわけではありませんが、司馬遼太郎の著作の中でもかなり上位ではないかと。
    この巻は蝦夷地における松前藩の支配と、ロシアの南下に対応した江戸幕府の動きがポイント。江戸幕府の外交と言えば、ペリー来航時の無策ぶりから機能不全だったのではとのイメージありましたが、有能な人物の登用等、官僚組織がきちんと機能していたことがよくわかります。

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    2014年07月20日
  • 馬上少年過ぐ

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    司馬遼太郎短編集。
    全部で7つの短編集なので、それぞれの内容と感想をかなり手短に。

    英雄児…頭が良過ぎる河合継之助の話。無隠の立場からみた継之助の生涯という感じ。「あの男にしては藩が小さすぎたのだ」という台詞がなんとも言えない。

    慶応長崎事件…海援隊と外人水兵の斬った斬らなかった話。坂本龍馬、アーネストサトウも出てくる。とにかく幕末の話なので、攘夷運動が盛んな時にこの事件は相当まずい。頭脳戦。

    喧嘩草雲…絵師の草雲の話。足軽の子だから足軽絵師。嫁のお菊が亡くなってから人が変わったようになり、穏やか草雲になった。名将であり絵師であった草雲。お菊はいい嫁だったんだなぁと、しみじみ。

    馬上少

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    2014年07月13日