司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 竜馬がゆく(五)

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    ▼四巻から引き続いて、「竜馬はあんまり活躍しないけど、時代は大激動」という「司馬講談版、幕末激動列伝物語」ですね。竜馬はあんまりこの巻では「ゆく」って感じじゃないです。うろうろしています。

    ▼「燃えよ剣」を書いた人ですから。新選組にも愛着はあるので、池田屋の変を被害者の側から書くにせよ、その語り口は実に融通無碍自由自在です。

    ▼それにしても、まあ歴史上の風雲児とか言われる人はみんなそうですが、本当に表舞台で活躍したのって、2年とか、そういう場合が多いんですよね。そう考えるとビートルズですら長命。

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    2024年04月11日
  • 竜馬がゆく(四)

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    ▼司馬さんの「語り口」が全て。それが良く分かる巻かも知れません。

    ▼どうしてかっていうと、「主人公は、ほとんどなにもしないから」ですね。長州の京都での没落とか、土佐藩の武市一派の没落などが、実にドラマチックに描かれますが、竜馬さんは、ぜーんぜん関わってない。

    ▼そして竜馬さんは脱藩してうろうろしていますが、まあ簡単に言うとなんにもできてない。勝海舟の使いっ走りをしているだけです。

    ▼だからまあ、列伝というか。もちろんそういう竜馬以外の状況を分かってないと、竜馬さんが幕末史の表舞台、七三花道スポットライトに躍り出たときに、訳が分からないから。それにしても語り口が上手い。ダイジェスト講談版幕末史、ですね。

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    2024年04月11日
  • 竜馬がゆく(三)

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    ▼第三巻で勝海舟と会う。もともと殺すために会いに行ったのに、弟子入りしてしまうというオモシロイ展開。

    ▼・・・・その後読み進めると、しみじみ思うんですが、竜馬さんって、

    ・勝海舟に気に入られ?から人間関係の財産をまるっと貰った。

    ・西郷に気に入られ?薩摩の財力と権力の保護下で海援隊の活動を全部スポンサーになってもらった。

    という2点が無かったら、まあただたんに剣道が強かったホームレス、に過ぎないんですよね・・・・どれだけ高説をのたまわろうが。

    ▼ひっくり返すと、そのふたりにそこまで愛されちゃったってことがもう、決定的なんでしょうねえ。

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    2024年04月11日
  • 竜馬がゆく(二)

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    ▼司馬さんの「節回し」が聴かせどころの作品だなあ、と第1巻の感想に書きましたが、節回し絶好調です。

    ▼幕末物の難しさは、「で、結局なにをしたの?なにがあったの?」というのが難しいんですね(笑)。合戦やって勝ち抜きました、という戦国とは違うんで。「政治」ですから。

    ▼その上、第2巻の竜馬なんて、要するに「剣道ま無茶苦茶強くて地元のヤンキーの代表っぽくなってあちこちうろうろしてただけ」ですから(笑)。すっごい簡単に言うと、「あちこちで色んな話を聞いて勉強してました」というだけです。

    ▼それがこんなに面白くなる。省略の妙、18歳くらいで始まったお話がいつのまにか成人して脱藩して歩き出す。

    ▼それにしても、司馬作品中随一、「主人公の理不尽モテ男ぶり」がすごいというか(笑)。もうほとんどそこだけで言うと「ゴルゴ13」とか本宮ひろしの世界。司馬さんの作品中でもなかなかここまでのものは、無いですね。
    (いちばん売れているのはそれが理由かも知れません・・・・)

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    2024年04月11日
  • 新史 太閤記(上)

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    泣かぬなら泣かせてみせようというのは本当によく言えているなと思う。秀吉の性格や人間性、商人気質や企画力がありありと描かれている。これほど卑賤から身を興していたとは知らなかった。

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    2024年04月10日
  • 竜馬がゆく(五)

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    愛されてるなぁ、竜馬。勝さん、残念だったね。船没収だし…、幕府に呼び出されるし…。もー。おりょうさん、やったね。抱かれたね。夢が叶ったね。(書くとき気まずくなってきた。)

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    2024年04月06日
  • 最後の将軍 徳川慶喜

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     日本史上の劇的な革命であった明治維新を題材とした小説は多いがほとんどが維新側から見た歴史ばかりで、維新側の視線で当初劣勢であった薩長側が、どのように情勢をひっくり返し維新を成立させたかに焦点が当てられていて、いかに幕府側が腰砕けの政権であったかが強調されている。
     本小説は、多勢の幕府側がなぜ劣勢の薩長に破れていったのか、そして世界史の中ではほとんど見られない流血を伴わない革命がなぜ成立したのかが、敗軍の将である慶喜側の目線で理路整然と書かれている。慶喜は頭脳明晰という評価がありながら、長州征伐や鳥羽伏見の敗戦、その後の敗戦処理など政治的評価が低くその矛盾を不思議に感じていたが、慶喜がなぜそのように振る舞ったのかが掘り下げられており、幕末期の理解が深まる小説であった。

