司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 国盗り物語(二)

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    一見不可能と思えることを、知略と度胸で次々と成し遂げていく様は痛快のひとこと。
    カエサルの話を聞いているような気分です。

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    2018年02月02日
  • 城塞(下)

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    小説のジャンルではあるものの、多くの部分は史料に基づいて書かれているものと思われる。
    それゆえ、登場人物に対する著者の思い入れが少なく中立的、客観的に描かれており、これが読みやすさに繋がっている。ただし、家康を除いて。

    家康に関しては、策士、戦略家と言ってもいいと思うが、どうしても狡猾性がデフォルメされ、前面に出てきてしまう。

    とにかく上中下巻とボリュームたっぷり。
    大阪冬の陣、夏の陣をじっくり読むにはオススメ。

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    2018年01月28日
  • 翔ぶが如く(一)

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    川路利良の汽車内でのエピソードに衝撃。。それはともかく、西郷隆盛のイメージを固めた作品であるはずだから、腰を据えて読むつもり。

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    2018年01月24日
  • ビジネスエリートの新論語

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    ネタバレ

    昭和30年に書かれたとは思えないほど、現代に通ずるものがあった。
    それほどに日本社会は進化していないのか、はたまた"サラリーマン社会"の根本は変わらないのか…

    さすが司馬遼太郎と言わざるを得ない流れるような文脈で読みやすく、
    かつ様々な先人たちの言葉もリソースとして交えられ、スッと入り込む一冊だった。

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    ■インドの法句経

    古代インドの法救という坊さんが釈迦のコトバを編集したもの
    ⇒当時のインドの社会制度はそれこそ二十世紀後半の日本とは比べ物にならないほどひどい
     (社会制度のカケラもない)

    貴族の他は乞食同然、というよう

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    2017年12月28日
  • 街道をゆく 5

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    紀行文です。序盤はロシアなのでモンゴルモンゴルしたのを期待するとあんまりかも。窓が閉まりきらないホテルに突っ込まれても文句を言わない、でもさらっとコンシェルジュ使ってたり飛行機でタバコ吸ってたりするところが余裕ある司馬大先生の紀行文だなあ、という感じで好きです。

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    2017年12月19日
  • 城塞(下)

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    あらゆる堀を埋められた大阪城での夏の陣。勝敗はすでに決し、その中で見どころはやはり真田幸村の活躍。華々しく死んで名を残すことだけを目指す武将がほとんどの大阪方の中で、彼だけは勝つことを決してあきらめない。綿密な作戦を練り、それがうまく行かなければ、次の策を練る。疲れることのない彼の精神と徳川方を蹴散らして突進する行動力は痛快だ。

    こうした滅びに向かう美を描くことこそが司馬文学の真骨頂。そして、幸村の思考は戦闘のことだけではない。戦闘の合間に自身の娘を今日戦ったばかりの敵将、伊達政宗に託そうとする。そんな大胆な行為を見せる幸村に対して、それに応じる政宗。敵味方の関係を越えた2人の武将のやりとり

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    2017年12月13日
  • 城塞(中)

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    いよいよ大坂冬の陣。真田幸村、後藤又兵衛ら大阪方の武将が揃い、いざ決戦。のはずだが、本書で語られるストーリーの多くは、家康による謀略中心。家康にとって一応、主人である豊臣家を潰すことは、後世の汚名につながる恐れがある。単純な軍事力で勝敗を決めるわけにはいかないのだ。家康が見ているものは、目の前の大阪城ではなく、終戦後の徳川統一のビジョンだ。

    はるか先を見ている家康に対し、豊臣家は現実すらまともに見ようとしない。淀殿、大野修理、浪人たちが都合のいい状況を選択して、意見がまとまらない。

    真田幸村など、やる気のある優れた武将たちが揃っている大阪方は局地戦では勝利するも、その小さな勝利を全体に波及

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    2017年11月24日
  • 峠(中)

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    河合継之助、行動を起こし始める、の巻。歴史上の重要人物が何人も出てくる、すごい時代だなと改めて思った。

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    2017年11月17日
  • 菜の花の沖(六)

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    ネタバレ

    最後の嘉兵衛との別れ際にリコルドとロシア水夫たちが「タイシヨウ、ウラァ!!」と3回叫ぶ、このシーンを読むためにこの本は存在すると思う。

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    2017年11月13日
  • 城塞(上)

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    関ヶ原の戦いは終わったが、大阪城には未だ豊臣家の威光は健在。自身の寿命ある内に徳川による治世を完成させたい家康を、類のない陰謀に走らせる。

    本書で描かれる家康はなんとも鼻につくイヤな奴。こんな奴が天下を取るなんて許せない、大阪ガンバレと思ってしまうが、その大阪方の人材の乏しいこと。なんせトップが現実を直視せず感情だけで思考する淀殿に、寝たきり老人のように影の薄い豊臣秀頼。そんな幻想家が支配する大阪城内の空気は乱れきっていた。

    歴史を知らず、次巻を読むまでもなく、勝敗はすでに決しているのだが、その勝敗外でうごめく人間模様が見どころ。この巻の主役は片桐且元。家康、淀殿からのパワハラを受けまくり

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    2017年11月07日
  • 街道をゆく 14

