司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 竜馬がゆく(五)

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    池田屋の変と蛤御門の戦いで大勢の志士が命を落とした五巻。

    長州に対しても幕府に対しても思うことが、人の命を奪う事で解決する問題なんてあるんだろうか?敵を殺しても、その遺族や仲間には怨嗟が残り、またそれが次の戦いへと繋がっていく。今回は志士側が負けたが、その後の戊辰戦争では幕軍が敗退し、会津若松では今でもその禍根が残っている。
    戦争は未来を担う優秀な人財を失うだけでなく、恨みをこの世に残すという点でも許されないことなのだろうなと思った。

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    2021年03月20日
  • 新装版 歳月(上)

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    江藤新平といえば、新政府の国家デザインを担える人材でありながら、やがて大久保利通と対立。征韓論で敗れ、佐賀の乱を起こす、という程度の認識でした。
    こういう教科書では単語やセンテンス程度の人物の物語を読むというのは、その時代の背景や流れを知ることに繋がるとともに、他の歴史的な人物との関係もうかがい知ることができるので、とっても刺激的。それなりに歴史小説を読んできて今更ですが、やっぱり歴史小説っておもしろいなと、再確認しました。

    さて、本書の江藤新平は、なんというか正義感の塊のような人物で、とにかく苛烈。政治に関心(というかセンス)がなく、真面目一直線で行動するがゆえ、大久保の権謀術策にかかり自

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    2021年03月17日
  • 竜馬がゆく(四)

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    ネタバレ

    竜馬が海軍作りに動き出した四巻
    その一方で土佐勤王党は容堂公によって弾圧されて行く。

    四巻にもなると登場人物達に感情移入してくる。
    この巻で特に感心したのが、勝海舟の先を見る力と視野の広さ。幕臣でありながらも、幕府の終焉を悟り、次の政権へ穏便に移行出来るよう奔走するというのは、藩・幕府が世界の全てだった江戸時代では、そうとう先進的な考え方の人だったんだろうなと。
    だから、皆んなから命を狙われる訳だけど。

    観念的に物事を考えるんじゃなく、視野の広さと現実をしっかり見据えて、丁寧かつ大胆に行動を起こすことの大切さを学んだ巻でした。

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    2021年03月17日
  • 竜馬がゆく(三)

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    竜馬が土佐藩を脱藩して、維新の道へ足を踏み込み始めた三巻。
    竜馬がどんな思いで維新の志士になったかがよく分かった巻だった。
    そして、坂本竜馬が未だに愛され、尊敬される存在である理由も分かってきた。

    「議論をしない」
    議論で勝っても相手の名誉を奪うだけで、人の生き方は変わらない

    心に留めて、四巻に突入しよ。

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    2021年03月17日
  • 新装版 真説宮本武蔵

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    ネタバレ

    宮本武蔵の話を含む、6話を収録した短編集。
    ・真説宮本武蔵
     宮本武蔵の最大の武器は、相手の強弱を見抜く力。勝てると踏んだ相手としか勝負をしなかった。また、オーラとも言うべき気力が凄まじく、恵まれた膂力に支えられた2刀流も相まって、後世に受け継げる人が出なかった。
    ・京の剣客
     武蔵の生きた時代に京で兵法家として名を馳せた吉岡家にまつわる話。通称憲法様。兄弟がおり、兄が「兵法はなんのためにあるのか」について考える一方、弟は技を磨くのみに集中していった。ある日、武蔵が勝負を吉岡家に申し込む。兄弟どちらが勝負をするかという話になり、弟は自分が受けたいと主張したが、気力の差を兄に見せつけられ、兄が勝

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    2021年03月17日
  • 世に棲む日日(二)

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    司馬遼太郎作品としてはこれが一番好き。
    吉田松陰から高杉晋作へバトンタッチ。話が俄然面白くなったところで終了。

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    2021年03月11日
  • 燃えよ剣

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    沖田はいつも朗らかだがかっこいい。大阪から品川に向かう船の中で、吐く方が体力を使って辛いんですよっていうのに、でもここにいたいというのに胸がつまりました。新隊士の野村さんがよかった。新撰組の運命に胸がつまりました。

