司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 街道をゆく 40

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    李登輝さんが亡くなったことを受け、改めて読み直す。本シリーズは、紀行文のようでありながら、その実、司馬さんがとめどなく語り尽くす歴史の蘊蓄が魅力である。この台湾紀行は特にその感が強く、台湾の歴史、台湾に関わった日本人、市井の名もなき人たちが、パッチワークやコラージュのようにつなぎ合わされ、台湾という「国のかたち」が浮かび上がってくる。

    司馬さんは、自分の作品を「22歳の自分への手紙」と言う。終戦時に抱いたこの国はどうしてこうなってしまったのかという強烈な疑問への回答という意味である。台湾について語る場合、当然、日帝時代は避けて通れない。ただ本書では、あくまで台湾にフォーカスが置かれているよう

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    2020年09月27日
  • 合本 十一番目の志士(上)(下)【文春e-Books】

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    主人公の名は天堂晋助、長州の庶人出身の下級武士、剣の腕が滅法立つ彼は高杉晋作に会うことで人生が大きく変わる。
    高杉の言うがままに刺客として幕末の時代を駆け抜ける。

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    2020年09月25日
  • 合本 竜馬がゆく(一)~(八)【文春e-Books】

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    面白くて一気読み。
    若いときには、理解できなかった事が
    人生経験をそれなりに経た今、より深く
    理解と感動を得る。

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    2020年09月25日
  • 功名が辻(二)

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    本書を読む限り、山内一豊は武も無い、知も無い、凡将としか映らない。
    千代がいてこその、山内一豊。
    千代と結ばれていなければ、どうなっていたのか。
    今後の千代の手綱さばきに注目していきたい。

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    2020年09月21日
  • 新史 太閤記(下)

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    全国統一のグランドデザインを、日本を経済圏として見ていたのは、武将ではない秀吉ならではの発想なのだろう。してみると、商人上がりの斎藤道三では時代が早すぎたし、織田信長は既成概念にとらわれない頭脳の持ち主とはいえやはり大名であり武士であるから、秀吉のような構想を持ちえたかどうか疑問だ。まさに歴史の要請があるところに、例を見ない上昇志向の持ち主がいて、しかも異常なまでのバイタリティと先見の明を持っていて、血縁や家柄であるとか、個人ではどうしようもない概念のような困難なものまで含んだそれまでの世の中の仕組みを、実際に変革していくだけの行動力を持った男がここに誕生していて、それにいろいろな偶然が重なり

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    2020年09月19日
  • 世に棲む日日(一)

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    この本は国盗り物語で前半斎藤道三、後半織田信長が主人公であったのと同じように吉田松陰、高杉晋作が主人公として登場する。
    龍馬が行くの本の中で維新で活躍した人物は他の時代に生まれてもなんらかの傑出した人物になったであろうが高杉晋作だけはこの時代でなかったら活躍の場所はなかったであろうという記載が確かあった。
    山口が産んだ二人の天才の物語。二人とも維新の前に生涯を閉じた、悲しくも美しい物語だと思う。傑作。

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    2020年09月14日
  • 功名が辻(一)

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    後の土佐藩主として知られる、山内一豊。
    内助の功で一豊を、土佐藩主にまで押し上げた千代。
    この夫婦の、戦国成り上がり物語。
    ふたりののキャラクター作りが、際立っている。
    一豊に無いものを、千代が補う。
    正に、理想の夫婦。
    この先が楽しみである。

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    2020年09月13日
  • 国盗り物語(一)

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    これほどまで感情移入してしまうとは。
    庄九郎がとてと魅力的、とくにお万阿とのやりとりがおもしろかった。
    とてもフィクションとは思えない、司馬遼太郎の人物像の作り方に脱帽です。

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    2020年08月28日
  • 菜の花の沖(六)

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    司馬遼太郎が江戸時代の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた長編歴史小説全六巻。日露双方、文化、風土の違いはあれど分かり合える部分も多いのが印象に残る。

    江戸時代も後半、蝦夷地の開発が進む中、高田屋嘉兵衛はロシアとの争いに巻き込まれ日本が捕虜としたゴローニンの報復的にロシアに囚われる。

    あくまで一商人の嘉兵衛なのだが使命感や大局を見渡す視点など江戸時代の人々の文化的な水準の高さを表象しているように思える。言葉遣いや態度など司馬遼太郎は浄瑠璃の影響を指摘している。

    日本が初めて本格的に直面する近代国家の進出。硬直的な幕府の官僚と対象的な嘉兵衛の生き方、態度を現代社会に置き換えてみるとどうなるのだろ

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    2020年08月20日
  • 菜の花の沖(五)

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    江戸期の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた大作。全六巻中の五巻。いよいよロシアと日本が衝突する時を迎える。

    江戸幕府とロシア、それぞれの立場の良く分かる巻。余談がほとんどを占め嘉兵衛はほとんど出てこない。ラクスマン、レザノフ、ゴローニン。日本史で習った人物たちが活き活きと描かれる。

    ここまでの四巻では全く出てこなかったロシア。唐突に現れるのも構成なのだろう。当時の日本人の驚きはもっとずっと大きかったことだろう。

    現代まで続く日露の国境の問題の原点ともいえる両国の蝦夷地開発の歴史が本作で良く分かる。

    残り一巻で結末まで持って行けるのか、まだまだ予断の許されない展開が続く。

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    2020年08月04日
  • 国盗り物語(四)

