司馬遼太郎のレビュー一覧
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▼奉天の戦い〜日本海海戦前夜。▼「坂の上の雲」の、「小説的ではない西洋歴史一般文章部分」を抜いたら、この上なく面白いのでは。なんだかんだ、外交のファクトを確認していくと、白人至上主義や各国の自国エゴが(当たり前だけれど)浮かび上がる。▼また、ロシアもドイツも結局は「遅れてきた新参者」だったから無理をする。日本も日露戦争で一応勝つことで「帝国主義的侵略者の新参者」として、なんというか、「一部リーグに昇格」することになる。講和が匂い立つこの巻あたり、そんな雰囲気が横溢。正義がどうこうではなくて、各自のエゴの問題です。善悪でもない。戦争だけではなくて人生万事その観点で、己と周りを客観視したいものです
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Posted by ブクログ
▼旅順を、あっという間に落としてしまう児玉さん。ここンところの描き方は天晴。ヤクザ映画の終盤のような、カタルシス。▼当然、戦闘ではなくそこに至る人間模様が滋味深い。確実に「坂の上の雲」で司馬さんが書きたかったことベストテンに入るくだりであろう。▼それにしても、たかが紙に文字がいっぱいあるだけなのに、そこに未知の山河で右往左往する幾万の軍勢が、その足元の凍てつく寒さまで感じられる。割と突き放した「半ルポルタージュ風」なのに。取材の情熱と、話題の並べ方。それに加えて、「感情的にならぬよう」と自分に叫びながら溢れ出ちゃう書き手の思い入れ。▼そうか、敢えて言えば「戦争と平和」トルストイ。アレも読み終え
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Posted by ブクログ
▼旅順が落ちない。なんともストレスである。ただ、通読3回目にして、司馬さんの「なんとなくの小説的意図」に気づく。司馬さんは旅順描写がストレスであろうとわかっていて、加減してはる。でも後でスカッとするためにはある程度ストレスも与えねばならぬ。▼司馬さんの取材もすごいが、それ以上に語り口がすごい。何かといえば「前代未聞」、「古今に例がない」、「史上初であろう」、みたいな文句が手を変え品を変え。それくらい、つまりは「面白いんだよこれ〜、ね?面白いでしょ?」、「この人物のこのエピソード、最高なんだよね〜、ね?最高でしょ?」ということ。▼これが逆に非難する場合も同じくになる。旅順の作戦司令部とか。▼とい
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Posted by ブクログ
▼日露戦争開戦。司馬さんは戦争が好きだ。ちょっと言い方が雑だけれど、司馬さんは戦争の細部や人間臭さが好きであろう。司馬さんは人間の明るさとか賢さとか合理性とか機能性とか合目的性とかが好きだし、そういうリーダーに率いられる人間の集団について、汲めども尽きない興味を持っておられる。▼そういうわけで、機械好きの子供がラジオを解体して仕組みを発見して喜び、そしてまた組み立てるように、司馬さんなりに明治日本と日露戦争を解体して検証しておられる。そして、司馬さんのような意では多くの人が戦争が好きであろう。「ガンダム」だって「銀河英雄伝説」だって「大河ドラマ」だって同じくでしょう。戦争が好きなのは男子が多い