司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 城塞(上)

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    大阪城内の女社会を鮮やかに描き出し、徳川と豊臣の板挟みになる片桐市正の苦悩と、家康とその取り巻きの悪知恵が、非常に分かりやすく書かれている。
    絶えず機会を狙い、勝つべくして勝った徳川家と、滅ぶべくして滅んでいく豊臣家の没落をこれほどまでに分かりやすく書いている書を私は知らない。
    上巻は、まだ冬の陣の前(片桐市正の放逐前後)で終わっているが、既に読み応え十分である。

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    2021年12月25日
  • 坂の上の雲(四)

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    ネタバレ

    1巻から読んできたが、4巻が一番面白かった。

    海軍→黄海海鮮
    陸軍→遼陽、沙河、旅順要塞総攻撃


    ユダヤ人との繋がり、下瀬火薬、
    バルチック艦隊が英国漁船を誤って攻撃した話など、知らなかった事実を知れた。

    といっても、戦場は悲惨。


    食料や弾薬不足、合理性のない命令、失敗を学ばない総攻撃で何万人の兵が死んでいく。 
    司馬さんの乃木・伊地知への批判が続く。


    これだけ読むと、日露戦争で勝てたのは
    日本が強かったから、だけではなく

    ロシア側が日本をアジアの小国だとなめかかっていたこと、上に立つ者の性格や思慮の浅さや独特な官僚世界の秩序など、かなり運が良かった部分もあるのではないかと感じた。
    武力や勢力だけで真っ当にいくと、完全に負けていただろう。

    また東郷平八郎、大山巌などの総大将としての在り方は
    (部下の士気を高め、動揺を決して部下に見せてない、敗北心理を持たせない、など)
    なるほどと思うところがあった。









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    2021年12月22日
  • ペルシャの幻術師 1

    匿名

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    細密画のような緻密で華麗な表現で蘇る、司馬遼太郎のデビュー作。
    謎あり、ロマンスあり、戦いありの物語を彩るキャラクターが忠実かつ生き生きと描かれ、新しい魅力を発見できます。
    もちろん、原作未読でも十分楽しめます。
    上空に渦巻く雲、砂をはらんだ風、陽射しの強い市場とは対照的な暗い宮殿内など、物語の中に入ったかのような感覚を味わえます。
    ナンの身に付けている衣装や髪型がとても可愛い!
    その揺れ動く内面からも目が離せません。

    #カッコいい #ドキドキハラハラ

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    2021年12月16日
  • 尻啖え孫市(下) 新装版

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    雑賀孫一の一向一揆から最後亡くなるまで。
    駆け抜けるような一生、読み終わるのもあっという間だった
    タイトルにもなっている「尻啖え」って織田信長に対してということで妙に納得してしまった
    あっけない最後に関しては本当に謎だけど
    暗殺されたのか、はたまたどこか患っていたのかさえ謎
    痛快で剛毅、司馬遼太郎が如何にも好きそうな
    (かなり文中でも私事がおおかったけども)
    戦国時代の良い題材、作品

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    2021年11月30日
  • 項羽と劉邦(上)

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    キングダムにハマり、中国の歴史に興味を持ち読み始めました。 どの視点で物語を見るかによって感じ方も大きく変わりますね。 司馬遼太郎さんの歴史小説は面白く、次に進みたくなりますね!

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    2021年11月28日
  • 花神(中)

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    明治維新の長州藩の雰囲気がつたわってくる。村田蔵六は中国春秋時代の孫武のような思考をするんだなぁ。それにしても司馬先生の知識量と詩情豊かな表現力にはいつも驚く。

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    2021年11月26日
  • 新選組血風録 新装版

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    『長州の間者』
    物語は京都浪人深町新作が琵琶湖の竹生島弁財天参拝へ向う船中で合う男女の縁から始まる。その後長州の間者として新選組に入隊するが、物語の最後に新作の懐中から出てきたものは?
    『池田屋異門』
    「腰ぬけの将監の曾孫が、なにやら義士の子孫とか自称して歩く歩くおのれを討つ。討入りはおのれのほうの家芸かもしれぬが、今宵はそうはいかぬ」…「将監様ご覧じろ」
    山崎丞の物語
    『菊一文字』
    七百年生きた名刀菊一文字則宗が沖田総司の手にあったことの不思議。
    今は都下の何処かの神社に奉納されているらしい。
    15の短編はどれも秀作ですが、あえて3つ好みを上げてみました。



