司馬遼太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
高杉晋作率いる御楯組が御殿山英国公使館焼き打ちから、佐幕派に傾いた長州藩にクーデターを仕掛けようとする晋作の奔走までの第3巻。
前巻までに吉田松陰に惹かれた自分としては晋作による吉田松陰遺骸の改葬で幕府に一泡吹かせたエピソードが痛快事です。しかし松陰も死してなおなんども寝どころを掘り起こされ、荒らされ眠って安らかではないですね。死してなお影響力があります。
晋作の才覚によりめまくるしく変わる時勢に悉く善処する行動力、胆力に惹かれます。翻って幕府や長州藩の存外不甲斐ない態度、外国人を苛つかせた協議性は個人の決断力や責任を削ぐものとして愚たるものと感じます。
長州藩の幕末はほんとに劇的ですね。最終 -
Posted by ブクログ
ネタバレペリーの米国艦隊が2度目の停泊を始めて松陰がそれに乗り込もうと行動するところから高杉晋作が上海から帰国するまでの第2巻。
明るく、絶望をしらない、純粋無垢な吉田松陰に惹かれます。人を信じて託すことは相手を成長させるという好例を感じさせます。
一方の高杉晋作は3巻以降の活躍に期待です。松陰との出会いの場面、思い浮かぶ描写「高杉はなにげなくそこへ腰を降ろして、さて顔をあげると、驚いたことにまるで仏像ががんにおさめられているようなかっこうで、そこに松陰が座っていた」に思わず笑ってしまいました。
幕末の志士も多く登場して読み応えがあり、知的好奇心を満たしてくれます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ勝者家康の知略というよりも汚いやり口、徳川安泰のためには手段を選ばない嘘や恐喝の数々がことごとく成功することで読者の家康評を決定づける本編。対して真田幸村をはじめとした豊臣方武将たちの清々しさ、絶望の中でも正々堂々と知略と武力をもって真っ向から立ち向かう様にどうしてもひいき目が生じてしまいます。淀殿や秀頼を代表する愚物に従いつつも後世の名声をのみ欲する勇ましさ。そして終盤の、家康が大阪方に追われ逃げ惑う痛快な展開。真田十勇士をはじめ様々な寓話が生まれるのも道理と思われます。
人の心を操る陰と陽の好例を歴史上の一大事件のなかで鮮やかに描かれており、共感し学ぶことができます。
本編の主人公あるいは -
Posted by ブクログ
気になった箇所は史実を調べたり地図で確認したりして途中の寄り道を楽しみながら全巻読破。
第四巻は語り部である光秀の内なる葛藤がメイン。
光秀は信長の卓抜さを認めながらも有り余る才能と高潔すぎる精神ゆえに対抗心が怖れとなり決定的に溝を深めていく。
読み終わってからもつい考えてしまう。
「もし本能寺の変が起きず信長が天下を取っていたら」、「その政権の中枢で光秀が辣腕を振るっていたら」・・・想像したらキリがない。
歴史に「もしも」はない。しかしその「もしも」をあれこれ想像するのも歴史を楽しむ要素の一つだろう。
したたかに「時代」を掴み乗りこなした鬼才・斎藤道三。
旧体制を破壊し苛烈に「時代」を駆け -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
狂躁の季節がきた。
長州藩は既に過激派の高杉晋作をすら乗りこえ藩ぐるみで暴走をかさねてゆく。
元冶元(1864)年七月に、京へ武力乱入し壊滅、八月には英仏米蘭の四カ国艦隊と戦い惨敗…そして反動がくる。
幕府は長州征伐を決意し、その重圧で藩には佐幕政権が成立する。
が、高杉は屈せず、密かに反撃の機会を窺っていた。
【感想】
主役が完全に高杉晋作に移った3巻目。
京での失脚や下関での戦争、蛤御門の変など、これまで勢いづいていた長州藩の落ち目が描かれている。
前巻までは大らかに見られていた長州藩内部も、過激派たちによって幕末らしくどんどん血なまぐさくなっていった。
そんな極限 -
Posted by ブクログ
禅僧より還俗し、油商から美濃の領主に登り詰めた梟雄・斎藤道三。松波庄九郎と呼ばれた若き日を描いた第一巻。
史実に基づいているかは置いといて娯楽小説として抜群の面白さ。庄九郎という規格外な男の立身出世が存分に描かれている。
切れ味鋭い頭脳と自らの才覚を全く疑わない自尊心。そして好機を逃さない実行力。人を道具として利用しながらも風流を愛する文化人。女たちは戸惑い恐れるが次第にその魅力に溺れていく。
間違いなく悪人、しかし小悪党ではなく途方も無いほどの唯一無二の大悪党。
神仏すらも家来と考える高慢な姿は危うさと清々しさが同居する不思議なオーラに溢れている。 -
Posted by ブクログ
【感想】
幕末の錯乱した時代の流れを「長州視点」で見つめた物語。
吉田松蔭が死刑にあい、高杉晋作にバトンタッチ。
高杉晋作の幼少期から紡がれて行く本編は、この男がどういう人間なのかを非常に面白おかしく描かれている。
彼の天真爛漫っぷりは家系によるものなのだと納得。
そのくせ、藩主に対する忠誠心のみはしっかりと刻み込まれていたのだなぁ。
また、上海留学のエピソードも初めて読んだが、彼の攘夷運動の礎はこうしたところでも培われていたのかと納得。
高杉晋作の小説ではやはりこの本が1番面白い!!
【あらすじ】
狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動。
幕末、長州藩は突如、倒幕へと暴走した。
その