司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ乃木・伊地知ペアには読んでてもちろん最大級にイライラした。
でも、最大の責任は藩閥政治に拘って乃木を押した山縣有朋にあるのでは?とも思う。それに、Wikipediaによれば、乃木軍への命令系統は曖昧で、混乱が生じたとも。
能力が足りなかった、頭が硬すぎた等確かに一理あるんだろうなと理解したけど、その状態を理解しつつも変えられなかった、そもそもその状態にした組織にも大きな問題があったのでは?
乃木希典は戦争で息子2人亡くし、「国民に申し訳が立つ」みたいなことを言ったらしい。明治帝にも愛されていた。人柄は尊敬される人だったんだろうなと、パパっとググって知り得た少ない情報でも、思う。
でも確かに、203高地から攻めるべきだったよね…
関係ないけど、ゴールデンカムイの登場人物たちは兵卒としてこの旅順で死闘していた(設定)と思うと、勝手に感慨深い。 -
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豊臣家ゆかりの人物にスポットを当てた短編集。
司馬遼太郎さんが、豊臣家に潜入、密着取材してきたかのようで、とにかく面白かったです。秀吉の弟妹、妻妾、実子、養子など、一人ひとりの人物像がリアルに迫ってきました。豊臣家の内情がよく分かりました。
司馬遼太郎さんの小説を読む前は、戦国の世は男性中心と決め込んでいました。北ノ政所、淀殿、2人の女性抜きにしては豊臣家は語れないとあらためて思いました。北ノ政所は、秀吉にとっても家康にとってもキーパーソンでした。
政治的理由での結婚、離婚。人が外交上のやりとりとして物のようにあつかわれている悲しさ。戦国の世の悲哀が、じわりじわりと伝わる濃密な一冊でした。 -
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高円寺の文禄堂が潰れる最終日に、最後だし読もうと思っていたけど読んでこなかった本を買おうと思い購入。10年以上前に同著者による「人斬り以蔵」を読んだことはあったが、八冊に及ぶ本作を読めるかと不安であったので(一)を購入して読み進めると好古と真之の生き方にすぐに引き込まれて二日で読んでしまった。明治維新後の四国松山出身の二人の兄弟が日本を代表する軍人になる物語である。
江戸の頃には世襲を前提とした階級社会であったが、維新後はとにかく人材が足りないこともあり薩長土肥以外の下級の生まれであっても己の才覚で成り上がることができる様はある種、現代のなろう系的な物語に通ずるところがあると感じた。
さて、板垣恵介の著作である「刃牙シリーズ」は格闘漫画であるが強さがいきすぎた結果ギャグのように感じてしまうことがある。
本作の中で好古は軍人として武士として生きている中でストイックに生きすぎて、軍から支給されたもの以外は私物は持たず、弟である真之が松山から好古を頼って東京に来たときも茶碗は一つしかなく、同じ茶碗で好古が酒を飲み、真之が米を食う。そうして交互に茶碗を使い合う様はギャグ的であった。そういう話が混ざることにより読みやすさに拍車がかかる。
真之が大学予備校をやめて軍人になることを好古に伝える前段階で、好古に「人間というものはどう生きれば」と問う。「難しいことを言いやがる」といいつつ、兄であり師である好古はこのように答える。「おれは、単純であろうとしている」そこには軍人としての責務を全うするためにいかに勝つか、それ以外を余事として切り捨てる覚悟の上で生きていると解く。そこに好古らしさがあり、それを聞いて真之が自分は学者や官僚よりも軍人に向いていると確信する。しかし軍人を目指すということは書生として人生が終わり、規律の中に生きることを意味する。それが嫌すぎて泣いてしまう真之も捨てがたく押せる存在なのである。
※ 真之は東京大学をめざして好古のお金で予備校に通っていたが、好古の給与では大学に入っても途中で金が足りなくなることは知っている。 -
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『義経』で心を掴まれ、全8巻、読み切れるかなあ、とは思いながらも他にも司馬遼太郎さんの作品を読んでみたいと手に取りました。
義経の時と同じように坂本龍馬が本当にこんな人格であって欲しい、と思えてしまうような非常に興味深い人物像で描かれています。