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    2021年11月21日
  • 項羽と劉邦(下)

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    将の将たる人と将たる人の違い。でもやっぱり将として優れていないと、将の将たる人にはなれないということもあるし、常に変わり続けるしかないのだなと。

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    2021年11月20日
  • 新選組血風録 新装版

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    高校時代に読んだにも関わらず、大人になって読むとこうも味わい方が変わるのか、と。
    日本史嫌いの学生時代とは180度変わり、歴史を知る面白さを分かるようになってから読む歴史小説の味わい深さよ。名作が沢山あって嬉しい。

    昔はミーハー丸出しの如き沖田好きでしたが、大人になると土方さん素敵と思うようになりました。
    回りを固める剣士たちのエピソードも、人物関係も、手繰り寄せるごとに面白い。

    源さんのエピソード良かったなぁ。
    近藤さんの虎徹へのこだわり、憎めないなぁ。
    「総司の恋」「菊一文字」は今読んでもいいなぁ。

    歴史小説はどうも長くて…と思って遠ざけていたけれど、亡き父が特に気に入っていた司馬遼太郎作品は少なからず馴染みがあるので、少しずつ開拓していきたい。
    新選組血風録の思い付き再読、良いタイミングで読んだようだ。

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    2021年11月11日
  • 新装版 妖怪(上)

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    久々の司馬遼太郎。今回は短め・室町時代の物語をチョイス。いやーやっぱり面白い…!ページを捲る手が止まらなかった。タイトル見て「何読んでるの…?」と夫は少し心配していたけれど。笑 下巻もすぐ読む!

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    2021年11月09日
  • 覇王の家(上)

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    久々の司馬遼太郎。昔と違って、地名が出た時に検索すればすぐスマホで確認できるので、物語りが頭に入ってきやすくて、読み応えが上がったように感じた。

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    2021年11月08日
  • 馬上少年過ぐ

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    いかにも司馬遼太郎らしい、戦国〜幕末の梟雄を描いた短編集。地元でも賛否が分かれる河合継之助、仙台の英雄伊達政宗、伊予の伊達家の御殿医であり家老にもなった重庵。時代に早すぎた、遅すぎた、場所が違ってたら、、、などなど、たらればを言ったらキリがないが、ロマンを掻き立てられるし、同情も禁じ得ないし、なんだか惹かれる。司馬文学は圧倒的に日本人からの支持を得ているが、海外で評価されているとは聞かない。やはり、なんとも言えない儚さや無常感、忠義の心情など、通底するものがあるんだろうな。

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    2021年11月02日
  • 尻啖え孫市(上) 新装版

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    雑賀孫市の話。
    こんなに傾いてたらさぞ、舞台である戦国時代に凄かったんだろうなぁと妄想しながら
    歴史小説、読み応え充分。
    鉄砲の名手なのは知ってはいたけど、半生に関しては全くと言っていいほど知らなかった
    石山本願寺の一向一揆のちょっと前までで上巻は終わり。
    こんなに面白い人ならもうちょい前から調べておけばよかったなと思っている。

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    2021年10月28日
  • 世に棲む日日(二)

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    第1巻は『燃えよ剣』等と比較して、ややストーリーが平坦な印象を受けたが、第2巻は激動の幕末そのものと言える内容。吉田松陰から高杉晋作へと思いは受け継がれ(と言うほど単純なものではないが)、久坂玄瑞、桂小五郎といった志士たちが次々と登場してくる。
    史実である点で概ねの展開は分かるのに、目が離せないストーリー展開、吉田松陰の最期をめぐる逡巡、創作部分の描写いずれも一級品としか言いようがない。そして何より、思想に生きることと現実に生きることの相克、「攘夷」或いは「開国」の表と裏、等々、示唆に富んだ司馬史観が見事に炸裂しています。残り2巻、この作品は何処まで行くのだろう。

