司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 花神(上)

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    うーん、これはすごい。技術者としての生き方を極端に振り切るとこうなるのか… しかしそれを見抜いて適所につけた人々のすごさ。司馬遼なので、蔵六の学問のどこがすごかったかとか、どうやって見抜いたか、というところのエピソードは抑制気味で、物足りない気もするけど、そういうとこは抑え気味で余談山盛りが司馬遼だなあ。次は何を読もう。

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    2017年06月13日
  • 花神(下)

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    異端の英雄物語であり、幕末明治の歴史噺であり、悶絶のムズキュンラブストーリー。

    「花神」(上・中・下)まとめた感想メモ。

    司馬遼太郎さんの長編小説。1972年発表。
    主人公は大村益次郎(村田蔵六)。

    大村益次郎さんは、百姓医者の息子。
    百姓医者として勉学するうちに、秀才だったので蘭学、蘭医学を修めているうちに、時代は幕末に。
    いつの間にか、蘭学、蘭語の本を日本語に翻訳できる才能が、時代に物凄く求められる季節に。
    だんだんと、医学から離れて、蘭語の翻訳から軍事造船などの技術者になっていきます。

    大村さんは、長州藩の領民で、幕末に異様な実力主義になった藩の中で、桂小五郎に認められて士分に。

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    2017年06月13日
  • 街道をゆく 40

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    2016年11月に台湾に行った。台湾の事をより知りたくなったので読んだ。
    司馬さんが台湾を訪れたのが1993年くらい。当時の台湾は、民主化から日が浅く、大陸出身でない人間、つまり台湾人が初めて国のトップになってからいくらも経っていない時だった。この紀行は、その当時の、司馬さんの目、つまり外から見た台湾を、教えてくれる。司馬さんの目…というのは、司馬さんが書いたんだから当たり前なんだけど、それこそがこの本の一番の魅力と思う。司馬さんの目から見た台湾、を当時の日本人から見た台湾、と言い換えてもいいかもしれない。なぜなら2016年11月に自分が行った台湾では、この本に書いてあることは(知識不足は大い

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    2017年06月06日
  • ひとびとの跫音 下

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    上巻に続き、おもに忠三郎とタカジの人生が随想風に語られる。透徹した人間観察の中に深い愛情を感じる名著。

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    2017年05月18日
  • ひとびとの跫音 上

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    正岡子規と司馬遼太郎をむすぶひとびとの人生を、愛情を込めた筆致で描いている。著者の曇りのない、落ち着いた人物・人生描写に感服。そこに近代の日本社会の様相もうかがえる。名著。

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    2017年05月07日
  • 世に棲む日日(三)

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    3巻は引き続き高杉晋作中心の世界。彼と伊藤俊輔(博文)、井上聞多(馨)の三人党が、日本を引っ張った長州をいかに引っ張ったかというお話。でも、こんなに脱藩を繰り返しても、藩の中枢に戻ってこれるというのは長州の懐の深さ故なのかなぁ。
    今の山口出身の政治家に感じるものはありませんが、明治を作った長州志士には感じ入るものがあります。

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    2017年04月30日
  • 世に棲む日日(二)

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    吉田松陰が主人公かと思って読んできたのに、この2巻の途中で松陰が死んでしまう。言われてみたら安政の大獄だ。って歴史で学んだ出来事の意味合いを改めて考えてみる。
    松陰亡き後はその門下の高杉晋作を中心に描かれる。2巻ではいかに革命家になっていったか。

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    2017年04月30日
  • 豊臣家の人々

    豊臣秀次の実父の描写の卓越性に

    歴史上の人物描写にかけては天下一品ともいえる司馬遼太郎だが、その刮目さからくる犀利な描写はこの書でも健在であり、とくに第一話の「殺生関白」は痛快だ。これは豊臣秀次に関する物語だが、スタートがその実父より始まっており、この陰の主役を塩田七生氏が主張する如く「歴史における偶発性」というものを実に巧妙かつ芸術的に表現している。

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    2017年03月11日
  • 城塞(中)

    購入済み

    真田幸村の描写が実に魅力的

    司馬文学の特徴の一つであろうが、彼の目にかなった主役は人間的欠点を描かれていても、それを補うこと十分すぎるほど結果として魅力的に描写されている。この書における真田幸村もその一人といえよう。昨年のNHKの大河ドラマであがかれたような腑抜けな男とはかくも異なるほど魅力的な人物として楽しめるだろう。

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    2017年03月11日
  • 韃靼疾風録 (下)

    ドルゴンがともかく魅力的な人物

    歴史的事実にある程度基づいているとはいえ、小説である以上とうぜんフィクションが随所におりまぜられているが、とくにこの小説の下巻からの事実上の主役である摂政ドルゴンの人間的魅力には圧倒される。司馬文学得意の超高度な人物描写によるものだが、これが小説と割り切っていないと最近の歴女とかのように真の人物像を見誤ってしまうかもしれない。

    さてクライマックスとなる李自成軍隊清朝軍の戦い。これが実に域で壮大で感慨ひとしおだ。中でも「戦いは序盤からいきなり終盤となった」という一説は司馬遼太郎文学の中をとどまらず、日本文学界に燦然と輝く歴史的名文といっても過言ではないだろう。

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    2017年05月06日
  • この国のかたち(二)

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    考え方の多様性が認められ、かつ守られることが、昭和二十二年に施行された日本国憲法によって保障されているのである。明治憲法が上からの欽定憲法であり、また戦後憲法が敗戦によってえた憲法であるなどといういきさつ論は、憲法というものの重さを考える上で、さほどの意味をもたない。
    (本文より)



    「この国のかたち 二」。司馬遼太郎さん。

    司馬エッセイの金字塔、第2巻。

    家紋の雑学、江戸時代の「天領」の功罪、近親婚の国際比較、宗教の日本独自色、金の採掘の日本史、「公」の意識、「汚職」について、フランシスコ・ザヴィエル、日本の風呂文化と仏教の聖人の関係、杉と檜の木材としての歴史...