私が歴史に無知なだけなのかもしれませんが、坂本龍馬といえば、で浮かんでくる事柄が全く出てこないまま1巻目を終えました。ここからどう進んであの聞いたことのある出来事と結びつくのか、2巻目を読みたくて読みたくてそわそわそわそわ、仕方ありません。
8巻読み切れるか不安で1巻しか購入していなかったので明日必ず2巻目、3巻目も買いに行きます。 -
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大坂夏の陣を中心に描かれた、豊臣家の最期。騙し騙されの権力闘争。家康の緻密過ぎる戦略と人使いのうまさ。勝ち目がないことを知りつつも、戦いに挑んでいく豊臣方の武将たち。
歴史を変えたのは誰かということを考えると、名が残された人物だけではないことが分かります。
最後まで、戦国時代に身を置いた気持ちになりました。どちらかというと豊臣側の気分で、とても辛かった。でも、壮大なドラマに感情移入できて最高でした。
ここからは、余談です・・・・(司馬遼太郎さん、まねしてスミマセン)
今まで歴史小説を敬遠していました。難しそうで、興味がわかない。そんな歴史オンチの私が、昨年から「坂の上の雲」「竜馬がゆく」「新史太閤記」「関ヶ原」「城塞」と読んできて、歴史を知ることが面白いと思えるようになりました。司馬遼太郎さんの歴史小説は、再読に堪えうる作品です。
難しいことを楽しく、興味深く、遠い時代の中に引き込んでくれた司馬遼太郎さんは、私にとって日本史の先生。感謝の気持ちでいっぱいです。
どうにか、歴史を分かるようになりたい一心で、子供向けの歴史漫画を読んでみたこともありますが、それだけでは消化不良でした。私の場合、小説を読んでから漫画に戻った方が時代情勢や人物の相互関係もよく分かりました。また、長編を読み通すことで胆力も養うことができました。歴史の面白さが少しずつ分かり、読書の中に歴史小説も加えられるようになったこと、この上ない喜びです。自己啓発本を読み漁った時期もありましたが、司馬遼太郎さんの歴史小説を読んだ後の方が、多いに自己啓発されたように感じます。
自分にとって読みやすいもの、仕事に必要なものを選んで今まで読書してきましたが、思い切って挑戦して本当に良かったです。
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大坂冬の陣、和議、そして外濠、内濠まで埋め立てられて要塞としての価値がなくなった大坂城。何とも物悲しい。
微に入り細に入り抜かりない、家康の策略描写に圧倒され、最後の最後まで熱中できました。家康、本当に恐るべし。淀君、秀頼、幸村の人物像も記憶にしっかり残り、この時代に興味のなかった自分自身の変化にびっくりしています。豊臣方と徳川方の内部事情をあれこれ考えていた、小幡勘兵衛の存在も忘れられません。
司馬遼太郎さんお得意の余談も楽しめました。
・秀頼は書道に明るいが、家康は文字が下手。
・家康、セルバンテス、シェイクスピアは同時代人。3人とも1616年4月に死去。 -
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ネタバレ全4巻読み切りました。
最後は、備中高松城から如水の最後まで。
黒田官兵衛としての物語は山崎合戦で終えて、そこからは如水の話となり、亡くなるまでの話になるけど、ダイジェスト的になって(最近、司馬さんの本読みまくっていて最後はこんな終わり方っておもったけど)播磨灘の物語としては、舞台も変わって確かに終わっていく感じでした。
断片的に知っていた、関ヶ原以降の如水の思惑もあって、家康に怪しまれないようにうまく立ち回る感じなんかは、戦国の怪大名っぽくてミステリアス。隠居後は子供と遊んだり、街を散歩したりと、かつての姿とは懸け離れているその生活描写は、年を取るとみんな同じか、と思える節も感じる。
これを書き始めたきっかけも、司馬さんの出自が播磨に関係していることも最後にあり、書き手も巻き込んでのメタ的な締め方には最後まで楽しめました。 -
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まず、歴史の知識が皆無の人間が書いていることをご承知おきください。
義経、頼朝、弁慶、壇ノ浦の戦い、単語は知っているけど単語しか知らないという状態で読みました。
ところどころで関連書物を引用していると思われる部分があり、事実と司馬遼太郎さんの空想が入り混じって描かれた世界なのだと思います。