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    2024年04月06日
  • 竜馬がゆく(八)

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    司馬遼太郎さんの本は、何故か風神の門から入り、関ヶ原、花神、峠、戦雲の夢と読みましたが、どれも傑作ではありますが、改めて竜馬がゆくが内容、展開、そして今読み終えての読後感がなんとも言えず最高です。
    幕末の日本人になった気分を味わえた数ヶ月、とても幸せでした。

    創作の部分多数あれど、残した言葉の数々は心に残りました。
    また読む機会あったら読み返してみたくなりました。
    (てか実は10代、30代、40代と読み返し、更に50代で読んでるので五回目なんですけどね)
    何回よんでも面白い、司馬遼太郎さんの作品は私のマイベストです。

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    2024年04月03日
  • 馬上少年過ぐ

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    教科書の中の歴史は、ただの文字の並びとして滑り、過不足なく組み合わされた人工的な記録のよう。
    対してこの本の中で語られる歴史は、人間がもがきながら、必死で各々の越し方行く末を案じ、選び取り、駆け抜けてきた、生温かい記憶である。

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    2024年03月30日
  • 菜の花の沖(五)

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    ▼こ、これはすごい・・・。江戸後期の船乗り/商人である、高田屋嘉兵衛さんの生涯とその時代を描く司馬ワールドなんですが、この五巻はすごかった・・・。

    ▼高田屋嘉兵衛さんは、その生涯の後半というか終盤のあるポイントで、「ロシア軍艦に身柄を拉致される。そして軟禁生活を送るが、最終的にロシア人と信頼関係を築き、身柄の解放を勝ち取る。そして日本に軟禁されているロシア軍人の解放に尽力して実現する」という、言ってみれば日本史の舞台に躍り出る訳です。それはまあ、ある程度こちらも織り込み済みで読んでいます。その事件がなかったら、高田屋嘉兵衛さんはさほど歴史にゴシック大文字で残るような存在では、恐らく無かった。この本が書かれることも、無かったわけですから。

    ▼そして四巻までかかって、大雑把理に言うと、その、「大事件」の前夜までが描かれるんです。「いよいよ、事件が始まるかな!」と思って第五巻を開く訳です。読み始めると、まずは、「えっとね、一旦、嘉兵衛から離れて、事件が起こるまでのロシアと北海道の成り行きというか、事情っていうか、そういうものを紐解いて話すね」というような感じ。つまり、事件を味わうための予備知識直前再注入!という。
    (四巻まででも、ちょいちょい、かなりな量のそういう閑話休題があったんですけれど)

    ▼そうしたら・・・その、「ロシア&北海道の歴史事情解説」が、長いんです。そして・・・なんと、五巻はほぼほぼそれだけで終わってしまうんです・・・。な、なんて大胆なというか・・・なんて自由なと言うか・・・。
     駆け出しの小説家だったら、編集者が秒で却下して絶対に許さない所業です。

    ▼で、それが面白いのかと言うと、「全然おもしろくないよ!いい加減にしろ!ドラマチックな小説を読ませろ!」という読者もいっぱい、いっぱい、居ると思うんです。個人的にも恐らく10年20年前なら、そうだったと思います(今、50代なんですが)。

    ▼なんだけど、今の自分としては、この五巻も大変に面白かった(笑)。分かりやすいし、「へ~なるほど」がキラキラと散りばめられています。俯瞰の語りの中に、躍動するロシアの軍人や、北海道の日本人や、当時の幕閣までが体温を感じられます。

    ▼要は帝政勃興と隆盛発展とともに東へ東へシベリアへと、貂の毛皮を求めて進んできたロシアの冒険的人物たち(ほぼほぼアウトローな人々)が、皇帝のお墨付きを得て、ロシアそのものとして「遅れた帝国主義の暴虐強引さ」をもって、満州へ、あるいは樺太へ、そして北海道へと迫ってくる歴史的な成り行き。
    (その暴虐強引さ、って言うのは大正昭和と、日露戦勝後の日本もなぞっていくものなんですが・・・)

    ▼それがヒタヒタと、江戸幕府体制に迫ってくる。幕府は鎖国してます。摩擦を起こしていく。そういう「個々の人格の問題もあるけれど、それに惑わされちゃいけない全体状況」みたいなものが、ものすごく指紋露わに見えてくる感じです。

    ▼日本史で言うとこの温度が、ペリー来航で沸点に達して、明治維新が起きる。明治維新っていうのは、江戸時代の商品経済の爛熟(高田屋嘉兵衛的な)と、西欧帝国主義(嘉兵衛が拉致されるロシア艦隊的な)の接近。このふたつが出会って、、、、「俺たちは十分文化も経済も満ち満ちてるんだから、清国みたいに植民地化されたくないよ!武力が強いからってあんまりにも横暴だろ!」という戦いとして始まるんですね。無意識下でしょうが。
    (同様の構造上の、加害者に、昭和日本はなるんですが)