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    2021年03月07日
  • 世に棲む日日(四)

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    1〜4巻、全体の感想
    何だろう。この本を読んでると、突き動かされるような気持ちになってくる。吉田松陰や高杉晋作の生き方そのものはもちろんのこと、それ以上に思想や革命、正義といったものへの司馬遼太郎の考え方や解釈がそうさせるんだろう。
    読み終わるまで、思想やそれが見据える正義の影響力の凄さに引き込まれていたが、読み終わってふと現実を見回すと、実はちょっと違うんだということに気がつく。実際に周りや後継に影響を与えているのは、人となりそのものなんだろうな、と。思想に共感してるんじゃなくて、生き方に共感してるんだと。
    大切なのはずっと先を見据えることと、少し先の作戦を考えること。ずっと先の作戦を考える

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    2021年03月07日
  • 草原の記

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    打ちのめされました。短い文庫本。
    ほとんど「街道を行く」のスピンオフなのかな、という感じなんですが。

    モンゴルの女性の話で、どうやら実在の人物で、司馬さんが数回は会っているヒトのお話し。
    戦前戦中戦後にかけて、日本とソ連と共産中国とモンゴルの「政治」に翻弄されて家族と人生をズタズタにされた女性の人生。

    それを、アンコから入らずに、その人の存在感から語り起こしていく書き方は、舌を巻く小説家の技法だと思いました。ノンフィクションなんだろうけど。

    これはまさしく、小説というか文章でしか伝えられない後味。
    荒野の中の人間の滋味。政治と個人。

    脱帽。

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    2021年02月28日
  • 国盗り物語(四)

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    3巻と4巻は信長の物語。しかし、半分以上は明智光秀の視点が描かれています。斎藤道三の弟子ともいえる二人の天才が主従関係となり、天下統一に向けて才能を発揮するのですが、同じ天才同士ながら、古い秩序や慣習を徹底して破壊する合理主義者の信長と、文化や伝統を重んじる光秀とは、水と油。信長は光秀を重用しながらも、一方で、キザで面倒な奴と感じています。光秀もまた、信長の凄さを頭では理解しつつも、肌が合わないことを実感し、やがてその鬱屈した思いが本能寺へとつながります。

    4巻に渡る大長編。道三、信長、光秀を中心として、細川藤孝、秀吉、家康、信玄、謙信と、戦国時代のそうそうたるスターが活躍する一大絵巻。司馬

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    2021年02月28日
  • 国盗り物語(三)

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    3巻と4巻は信長の物語。しかし、半分以上は明智光秀の視点が描かれています。斎藤道三の弟子ともいえる二人の天才が主従関係となり、天下統一に向けて才能を発揮するのですが、同じ天才同士ながら、古い秩序や慣習を徹底して破壊する合理主義者の信長と、文化や伝統を重んじる光秀とは、水と油。信長は光秀を重用しながらも、一方で、キザで面倒な奴と感じています。光秀もまた、信長の凄さを頭では理解しつつも、肌が合わないことを実感し、やがてその鬱屈した思いが本能寺へとつながります。

    4巻に渡る大長編。道三、信長、光秀を中心として、細川藤孝、秀吉、家康、信玄、謙信と、戦国時代のそうそうたるスターが活躍する一大絵巻。司馬

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    2021年02月28日
  • 新装版 尻啖え孫市(上)

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    ネタバレ

    ~全巻通してのレビューです~

    鉄砲技能集団の雑賀統を率いた雑賀孫一を主人公とした物語。面白くて1週間で読めました。

    岐阜城下に孫市が現れる場面から始まるのですが、無類の女好きとして描かれていて、孫市の勘違いで信長の妹を目当てに来たことから秀吉と知り合うことになり、
    秀吉との友情は物語の最後まで続くことになります。

    信長の朝倉攻めで秀吉が殿軍を務めることになった時、孫市も協力することになるのですが、このあたりは司馬先生の創作のようですね。

    物語の中心は石山本願寺の大将となった孫市と信長軍の戦いや、孫市の母国紀州に攻め入った信長軍と孫市の戦いです。

    孫市はいずれの戦いでも勝利し信長を悩ま

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    2021年02月27日
  • 項羽と劉邦(上)

