司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 胡蝶の夢(四)

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     ポンペのもとで蘭学・医学を学んだ3人は幕末の瓦解から明治へと時代に翻弄されながらも新しい社会の中で生きて行った。
    司馬凌海(伊之助)明治12年 39歳 肺結核
    松本良順 明治40年 75歳 心臓病
    関寛斎 明治45年 83歳 自死
     
    筆者のあとがき
    「『胡蝶の夢』を書くについての作者の思惑のひとつは江戸身分制社会というものを一個のいきものとして作者自身が肉眼で見たいということだった。それを崩すのは蘭学であった。」
    「社会という巨大な容易に動きようもない無名の生命体の上にとまったかすかな胡蝶(蠅であってもよい)にかれらはすぎないのではないかと思えてきたりもする。」

    『荘子』斉物論第二 

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    2020年05月21日
  • 国盗り物語(一)

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    大河ドラマの影響で学生時代以来の再読。
    当時も面白く読んだ記憶があるが、再読してもやはり面白い。第一巻は庄九郎の成り上がりっぷりが痛快。

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    2020年05月17日
  • 新史 太閤記(上)

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    時代小説の革を被ったビジネス書。
    部下としての仕事と、上司としての仕事と、社長としての仕事。全てが参考になる。
    自分の年齢にあわせて何度でも読み返すべき。
    毎回何かが得られる気がする。

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    2020年05月15日
  • 胡蝶の夢(一)

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    書物を通してのみオランダ語を学んでいた松本良順だがポンペから直接オランダ語で医学の講義を受け始める。初めて話し言葉としてのオランダ語を聴くのだが文法の基礎があったからすぐに慣れていった。現代の語学学習にも通じるところがある。対して伊之助は語学の天才。中国語の学習にもその才を見せる。
    長崎往還の最大の難所とされる日見峠から長崎の町と入り江を見たときは伊之助は感動のために子供のように泣いた。

    ポンペ「日本滞在見聞録」
    「ニューエクスプレス オランダ語」白水社

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    2020年05月13日
  • 国盗り物語(四)

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    全4巻、戦国時代の斎藤道三、織田信長と明智光秀を描いた著名な歴史小説。

    国民的作家司馬遼太郎の代表作の一つ。全4 巻を再読完了。

    前回20年ぐらい前に読んだ時は斎藤道三のあまりのスーパーマンぶりに辟易したが、歴史でなく「小説」として読めばこれ以上ないぐらい楽しく読むことができた。竜馬だって土方歳三だって誤解する人が多いが史実を基に司馬が造形したキャラクターである。

    第3巻と4巻は織田信長編とはいえ、実際の所明智光秀から見た織田信長。天才の傍にいる一般人視点は映画「アマデウス」のようで分かりやすい。光秀の謀反の動機、過程も理解できる気がする。

    司馬遼太郎作品の中でも何より舞台が戦国時代、

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    2020年05月11日
  • 新選組血風録 新装版

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    燃えよ剣と一緒に手に取るのが血風録。
    小学校の時以来読み直したが、いまだからわかる良さや深さがある。短編集で読みやすく、「沖田総司の恋」がはかなく好き。これで薄っぺらい読書感想文書いて提出した小6の自分にびびる。
    人間味溢れる心情が伝わり情景も浮かびやすい。古典物、時代小説が好きな人にはおすすめ

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    2020年05月10日
  • 国盗り物語(二)

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    ネタバレ

    美濃の蝮と言われた斎藤道三の後編。戦国時代のダークヒーロー小説であり、男子の憧れなのではないだろうか。

    人並み外れた智者であり武芸家。また気運がくるまで気長く待ち続け、その気運がくるやそれを一息で掴んでしまう英雄。上に立つべき能力者としての「蝮」である。
    自身曰く善と悪を超越したところに居ると書いてあるが、まさにこの両面を持ち合わせなが「新国」を作り上げた人物である。
    天下第一等の悪人と言われる所以は「破壊者」というところにある。守護職の土岐頼芸を追放し、古くからの商業機構である「座」を美濃においてぶち壊した。魔法のように忠誠の神聖権威にいどみかかり、それを破壊。それを壊す為には「悪」という