    ▼帝国主義の時代には、言ってみれば先進国はみんなプーチンさんやトランプさんみたいだった、とも言えます。ついこの間まで奴隷貿易してた方々ですから。「力こそ正義なり」。対抗するには富国強兵しかありません。その手段としての維新。欧米化。旧制度の反発と鎮圧(西南戦争)。手段としての憲法、議会。そして日露戦の勝利=近代史上初の有色人種の白人種への勝利。それで、言ってみれば幕末維新は、読点が打たれるんだなあ、と思いました。

    (だからその後は、加害者への守勢から、「自分が加害者になる」という方針転換になる。その時点で、新たな価値軸を見いだせなかった。仕方ないことかも知れませんが)

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    2024年03月24日
  • 竜馬がゆく(五)

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    西郷さんも登場し、★5つです!
    池田屋の変生き残りが、親の出生地の方であった。。
    感慨深いです。
    長州藩が大変な⑤巻ですが、スズムシの行が面白くホッコリします。
    中岡慎太郎の出番も多くなり、まだまだ楽しんで読み続ける事ができそうです。

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    2024年03月03日
  • 竜馬がゆく(四)

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    竜馬、やっと、やっと船をもらえたーっ!
    勝さんに取り込んだ甲斐があったーっ。        
    ううう、ヽ(;▽;)

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    2024年02月28日
  • 関ヶ原(下)

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    関ヶ原合戦、西軍の奮闘、小早川の裏切り、死闘。大谷吉継が最期まで名将すぎて涙目。島左近の17歳の息子さえ戦場で華々しく散った、というのも切なかった。
    石田三成が戦場離脱したのには「あれ?大谷吉継は自刃したのに?」と戸惑ったけど、結局自首して潔く処されたのは(性格的に)筋が通ってて良かった。
    これまで読んだ司馬遼太郎作品で上位にくる面白さだった。

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    2024年02月27日
  • 翔ぶが如く(二)

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    西郷隆盛の征韓論を軸に渦巻く人間模様が丁寧に描かれており、まるでその時代にいるかのような気持ちになる。

    ここからの展開が楽しみになる二巻であった。

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    2024年02月27日
  • 項羽と劉邦(下)

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    局面での戦闘においてあれだけ強い項羽が、劉邦を悉く追い詰めながらも、突如として転がり落ちるように没落して、最終的には劉邦が勝つという、その流れや理由をきちんと知ることができて良かった。また、あまりに有名な四面楚歌や項羽の詩を全体の文脈の中で読むことができ、当時の項羽の心境に肉薄することが出来たように思う。この辺りは筆者の筆致のなすところであった。また、莫大な褒賞が掛けられた項羽の死体をちぎりあった話も人の欲望の逸話として、あるいは劉邦の性質を示す逸話として、非常に興味深かった。

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    2024年02月26日
  • 竜馬がゆく(四)

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    またしても★5つ!
    竜馬とおりょうの「一室に馬鹿がふたりそろってしまった」の行やお登勢さんに気持ちの描写が面白いです。
    とはいえ、新選組も出始め、粛清だらけです。。
    独眼竜清岡、半平太の行は。。凄惨です、悲しいです。
    一方で、その後「さな子」さんとの片袖のエピソードが凄くホッコリし、艦上での初日の出シーンで感動。
    司馬さん読みやすく、楽しく読めます!

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    2024年02月25日
  • 国盗り物語(四)

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    光秀と信長の関係性の中で、信長が上洛し、本能寺の変まで到達する。彼らの人となりの描写の豊かさはさすがで、時代の激動さも相まって、ほとんど一気に読んでしまった。基本的に光秀の視点で話が書かれているので、光秀が本能寺に向けて出立を決意する辺りの覚悟はかなり来るものがある。この後の秀吉への展開もぜひ読みたい。

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    2024年02月23日
  • 項羽と劉邦(上)

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    登場人物全員、キャラがいいんだよなあ。。。
    劉邦のダメっぷりもいい(笑)
    ちっぽけな自我を捨てられたら、少しは器が大きくなれるかなあ~

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    2024年02月21日
  • 竜馬がゆく(三)

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    三巻も文句なしですね!★5つです!!
    竜馬も凄いが武市さんも凄い。
    三巻。。登場人物が多い!
    おりょうさん、勝先生、久しぶりのお田鶴さん。
    皆がみんな、竜馬を好いてて気持ちが良いです。
    今後こんなに凄い人が出て来る世になるのだろうか?

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    2024年02月18日
  • 竜馬がゆく(二)

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    文句なく★五つです。
    どんどん読み進めます。
    司馬さん読みやすいです。
    坂東さんの本を読み、高知という未踏の地に興味が湧き、この本で更に行きたくなります。
    いつか行くんだろうか。。
    二巻で板垣退助まで登場し、もーワクワクが凄いです。
    脱藩の章で「お栄さん」、「乙女さん」の行は悲しくなりました。

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    2024年02月13日