司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 合本 十一番目の志士(上)(下)【文春e-Books】

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    主人公の名は天堂晋助、長州の庶人出身の下級武士、剣の腕が滅法立つ彼は高杉晋作に会うことで人生が大きく変わる。
    高杉の言うがままに刺客として幕末の時代を駆け抜ける。

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    2020年09月25日
  • 合本 竜馬がゆく(一)~(八)【文春e-Books】

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    面白くて一気読み。
    若いときには、理解できなかった事が
    人生経験をそれなりに経た今、より深く
    理解と感動を得る。

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    2020年09月25日
  • 功名が辻(二)

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    本書を読む限り、山内一豊は武も無い、知も無い、凡将としか映らない。
    千代がいてこその、山内一豊。
    千代と結ばれていなければ、どうなっていたのか。
    今後の千代の手綱さばきに注目していきたい。

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    2020年09月21日
  • 世に棲む日日(一)

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    この本は国盗り物語で前半斎藤道三、後半織田信長が主人公であったのと同じように吉田松陰、高杉晋作が主人公として登場する。
    龍馬が行くの本の中で維新で活躍した人物は他の時代に生まれてもなんらかの傑出した人物になったであろうが高杉晋作だけはこの時代でなかったら活躍の場所はなかったであろうという記載が確かあった。
    山口が産んだ二人の天才の物語。二人とも維新の前に生涯を閉じた、悲しくも美しい物語だと思う。傑作。

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    2020年09月14日
  • 功名が辻(一)

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    後の土佐藩主として知られる、山内一豊。
    内助の功で一豊を、土佐藩主にまで押し上げた千代。
    この夫婦の、戦国成り上がり物語。
    ふたりののキャラクター作りが、際立っている。
    一豊に無いものを、千代が補う。
    正に、理想の夫婦。
    この先が楽しみである。

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    2020年09月13日
  • 国盗り物語(一)

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    これほどまで感情移入してしまうとは。
    庄九郎がとてと魅力的、とくにお万阿とのやりとりがおもしろかった。
    とてもフィクションとは思えない、司馬遼太郎の人物像の作り方に脱帽です。

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    2020年08月28日
  • 菜の花の沖(六)

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    司馬遼太郎が江戸時代の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた長編歴史小説全六巻。日露双方、文化、風土の違いはあれど分かり合える部分も多いのが印象に残る。

    江戸時代も後半、蝦夷地の開発が進む中、高田屋嘉兵衛はロシアとの争いに巻き込まれ日本が捕虜としたゴローニンの報復的にロシアに囚われる。

    あくまで一商人の嘉兵衛なのだが使命感や大局を見渡す視点など江戸時代の人々の文化的な水準の高さを表象しているように思える。言葉遣いや態度など司馬遼太郎は浄瑠璃の影響を指摘している。

    日本が初めて本格的に直面する近代国家の進出。硬直的な幕府の官僚と対象的な嘉兵衛の生き方、態度を現代社会に置き換えてみるとどうなるのだろうか。

    嘉兵衛の故郷淡路島。対岸の本州に送る菜種油の原料の菜の花が咲きほこる地。そして故郷を飛び出し船乗りとなる嘉兵衛。江戸時代の商品経済の勃興を象徴した題名。

    司馬遼太郎ならではの日本人論とロシア論も含め、間違いなく歴史小説の名作の一つでしょう。

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    2020年08月20日
  • 菜の花の沖(五)

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    江戸期の商人高田屋嘉兵衛の生涯を描いた大作。全六巻中の五巻。いよいよロシアと日本が衝突する時を迎える。

    江戸幕府とロシア、それぞれの立場の良く分かる巻。余談がほとんどを占め嘉兵衛はほとんど出てこない。ラクスマン、レザノフ、ゴローニン。日本史で習った人物たちが活き活きと描かれる。

    ここまでの四巻では全く出てこなかったロシア。唐突に現れるのも構成なのだろう。当時の日本人の驚きはもっとずっと大きかったことだろう。

    現代まで続く日露の国境の問題の原点ともいえる両国の蝦夷地開発の歴史が本作で良く分かる。

    残り一巻で結末まで持って行けるのか、まだまだ予断の許されない展開が続く。

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    2020年08月04日
  • 国盗り物語(四)

