司馬遼太郎のレビュー一覧
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購入済み
司馬さんに感謝
「竜馬が行く」や「坂の上の雲」と違って短い話に見えたが、実際は読むのに時間がかかりました。ボリュームがあり、勉強になりました。当時の長安の国際的な人の流れと最先端の教義と書を身に付けた空海の活躍にどきどきしました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ亀山社中解散の危機、労組はもちろん、水夫火夫の食い扶持という固定費を賄う仕組みもない、会社というシステムとしては成り立っていないなぁと思った。が、竜馬が見よう見まねで始めた、というところに価値がある。
その後、西洋のロウを真似て、海援隊の約款を作るあたり、徐々に体制が整っていくのがおもしろい。
海援隊の味方として土佐藩がつく、というところはうまくいきすぎてニヤニヤした。約款もきちんとあるという点がなおよい。
私の出身地である大洲が、いろは丸の章で出てきてうれしい。竜馬が大洲藩からいろは丸を手に入れたが、最初の航海で沈んでしまった、ということは知っていたが、相手が紀州藩で、初の国際法を用いた裁判になったということは知らず、おもしろかった。
大政奉還、無血革命というのは奇策だったのか。日本を戦火から救い、徳川の名を後世に残し、容堂の苦しみを解決しただけでなく、思えば、流血革命なら、日本は列強の植民地になっていただろう。 -
Posted by ブクログ
幕末から歴史小説に入った自分からすると、山内と言われれば容堂で、土佐藩といわれれば上士と郷士が対立する藩という印象。初代藩主・一豊については、名前を知っているぐらいで、その妻・千代が何やら大金を叩いて夫の馬を買わせたというエピソードもまあ聞いたことがある程度。なので、前々から読もう読もうと思っていた小説だったのですが、漸く夫婦の物語を知ることができました。
いやあ、痛快。
頼りない一豊と、言葉巧みに一豊をフォローする千代の構図がとても愉快です。最初は妻としての立場を意識して、裏方に徹する千代ですが、物語が進むにつれて、(決して表にでようとしているわけではないと思いますが)一豊もその家臣も千代を当てにしていて、本人もその気になっているのがまた愉快。
物語は後半、徳川に与しようとする山内家と長宗我部家のちょっとした配慮の違いが興亡の分かれ道になった点が興味深いです。徳川に与するにあたり、徳川への密使を大阪から関東に派遣する際、千代は途中の近江の関所でひっかかることを警戒し、近江弁ができる田中孫作を選定したのに対して、同様に徳川家への密使を派遣した長曽我部家は純然たる土佐人で土佐言葉しかできない家来を派遣。結果、孫作はなんなく関所を通過し、山内家は徳川に与することができた一方、長宗我部家の家来は関所で捉えられ、徳川に味方することができず、関ヶ原の戦いでは石田方につき、ついには領地没収となった。これが山内家、長宗我部家の興亡の分かれ道となり、一方は土佐一国の領主となり、一方は土佐を追われる身となったようです。
密使を選ぶのは重要なことなので、ちょっとした配慮ではないのかもしれませんが、本書ではこういった千代の細やかな配慮が山内家を発展させます。解説では、外交・政略的な才と表現されていたように思いますが、このあたりが他の戦国時代の歴史小説にはあまり描かれていない印象があり、新鮮でした。
土佐一国を任された一豊が、領民の反乱を弾圧するため千代に黙って蛮行を行うなど、不穏な気配を残したまま物語は終わりを迎えます。結果的に、これが所領の平安をもたらした(幕末の上士と郷士の対立を生むきっかけなのであれば、それこそ評価は難しいのですが)のであれば、ある意味では千代の理想主義的な欠点(?)が浮き彫りになったり、特に終盤は一豊を彼女の作品と捉えるなど、ちょっと傲慢なところが見えたりと、千代の人間的な面が見られて深みを感じたりします。
久しぶりに戦国時代の小説を読みましたが、やっぱりおもしろいですね。マイナーな武将もどんどん読んでいきたいと感じさせる名作でした。