司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 街道をゆく 33
    先日大内宿、会津若松と旅行に行ったので読んでみることに。昔から司馬遼太郎の作品が大好きでよく読んでいたのですが、街道をゆくのシリーズは初めて読みました。結論とても面白かったです。司馬遼太郎さんの造詣の深さを改めて感じました。和歌、仏教、イコン画、江戸の上水道など話が多岐に渡り勉強になりました。赤坂も...続きを読む
  • 新史 太閤記(上)
    太閤秀吉さんは明智光秀を討つまでが大好きな私にはこの上巻はたまらない展開でした。さて晩節が多少辛い展開になるかと思いますが、司馬さんはどう書くんだろう?と期待しつつ下巻に向かいます。
  • 世に棲む日日(二)
    松陰の死からスーパーファンキーボーイ2代目高杉晋作の話。このひとちょっとサイコパスっぽいぞ。おもしろい。
  • 最後の将軍 徳川慶喜
    幕末の動きを幕府側・特に慶喜視点で描かれており、これまで長州・新撰組・土州(というか龍馬)視点で見てきた幕末を違う角度から見れた。特にこの作品は竜馬がゆくの直後に書かれたということもあり、内容・表現もリンクしていて、非常に面白かった。
    慶喜という人は、これまでの幕末物語で読んで思い描いていた像(弱腰...続きを読む
  • 坂の上の雲(五)
    二〇三高地、乃木希典
    目を見張る闘いの場面を想像していましたが、多くの日本兵が亡くなるという読み進めることが辛い描写が続きました。司馬遼太郎氏のこの坂の上の雲では乃木希典が海軍からの要請を受け入れず、ただただ兵を失うという愚策を続けたと記されています。日露戦争で日本が勝利したと歴史上では知っています...続きを読む
  • 竜馬がゆく(八)
    第8巻まで読み終わり、坂本竜馬という人物が幕末においていかに巨大な存在だったかを知ることができました。「竜馬の霊が天へと翔け登った」みたいな感じの表現がありましたが、確かに竜馬ほどの大きな人物ならこの表現も納得です。司馬遼太郎の筆致も臨場感があり、素晴らしかったです。
    司馬遼太郎の作品は他に「燃えよ...続きを読む
  • 竜馬がゆく(七)
    歴史弱者の自分でも名前だけは知っている大政奉還。
    竜馬がこんなに中心になって推し進めていたとはしらなかった。
    竜馬の思想が一〜七巻をかけてどのように変わってきたか、この七巻でようやくはっきり見えてきました。
    この巻は特に竜馬が何か考えている描写が多いように感じました。今まで血を流してきた同志や、対立...続きを読む
  • 坂の上の雲(五)
    本日晴天なれども波高し の有名な言葉の主 秋山真之が主役の壮大な長編小説。今の時代にこの小説の登場人物が生きてたら、ちっとは日本はましになってるだろうと思わずにはいられないほど、魅力的な人物像が描かれている。おもしろかった。
  • 坂の上の雲(六)
    ハワイ旅行における旅のお供として読んだ本。

    いよいよ、日露戦争における終盤戦、奉天会戦へ。
    そこにはただ純粋に戦力のみで勝つという話だけで無く、政治や戦術など、様々なものが絡み合って終盤へと紡いでいく。
    一つ一つの話をもっても人の模様や歴史背景が丁寧に、そして臨場感もって描かれており、スッと引き込...続きを読む
  • 坂の上の雲(八)
    この8巻を読んで本当によかった。
    明治の歴史という今日にも続く通奏低音をこんなにクリアに生き生きと感じる文章に出会えたことは幸せなことだと思う。
    「坂の上の雲」自分も坂の上にある雲に向かって進むような楽天主義を心に持っていたい。
  • 坂の上の雲(八)
    【全八巻の感想】
    日露戦争史を通して国家とは、民族とは、日本人とは何かを深く掘り下げ追及している。
    この戦勝こそが以降の日本軍を迷走させ、日本国を窮地に追い込んだ。
    明治維新以降、西欧の帝国主義を模倣し、「国家」という概念を急速に醸成せざるを得なかった事情が我が国の精神と肉体とのあいだに巨大な齟齬を...続きを読む
  • 坂の上の雲(一)
    今現在のところ、読んでよかった本の第一位です。
    父親に勧められて読み出したら本当に止まらず、全巻あっという間に読み終えてしまいました。
    何より、今まで知らなかった日本が知れました。良いところも悪いところも。立場によって異なる善と悪があり、美しさと醜さがあり、それは誰が判断できるんだろう...。

    ...続きを読む
  • 坂の上の雲(四)
    戦争禍において無能な上司の下に配属されることほど悔やまれる事はないとわかる。また派閥に基づく人事も碌でもない。令和の今となってもその悪しき習慣はある。残念すぎる。

    無能無策な上に頑迷で、多くの日本兵を殺すことになった乃木という人間の描写が耐えられなかった。が、どうにか読み切った。次号に期待。
  • 竜馬がゆく(八)
    「おれは日本を生まれかわらせたかっただけで、生まれかわった日本で栄達するつもりはない」
    カッコ良過ぎました。最高の8冊です。
  • 馬上少年過ぐ
    講談師見てきたように何とやらと言うが、本当に司馬遼太郎はその場にいたのか?というような描写力で、小説家としての才気を感じる。

    お気に入りは『喧嘩草雲』、『重庵の点々』、『貂の皮』。とくに貂の皮が好き。有りそうで無さそうな、無さそうで有りそうな、読んでワクワクする絶妙なラインの古潭を紡いでいる。一方...続きを読む
  • 韃靼疾風録 (下)
    上巻はロマンのある展開でしたが、下巻は明から清への劇的な歴史変動の描写が中心でした。資料が少なくて描くのが大変だったようですが、興味深いテーマで面白かったです。
  • 新装版 箱根の坂(中)
    本作品は昭和57年6月から翌58年12月まで『読売新聞』に連載された。司馬の歴史小説としては、最後期の作品になる。北条早雲の生涯は、特に前半生について良く分かっていないことが多く、諸説が認められるようだが、本作では当時の研究を反映させた"新説北条早雲"といった趣がある。ただあとがきで作者が付記してい...続きを読む
  • 坂の上の雲(三)
    日露戦争も開戦した。戦艦、巡洋艦を以て戦う描写はまるでその場にいるのかと間違えてしまうほど細かい。
    また貧しい国の日本が大国ロシアと戦争をしなくてはいけなかったのかわかった気がする。
  • 功名が辻(四)
    全体を通して読みやすい物語だった。
    千代の先見の明もしかり、織田、豊臣、徳川と次々と変わる時代の流れを読み、人の心を読む力が凄い。それに山内一豊の律儀さ謙虚さが合わさり、2人なら夫婦仲良い掛け合いが面白い。2人が死ぬまでの話はかなりすっ飛ばしてる感あり、物語はあっさり終わる。見所は豊臣から徳川へ仕え...続きを読む
  • 坂の上の雲(五)
    旅順要塞における勝利は、多くの犠牲の上に成り立っている。いかにそれを指揮する人の優秀さによって、死者の数が変わるのか、痛感した。

    柔軟性と信念、持ち合わせるのが難しいが、このバランスこそが必要であると感じる。