司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 関ヶ原(下)
    個人的に、初めて読んだ歴史小説がこの作品。
    関ヶ原合戦という一つのテーマに対して、合戦に関わった大小様々な大名たちの視点から多角的に描かれているのが印象的だった。
    角度を変えると物の見え方が変わることの再認識と、"唯一絶対の解釈"が存在しない歴史の奥深さに感動した作品。
    単に"歴史上の人物"として認...続きを読む
  • 竜馬がゆく(六)
    勝失脚し、後任に勝の政敵である小栗忠順、栗本鋤雲ら。小栗忠順は勝失脚後、軍艦奉行になり、なったと同時に勝の嫌う特定外国(この場合はフランス)と手を握る。竜馬、薩摩に入る。薩摩は当時、他藩のものを受け付けない秘密国家のようなものであったが、(よそ者は関所で斬殺された)西郷と共に薩摩に入る竜馬。もっとも...続きを読む
  • 竜馬がゆく(七)
    幕府が事実上フランスに身売りするという小栗忠順案(p9)。慶喜、長州大討込を翻し、勝に長州との止戦を申し入れさせる。勝は上手く長州と話をまとめるが、大阪に帰り慶喜に報告しても、邪険にされる。無条件和睦が慶喜の気に入らなかったからだ。しかも慶喜は勝を使者として送り出したあと、朝廷に「勅諚」を出させ、高...続きを読む
  • 竜馬がゆく(四)
    竜馬、新選組に出会う、なんとか逃げ延びる。佐幕の会津と侮幕の薩摩が反長州で手を結ぶこれを薩会(さつかい)同盟といい、京都から一挙に長州勢力を駆逐しようとする。禁門の変おこる。七卿落ち。武市半平太、逮捕投獄される。土佐勤王隊瓦解。土佐藩主山内容堂は武市半平太を個人的にも憎み、切腹を命じる。武市、切腹。...続きを読む
  • 竜馬がゆく(五)
    池田屋事件起こる。蛤御門の変(禁門の変)起こる。長州藩の最もイケイケ、来島又兵衛、蛤御門の変であえなく戦死。竜馬の神戸海軍練習所、謀反人の巣だとして解散を命じられる。竜馬、西郷と談判す。「貿易さえすれば、日本は栄えうる。(中略)しかし貿易は一に幕府の独占事業たらしめる方針をとっている。貿易がはじまっ...続きを読む
  • 竜馬がゆく(三)
    竜馬、京都へ行く。寺田屋事件起きる。生麦事件起きる。薩長が、宗教的攘夷思想の非をさとってひそかに外国と手をにぎり、軍隊を洋式化して幕府を倒した。簡単にいえば、それが明治維新である。(170p)。竜馬、勝海舟を斬りにいくが、勝の話を聞いて逆に勝に弟子入りする。竜馬たち、勝海舟に軍艦 順動丸に乗せてもら...続きを読む
  • 新装版 播磨灘物語(2)
    After reading this book,I thought about Nobunaga’s character.If he lives in our modern times,how is his existence?He is one of the most popular histor...続きを読む
  • 竜馬がゆく(八)
    最終巻。大政奉還への大奔走や、その途上での長崎での英国人殺人事件での海援隊への疑いを晴らす為の素早く且つ適切な動き。その大政奉還を成し遂げた時の涙。相当感慨深かったんだろうなあ、と想像するも、すぐさま、新官制を考案し、またその後の人選や調整にも自ら奔走。スーパーマンです。且つ私欲がない。最期は分かっ...続きを読む
  • 豊臣家の人々 新装版
    久しぶりの司馬さん。①「家」というものを持たずにわか造りを余儀なくされた秀吉の不遇(家康との違い)、②老いた秀吉の焦りと耄碌、③尾張派VS近江派、を軸に司馬的秀吉物語。今までぼんやりとしかイメージできていなかった、秀次、小早川秀秋、宇喜田秀家、秀長等の秀吉との関係性が理解できて、これからこの時代の様...続きを読む
  • この国のかたち(一)
    いくら大河ドラマを見ても、歴史小説を読んでも、尊皇攘夷思想が理解できず明治維新が分からない。
    そんな自分にとって、学生時代に日本史ではなく世界史を選ぶのは自然な選択だったけれど、もし学生時代にこの本に出会っていたならば…、日本史を選択する可能性もあったかもしれない。現役の学生さんにおすすめしたい。
    ...続きを読む
  • 豊臣家の人々
    農民から天下人になったって改めてすごいこと。
    ただただ巻き込まれる親族はラッキーというより実力に伴わない待遇が突然現れて壊れるものが続出する。それはいつの時代でもそうかと人間の性質を感じさせられた。
    豊臣秀頼の最後ってあまり描かれないこと多いけどあまりにも生々しいほど虚無で、だからかと納得。
    面白か...続きを読む
  • 峠(下)
    以前読んだ戊辰戦争関連の書籍で強烈なインパクトを残した、河井継之助を主人公に据えた名作
    彼の壮大な夢、長岡藩の武装中立に向けて藩屋敷を売り払ったり、為替で儲けたり、ガトリング砲を買ったりとまさに破天荒な男
    誰よりも封建体制の崩壊を分かっていながらも、長岡藩士として必死に生きた河井がカッコいい
    またそ...続きを読む
  • 竜馬がゆく(七)
    今まで、周りからみれば、じれったく、ともすれば信念がないようにもみえたかもしれない龍馬がいよいよ、時機が来たとばかりに猛烈に動きだした感じ。好きな中岡慎太郎の大活躍、親友仇でもある後藤象二郎との協力(利用?)。先見性抜群の船中八策、大政奉還へ遂に動きだす。クライマックスに向けて、アクセル踏まれた感が...続きを読む
  • 坂の上の雲(一)
    歴史が好きであるものの、この作品は読んでこなかったので、ついに始まった感があった。
    明治期の西洋に負けない国を作るという熱い思いが伝わってくる。最近何か燃焼しきれていない人におすすめの一冊。
  • 竜馬がゆく(六)
    龍馬率いる亀山社中の活躍や、薩長連合の成立。その後に伏見寺田屋で龍馬が襲われるも、何とか生き延びたりとかなり目まぐるしい局面。束の間のおりょうとの薩摩行きも息抜き的に良かったかな。第二次長征とそこで行われる海戦も興奮しました。幕府の衰退、時代の大きな変化が正に起こっている事が感じられ、色々考えさせら...続きを読む
  • 項羽と劉邦(上)
    筆名のとおり司馬遼太郎に一番影響を与えたのが司馬遷だろう。
    司馬遼太郎の長編作品の中で史記を題材にした稀有な作品。

