司馬遼太郎のレビュー一覧
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司馬遼太郎歴史小説の1つ
斎藤道三前編
斎藤道三の、能力抜群だが格が低いということであれやこれやと芸をこなして成り上がる姿がかっこいい。悪者として言われているが緻密な作戦、時には大胆な行動を起こすことで為すべき時に為して成り上がれるのは見習うものだと思える。
欲しいと思ったときに我慢強くするところは我慢し、手に入れられると思ったら迅速に動ける人間になりたいと感服した。
今作は斎藤道三が牢人から始まり、商人、武士、守護大名へと肩書を変えていく。人生がたくさんあるようでうらやましくも思えるが、やはり野望を抱き、行動を起こすことが自分の人生で大事なものだと感じさせられた1作でした。 -
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李登輝さんが亡くなったことを受け、改めて読み直す。本シリーズは、紀行文のようでありながら、その実、司馬さんがとめどなく語り尽くす歴史の蘊蓄が魅力である。この台湾紀行は特にその感が強く、台湾の歴史、台湾に関わった日本人、市井の名もなき人たちが、パッチワークやコラージュのようにつなぎ合わされ、台湾という「国のかたち」が浮かび上がってくる。
司馬さんは、自分の作品を「22歳の自分への手紙」と言う。終戦時に抱いたこの国はどうしてこうなってしまったのかという強烈な疑問への回答という意味である。台湾について語る場合、当然、日帝時代は避けて通れない。ただ本書では、あくまで台湾にフォーカスが置かれているよう -
購入済み
主人公の名は天堂晋助、長州の庶人出身の下級武士、剣の腕が滅法立つ彼は高杉晋作に会うことで人生が大きく変わる。
高杉の言うがままに刺客として幕末の時代を駆け抜ける。 -
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全国統一のグランドデザインを、日本を経済圏として見ていたのは、武将ではない秀吉ならではの発想なのだろう。してみると、商人上がりの斎藤道三では時代が早すぎたし、織田信長は既成概念にとらわれない頭脳の持ち主とはいえやはり大名であり武士であるから、秀吉のような構想を持ちえたかどうか疑問だ。まさに歴史の要請があるところに、例を見ない上昇志向の持ち主がいて、しかも異常なまでのバイタリティと先見の明を持っていて、血縁や家柄であるとか、個人ではどうしようもない概念のような困難なものまで含んだそれまでの世の中の仕組みを、実際に変革していくだけの行動力を持った男がここに誕生していて、それにいろいろな偶然が重なり
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司馬遼太郎が江戸時代の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた長編歴史小説全六巻。日露双方、文化、風土の違いはあれど分かり合える部分も多いのが印象に残る。
江戸時代も後半、蝦夷地の開発が進む中、高田屋嘉兵衛はロシアとの争いに巻き込まれ日本が捕虜としたゴローニンの報復的にロシアに囚われる。
あくまで一商人の嘉兵衛なのだが使命感や大局を見渡す視点など江戸時代の人々の文化的な水準の高さを表象しているように思える。言葉遣いや態度など司馬遼太郎は浄瑠璃の影響を指摘している。
日本が初めて本格的に直面する近代国家の進出。硬直的な幕府の官僚と対象的な嘉兵衛の生き方、態度を現代社会に置き換えてみるとどうなるのだろ -
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江戸期の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた大作。全六巻中の五巻。いよいよロシアと日本が衝突する時を迎える。
江戸幕府とロシア、それぞれの立場の良く分かる巻。余談がほとんどを占め嘉兵衛はほとんど出てこない。ラクスマン、レザノフ、ゴローニン。日本史で習った人物たちが活き活きと描かれる。
ここまでの四巻では全く出てこなかったロシア。唐突に現れるのも構成なのだろう。当時の日本人の驚きはもっとずっと大きかったことだろう。
現代まで続く日露の国境の問題の原点ともいえる両国の蝦夷地開発の歴史が本作で良く分かる。
残り一巻で結末まで持って行けるのか、まだまだ予断の許されない展開が続く。
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織田信長と明智光秀の両者の人間像の洞察が、客観的、時に批判的によく分析されている。このあたりがジャーナリストであった作者のニュートラルな視点の賜物と思う(作者が織田信長にも明智光秀にもあまり惚れ込んでいないということもあるのかも知れないが)。「この男、ふだんはこうこうこういう男なのだが、どうやらこういう一面も持ち合わせているようだ」というような、突き放した物言いはシンプルだが、これこそ理屈では説明しがたい人間の矛盾した人格の表現にはうってつけな表現なのだろう。史料などから読み解き、どうにも辻褄があわない、理屈にあわないその人物の行為を強引に解釈するのではなく「よくわからない」と書くことで、本来