司馬遼太郎のレビュー一覧
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いよいよ大坂冬の陣。真田幸村、後藤又兵衛ら大阪方の武将が揃い、いざ決戦。のはずだが、本書で語られるストーリーの多くは、家康による謀略中心。家康にとって一応、主人である豊臣家を潰すことは、後世の汚名につながる恐れがある。単純な軍事力で勝敗を決めるわけにはいかないのだ。家康が見ているものは、目の前の大阪城ではなく、終戦後の徳川統一のビジョンだ。
はるか先を見ている家康に対し、豊臣家は現実すらまともに見ようとしない。淀殿、大野修理、浪人たちが都合のいい状況を選択して、意見がまとまらない。
真田幸村など、やる気のある優れた武将たちが揃っている大阪方は局地戦では勝利するも、その小さな勝利を全体に波及 -
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関ヶ原の戦いは終わったが、大阪城には未だ豊臣家の威光は健在。自身の寿命ある内に徳川による治世を完成させたい家康を、類のない陰謀に走らせる。
本書で描かれる家康はなんとも鼻につくイヤな奴。こんな奴が天下を取るなんて許せない、大阪ガンバレと思ってしまうが、その大阪方の人材の乏しいこと。なんせトップが現実を直視せず感情だけで思考する淀殿に、寝たきり老人のように影の薄い豊臣秀頼。そんな幻想家が支配する大阪城内の空気は乱れきっていた。
歴史を知らず、次巻を読むまでもなく、勝敗はすでに決しているのだが、その勝敗外でうごめく人間模様が見どころ。この巻の主役は片桐且元。家康、淀殿からのパワハラを受けまくり -
購入済み
再会がテーマの「街道をゆく」
二十年来の知己である宇和島市立図書館長をしていた渡辺喜一郎と「久濶を叙した」という場面に見るように、「街道をゆく」のなかで「南伊予・西土佐の道」は、再会がテーマであるかのようである。
それほどに司馬は旧知と先々で出会っていく。司馬にとって大阪外国語学校の先輩で、満州・長春に訪ねたことのある森和氏、司馬夫人の友人の夫、石丸良久氏、産経新聞社の同僚であった松浦幸男氏など。渡辺氏とともに十年以上前から宇和島周辺を取材して知った人々などを入れるさらに多くなる。
その外に赤尾兜子の兄、赤尾龍治は盤珪禅師の研究者として紹介される。
「街道をゆく」では旧作が話題になることも少なくないが、それに -
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これほど慕われ続ける人望と器量を備えているものの、ここに登場するやその厭世に虚しくなる。結果として成し得なかった征韓論には、極めて複雑な背景があり、どうあれ退いてくれたことに安堵するけれど、大久保、岩倉を追い詰め、三条を錯乱させた往時には、その威容を誇る。薩摩に帰郷して後は、何ら光彩を放つことなく、もちろんそのための遁世なのだから、そのまま不動でいて欲しかった。革命の象徴から、新たな革命の虚像へ。そして、演じたのか捨て鉢であったのか、木偶の最期を迎えた。敵味方を問わず西郷を担ぎ、共に逝った者たちの情緒は知れても、西南での西郷の機微に触れることはできなかった。
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軍神と称された幼稚な義経の物語。多くの点において、自らを重ねるところあり、政治感覚の無さ、他者への気持ちのわからなさ、自分を正しいと思う、思い込みの強さ、自らを重ねるようである。
しかし、痛快な30年弱の人生であっただろう。
初陣から壇ノ浦まで、古今類を見ない奇跡的な勝利、それはこの時代になかった、
戦術、策、を用いた初めての戦いであり、またそれにより価値、勝てない戦を勝って、英雄となった。
鎌倉が恐れること、仲間だと思っていた身内が恐れることを「まったく」分からなかった。
その純粋さ、つまり「親のかたき討ち」以外には思いを寄せることが出来なかったことが、
結果、さわやかで痛快な、そして悲 -
購入済み
合本 坂の上の雲
文庫本を持っていたが、行方不明になりもう一度読みたいため購入。電子書籍は持ち運びが楽であるため、どこでも読める利点がある。坂の上の雲は明治期の正岡子規以外はあまり知られていない人物に焦点を当てた面白い本である。正岡子規や夏目漱石らと同時代を駆け抜けた伊予の2人の生き様は感銘を受ける。
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氏が「菜の花の沖」「坂の上の雲」を書く際に考え続けていたロシアという国の本質について考察した本。現在読んでも全く古さを感じず、この国の本質を考えるヒントを与えてくれる。
国の成り立ちや侵略された歴史から国家としての性格が形作られていった様子がよく分かる。特にシベリア等の極東開拓の歴史は日本人として知っておくべきだろう。
ロシアの側から見れば、北方領土とモンゴルをセットにして捉える必要があるなど、北方領土問題を語る前に我々国民もロシアのことをより知る必要があることを再認識した。この問題においては変に国民感情に訴えることは慎まなければならないという、氏の考えには全く同感する。 -
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久しぶりに司馬遼太郎。
しかも短編集。
舞台は幕末、新選組や江戸幕府直結関係かと思いきや
全然また違う当時200以上いた藩主の話。
土佐藩の山内容堂・薩摩藩の島津久光・宇和島藩の伊達宗城・肥前佐賀藩の鍋島閑叟
山内容堂はもう説明なしで有名すぎるから特にw
表紙の瓢箪の絵(お酒が入った)然り、まぁとにかく終始お酒が好きで気性が激しすぎ。
島津久光は自分が一番!って思いこみすぎてほかの人の意見聞いたり聞かなかったり(自分でなんとなくしか考えずに)ふと気が付けば倒幕なう。みたいな。
伊達宗城は思い付きがすごいというか何で黒船を
提灯職人に任せるのか謎だったけど結局は出来ちゃったのがすごい。
しかしこ -
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機動戦士ガンダム。アムロ・レイ。zガンダム。カミーユ・ビダン。シャア・アズナブル。
うーん。彼らの原型が、「源九郎義経」だったとは。
ガンダムファン、必見、必読の作品だと思いました。
#
司馬遼太郎さん「義経」(文春文庫、上下)。1968年発表だそうです。
これは、面白い。
つまり、司馬遼太郎版の「平家物語」なんですね。
平清盛の栄華から。
少年義経の放浪。
頼朝の挙兵、木曽義仲の挙兵。
富士川の戦い、宇治川の戦い。木曽義仲の敗死。
一の谷の戦い、屋島の戦い、壇ノ浦の戦い。義経の絶頂。
義経と頼朝の対立、腰越状。
そして、義経の没落まで...。
いわゆる「源平」の美味しいところをわ -
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機動戦士ガンダム。アムロ・レイ。zガンダム。カミーユ・ビダン。シャア・アズナブル。
うーん。彼らの原型が、「源九郎義経」だったとは。
ガンダムファン、必見、必読の作品だと思いました。
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司馬遼太郎さん「義経」(文春文庫、上下)。1968年発表だそうです。
これは、面白い。
つまり、司馬遼太郎版の「平家物語」なんですね。
平清盛の栄華から。
少年義経の放浪。
頼朝の挙兵、木曽義仲の挙兵。
富士川の戦い、宇治川の戦い。木曽義仲の敗死。
一の谷の戦い、屋島の戦い、壇ノ浦の戦い。義経の絶頂。
義経と頼朝の対立、腰越状。
そして、義経の没落まで...。
いわゆる「源平」の美味しいところをわ