司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 世に棲む日日(四)
    1〜4巻、全体の感想
    何だろう。この本を読んでると、突き動かされるような気持ちになってくる。吉田松陰や高杉晋作の生き方そのものはもちろんのこと、それ以上に思想や革命、正義といったものへの司馬遼太郎の考え方や解釈がそうさせるんだろう。
    読み終わるまで、思想やそれが見据える正義の影響力の凄さに引き込まれ...続きを読む
  • 燃えよ剣
    沖田はいつも朗らかだがかっこいい。大阪から品川に向かう船の中で、吐く方が体力を使って辛いんですよっていうのに、でもここにいたいというのに胸がつまりました。新隊士の野村さんがよかった。新撰組の運命に胸がつまりました。
  • 国盗り物語(四)
    3巻と4巻は信長の物語。しかし、半分以上は明智光秀の視点が描かれています。斎藤道三の弟子ともいえる二人の天才が主従関係となり、天下統一に向けて才能を発揮するのですが、同じ天才同士ながら、古い秩序や慣習を徹底して破壊する合理主義者の信長と、文化や伝統を重んじる光秀とは、水と油。信長は光秀を重用しながら...続きを読む
  • 国盗り物語(三)
    3巻と4巻は信長の物語。しかし、半分以上は明智光秀の視点が描かれています。斎藤道三の弟子ともいえる二人の天才が主従関係となり、天下統一に向けて才能を発揮するのですが、同じ天才同士ながら、古い秩序や慣習を徹底して破壊する合理主義者の信長と、文化や伝統を重んじる光秀とは、水と油。信長は光秀を重用しながら...続きを読む
  • 草原の記
    打ちのめされました。短い文庫本。
    ほとんど「街道を行く」のスピンオフなのかな、という感じなんですが。

    モンゴルの女性の話で、どうやら実在の人物で、司馬さんが数回は会っているヒトのお話し。
    戦前戦中戦後にかけて、日本とソ連と共産中国とモンゴルの「政治」に翻弄されて家族と人生をズタズタにされた女性の人...続きを読む
  • 関ヶ原(上)
    ~全巻通してのレビューです~

    天下分け目の合戦が中心と思いきや、合戦自体は下巻の半ばから始まっていて、大半は徳川家康と石田三成との対立、謀略、駆け引き等が描かれていました。

    流石に関ケ原の合戦ともなると知ってることが多いかなと思いきや、知らないことが多かったです。
    福島正則や黒田長政が三成憎しの...続きを読む
  • 新装版 尻啖え孫市(上)
    ~全巻通してのレビューです~

    鉄砲技能集団の雑賀統を率いた雑賀孫一を主人公とした物語。面白くて1週間で読めました。

    岐阜城下に孫市が現れる場面から始まるのですが、無類の女好きとして描かれていて、孫市の勘違いで信長の妹を目当てに来たことから秀吉と知り合うことになり、
    秀吉との友情は物語の最後まで続...続きを読む
  • 項羽と劉邦(上)
    この書を読んで、人間とは、政治や宗教で生きているのではなく、食を繋げるために生きていること、歴史上の大動乱は飢餓が産み出していることに納得した。
  • 梟の城
    豊臣から徳川へと天下が移り始め、再び戦乱の世へと転じようとしている最中、様々な思惑に振り回されながら、任務を全うする忍者の暗躍を描いた話。

    闇討ちはもちろん、一騎討ちなど手に汗握る戦闘場面や、忍び達の偏った男女関係があったりと起伏に富んだ展開が続き、楽しみながら読めた。

    歴史小説読まず嫌いを克服...続きを読む
  • 新選組血風録 新装版
    『燃えよ剣』では描かれなかった新選組隊士を中心に描かれた短編集。
    本書の前に『燃えよ剣』を読んでおくと、より立体的に新選組を捉えることができる。
  • 関ヶ原(中)
    中巻に入ってからは諸侯の群像劇である。三成と家康を中心に、各大名の水面下の駆け引き、動向が丁寧に描かれ、小山評定に向けて一気に盛り上がる。
  • 燃えよ剣
    思春期に読みました。
    土方歳三、新撰組ナンバー2のお話。