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    織田信長と明智光秀の両者の人間像の洞察が、客観的、時に批判的によく分析されている。このあたりがジャーナリストであった作者のニュートラルな視点の賜物と思う(作者が織田信長にも明智光秀にもあまり惚れ込んでいないということもあるのかも知れないが)。「この男、ふだんはこうこうこういう男なのだが、どうやらこういう一面も持ち合わせているようだ」というような、突き放した物言いはシンプルだが、これこそ理屈では説明しがたい人間の矛盾した人格の表現にはうってつけな表現なのだろう。史料などから読み解き、どうにも辻褄があわない、理屈にあわないその人物の行為を強引に解釈するのではなく「よくわからない」と書くことで、本来

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    2020年07月26日
  • 菜の花の沖(四)

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    司馬遼太郎が江戸時代後期に活躍した船乗り、承認の高田屋嘉兵衛を主役とした大作、全6巻中の4巻。いよいよ択捉島の開発が始まる。

    エトロフ島の航路を確立。15万石に匹敵するというエトロフの開発が始まる。幕府の官僚的体制の中、それでも豊富な人材、多くの有為の人物との出会い。

    嘉兵衛は単に利益を求めるのでなくロマンに惹かれていく。師匠というべきサトニラさんの後悔を考えると止めた方が良かったのだが、蝦夷地定御雇船頭を引き受ける。ここの所がこの後どう響いてくるのだろうか。

    残り2巻、ロシアの存在が見えてくる今後。どのような展開になるのだろうか。

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    2020年07月18日
  • 国盗り物語(二)

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    面白い!

    筆者である司馬遼太郎と斎藤道三が対談しているかのような章も新鮮。
    現代を生きる術にも通ずるところがある。

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    2020年07月17日
  • 新史 太閤記(下)

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    下巻はいよいよ本能寺の変から本格的に秀吉が天下統一を果たしていくことになる。

    信長という存在がある限り、秀吉の目的は信長を儲けさせる事。そのためなら信長から殴られようが蹴られようが、その目的のために事をなしていく。

    ふと信長のやり方よりも自分のやり方のほうが上手くいくと思っても、そこは耐える。主君を裏切ってまで我を張らない。自分のほうが器が大きいと思っても。

    それが信長という存在がいなくなる事で解放された時、秀吉の才能が爆発する。後半は秀吉の独り舞台。

    天下を取るために、どのように相手に振る舞えばいいか。大名という土台がないだけに自分一人の才能が頼りになる。

    不世出の天才の後半は描か

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    2020年07月15日
  • 街道をゆく 37

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    ネタバレ

    本郷界隈がこんなにも歴史に囲まれた場所だったのかと気づかされた。
    江戸時代の加賀藩邸のあったので時代。明治以降、東京大学ができた時代。
    とくに漱石、「三四郎」の世界を歩く道行きは楽しかった。三四郎の時代、司馬遼太郎が歩いた時代、そして今。

    本郷界隈は「坂」の町であることも、よくわかる。知っている「坂」もいくつかあるし、知らない坂も行ってみたい。

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    2020年07月11日
  • 国盗り物語(一)

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    難しそうだからと敬遠してたけど、真逆だった!
    めちゃくちゃ分かりやすくて面白い!

    まぁ、ほぼフィクションなんだろうけど、
    司馬遼太郎の手に掛かると斎藤道三がこんなにも魅力的なキャラになるとは。

    続きが楽しみ♪

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    2020年07月10日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    広範な資料を閲読した経験に裏付けられた作家にとっては、地図上の地名一つからでも、その地にまつわる人の物語を紡ぎ出すことができるのである。

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    2020年07月01日
  • 義経(上)

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    さすがは司馬遼太郎

    日本人がこれまで飽きるほど見たり聞いたりしてきた義経物語だが、司馬氏のてにかかるとここまで秀逸で欣快の書物となるのであろうか。

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    2020年06月30日
  • 花神(下)

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    初読は高校3年生の受験直前。43年ぶりの再読です。今回も読み始めたらやめられず、睡眠時間を削って読みました。

    本書は周防の村医から一転して討幕軍の総司令官となった近代兵制の創始者大村益次郎(村田蔵六)の生涯を描きます。

    「大革命というものは、まず最初に思想家があらわれて非業の死をとげる。日本では吉田松陰のようなものであろう。ついで戦略家の時代に入る。日本では高杉晋作、西郷隆盛のような存在でこれまた天寿をまっとうしない。3番目に登場するのが、技術者である」

    吉田松陰と高杉晋作を主人公にしたのは「世に棲む日々」。一種の技術者を主人公にした本書は、その姉妹作品と言えます。ただ、大村益次郎は「ど

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    2020年06月26日
  • 国盗り物語(三)

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    晩年の道三の「天下を獲るには自分には時間がない」という寂寥。どれだけの才覚と体力と実行力があっても、壮気というか欲望というものを人間はやがては失っていくのだな、と、10代で読んだ時には感じなかった心情に共感した。読書は読んだ時によってまるで受け取るものが違うと改めて実感した。将軍家再興に奔走する光秀を、幕末志士のようなタイプで戦国時代には類を見ないという指摘にはなるほどと思った。

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    2020年06月26日