表現力巧みな上一人一人のキャラクター設定が緻密で物語の中に引き込まれます。
また、出来事が一通り書かれた後につまりは〜ということである。というような要約もあり無知な私でも物語のスピードに置いていかれることはありませんでした。
上辺だけを知っている私は様々なところで衝撃を受け、また義経がこれほどに人懐っこく愛嬌のある人間だとは思いもせず、最後まで心がギュッと動かされました。
司馬遼太郎さんの作品を初めて読みましたが、面白い、面白すぎる。これからたくさん読み漁ることにします。 -
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江戸を脱出してから北越戦争に投じて、激戦の中で被弾による戦傷死までを辿る。
継之助は誰よりも時代の流れを見通し、可能な限りの戦備も整えたが、歴史の皮肉はその継之助が幕藩時代の譜代大名家の士分に生まれたことだろう。全て見通しているものの、長岡藩執政という立場に全てを規定されてしまう。武装中立するという立場も元々無理筋ではあったが、裏で会津藩が自分側に引き入れようと策を練り(基本的に失敗続きの会津藩が自分と長岡藩が裏取引しているとの印象を官軍に抱かせる謀略だけは成功)、検察官的性格の官軍軍監岩村精一郎に塩対応をされ戦う決意を決めてしまう。
軍備もあって戦術眼もあったからこそ彼我に多くの戦死者を出す戦いとなるが、結局、戦略的には負けており、最後はそうなってしまった。藩の立場で美学を追求するとこういうことになってしまう。残るは大量の戦傷者、戦災、そして多くの住民の生命・財産の毀損である。この美学と損失の関係は後の日本軍にも通ずるところがある。
司馬遼太郎は後書きにて、侍とは何かということを考えたとあるが、陽明学に基づく美学は個人としては完結し美しいが、全体を考えて動かないといけないと思う。
非常に侍とは、美学とは、藩の枠とは、政治の役割とは、戦略眼とは、と様々考えさせられる良著だった。 -
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今まで戦国時代の歴史に関心がなく、その時代に関する大河ドラマを見ることもありませんでした。今回、戦国武将たちのかけひきの有り様を初めて知り、興味深かったです。数日に渡って読んでいこうと思いましたが、関ヶ原の戦いに入ってからは、自然読むスピードがアップして、あっという間でした。
上巻、中巻と司馬遼太郎さんの詳しい実況中継で、リアルな映像が広がりました。下巻の最後では石田三成の悲痛な叫びに、司馬遼太郎さんの気持ちまで乗っかっているように思えました。
全体を見通す力、客観的に現実を見る目といった組織のトップとして必要な能力が、三成には確かに欠けていた。それが分かっているのに三成のことを悪く思えないのは、とんでもなく真っ直ぐで純粋なところに惹かれるからでした。
石田三成についていた、島左近、大谷吉継は三成の長所も短所も知り抜いていた。両者の心の広さはハンパなく、この小説で最も人間の器の大きさを感じた人物です。
小説のラストに、石田三成の恋人?初芽が登場します。交響楽が静かに終わるようでした。心に沁みました。
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戦国時代の現場中継を見ているようです。徳川家康VS石田三成それぞれの人間関係、策略が俯瞰できるところが面白い。両者の様子を見比べて、自分だったらどちらにつくかを考えると、まさに究極の選択で、どちらとも言い難し。ただ応援するとしたら、三成の気分になっています。この小説の中での家康はどうもすきになれない。(百姓の立場だったら、新しい世の中になってほしいから、家康かなあ。)家康はワンマンに見えて、重要なところでは必ず会議にかけて全体にはかっている。家康の方がやはり、一枚うわてなんだよなあ。三成、惜しいなあ。
三成にどうか頑張ってもらいたいと思ってしまう、この不思議。関ヶ原の戦いの結果は、歴史事項として既に分かりきっているのに、文章にのめり込んでしまうというか引きずりこまれる。このようになるのは、司馬遼太郎さんの、登場人物に対する様々な思いが入っているからなんだろうなあ。著者の魂が乗り移っているようです。
三成、大谷吉継、安国寺、三人の話し合いの場面、細川ガラシャの最期、特に印象的でした。
関ヶ原の戦いの結末を筆者は、どのような言葉で締めくくるのか、石田三成の応援団の一人として気になるところです。