司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 城塞(中)

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    真田幸村の描写が実に魅力的

    司馬文学の特徴の一つであろうが、彼の目にかなった主役は人間的欠点を描かれていても、それを補うこと十分すぎるほど結果として魅力的に描写されている。この書における真田幸村もその一人といえよう。昨年のNHKの大河ドラマであがかれたような腑抜けな男とはかくも異なるほど魅力的な人物として楽しめるだろう。

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    2017年03月11日
  • 韃靼疾風録 (下)

    ドルゴンがともかく魅力的な人物

    歴史的事実にある程度基づいているとはいえ、小説である以上とうぜんフィクションが随所におりまぜられているが、とくにこの小説の下巻からの事実上の主役である摂政ドルゴンの人間的魅力には圧倒される。司馬文学得意の超高度な人物描写によるものだが、これが小説と割り切っていないと最近の歴女とかのように真の人物像を見誤ってしまうかもしれない。

    さてクライマックスとなる李自成軍隊清朝軍の戦い。これが実に域で壮大で感慨ひとしおだ。中でも「戦いは序盤からいきなり終盤となった」という一説は司馬遼太郎文学の中をとどまらず、日本文学界に燦然と輝く歴史的名文といっても過言ではないだろう。

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    2017年05月06日
  • この国のかたち(二)

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    考え方の多様性が認められ、かつ守られることが、昭和二十二年に施行された日本国憲法によって保障されているのである。明治憲法が上からの欽定憲法であり、また戦後憲法が敗戦によってえた憲法であるなどといういきさつ論は、憲法というものの重さを考える上で、さほどの意味をもたない。
    (本文より)



    「この国のかたち 二」。司馬遼太郎さん。

    司馬エッセイの金字塔、第2巻。

    家紋の雑学、江戸時代の「天領」の功罪、近親婚の国際比較、宗教の日本独自色、金の採掘の日本史、「公」の意識、「汚職」について、フランシスコ・ザヴィエル、日本の風呂文化と仏教の聖人の関係、杉と檜の木材としての歴史...

    相変わらず自

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    2017年03月04日
  • この国のかたち(一)

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    この国のかたち。第1巻。司馬遼太郎さん。

    司馬遼太郎さん(1923-1996)が、晩年に文芸春秋に連載していたエッセイ。
    歴史の逸話、地理、文化や宗教などの雑学が雑然と山積みされたオシャレな市場を、「へええ」と周遊する。そんな愉しみに頁をめくっていると、日本、この国の輪郭というか個性を見上げながら散歩している気分になってくる。銅像に例えれば、横から見たり後ろから見たり。そして、この国のかたちを感じるためには、当然のように、他の国のかたちも感じなければ判りません。中国、インド、朝鮮、オランダ、などなど…日本と縁があった様々な国についての造詣を元に、「この国」のかたちが浮き出てくるわくわく感。

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    2017年03月03日
  • この国のかたち(二)

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    新しい発見と知見を得られる図書

    第一巻から読んでいますが、裏付けとなる情報の豊富さ、確かさに驚かされます。またテーマが多岐に亘り、「そうだったんだ」と感心させられます。短編で飽きが来ないこともお勧めです。

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    2017年02月10日
  • ビジネスエリートの新論語

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    博覧強記な司馬さんらしく、角界の先人の言葉をサラリーマンのために書き綴った新書です。
    若かりし頃の福田定一さんの文章という感じが出ていて、愉快に読めました。
    また、戦後の経済発展時期のサラリーマン社会から、現代の不安定雇用の時代におけるサラリーマンを取り巻く環境は激変していますが、サラリーマンという範疇に身を置くものとしては、読んでおいて損はない本です。
    また、家庭を持つこととは、戦後の社会的環境はこれまた、激変しておりまして、男女雇用機会均等法時代の夫・妻に身を置く人間としては、びっくりするような記述もありますが、人間長らく生きるということは楽しいことであります。

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    2017年02月04日
  • ビジネスエリートの新論語

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    初めての司馬遼太郎。
    独特の言い回しに初めは慣れなかったけれど、よくよく読んでいくと挙げられている例は面白いし、ご自身の中でたくさん考えられた上で練られて、得られた答えが随所に散りばめられていて、それが素直にわたしの中に入ってくる文章だった。
    日頃考えていること(何が幸せか?サラリーウーマンとして、どういうキャリアを描くか?とか)に答えになるヒントを与えてくれる本だった。

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    2017年01月29日
  • 殉死

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    坂の上の雲のスピンオフ版
    または外伝と言ってもよいかもしれない乃木希典の人生の本。
    司馬遼太郎がこれでもか!くらいに乃木希典の事があまり好きではないのが伝わる(坂の上の雲もそうだったけど)
    なんかあれだよな、終始不器用な人だなという印象しかないかも。
    旅順攻略もそうだし、その後の生活でもそうだし
    明治天皇のあとを追って亡くなるのは
    それはそれで美しいのかもしれないけど
    なんか同時に滑稽だなとも思った。私は。
    美的価値は本当に人それぞれだな、と。
    乃木神社はいったことあるけど、乃木邸はまだなので
    今度ぜひ行きたい。

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    2017年01月29日
  • 街道をゆく 41

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    著者は、1990年代初頭、正月からの2週間足らずを雪一色の青森で過ごしている。青森に対する溢れるような愛情を再認識。

