司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 覇王の家(上)

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    なんというカッコいい締めくくりだろう!読後の満足感と下巻への期待が最大限になって読み終えました。石川数正が到着して戦勝祝いをした際に、秀吉が返した言葉は流石と言うべきものだし、その後の著者の締めくくりがよく出来た舞台の幕引きみたいでした。いつも思いますが、司馬遼太郎の描くこの時期の秀吉はとても魅力的で好きです。この小説の主人公は家康の筈なのですが、最後に秀吉と著者に持っていかれてるところが面白い。笑

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    2020年09月13日
  • 功名が辻(一)

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    後の土佐藩主として知られる、山内一豊。
    内助の功で一豊を、土佐藩主にまで押し上げた千代。
    この夫婦の、戦国成り上がり物語。
    ふたりののキャラクター作りが、際立っている。
    一豊に無いものを、千代が補う。
    正に、理想の夫婦。
    この先が楽しみである。

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    2020年09月13日
  • 国盗り物語(一)

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    これほどまで感情移入してしまうとは。
    庄九郎がとてと魅力的、とくにお万阿とのやりとりがおもしろかった。
    とてもフィクションとは思えない、司馬遼太郎の人物像の作り方に脱帽です。

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    2020年08月28日
  • 菜の花の沖(六)

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    司馬遼太郎が江戸時代の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた長編歴史小説全六巻。日露双方、文化、風土の違いはあれど分かり合える部分も多いのが印象に残る。

    江戸時代も後半、蝦夷地の開発が進む中、高田屋嘉兵衛はロシアとの争いに巻き込まれ日本が捕虜としたゴローニンの報復的にロシアに囚われる。

    あくまで一商人の嘉兵衛なのだが使命感や大局を見渡す視点など江戸時代の人々の文化的な水準の高さを表象しているように思える。言葉遣いや態度など司馬遼太郎は浄瑠璃の影響を指摘している。

    日本が初めて本格的に直面する近代国家の進出。硬直的な幕府の官僚と対象的な嘉兵衛の生き方、態度を現代社会に置き換えてみるとどうなるのだろ

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    2020年08月20日
  • 菜の花の沖(五)

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    江戸期の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた大作。全六巻中の五巻。いよいよロシアと日本が衝突する時を迎える。

    江戸幕府とロシア、それぞれの立場の良く分かる巻。余談がほとんどを占め嘉兵衛はほとんど出てこない。ラクスマン、レザノフ、ゴローニン。日本史で習った人物たちが活き活きと描かれる。

    ここまでの四巻では全く出てこなかったロシア。唐突に現れるのも構成なのだろう。当時の日本人の驚きはもっとずっと大きかったことだろう。

    現代まで続く日露の国境の問題の原点ともいえる両国の蝦夷地開発の歴史が本作で良く分かる。

    残り一巻で結末まで持って行けるのか、まだまだ予断の許されない展開が続く。

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    2020年08月04日
  • 峠(上)

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    とにかく面白い。 司馬ワールド炸裂。河井継之助なんて教科書でも見たことなかった人だったけど、その人が目の前で生き生きと姿を見てくれた感じ。 もっとも上巻では女遊びしてただけだけど…

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    2020年08月01日
  • 国盗り物語(四)

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    織田信長と明智光秀の両者の人間像の洞察が、客観的、時に批判的によく分析されている。このあたりがジャーナリストであった作者のニュートラルな視点の賜物と思う(作者が織田信長にも明智光秀にもあまり惚れ込んでいないということもあるのかも知れないが)。「この男、ふだんはこうこうこういう男なのだが、どうやらこういう一面も持ち合わせているようだ」というような、突き放した物言いはシンプルだが、これこそ理屈では説明しがたい人間の矛盾した人格の表現にはうってつけな表現なのだろう。史料などから読み解き、どうにも辻褄があわない、理屈にあわないその人物の行為を強引に解釈するのではなく「よくわからない」と書くことで、本来

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    2020年07月26日
  • 菜の花の沖(四)

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    司馬遼太郎が江戸時代後期に活躍した船乗り、承認の高田屋嘉兵衛を主役とした大作、全6巻中の4巻。いよいよ択捉島の開発が始まる。

    エトロフ島の航路を確立。15万石に匹敵するというエトロフの開発が始まる。幕府の官僚的体制の中、それでも豊富な人材、多くの有為の人物との出会い。

    嘉兵衛は単に利益を求めるのでなくロマンに惹かれていく。師匠というべきサトニラさんの後悔を考えると止めた方が良かったのだが、蝦夷地定御雇船頭を引き受ける。ここの所がこの後どう響いてくるのだろうか。

    残り2巻、ロシアの存在が見えてくる今後。どのような展開になるのだろうか。

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    2020年07月18日
  • 国盗り物語(二)

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    面白い!

