司馬遼太郎のレビュー一覧
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台湾旅行から帰ってきてこの本を読んだ。自分の旅先と「街道をゆく」シリーズの旅先とが重なったとき、旅の前後に手に取ることが多い。
司馬遼太郎は風土を重視する。地理、気候から産業、歴史を踏まえたうえでその土地に詳しい案内人と共に各所を訪れる。
50年間の日本統治時代に生きていた台湾の人々は、皆かつて"日本人"だったことがあるということであり、本書の中ではもちろん、私が行った現在の台湾でもその痕跡を辿ることができる。
司馬遼太郎は台東に住む原住民の"大野さん"に「戦前風の日本人」を感じ「このさびしさの始末に、しばらくこまった。」と書いている。私も旅先の台 -
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ネタバレ8巻読んで良かった〜!
全てが決着し、このための物語だったんだなぁという感慨を感じた。気に入った箇所:
p92 「時間と空間が次第に圧縮されてゆく。刻々縮まってゆくこの時空は、この日のこの瞬間だけに成立しているものではなく、歴史そのものが加熱し、石を溶かし鉄をさえ燃え上がらせてしまうほどの圧縮熱を高めていたと言ってよかった。」
p278 「ロジェストウェンスキーは、彼が演じたあれほど長大な航海の目的地がこの佐世保海軍病院のベッドであったかのようにしずかに横たわっている。そのことが一種喜劇的ではあったが、元来戦争とはそういうものであろう。戦争が遂行されるために消費されるぼう大な人力と生命、さらに -
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1992年刊。「週刊朝日」連載(1991.8.9~92.2.28)。
ごちゃごちゃ言わずにさっと撫でてゆくのが、このシリーズの特徴。今回は本郷「界隈」、本郷、湯島、千駄木や根津などをめぐっている。
頻繁に顔を出すのが鷗外と漱石。その作品には本郷界隈を舞台にしたものが多く、彼らの住まいもそのあたりで何度か変わっているからだ。たとえば、千駄木の家では、漱石は『吾輩は猫である』を書いた(この家には十年ほどまえに鷗外が住んでいた)。この小説には近所のことも登場するが、なかでも有名なのが落雲館中学の生徒と苦沙弥先生が対決する場面。このモデルはいまもある郁文館、そこにも寄っている。
本書、最初のほうには、 -
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ネタバレロシアに戦力で劣る日本は、海軍も陸軍も、機敏で連携の取れた動きと奇策で戦った。
しかも大勝を収めるというのではなく、和平交渉でギリギリ勝ちに持ち込むという狙い。
そのために策を巡らし、資源や訓練を集中する場面がこの巻ではみられる。
小さいものが大きな相手に勝とうと思うと、結局はそれしかないのかもしれない。
そして日本人はそんな話が好きだ。
少ない兵が死力を尽くして忠義を守る的な話。
また、この巻ではロシアの組織としての脆さも際立った。
大きな組織にあるあるな、独裁的な権力を持つリーダーや派閥争い、指揮系統の乱れ。
そんな一つ一つが、真剣にやれば楽勝に思える戦力差のある日本に追い