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    再会がテーマの「街道をゆく」

     二十年来の知己である宇和島市立図書館長をしていた渡辺喜一郎と「久濶を叙した」という場面に見るように、「街道をゆく」のなかで「南伊予・西土佐の道」は、再会がテーマであるかのようである。
     それほどに司馬は旧知と先々で出会っていく。司馬にとって大阪外国語学校の先輩で、満州・長春に訪ねたことのある森和氏、司馬夫人の友人の夫、石丸良久氏、産経新聞社の同僚であった松浦幸男氏など。渡辺氏とともに十年以上前から宇和島周辺を取材して知った人々などを入れるさらに多くなる。
     その外に赤尾兜子の兄、赤尾龍治は盤珪禅師の研究者として紹介される。
     「街道をゆく」では旧作が話題になることも少なくないが、それに

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    2017年10月31日
  • 菜の花の沖(二)

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    嘉兵衛が淡州へ帰り、律蔵さんに対して生涯の大恩人じゃ、と思うところが好き。こんな聖人のような人に支えられた嘉兵衛は幸せ者だな。

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    2017年11月13日
  • 項羽と劉邦(上中下) 合本版

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    項羽と劉邦

    以前に一度は途中まで読んだけど挫折しました。
    今回はビデオを見て内容が分かっているので実に面白い🤣です!すぐに読んでしまうでしょう。

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    2017年10月15日
  • 風神の門(上)

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    幸村の人物に惹かれていく才蔵の様子や、それを見守る佐助、彼らを取り巻く女性たち。これらの人物がいきいきとえがかれていて、まさに活劇という作品

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    2017年10月12日
  • 翔ぶが如く(十)

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    これほど慕われ続ける人望と器量を備えているものの、ここに登場するやその厭世に虚しくなる。結果として成し得なかった征韓論には、極めて複雑な背景があり、どうあれ退いてくれたことに安堵するけれど、大久保、岩倉を追い詰め、三条を錯乱させた往時には、その威容を誇る。薩摩に帰郷して後は、何ら光彩を放つことなく、もちろんそのための遁世なのだから、そのまま不動でいて欲しかった。革命の象徴から、新たな革命の虚像へ。そして、演じたのか捨て鉢であったのか、木偶の最期を迎えた。敵味方を問わず西郷を担ぎ、共に逝った者たちの情緒は知れても、西南での西郷の機微に触れることはできなかった。

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    2017年10月08日
  • 項羽と劉邦(中)

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    ネタバレ

    劉邦の関中制覇、鴻門の会での項羽への屈従、彭城への進軍、つかの間の勝利と大敗北、滎陽での籠城戦、そして撤退。今巻も事件が頻発し、見所も多い。
    張良や陳平といった軍師の活躍も面白いけれど、巻末に登場する紀信の存在感が心に残る。悪口癖のある、特に取り柄もなさそうな男だけれど実は、この世に誰か一人だけ、好きな人間を持ちたくて仕方がない心を隠している、と描かれる紀信の潜めた感情の熱さ、そしてそれが表現されるときの、自身を焼き尽くすほどの激しさが悲しく、しかし静かに胸に迫る。

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    2017年10月02日
  • 義経(上)

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    軍神と称された幼稚な義経の物語。多くの点において、自らを重ねるところあり、政治感覚の無さ、他者への気持ちのわからなさ、自分を正しいと思う、思い込みの強さ、自らを重ねるようである。

    しかし、痛快な30年弱の人生であっただろう。
    初陣から壇ノ浦まで、古今類を見ない奇跡的な勝利、それはこの時代になかった、
    戦術、策、を用いた初めての戦いであり、またそれにより価値、勝てない戦を勝って、英雄となった。

    鎌倉が恐れること、仲間だと思っていた身内が恐れることを「まったく」分からなかった。
    その純粋さ、つまり「親のかたき討ち」以外には思いを寄せることが出来なかったことが、
    結果、さわやかで痛快な、そして悲

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    2017年09月28日
  • 峠(中)

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    印象的だった箇所

    なにごとかをするということは、結局はなにかに害をあたえるというとだ
    何者かに害をあたえる勇気のない者に善事ができるはずがない
    (207頁)

    あと、継之助と福沢諭吉のやりとりは刺激的で面白い。普段使っている熟語(自由とか権利とか演説とか)を福沢諭吉が苦心して案出したというのも新鮮だった。

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    2017年09月23日
  • 合本 坂の上の雲【文春e-Books】

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    合本 坂の上の雲

    文庫本を持っていたが、行方不明になりもう一度読みたいため購入。電子書籍は持ち運びが楽であるため、どこでも読める利点がある。坂の上の雲は明治期の正岡子規以外はあまり知られていない人物に焦点を当てた面白い本である。正岡子規や夏目漱石らと同時代を駆け抜けた伊予の2人の生き様は感銘を受ける。

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    2017年09月11日
  • ロシアについて 北方の原形

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    氏が「菜の花の沖」「坂の上の雲」を書く際に考え続けていたロシアという国の本質について考察した本。現在読んでも全く古さを感じず、この国の本質を考えるヒントを与えてくれる。

    国の成り立ちや侵略された歴史から国家としての性格が形作られていった様子がよく分かる。特にシベリア等の極東開拓の歴史は日本人として知っておくべきだろう。

    ロシアの側から見れば、北方領土とモンゴルをセットにして捉える必要があるなど、北方領土問題を語る前に我々国民もロシアのことをより知る必要があることを再認識した。この問題においては変に国民感情に訴えることは慎まなければならないという、氏の考えには全く同感する。

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    2017年09月05日