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    2017年01月28日
  • 街道をゆく 5

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    今年(2016年)、大学で同級だった友人が世界一周の旅に出た。友人が、モンゴル滞在中に、司馬さんの『街道をゆく』を読んでいるというので、久しぶりに読み返した。
    司馬さんが訪問した当時の日本人にとって、モンゴルは、歴史教科書のチンギス・ハーンのくだりに出てくる国の名でしかなく、実在すると思われていないほどであった。
    友人が馬乳酒を飲み、羊の群れに囲まれている光景は、司馬さんが訪れた頃と変わらないものなのだろうか。

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    2016年12月18日
  • ビジネスエリートの新論語

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    驚きなのは、司馬さんがこれを32歳で書いたということ。ここまで世の中のことをこの年齢で分かってしまったのか。戦後10年で書かれているのに、中身は今でも通じることが書いてある。戦後70年余り、日本はあまり変わっていないのかなあ。社内恋愛はするなと書いてあるけれど、後に司馬さんは同僚と結婚されます。そこがくすっと笑えます。

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    2016年12月09日
  • 世に棲む日日(三)

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    高杉晋作の長州改革の話。

    読んでいて胸が高鳴るような心地よい緊張感と高揚感がある。
    真剣に日本と向き合い、変革のために生きたいと考えてしまうようになった。

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    2016年11月11日
  • 夏草の賦(下)

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    ネタバレ

    長宗我部元親と嫡子信親、偉大な父と、負けず劣らず才能に溢れる息子。信親の最期は悲しく、さらに妻も亡くした後の元親の絶望した様子は切ない。

    そういえば先週の真田丸に末子の盛親が出ていたな。田舎者と自らを小さく思っていた元親だけど、遠い真田の人間にもその勇猛ぶりはつたわっていたんだなあと思うとなんだかうれしい。
    とにかく面白かったです!おすすめ。

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    2016年11月01日
  • 夏草の賦(上)

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    ネタバレ

    土佐の長曾我部元親と、そこに嫁いだ菜々がメインの話(今のところは)。元親は戦上手の謀略家だけど実は臆病でくよくよ悩んだり冷徹なところもあったり。理屈っぽくて言い訳を考えては自分を納得させている。おもしろいです。菜々もなかなかぶっ飛んだ人。まさか元親が光秀を唆したの??と思いつつ、下巻へ。

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    2016年10月28日
  • 新装版 軍師二人

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    文庫は短篇集だが、Audibleでタイトル作のみ聴く。後藤又兵衛と真田幸村という二人の軍師が知謀を闘わせながら自らの死に場所を探す。死に場所。

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    2016年10月18日
  • 城塞(上)

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    大坂の陣から400年。大河ドラマ真田丸でも描かれるしってことで、平積みになっていたのを手にした上中下の上巻。
    真田丸だったら有働さんのナレーションでぶった切るような大坂城内の動き、東西の駆け引きが司馬遼太郎の文体で細かく描かれている。400百年前の出来事を描いておきながら、時々出てくる、筆者の現在の目線。嫌いじゃないです。
    真田丸も最終章に向かいます。中巻、下巻もさっさと読まないと。

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    2016年10月09日
  • 新選組血風録 新装版

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    何故もっと早く(若い頃に)読まなかったのか!

    中学の頃、友人に勧められたのだが、当時は「戦国>幕末」意識がピークだったので手を付けなかった。
    あと、友人の「ホモの話もあるで」発言に嫌悪感を抱いたのも理由の一つでもある。

    三国志が「三国志演義」として広く親しまれているのと同様に、
    本書も史実をベースにしながらも、著者による多大な創作が盛り込まれている。
    その事によって非常に読みやすく、記録ではなく読み物として素晴らしい作品になっていると思う。

    爽やかな沖田に誰もが胸を躍らせ、武田等の小悪党に憤りを感じ、末端隊士の哀愁にやるせなさを覚えるだろう。

    個人的には「近藤、お前はバカだなぁ(笑)」

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    2024年09月07日
  • 新装版 歳月(上)

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    ネタバレ

    主人公江藤も決して良くは書かれていないし、維新の元勲たちも悪者として描かれている。たぶんそうだったのかもしれない。

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    2016年10月01日
  • 歴史を紀行する

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    内容紹介

    幕末――吉田松陰を筆頭に過激な思想、行動に突っ走った長州。西郷隆盛、大久保利通と大人の智恵を発揮した薩摩。松平容保を頂点とした会津の滅びの美学。危機の時ほど、その人間の特質が明瞭に現れる時はない。風土と人物のかかわり合い、その秘密、ひいては日本人の原形質を探るために、日本各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。

    内容(「BOOK」データベースより)

    幕末―松陰を筆頭に過激に突っ走った長州。西郷、大久保と大人の智恵を発揮した薩摩。容保を頂点とした会津の滅びの美学。危機の時ほど、その人間の特質が明瞭に現れる時はない。風土と人物との関りあい、その秘密、ひいては日本人の原形

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    2016年09月14日
  • 新装版 大坂侍

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    短編集ですがこれ実に面白いです。
    和州長者=武家に嫁いできた女。主人の他に、義弟、用人との不義の内通。全てを知る、ともに婚家にやってきた女実家の中間。畜生道の地獄に中間の純愛。こんなモチーフも書ける。
    難波村の仇討=岡山から仇討に大阪へ 一枚も二枚も上手の仇に翻弄され、やがてその妹を娶る事に 幕末、武士、侍が無意味化するその間際の武士の意地の哀しさと滑稽
    法駕籠のご寮人さん=天満の法駕籠、料亭。夫婦養子て主人に先立たれた女主人お婦以。勤王派の山岡八郎と新撰組山崎烝。政治を離れた粋な交友録。お婦以の再婚相手をと気を揉む松じじいにも意外な結末
    盗賊と間者=稀有の盗賊、佐渡八。天満与力の田中松次郎に

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    2016年09月09日