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    織田信長と明智光秀の両者の人間像の洞察が、客観的、時に批判的によく分析されている。このあたりがジャーナリストであった作者のニュートラルな視点の賜物と思う(作者が織田信長にも明智光秀にもあまり惚れ込んでいないということもあるのかも知れないが)。「この男、ふだんはこうこうこういう男なのだが、どうやらこういう一面も持ち合わせているようだ」というような、突き放した物言いはシンプルだが、これこそ理屈では説明しがたい人間の矛盾した人格の表現にはうってつけな表現なのだろう。史料などから読み解き、どうにも辻褄があわない、理屈にあわないその人物の行為を強引に解釈するのではなく「よくわからない」と書くことで、本来の矛盾の多い人間らしい姿が描けているところが司馬文学の凄いところだ。それでなくては本能寺の変を起こすにいたるまでの、理屈ではどうにも説明のしようがない光秀の行動原理は描写できなかっただろう。光秀の精神が衰弱していく終盤の心理描写は圧巻。

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    2020年07月26日
  • 菜の花の沖(四)

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    司馬遼太郎が江戸時代後期に活躍した船乗り、承認の高田屋嘉兵衛を主役とした大作、全6巻中の4巻。いよいよ択捉島の開発が始まる。

    エトロフ島の航路を確立。15万石に匹敵するというエトロフの開発が始まる。幕府の官僚的体制の中、それでも豊富な人材、多くの有為の人物との出会い。

    嘉兵衛は単に利益を求めるのでなくロマンに惹かれていく。師匠というべきサトニラさんの後悔を考えると止めた方が良かったのだが、蝦夷地定御雇船頭を引き受ける。ここの所がこの後どう響いてくるのだろうか。

    残り2巻、ロシアの存在が見えてくる今後。どのような展開になるのだろうか。

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    2020年07月18日
  • 国盗り物語(二)

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    面白い!

    筆者である司馬遼太郎と斎藤道三が対談しているかのような章も新鮮。
    現代を生きる術にも通ずるところがある。

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    2020年07月17日
  • 街道をゆく 37

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    ネタバレ

    本郷界隈がこんなにも歴史に囲まれた場所だったのかと気づかされた。
    江戸時代の加賀藩邸のあったので時代。明治以降、東京大学ができた時代。
    とくに漱石、「三四郎」の世界を歩く道行きは楽しかった。三四郎の時代、司馬遼太郎が歩いた時代、そして今。

    本郷界隈は「坂」の町であることも、よくわかる。知っている「坂」もいくつかあるし、知らない坂も行ってみたい。

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    2020年07月11日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    広範な資料を閲読した経験に裏付けられた作家にとっては、地図上の地名一つからでも、その地にまつわる人の物語を紡ぎ出すことができるのである。

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    2020年07月01日
  • 義経(上)

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    さすがは司馬遼太郎

    日本人がこれまで飽きるほど見たり聞いたりしてきた義経物語だが、司馬氏のてにかかるとここまで秀逸で欣快の書物となるのであろうか。

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    2020年06月30日
  • 花神(下)

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    初読は高校3年生の受験直前。43年ぶりの再読です。今回も読み始めたらやめられず、睡眠時間を削って読みました。

    本書は周防の村医から一転して討幕軍の総司令官となった近代兵制の創始者大村益次郎(村田蔵六)の生涯を描きます。

    「大革命というものは、まず最初に思想家があらわれて非業の死をとげる。日本では吉田松陰のようなものであろう。ついで戦略家の時代に入る。日本では高杉晋作、西郷隆盛のような存在でこれまた天寿をまっとうしない。3番目に登場するのが、技術者である」

    吉田松陰と高杉晋作を主人公にしたのは「世に棲む日々」。一種の技術者を主人公にした本書は、その姉妹作品と言えます。ただ、大村益次郎は「どこをどうつかんでいいのか、たとえばときに人間の生臭さも掻き消え、観念だけの存在になってぎょろぎょろ目だけが光っているという人物」。したがい、小説の主人公としては扱い難い人物なのか、主人公の登場する場面は他の作品に比べると少ないという印象です。この作品の主人公は、むしろ「時代」であり、その時代に生きた「日本人」かもしれません。