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    2021年10月28日
  • 燃えよ剣

    購入済み

    映画をみた後でも読むべき

    映画!おおしろかったです。でもこまかな人物像は本でないと伝わらないです。ぜひ読む事をお勧めします。司馬ワールド最高です。

    #カッコいい #感動する

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    2021年10月21日
  • 燃えよ剣

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    とても良かった。映画を観て、映画も良くて再度読んだ。
    土方歳三は自分の信念や道を貫き通した人だと思った。周りに何と言われようとも自分を貫く姿はどこか羨ましく格好良い。
    京都での華やかな活躍、池田屋事件などからだんだんと暗雲が立ち込め、近藤勇の断首、沖田総司の病死のシーンなどはとても悲しくなった。そんな中でも土方歳三は信念のために戦い続けた。すごいと思った。最後の最後まで武士として戦う姿があった。何がトシをここまで駆り立てたのか、信念だけでここまで戦えるものなのか。もともと戦いが好きだったのか。人の生き方とは。いろいろ考えさせられた。
    また、映画で鳥羽伏見の戦いで人と人が殺し合っているシーンを観て、ここまでして何のために、人の命より大切にしたいものとは何か、とふと思った。
    新撰組はアニメなどでもともと興味はあったが、司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」を読んでさらに興味が湧いた。死んでもなお何百年も多くの人を魅了し語り継がれる新撰組、そして土方歳三、すごい。

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    2021年10月18日
  • 最後の将軍 徳川慶喜

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    「円四郎までよく申しておく」 と、言いすて、馬主をめぐらせて去った。…その時渋沢はこの貴人のために身命をなげうちたいと思った

    ○大河ドラマ『青天を衝く』でも有名な場面。司馬遼太郎が徳川慶喜から見た幕末から維新をどう描いたか、いくつかの場面で確認するために久方ぶりに再読しました。


    「薩人の奸謀は、天下の知るところ」

    ○中川宮邸にて 幕府への横浜閉港の御沙汰書を取り消す決定を朝廷を出したことで、慶喜が島津久光、松平春嶽、伊達宗城同席の場で

    ○同じ場で

    「いまより、天下の後見職を愚弄なさるな。これに控える三人の大愚物と同様同列であるとおぼしめさせるな。この段、よくよくお心得あってしかるべし」

    ○本人達を目の前にして、この辛辣な言葉が言える慶喜は只者ではない。

    「慶喜がこれにあり、玉体守護し、奉じるかぎりご心配無用とおぼしめせ」

    ○蛤御門の変で長州兵が迫る中、宮中にて


    「この開港に反対することをもって幕府をつぶす」とまで薩の大久保はいっていたし、…

    ○兵庫開港問題での薩摩の方針


    ○兵庫開港の勅許を慶喜がその行動と弁舌で得たあと、(討幕の企画者達は)慶喜を恐れた。


    (この男をほろぼし、殺さぬかぎり幼帝の将来はあぶない)と考えたのは薩摩の西郷吉之助であり、それほどに評価し、この評価を江戸城攻撃計画を推進してゆく最後まですてなかった


    ○長州の桂小五郎も慶喜を恐れ、この時期から「討幕の密勅」工作がすすんだという。


    「異存があるか。」…

    「なければよし。されば政権を返上する」

    ○大政奉還を慶喜が諸臣に自ら説明した時、続けて


    「あすは、諸藩の士をあつめよ」…

    「疑念はあるか。あらば、後刻、格別に謁見する」と、言った



    ※「岩倉・西郷・大久保は、竜馬・後藤の大政奉還コースとは別にひそかに密勅降下の工作をつづけていたが、それがなんと、慶喜が大政奉還の決意を表明したその夜に密勅が降下した。偶然、同日であった」(『竜馬がゆく』)

    ○慶喜の表明が数時間早く、岩倉の手に入った密勅は無効になった。密勅工作と同時に岩倉は「現実にはどこにもない」が南北朝時代に使われたといわれる錦の御旗を制作した。この錦旗が後日、歴史を動かした。


    …薩の流血革命方式は、この一挙によってみごとに往なされたが…好機を待った。


    王政復古の大号令の後、幕府軍が薩軍と衝突することを避けるため(慶喜は一時的に勝利することは可能でも、朝敵となることを避け、最終的には薩摩には勝てないと思っていたというのが司馬遼太郎の見立て)


