司馬遼太郎のレビュー一覧

  • この国のかたち(一)
    十数年ぶりの再読にも関わらず、いくつかの章は印象に残っている。江戸時代の各藩の多様性が明治維新を産んだというあたりは再読して良かった。
    土佐の藩風の倜儻不羈(てきとうふき)は博覧強記の司馬先生ならではの言葉ではないかなぁ
  • 竜馬がゆく(八)
    全8巻に及ぶ大長編小説を読み切ったのは、初めて。
    維新史の奇跡こと、坂本権平弟竜馬の自由奔放さ、快活さ、思想的鋭さ、先進さなどあらゆる感覚が、書き出されていた。
    あっぱれ!司馬遼太郎!!
  • 最後の将軍 徳川慶喜
    徳川慶喜の苦悩がよくわかる本でとても面白い。尊王攘夷や天皇の意向に翻弄されながらも、策を練り日本のために舵取りをしており、尊敬できる歴史上の人物。
  • 世に棲む日日(四)
    吉田松陰、高杉晋作共に20代で生涯を終えるとても短い人生でも、この2人が描いた日本の将来や、世界と向かい合う思想や行動に、とても大きなスケールに感服しました。そこには男のロマンが感じられ、感動しました。
  • 新装版 播磨灘物語(4)
    大昔に読んでいたものを、数十年ぶりに再読。
    読んでいて「これ、初読なんじゃないか?思い込んでただけで」と数度思い。
    でも最終的に「あ、これ読んだなやっぱり。数十年前に」となんとなく思った。

    戦国時代に秀吉の下で名を馳せた軍師「黒田官兵衛」の半生を描く長編小説。

    個人的な説ですが、司馬遼太郎さんの...続きを読む
  • 坂の上の雲(六)
    本筋の満州での会戦。陸軍のダメダメなところは旅順だけじゃなかったのね。極寒の地で薄氷を踏むような戦い。好古に同情する。サイドストーリーのヨーロッパ諜報戦、インド洋のバルチック艦隊奮闘記も佳境で次の巻に続く。
  • 竜馬がゆく(七)
    人間それぞれに多彩な能力があるが、1人で何かをなすことができるわけではなく、同じ志を持った有能な仲間と協力すること、運、情報が重要なのだと思った。
    長崎に行きたくなってきた。
  • 峠(下)
    映画公開までに読み終えたかったのですが、公開2週間たってやっと読み終えました。

    地元の話なので、地理的なことがよく分かるし、幕末に活躍した全国の偉人の動きもつながって、10代の時に読んどくべきだったなぁと思いました。
    司馬遼太郎作品はあんまり読んだことがないので分からないのですが(『梟の城』くらい...続きを読む
  • 花神(上)
    日本の幕末史の知識が浅かったのでちょっと勉強も兼ねて。(あくまで時代”小説”ではあるが)
    司馬遼太郎の描く歴史上の偉人たちの中でも、なんとなく筆者のお気に入りかなと思われる人々はだいたい無骨で偏屈な奇人が多い気がする。それがなんともまた魅力的なキャラクターに思えるが。
    長州、宇和島、長崎、大阪、どこ...続きを読む
  • 坂の上の雲(八)
    坂の上の雲(8)

    日露戦争については神話的に語られることが多いが、司令官たちの評価についてイメージが変わることが多かった。
    そして、この勝利について参謀本部は自分たち自身で「日露戦争史」という、ただ出来事と数字だけを書いた何も役に立たないものを残した。
    しっかりと分析と評価を書き込んだものを残して...続きを読む
  • 竜馬がゆく(一)
    まだすべて(全巻)読んでいないけど竜馬がど言う性格かがわかった。
    なぜこの時代に生きていないのにここまで詳細に書けるのかが気になった
  • 竜馬がゆく(八)
    竜馬が奮闘した大政奉還が実現し、徳川幕府の時代が終わり、新しい時代の幕が開ける…

    あぁ、ついに終わってしまった!
    読み終わった私は完全に竜馬のファンになっている。
    倒幕の後の地位や名誉を当然気にする人たちの中で、ここまでやっておきながら大政奉還の後は全てを他の人に任せて自分は世界の海に出ると言う。...続きを読む
  • 竜馬がゆく(七)
    幕府は長州藩との海戦に敗れ小倉城も陥落しいよいよ窮地に追い込まれてゆく。勝海舟は幕府の使者として長州藩との停戦交渉に厳島へ派遣される。将軍慶喜からはやり方は全て任せると言われ、だったひとりでこの命がけの任務に就いた。
    果たして勝の誠意あふれる態度は長州藩の心を捉え、停戦は無事に実った。しかし慶喜は勝...続きを読む
  • 新史 太閤記(上)
    藤吉郎(羽柴秀吉)を主人公に物乞いから信長に使える大将へと成り上がっていく戦国物語。

    出てくる登場人物が本当に濃いキャラクターばかりで戦国時代をリアルに描かれている。
    猿と呼ばれた秀吉がどんな人物であったか、
    信長の事をどれほど思っていたか、
    竹中半兵衛、黒田官兵衛、才覚ある武将を登用し、人の心を...続きを読む
  • 世に棲む日日(四)
    吉田松陰の思想と高杉晋作の行動を対比させながら読めて面白い。幕末のまさに革命の世の中を生きた2人の生き様に感服する。
    「おもしろきこともなき世をおもしろく」
    この句の意味を、高杉晋作の気持ちや当時の情景を思い浮かべ噛みしめながら考えてみたい。
  • 新装版 最後の伊賀者

    天明の絵師

    ・「お前の絵については、わしが認めている。
    あるいは器用貧乏で終わるのかもしれないが、一つ間違えば、ひょっとすると画壇の大宝になるかもしれない」
    「思いもよらぬことでございます。元来があさはかでございますから。
    いっそ、自分の器用を捨てればよろしゅうございましょうか?」
    「捨てる?…若いのだ...続きを読む
  • 新装版 王城の護衛者

    英雄児

    ・「おれという人間は、自分の一生というものの大体の算段をつけて生きている。
    なるほど、おれの家は小禄だし、おれの家は小藩だが、小藩なだけに将来、藩はおれに頼って来ることになるだろう。
    同じ一生を送るにしても、婦女に鉄腸を溶かしてしまうのも一興かもしれぬ。
    しかし人間、二通りの生き方はできぬもの...続きを読む
  • 坂の上の雲(六)
    日露戦争の陸軍のジリジリとした展開からいよいよ佳境に入ってきました。
    攻防が手に汗にぎる感じが伝わります。
    次巻に期待。
  • 世に棲む日日(二)
    吉田松陰の志と学ぶ姿勢に圧倒される。その時代の課題感に命を賭して、志を実現するために、学ぶ姿勢が目を見張る。特に命懸けの密航をしてまで外国から学ぼうとする姿が驚異的である。多くの組織が閉鎖的でタコツボ化している現代にもこのような志士が必要であり、自分がそうあれるように学びを怠ってはいけないと強く感じ...続きを読む
  • 坂の上の雲(五)
    これまで面白いようで今ひとつ盛り上がりに欠ける印象で読み進めてきましたが、この巻より俄然面白くなってきました。
    戦争の行方は戦場での戦闘のみならず、兵站など表には見えない部分が左右することもよく分かりました。