    「日本人を駆り立てて維新を成立せしめたのは、江戸埠頭でペリーの蒸気軍艦をみたときの衝撃である」。「衝撃の内容は、滅亡への不安と恐怖と、その裏うちとしての新しい文明の型への憧憬というべきもので、これがすべての日本人に同じ反応をおこし、エネルギーになり、ついには封建という秩序の牢獄をうちやぶって革命をすらおこしてしまった。この時期前後に蒸気軍艦を目撃した民族はいくらでも存在したはずだが、どの民族も日本人のようには反応しなかった」。
    「余談ながら」とか「話は脱線するが」と断った上で司馬遼太郎が展開する日本人論は一種の研究本であると言っても過言ではありません。

    もちろん、歴史小説としても本書は面白い作品であり、幕長戦争、戊辰戦争、村田蔵六と緒方洪庵、福澤諭吉、西郷隆盛たちとのやり取りを通して、明治維新の名場面が描かれます。そして、大村とイネ(シーボルトの娘であり、女医)のとの恋のような関係も描かれ、小説に色も添えられています。
    全ての人に読んで欲しい本ですが、やはり「世に棲む日々」を先に読んだ方が楽しめます。

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    2020年06月26日
  • 国盗り物語(三)

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    晩年の道三の「天下を獲るには自分には時間がない」という寂寥。どれだけの才覚と体力と実行力があっても、壮気というか欲望というものを人間はやがては失っていくのだな、と、10代で読んだ時には感じなかった心情に共感した。読書は読んだ時によってまるで受け取るものが違うと改めて実感した。将軍家再興に奔走する光秀を、幕末志士のようなタイプで戦国時代には類を見ないという指摘にはなるほどと思った。

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    2020年06月26日
  • 国盗り物語(四)

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    斎藤道三からの国盗りの流れを、信長と明智光秀が引き継いでいる。特に、光秀がクローズアップされて描かれており、信長の傘下に入り重要な武将まで階段を上がっていく過程での心情変化の模写が素晴らしい。また、保守的な光秀を通して、信長の革新性も再認識することができる。徳川家康と細川幽斎の振る舞いも面白い。司馬遼太郎の本は満足度が高い。

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    2020年10月26日
  • 豊臣家の人々 新装版

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    秀吉がいなければ歴史に名を残すこともなかった人たちの、理不尽で哀しい、それでも確かな人の生き様を描き出す。
    秀頼がただ一度家康と対面した場面の凛々しさ、家康を感嘆させた秀康の威厳、人生の最後秀吉の呪縛を解いた秀次。

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    2020年06月19日
  • 北斗の人 新装版

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    ネタバレ

    再読。

    北辰一刀流の流祖・千葉周作成政の前半生を描く歴史小説。

    「『剣の要諦はひとことで申してどういうことでございましょうか』
    と門人がよくきく。
    (中略)
    周作は、
    『剣か。瞬息』
    とのみ教えた。剣術の要諦はつきつめてみれば太刀がより早く敵のほうへゆく、つまり太刀行きの迅さ以外にはない。ひどく物理的な表現であり教え方であった。周作は剣を、宗教・哲学といった雲の上から地上の力学にひきずりおろした、といっていい」

    たとえばこの部分によく表れているように、周作は明確な理論と合理性でもって、それまでの剣の常識を破壊していく。その展開は読んでいて小気味よいが、それだけでなく、筆者・司馬遼太郎の文体からいつもうかがわれる理を探し求める姿勢ともよく一致しているように感じられる。

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    2020年06月15日
  • 国盗り物語(二)

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    斎藤道三という人が魅力的な歴史上の人物なのは、その時代の常識に生きるふつうの人が想像できないことを、創造することのできる数少ない人物だったからであることがよくわかる。飢饉の時に領土の税を減免するかわり、油は自分のところから買わせるようにするとか、決して奇抜な発想ではなく、常識にとらわれないだけで妥当な方法である。こういうことが時代や世界をデザインをするということなのだろう。そしてそれを果たしていく織田信長は、隣国にいた斎藤道三にその才能を見出されなければ、あるいは歴史に出る前に滅ぼされていたかも知れないことを思うと、歴史の不思議さを感じる。

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    2020年06月13日