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    2020年05月08日
  • 国盗り物語(三)

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    いよいよ織田信長登場。戦国時代を代表する武将。話は一気に進んでいく。

    一、二巻の斎藤道三からストーリーは織田信長が主体となる。とはいえ実際は濃姫と明智十兵衛光秀視点が多い。NHK「麒麟が来る」視聴者としては嬉しい限り。
    斎藤道三が息子の高政に裏切られ殺される。将軍になると自負していた道三が、人生を諦観するところが中年読者として見につまされる。
    道三は信長と正室小見の方の甥明智十兵衛蜜を後継と認めていた。道三の死と共に十兵衛は長い流浪の旅に。
    信長と光秀の両者の話が交互に行われる展開。二人は第三巻でも出会うことはないのが面白い。

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    2020年05月03日
  • 坂の上の雲(五)

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    ネタバレ

    戦略や戦術の型ができると、それをあたかも宗教者が教条を守るように絶対の原理もしくは方法とし、反復して少しも不思議としない。

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    2020年05月01日
  • 国盗り物語(二)

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    油商人から美濃の国主に成り上がる斎藤道三の生涯。その後継者となるのが織田信長と明智光秀。NHK大河ドラマ「麒麟が来る」を機に再読し、名作であることを痛感。

    全四巻。
    斎藤道三 前後編
    織田信長 前後編
    の四巻構成の第二巻。

    斎藤道三が美濃の国守となり、年老いて将軍となる夢を諦めるところまで。
    後編ではライバル尾張の織田信秀(信長の父)が登場する。道三とはまた違った爽やかな魅力的な人物として描かれている。

    本巻の後半でようやく大河ドラマの時系列に追いつく。

    蝮と呼ばれ策謀の限りを尽くしたかのように後世思われているが、既得権益を破壊し楽市楽座や災害時の年貢の減免など領民にはありがたい領主だ

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    2020年04月29日
  • 新装版 最後の伊賀者

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    京都画壇四条派の呉春を題材にした短編(『天明の絵師』)が目当てで読みましたが、それよりも、長沢蘆雪が主人公の作品(『蘆雪を殺す』)が入ってたことにびっくりしました。
    何より、両作とも軽く四、五十年前の作品のはずなのに、つい最近「発見」されたはずの「奇想画の系譜」のイメージにぴったりの人物造形っていうのが凄いです。

    道頓堀の由来が「道頓さん」というのも初めて知って面白かった(『けろりの道頓』)。しかも、構想は太閤だけど、実現は完全に民間有志って、いかにも古き良き「大坂」って感じで素敵。
    前半三作の忍術活劇、夢枕獏かと思わる『外法仏』とバラエティ豊かで一粒で何度もおいしい一冊です。

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    2020年04月26日
  • この国のかたち(五)

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    ▼2020年4月現在、新型コロナ禍に蹂躙されている世界および日本ですが、1年後、5年後、10年後、どう位置づけられるものでしょうか。

    ▼個人的に読んだ本の備忘録的なものを残すように習慣づけてからもう7~8年経ちます。昔の備忘録を読み返すとそれはそれでオモシロイ。将来、何年か先、この文章を読み返して「ああ、コロナ禍あったなあ。日々に追われて忘れてたあ」と、思えることを願って止みません。

    ▼現在の状況の未曾有さに途方にくれつつ、この本の司馬さんの言葉が改めて味わい深い。

    ▼(本文より)ヒトは、無人の曠野に生まれず、その民族やその国家、社会、さらにはその文化の中にうまれてくるのである。さらにい

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    2020年04月18日
  • 街道をゆく 40

