司馬遼太郎のレビュー一覧
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河井継之助は評価が難しい人物であると思う。
彼の政治のスタンスとしては、本書の中で官軍にも東軍にも味方しないという風に書かれていた。
それが結果的に初動の遅れとなり長岡藩の敗因に繋がったことは否めない。
しかし河井はあくまで戦争はしないに越したことはないという理想を強く保持したこと、幕府や武士が今後は衰退する世の中で(外国との貿易を含めて)長岡を単独で活発化させることを望んでいたこと、などを構想していた。そのプロセスを上巻から読んで頭に入っていると河井のクライマックスが多少理解できるだろう。
せめて戊辰戦争が彼が生きているうちに起こらなければ全然別の展開になっただろう。確実に長岡の未来を変えて -
Posted by ブクログ
世界のうねり、日本の断捨離
◻︎感想
個人ドラマ、心情を通して近代国家の観念や盛衰を体感できる。だから司馬遼太郎氏の歴史小説はここまで有名になったのだろうとよくわかる。
近代以前の歴史や民族性にも触れながら、欧州国家や米露の成り立ち、清の現状が描かれており、その中で日本という国家がどういう意思決定をして、その中で躍動した日本人が居たわけである。秋山好古、真之、正岡子規に加え小村寿太郎なども加わる。
・思い切った西洋化はなぜ必要だったのか?
藩→県ではなく藩→国家、日本人(勝海舟の貢献が大きい)への転換期、帝国主義は必然だったのか
・秋山好古、真之の戦術家としての成長
企業人としても学ぶこ -
Posted by ブクログ
【2022年の読書振り返り】
自分の愉しみとして10作選びます。
■実書籍■誰がために鐘は鳴る(ヘミングウェイ)
■実書籍■ドクトル・ジバゴ(パステルナーク)
この2作が頭一つ抜けて圧巻でした。パチパチ。
■実書籍■ロバート・キャパ写真集
正直、「誰がために鐘は鳴る」「ちょっとピンぼけ ローバト・キャパ自伝」との3点セットの味わいなんですが、やっぱりこの人の写真は魅力が尽きないなと思いました。
これは岩波文庫が素敵な仕事をしていくれていると思いました。
■実書籍■マノン・レスコー(プレヴォ)
■実書籍■郵便配達は二度ベルを鳴らす(ケイン)