    「大坂へくだりましょう」と、

    慶喜はにわかに言った。


    …この間、江戸で変事が起こった。薩摩系浪士が幕府挑発のため市中の治安をみだすのに幕閣が堪えかね、庄内兵をして薩摩藩邸を焼き討ちさせた。…将士は興奮し、慶喜の命を待たずに兵を部署し、京坂の間に全軍を配置して即刻にも開戦できる態勢をとった

    (鳥羽・伏見の戦いの前)


    「錦旗が出た」

    と、のみ慶喜はいった。

    ○江戸へ逃げ帰り、慶喜が閉塞していた勝海舟を浜御殿に呼び出して、戦後処理を任せる時に涙を流しながら


    ○蛇足ながら江戸時代には武士階級には尊王の思想は幕府や諸侯を問わず浸透していた。朝敵となることは現代人には想像し難いほどの屈辱だったよう。戦国時代なら慶喜も薩長を蹴散らしていたかも知れない。


    ○慶喜は大河ドラマでも好評ですが、実際にも弁舌は冴えわたり、江戸城で鳥羽・伏見の戦いの顛末を語る慶喜を天璋院は団十郎も及ばずと、いっていたということ。


    ※以上


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    2021年10月17日
  • 国盗り物語(四)

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    明智光秀の不器用さ、織田信長のパワハラ上司っぷり、自分に重ねて泣ける。
    もっと楽しくラクに生きられなかったのか。
    その性格、その時に置かれた状況、最良の方向を各々が進み、それらが偶然に重なり合った結果が人生であり歴史になるのかな。

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    2021年10月14日
  • 峠(上)

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    ネタバレ

    p.16
    人間はその現実から一歩離れてこそ物が考えられる。距離が必要である、刺戟も必要である。愚人にも賢人にも会わねばならぬ。じっと端座していて物が考えられるなどあれはうそだ

    p.24
    可能不可能を論ぜず、ねばならぬということのみ論ずる

    p.29
    この人間の世で、自分のいのちをどう使用するか、それを考えるのが陽明学的思考法であり、考えにたどりつけばそれをつねに燃やしつづけ、つねに行動し、世の危難をみれば断乎として行動しなければならぬ

    p.176
    視覚の驚愕は、網膜をおどろかせるだけでなく、思想をさえ変化させるものらしい。

    p.193
    歴史や世界はどのような原理でうごいている。自分はこの世にどう存在すればよいか。どう生きればよいか。それを知りたい。知るにはさまざまの古いこと、あたらしいこと、新奇なもの、わが好みに逆くもの、などに身を挺して触れあわねばならぬであろう。

    p.322
    「不遇を憤るような、その程度の未熟さでは、とうてい人物とはいえぬ」

    p.487
    「物事をおこなう場合、十人のうち十人ともそれがいいという答えが出たら、断乎そうすべきです。ちなみに、どの物事でもそこに常に無数の夾雑物がある。失敗者というものはみなその夾雑物を過大に見、夾雑物に手をとられ足をとられ、心まで奪われてついになすべきことをせず、脇道に逸れ、みすみす失落の淵におちてしまう。

    p.497
    が、日本人は未開のころから、山にも谷にも川にも無数の神をもっていた。どの神もそれぞれ真実であったが、そこへ仏教が渡来して尊崇すべき対象がいよいよふえた。さらに儒教がそれにくわわり、両手にあまるほど無数の真実をかかえこみ、べつにそれをふしぎとしなかった。

    大きな出来事はこれからなのに、すでに面白かったです。苛烈な継之助がどう考え、どう行動していくのか。ワクワクが抑えられません。また、期待とともに、あらためて幕末は凄まじい時代だったんだなと感じさせられます。ついつい、抜粋してしまう場面も多くなってしまいました。

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    2021年10月02日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    ネタバレ

    俄(にわか)とは、路上でやる即興喜劇のこと。主人公の明石家万吉の印象的な言葉がとても心に残る小説でした。
    「わが一生は一場の俄のようなものだった。」
    「知恵より大事なのは覚悟や。覚悟さえすれば、知恵は小知恵でもええ、浅知恵でもええ。あとは何とかなる。」
    「それほど死ぬのがこわければ天下国家を論ずるのはやめい。」
    お金を稼ぐコツは腹を立てないこと。自己愛が過剰でないというのは、それだけで際立った美徳である。

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    2021年09月25日