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    この書を読んで、人間とは、政治や宗教で生きているのではなく、食を繋げるために生きていること、歴史上の大動乱は飢餓が産み出していることに納得した。

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    2021年03月21日
  • 新選組血風録 新装版

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    『燃えよ剣』では描かれなかった新選組隊士を中心に描かれた短編集。
    本書の前に『燃えよ剣』を読んでおくと、より立体的に新選組を捉えることができる。

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    2021年02月14日
  • 燃えよ剣

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    思春期に読みました。
    土方歳三、新撰組ナンバー2のお話。

    なんでこの人、こんな生き方したんだろう、でもなぜこんなにカッコ良いと感じるんだろう、とずっとわからないまま、憧れを抱いてきました。

    そろそろ憧れから卒業かな、と思う今日この頃。昭和美学?からの脱却でしょうか。

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    2021年01月31日
  • 国盗り物語(二)

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    1巻、2巻は斎藤道三の物語。寺を飛び出した一人の男が、やがて京都の油商となり店を乗っ取り、美濃に進出してとうとう守護職を追い出して自分が国王になってしまう。まさに戦国時代の英雄物語である。道三の活躍する数々の戦のストーリーもすごいが、女性を次々と我が物にしていく展開もすさまじい。しかし、2巻の最後、道三編のラストでの、彼に人生を変えられた女性たちとのシーンはしみじみとしていて、それまでの道三のイケイケ物語から急にトーンが変わる。ここに道三の老いの悲しみが見事に表現されている。
    司馬遼太郎の戦国物は、史実を細かく追わずに、ストーリー中心にグイグイ引っ張っていくところが魅力的だ。

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    2021年01月26日
  • 国盗り物語(一)

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    1巻、2巻は斎藤道三の物語。寺を飛び出した一人の男が、やがて京都の油商となり店を乗っ取り、美濃に進出してとうとう守護職を追い出して自分が国王になってしまう。まさに戦国時代の英雄物語である。道三の活躍する数々の戦のストーリーもすごいが、女性を次々と我が物にしていく展開もすさまじい。しかし、2巻の最後、道三編のラストでの、彼に人生を変えられた女性たちとのシーンはしみじみとしていて、それまでの道三のイケイケ物語から急にトーンが変わる。ここに道三の老いの悲しみが見事に表現されている。
    司馬遼太郎の戦国物は、史実を細かく追わずに、ストーリー中心にグイグイ引っ張っていくところが魅力的だ。

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    2021年01月26日
  • 世に棲む日日(四)

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    ついに最終巻。晋作爆発の時。
    創始者である奇兵隊から挙兵の加勢を断られた晋作は自分と伊藤俊介(のちの博文)と力士隊のみで長州藩に対してクーデターを行った。嗚呼、晋作よ。生き急ぎ、師である松陰先生同様幕府の瓦解と新しい日本を見ることができなかったが、それでも師の教えの通り、生きて為すべきとを為してから旅立ったので悔いはなかったのではなかろうか…

    これより長州男子の肝っ玉をお目にかけます
    とか
    わしとお前は焼山葛 うらは切れても根は切れぬ
    とか、しびれる名言。

    確かにこの時代の志士には珍しく、他藩とは全く交流が無かったのも面白い。そこも松陰先生が生きてたら違ってたのだろうなぁ。
    この時代の人物

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    2021年01月23日
  • 世に棲む日日(二)

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    感想書き忘れてた。
    寅次郎は人を信じすぎる、話を聞いてくれたら自分のことを理解してくれると過度に信じていたのでしょう。そして自分の思想に狂っていたのでしょう。でないと法廷で聞かれてもないのに、総理大臣暗殺クラスの陰謀を自白するようなことをしないでしょう。その純心さ、ゆえに多くの人が慕い、愛し、影響を受けて、そして自身の命をうしなってしまったのだなぁ。
    晋作の出番です。

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    2021年01月13日
  • 世に棲む日日(一)

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    感想書き忘れてたのですが、最高でした。
    寅次郎の狂気は純心からきているのです。物事を突き詰めると自然と狂ってくるのです。

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    2021年01月13日