司馬遼太郎のレビュー一覧
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江藤新平といえば、新政府の国家デザインを担える人材でありながら、やがて大久保利通と対立。征韓論で敗れ、佐賀の乱を起こす、という程度の認識でした。
こういう教科書では単語やセンテンス程度の人物の物語を読むというのは、その時代の背景や流れを知ることに繋がるとともに、他の歴史的な人物との関係もうかがい知ることができるので、とっても刺激的。それなりに歴史小説を読んできて今更ですが、やっぱり歴史小説っておもしろいなと、再確認しました。
さて、本書の江藤新平は、なんというか正義感の塊のような人物で、とにかく苛烈。政治に関心(というかセンス)がなく、真面目一直線で行動するがゆえ、大久保の権謀術策にかかり自 -
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ネタバレ竜馬が海軍作りに動き出した四巻
その一方で土佐勤王党は容堂公によって弾圧されて行く。
四巻にもなると登場人物達に感情移入してくる。
この巻で特に感心したのが、勝海舟の先を見る力と視野の広さ。幕臣でありながらも、幕府の終焉を悟り、次の政権へ穏便に移行出来るよう奔走するというのは、藩・幕府が世界の全てだった江戸時代では、そうとう先進的な考え方の人だったんだろうなと。
だから、皆んなから命を狙われる訳だけど。
観念的に物事を考えるんじゃなく、視野の広さと現実をしっかり見据えて、丁寧かつ大胆に行動を起こすことの大切さを学んだ巻でした。 -
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ネタバレ宮本武蔵の話を含む、6話を収録した短編集。
・真説宮本武蔵
宮本武蔵の最大の武器は、相手の強弱を見抜く力。勝てると踏んだ相手としか勝負をしなかった。また、オーラとも言うべき気力が凄まじく、恵まれた膂力に支えられた2刀流も相まって、後世に受け継げる人が出なかった。
・京の剣客
武蔵の生きた時代に京で兵法家として名を馳せた吉岡家にまつわる話。通称憲法様。兄弟がおり、兄が「兵法はなんのためにあるのか」について考える一方、弟は技を磨くのみに集中していった。ある日、武蔵が勝負を吉岡家に申し込む。兄弟どちらが勝負をするかという話になり、弟は自分が受けたいと主張したが、気力の差を兄に見せつけられ、兄が勝 -
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1〜4巻、全体の感想
何だろう。この本を読んでると、突き動かされるような気持ちになってくる。吉田松陰や高杉晋作の生き方そのものはもちろんのこと、それ以上に思想や革命、正義といったものへの司馬遼太郎の考え方や解釈がそうさせるんだろう。
読み終わるまで、思想やそれが見据える正義の影響力の凄さに引き込まれていたが、読み終わってふと現実を見回すと、実はちょっと違うんだということに気がつく。実際に周りや後継に影響を与えているのは、人となりそのものなんだろうな、と。思想に共感してるんじゃなくて、生き方に共感してるんだと。
大切なのはずっと先を見据えることと、少し先の作戦を考えること。ずっと先の作戦を考える -
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3巻と4巻は信長の物語。しかし、半分以上は明智光秀の視点が描かれています。斎藤道三の弟子ともいえる二人の天才が主従関係となり、天下統一に向けて才能を発揮するのですが、同じ天才同士ながら、古い秩序や慣習を徹底して破壊する合理主義者の信長と、文化や伝統を重んじる光秀とは、水と油。信長は光秀を重用しながらも、一方で、キザで面倒な奴と感じています。光秀もまた、信長の凄さを頭では理解しつつも、肌が合わないことを実感し、やがてその鬱屈した思いが本能寺へとつながります。
4巻に渡る大長編。道三、信長、光秀を中心として、細川藤孝、秀吉、家康、信玄、謙信と、戦国時代のそうそうたるスターが活躍する一大絵巻。司馬 -
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ネタバレ~全巻通してのレビューです~
鉄砲技能集団の雑賀統を率いた雑賀孫一を主人公とした物語。面白くて1週間で読めました。
岐阜城下に孫市が現れる場面から始まるのですが、無類の女好きとして描かれていて、孫市の勘違いで信長の妹を目当てに来たことから秀吉と知り合うことになり、
秀吉との友情は物語の最後まで続くことになります。
信長の朝倉攻めで秀吉が殿軍を務めることになった時、孫市も協力することになるのですが、このあたりは司馬先生の創作のようですね。
物語の中心は石山本願寺の大将となった孫市と信長軍の戦いや、孫市の母国紀州に攻め入った信長軍と孫市の戦いです。
孫市はいずれの戦いでも勝利し信長を悩ま -
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ついに最終巻。晋作爆発の時。
創始者である奇兵隊から挙兵の加勢を断られた晋作は自分と伊藤俊介(のちの博文)と力士隊のみで長州藩に対してクーデターを行った。嗚呼、晋作よ。生き急ぎ、師である松陰先生同様幕府の瓦解と新しい日本を見ることができなかったが、それでも師の教えの通り、生きて為すべきとを為してから旅立ったので悔いはなかったのではなかろうか…
これより長州男子の肝っ玉をお目にかけます
とか
わしとお前は焼山葛 うらは切れても根は切れぬ
とか、しびれる名言。
確かにこの時代の志士には珍しく、他藩とは全く交流が無かったのも面白い。そこも松陰先生が生きてたら違ってたのだろうなぁ。
この時代の人物 -
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何回も読み重ねる傑作
司馬作品の初期の傑作ですね。梟の城とこの作品は忍びの世界を描いたジットリした・暗闇にスポットを当てた司馬作で、私は文脈も含め大好きです。20代から何回も読み返しています。