司馬遼太郎のレビュー一覧
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封建国家から近代国家・国民国家に変わっていった日本を論じる本。
・小栗上野介、勝海舟、坂本龍馬、大久保利通、西郷隆盛といった近代日本を作り上げた人物に着目し、彼らが何に影響を受け、何を考え、行動したのかを論じており、彼らの足跡を辿ってみたいという思いを起こさせる。
・廃藩置県(=藩や身分制の廃止)がいかに大きな革命であったのかということ、それをやってのけた背景として、日本人の中で共有されていた「危機意識」(攘夷感情はその即物的反発)があったことは、我々が生きている近代日本の国家の根幹にあった出来事として記憶しておきたい。
・侍の精神性、武士道を、西南戦争において賊としたことへの福沢諭吉の憤りが -
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「坂の上の雲」先日、テレビドラマで再放送をしていた。
大分前から積読に成っていたので、この際、読むことにした。
ドラマの方は第一話しか見ていないが、本書の内容とほぼ同じだった。
時代は明治に成って、まだ間もなく、旧幕府時代の慣習がまだ色濃く残っていた頃のお話。
日露戦争でコサック騎兵を破った、秋山好古。日本海開戦でバルチック艦隊を破った、参謀の秋山真之兄弟と、俳人の正岡子規の四国松山での青春時代を綴っている。
明治に成って、今までの封建社会のような身分に因われることが無くなった。
学問が出来れば立身出世が出来ることに成り、若者は競って学問をした。
日清戦争での勝利、日露戦争の勝利 -
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合理性を追い求めた米露に対して、偏ったこだわり(見た目の美しさ、ディーゼルエンジン)で戦えない戦車を作らせた旧陸軍。
目的の達成のための理性的な判断よりも思想的・抽象的な考え方を好んだ軍司令部。
それらは今の社会にも連綿と受け継がれているという気がする。
無駄な資料、無駄な会議、狭いこだわり、属人化した仕事。
けれど一方で、合理性を追い求めるだけでは物足りないのもまた事実。目的を達成するための合理的判断と、付加価値としてのこだわりや理想の境を明確にし、本当に捨てられないもの(それは魂に通ずるかもしれない)の立場を明確にすることこそ必要なのではないか。
戦時中、軍の無茶な作戦に不満を漏らす者はい -
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「翔ぶが如く」第1巻は、明治維新を詳細に描いた全10巻シリーズです。この第1巻では、川路と桐野、西郷隆盛の偉大さとその離反の理由、征韓論、島津久光、薩摩隼人等がテーマとなっています。
まず、川路と桐野の対立が描かれています。謹厳実直な川路と豪放磊落な桐野の対照的な性格が興味深く、彼らの行動は相手との間合いを保つことで偶発的な戦闘を避ける姿勢を学ばせてくれます。
次に、西郷隆盛の偉大さとその離反の理由についてです。西郷は部下や敵対した藩に対しても尊大な態度を取らず、その謙虚さから庄内藩に西郷遺訓が残りました。しかし、黒田や川路はヨーロッパを見た後、西郷の魅力が薄れたと感じました。新政府の腐敗 -
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ネタバレ著者が「坂の上の雲」を書き始めていたころ、「大阪の料理屋にこの作品に登場するひとびと(正岡子規・秋山好古・真之)のお子さんたち(と言っても54歳~72歳)に集まってもらった。このことは取材というものではなく私としてはかぼそいながらも儀礼のつもりでいた。見も知らない人間が自分の父について書くというのは、気味悪さがあるだろうと思い、せめて作者の顔を知っておいてもらいたいと思ったのである」
その後、そのメンバーのうちの正岡律(子規の妹)の養子となった正岡忠三郎氏夫妻と、彼の旧制二高時代の親友であった「タカジ」(詩人:ぬやまひろし=本名:西沢隆二)らとの交友を描く物語である。
恐らくこの本を読んだ -
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誰よりも早く洋式を取り入れた継之助。
一方、志や思考・思想は誰よりも武士だった継之助。特にこの下巻ではその色が濃くなる。
継之助は完璧主義でもなければ適当主義でもない人なのだろうと思う。あえていうなら最適主義といった人物。
複数の方が書いているが、幕末や明治維新の時代、学校の勉強ベースや歴史の書籍ベースだと、殆どといってよいほど、倒幕側の目線、あるいは幕府側の目線で書かれている。それがこの『峠』では長岡がとった『中立の立場』として描かれており、同じ時代でも全く違った世界を知ることが出来る。
峠の主人公である河合継之助、同じ時代を生きた坂本竜馬、うつけと言われた信長、皆若い頃は総じて周囲か