    相変わらず自

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    2017年03月04日
  • この国のかたち(一)

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    この国のかたち。第1巻。司馬遼太郎さん。

    司馬遼太郎さん(1923-1996)が、晩年に文芸春秋に連載していたエッセイ。
    歴史の逸話、地理、文化や宗教などの雑学が雑然と山積みされたオシャレな市場を、「へええ」と周遊する。そんな愉しみに頁をめくっていると、日本、この国の輪郭というか個性を見上げながら散歩している気分になってくる。銅像に例えれば、横から見たり後ろから見たり。そして、この国のかたちを感じるためには、当然のように、他の国のかたちも感じなければ判りません。中国、インド、朝鮮、オランダ、などなど…日本と縁があった様々な国についての造詣を元に、「この国」のかたちが浮き出てくるわくわく感。

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    2017年03月03日
  • この国のかたち(二)

    購入済み

    新しい発見と知見を得られる図書

    第一巻から読んでいますが、裏付けとなる情報の豊富さ、確かさに驚かされます。またテーマが多岐に亘り、「そうだったんだ」と感心させられます。短編で飽きが来ないこともお勧めです。

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    2017年02月10日
  • ビジネスエリートの新論語

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    博覧強記な司馬さんらしく、角界の先人の言葉をサラリーマンのために書き綴った新書です。
    若かりし頃の福田定一さんの文章という感じが出ていて、愉快に読めました。
    また、戦後の経済発展時期のサラリーマン社会から、現代の不安定雇用の時代におけるサラリーマンを取り巻く環境は激変していますが、サラリーマンという範疇に身を置くものとしては、読んでおいて損はない本です。
    また、家庭を持つこととは、戦後の社会的環境はこれまた、激変しておりまして、男女雇用機会均等法時代の夫・妻に身を置く人間としては、びっくりするような記述もありますが、人間長らく生きるということは楽しいことであります。

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    2017年02月04日
  • ビジネスエリートの新論語

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    初めての司馬遼太郎。
    独特の言い回しに初めは慣れなかったけれど、よくよく読んでいくと挙げられている例は面白いし、ご自身の中でたくさん考えられた上で練られて、得られた答えが随所に散りばめられていて、それが素直にわたしの中に入ってくる文章だった。
    日頃考えていること(何が幸せか?サラリーウーマンとして、どういうキャリアを描くか?とか)に答えになるヒントを与えてくれる本だった。

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    2017年01月29日
  • 殉死

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    坂の上の雲のスピンオフ版
    または外伝と言ってもよいかもしれない乃木希典の人生の本。
    司馬遼太郎がこれでもか!くらいに乃木希典の事があまり好きではないのが伝わる(坂の上の雲もそうだったけど)
    なんかあれだよな、終始不器用な人だなという印象しかないかも。
    旅順攻略もそうだし、その後の生活でもそうだし
    明治天皇のあとを追って亡くなるのは
    それはそれで美しいのかもしれないけど
    なんか同時に滑稽だなとも思った。私は。
    美的価値は本当に人それぞれだな、と。
    乃木神社はいったことあるけど、乃木邸はまだなので
    今度ぜひ行きたい。

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    2017年01月29日
  • 街道をゆく 41

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    著者は、1990年代初頭、正月からの2週間足らずを雪一色の青森で過ごしている。青森に対する溢れるような愛情を再認識。

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    2017年01月28日
  • 街道をゆく 5

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    今年(2016年)、大学で同級だった友人が世界一周の旅に出た。友人が、モンゴル滞在中に、司馬さんの『街道をゆく』を読んでいるというので、久しぶりに読み返した。
    司馬さんが訪問した当時の日本人にとって、モンゴルは、歴史教科書のチンギス・ハーンのくだりに出てくる国の名でしかなく、実在すると思われていないほどであった。
    友人が馬乳酒を飲み、羊の群れに囲まれている光景は、司馬さんが訪れた頃と変わらないものなのだろうか。

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    2016年12月18日
  • ビジネスエリートの新論語

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    驚きなのは、司馬さんがこれを32歳で書いたということ。ここまで世の中のことをこの年齢で分かってしまったのか。戦後10年で書かれているのに、中身は今でも通じることが書いてある。戦後70年余り、日本はあまり変わっていないのかなあ。社内恋愛はするなと書いてあるけれど、後に司馬さんは同僚と結婚されます。そこがくすっと笑えます。

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    2016年12月09日
  • 世に棲む日日(三)

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    高杉晋作の長州改革の話。

    読んでいて胸が高鳴るような心地よい緊張感と高揚感がある。
    真剣に日本と向き合い、変革のために生きたいと考えてしまうようになった。

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    2016年11月11日