    なんでこの人、こんな生き方したんだろう、でもなぜこんなにカッコ良いと感じるんだろう、とずっとわからないまま、憧れを抱いてきました。

    そろそろ憧れから卒業かな、と思う今日この頃。昭和美学?からの脱却でしょうか。
  • 国盗り物語(一)
    1巻、2巻は斎藤道三の物語。寺を飛び出した一人の男が、やがて京都の油商となり店を乗っ取り、美濃に進出してとうとう守護職を追い出して自分が国王になってしまう。まさに戦国時代の英雄物語である。道三の活躍する数々の戦のストーリーもすごいが、女性を次々と我が物にしていく展開もすさまじい。しかし、2巻の最後、...続きを読む
  • 国盗り物語(二)
    1巻、2巻は斎藤道三の物語。寺を飛び出した一人の男が、やがて京都の油商となり店を乗っ取り、美濃に進出してとうとう守護職を追い出して自分が国王になってしまう。まさに戦国時代の英雄物語である。道三の活躍する数々の戦のストーリーもすごいが、女性を次々と我が物にしていく展開もすさまじい。しかし、2巻の最後、...続きを読む
  • 世に棲む日日(四)
    ついに最終巻。晋作爆発の時。
    創始者である奇兵隊から挙兵の加勢を断られた晋作は自分と伊藤俊介(のちの博文)と力士隊のみで長州藩に対してクーデターを行った。嗚呼、晋作よ。生き急ぎ、師である松陰先生同様幕府の瓦解と新しい日本を見ることができなかったが、それでも師の教えの通り、生きて為すべきとを為してから...続きを読む
  • 関ヶ原(下)
    日本最大の合戦を壮大に描くスペクタクル最終章。やはり抜群の読み応えだったな。今まで読んだ歴史小説の中でも傑出して素晴らしいと思えた。政治的な駆け引きが勝敗を決めたこの大合戦。”義”と”利”の対峙が拮抗する中、胸熱で滑稽で儚い人間模様が浮き彫りになり、その幻影はいつまでも心の中で生き続ける。溢れんばか...続きを読む
  • 世に棲む日日(三)
    最高すぎるぞ。松陰先生亡き後を描いているが、長州藩の狼狽ようが当時の混乱をよく表してますね。風雲児たちの最新巻を抜いていきましたがこっちはこっちで晋作をしっかり描写しているので風雲児たちの補完としてもおもしろい。しかし、司馬先生、晋作の事好きすぎて、持ち上げすぎ感があるね。天才、雷電、まぁそうだけど...続きを読む
  • 世に棲む日日(二)
    感想書き忘れてた。
    寅次郎は人を信じすぎる、話を聞いてくれたら自分のことを理解してくれると過度に信じていたのでしょう。そして自分の思想に狂っていたのでしょう。でないと法廷で聞かれてもないのに、総理大臣暗殺クラスの陰謀を自白するようなことをしないでしょう。その純心さ、ゆえに多くの人が慕い、愛し、影響を...続きを読む
  • 世に棲む日日(一)
    感想書き忘れてたのですが、最高でした。
    寅次郎の狂気は純心からきているのです。物事を突き詰めると自然と狂ってくるのです。
  • 街道をゆく 36
    昔住んでいたあたりが多く出てきて楽しめた。森下のやよい寿司は本編中にも出てきていたのだ。また、明治期に様々な学校を設立した人たちの話も胸を打った。多くの人が、非常に志高く活動していたのだ。今では偏差値やらなんやらで二流大学と思われるような学校も設立時の高邁な目的を知ると、そんな風には思えなくなる。