    筆者である司馬遼太郎と斎藤道三が対談しているかのような章も新鮮。
    現代を生きる術にも通ずるところがある。

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    2020年07月17日
  • 新史 太閤記(下)

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    下巻はいよいよ本能寺の変から本格的に秀吉が天下統一を果たしていくことになる。

    信長という存在がある限り、秀吉の目的は信長を儲けさせる事。そのためなら信長から殴られようが蹴られようが、その目的のために事をなしていく。

    ふと信長のやり方よりも自分のやり方のほうが上手くいくと思っても、そこは耐える。主君を裏切ってまで我を張らない。自分のほうが器が大きいと思っても。

    それが信長という存在がいなくなる事で解放された時、秀吉の才能が爆発する。後半は秀吉の独り舞台。

    天下を取るために、どのように相手に振る舞えばいいか。大名という土台がないだけに自分一人の才能が頼りになる。

    不世出の天才の後半は描か

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    2020年07月15日
  • 新史 太閤記(上)

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    当然秀吉の話は知っているが、秀吉が主役の本を読むのは意外と初めてである。

    やはり秀吉の魅力は人たらしなところなんだな。ここまでやられては人は嫌な気にはならず秀吉のために、となる。それを本気でありながらしたたかに計算していることもすごい。

    信長との関係も面白い。初めは不世出の天才としてどうやってこの主人に役に立ち出世しようかと考える。しかし終盤は天才の限界を感じるほどに自らが成長、器の大きさを示す。

    最初から秀吉では天下統一はならなかったろう。信長の苛烈さは最初に国を切り取るのに必要。その後は秀吉の人心掌握での領地拡大であったのだろう。

    二人の天才が世に同時に現れ、主従となった奇跡が天下

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    2020年07月15日
  • 坂の上の雲(二)

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    この明治の時代に、主に清国を中心に各国がどのように応対していたのかがとてもよくわかった。司馬遼太郎は本当によく調べあげていて驚愕する。、

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    2020年07月13日
  • 街道をゆく 37

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    ネタバレ

    本郷界隈がこんなにも歴史に囲まれた場所だったのかと気づかされた。
    江戸時代の加賀藩邸のあったので時代。明治以降、東京大学ができた時代。
    とくに漱石、「三四郎」の世界を歩く道行きは楽しかった。三四郎の時代、司馬遼太郎が歩いた時代、そして今。

    本郷界隈は「坂」の町であることも、よくわかる。知っている「坂」もいくつかあるし、知らない坂も行ってみたい。

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    2020年07月11日
  • 国盗り物語(一)

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    難しそうだからと敬遠してたけど、真逆だった!
    めちゃくちゃ分かりやすくて面白い!

    まぁ、ほぼフィクションなんだろうけど、
    司馬遼太郎の手に掛かると斎藤道三がこんなにも魅力的なキャラになるとは。

    続きが楽しみ♪

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    2020年07月10日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    広範な資料を閲読した経験に裏付けられた作家にとっては、地図上の地名一つからでも、その地にまつわる人の物語を紡ぎ出すことができるのである。

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    2020年07月01日
  • 義経(上)

    購入済み

    さすがは司馬遼太郎

    日本人がこれまで飽きるほど見たり聞いたりしてきた義経物語だが、司馬氏のてにかかるとここまで秀逸で欣快の書物となるのであろうか。

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    2020年06月30日
  • 花神(下)

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    初読は高校3年生の受験直前。43年ぶりの再読です。今回も読み始めたらやめられず、睡眠時間を削って読みました。

    本書は周防の村医から一転して討幕軍の総司令官となった近代兵制の創始者大村益次郎(村田蔵六)の生涯を描きます。

    「大革命というものは、まず最初に思想家があらわれて非業の死をとげる。日本では吉田松陰のようなものであろう。ついで戦略家の時代に入る。日本では高杉晋作、西郷隆盛のような存在でこれまた天寿をまっとうしない。3番目に登場するのが、技術者である」

    吉田松陰と高杉晋作を主人公にしたのは「世に棲む日々」。一種の技術者を主人公にした本書は、その姉妹作品と言えます。ただ、大村益次郎は「ど

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    2020年06月26日
  • 国盗り物語(三)

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    晩年の道三の「天下を獲るには自分には時間がない」という寂寥。どれだけの才覚と体力と実行力があっても、壮気というか欲望というものを人間はやがては失っていくのだな、と、10代で読んだ時には感じなかった心情に共感した。読書は読んだ時によってまるで受け取るものが違うと改めて実感した。将軍家再興に奔走する光秀を、幕末志士のようなタイプで戦国時代には類を見ないという指摘にはなるほどと思った。

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    2020年06月26日
  • 国盗り物語(四)

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    斎藤道三からの国盗りの流れを、信長と明智光秀が引き継いでいる。特に、光秀がクローズアップされて描かれており、信長の傘下に入り重要な武将まで階段を上がっていく過程での心情変化の模写が素晴らしい。また、保守的な光秀を通して、信長の革新性も再認識することができる。徳川家康と細川幽斎の振る舞いも面白い。司馬遼太郎の本は満足度が高い。

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    2020年10月26日
  • 豊臣家の人々 新装版

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    秀吉がいなければ歴史に名を残すこともなかった人たちの、理不尽で哀しい、それでも確かな人の生き様を描き出す。
    秀頼がただ一度家康と対面した場面の凛々しさ、家康を感嘆させた秀康の威厳、人生の最後秀吉の呪縛を解いた秀次。

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    2020年06月19日