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    台湾のアイデンティティとは。

    司馬遼太郎さんの考察と李登輝さんなど台湾の著名人と議論する内容は面白い。

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    2020年03月29日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    町人の街大坂が明治維新の流れに巻き込まれる中、侠客の明石家万吉の波乱の人生。上下巻の下巻。

    司馬遼太郎の作品、随分と読んだつもりであったが見逃していた作品。「手掘り日本史」で紹介されていたのを機に読んでみました。米相場師だった司馬の祖父の姿が万吉に投影されているらしい。

    司馬の本当の魅力は本書のような司馬の出身、大阪の言葉、風俗、文化を活かしたものにあるのかもしれない。

    明治維新の流れの中、私欲なく行動する万吉。見返りを求めぬ姿を天は見ているのだろう。決して粗略に扱われない。

    本書で初めて知ったのが堺港攘夷事件。万吉の仁義も見事だが、本書とは違った視点で掘り下げてみたい。

    テンポよく

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    2020年03月28日
  • 花神(上)

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    この本を読むまで、大村益次郎という人物は名前を聞いたことがある程度だった。

    西南戦争を含む明治維新を、合理主義に徹して締めくくった姿は感動的でさえあった。

    「西郷隆盛とは相打ち」という表現が印象的だった。

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    2020年03月25日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(上)

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    国民的作家司馬遼太郎は大阪の出身。本書の主役明石家万吉には筆者の祖父の生涯が反映されているという。町人の街大阪から見た明治維新。

    「手掘り日本史」に紹介されていたのを機に本書を手に取る。江戸とは異なり大阪は一部の町奉行のほかはほとんどの町人の街。司馬遼太郎が大阪の出身ということもあり、心地よい関西弁のリズムが楽しめる。大上段に構えた代表的作品に比べれば、どこか肩の力を抜いて筆者自身が楽しんで書いたように思われる。それだけテンポが良い。

    ”どつかれ屋”として名を上げた極道屋の明石家万吉の生涯。上下巻の上巻は西大阪の港一帯の警備を請け負った万吉が長州藩士たちの上京に出くわし維新の動乱に巻き込ま

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    2020年03月23日
  • 関ヶ原(中)

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    ひたすら関ヶ原前の政争が描かれている。見せ場はなんといっても「小山評定」。家康の恐るべき智謀はサラリーマンとしては学びたいところである。

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    2020年03月22日
  • 竜馬がゆく(四)

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    竜馬の親友、武市半平太の投獄から切腹まで、泣きます。

    当時の日本の切腹エピソードの多さに驚くし、その一つ一つが今の日本をつくったんだな、と神聖な気分になりました。

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    2020年03月20日
  • 花神(下)

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    解説
    「蔵六というのは不思議な人で、自ら地位や栄達を求めない。」
    まさに自らを世の中に機能化してそれ以上を求めない、私心を捨てている大村益次郎をよく言い表した言葉だと思う。それはP.486の豆腐と国家の話にも現れている。
    時代が彼を押し出したに過ぎないのだろう。適塾に始まり、彼を登用した宇和島藩、幕府、そして長州藩。自分が求められるところに行き、そこで自分を機能化させ、最後には新政府軍の基礎を作るに至った。才能だけでなく、人との出会い、運命とは分からないものだと思った。

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    2020年03月15日
  • 竜馬がゆく(六)

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    ◯よく考えてみれば、この下関で西郷がきて君と握手し、いきなり薩長連合をとげる、というのははじめからむりさ。その無理を承知でサイコロをふったわけだが、思うような目が出なかった。世のことは偶然を期待してはいかん。(116p)

    ◯生死などは取り立てて考えるほどのものではない。何をするかということだけだと思っている。(264p)

    ◯三吉君、逃げ路があるかないかということは天が考えることだ。おれたちはとにかく逃げることだけに専念すればいい。(284p)

    ★薩長連合成る。そして寺田屋事件を経ておりょうと一緒になる。ドラマチックな6巻であった。

    ★亀山社中で孤立したために無念の死を遂げた饅頭屋長次

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    2020年03月15日