    史上初めて中国全土を統一した秦の始皇帝。しかし死後、中国はまた騒乱の世に戻ることに。その中から頭角を現す項羽と劉邦。2人を中心に描かれる作品。

    昭和59年の文庫、その頃父の本棚から...続きを読む
  • 関ヶ原(下)
    昨年、1年見続けていた「どうする家康」。物語の大サビである「関ヶ原の戦い」が、なんとなくサラッと描かれていて、もう少し深掘りしたく読み始めました。

    尾張派(北政所) VS 近江派(茶々) の代理戦争であったこと、滋賀の小さい一大名の石田三成が徳川家康と対等に戦えるまでになったこと、各諸大名にもそれ...続きを読む
  • 項羽と劉邦(上)
    中国史関連の文学作品他関連書籍を読み始めた最初の書籍となった。追い詰められた項羽の最期は鮮烈というか、こんなことだったのかという感じです。
  • 竜馬がゆく(八)
    ★5つです!
    乙女大姉、さな子、おりょう、千代
    気がつけば竜馬が大人気。
    ということもさることながら、大政奉還までの怒涛の展開。
    最後は皆の前に竜が駆け上る描写など。。
    高知は死の国、幻想的な表現が似合います。
  • 街道をゆく 5
    満天の星空の空の下、ゴビに立つパオの中で眠る夜。
    地球の自転の音だけが聞こえるようなこのゴビ草原で眠るのは、、
    と書かれている。同じパオに泊まったとしても地球の自転の音など思いつかないだろうとと思う。全ページ流石な文章である。
    そしてツェベックマさんが登場するシーン、その、機知に富みユーモアとシリア...続きを読む