司馬遼太郎のレビュー一覧
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全8巻を読み終わっての感想
竜馬の凄いところは、この時代にあって世界という大局観を持っていたことに尽きると思う。まだこの本を読まず、何となく坂本龍馬のことを知っていた時は「薩長同盟の立役者」「北辰一刀流の達人」「昔はアホだった」位の認識しかなかった。もちろん小説だということを認識した上で、英仏が日本を狙ってることを認知し、幕府の体制は既に腐敗し限界だったことを説き、尊皇攘夷でも佐幕でもなく近代化への絵図を諸藩の英雄に認めさせ、仲間を増やして討幕に至る。この流れが非常にスリリングであった。竜馬には多くの人生の師匠が登場する。乙女姉さんを始め、千葉貞吉、勝海舟、松平春獄などなど。特に勝海舟から受 -
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天によって登場させられた人物
馴染みのない単語や厄介な言葉の羅列しかない今作だが、これほどまでに面白さがあるのは、やはり司馬遼太郎その人のおかげである。
徳川慶喜を歴史の授業で習ったのは小学生の頃。当時は坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟の物語に魅せられ、徳川慶喜など敗者くらいにしか考えていなかった。
しかし、今作を読んで別の一面があると思った。
それは"宮廷史劇"ぽいところである。
このやりすぎなくらいの物語が現実で実際に起き、他の人物と照合しても辻褄の合う面白さに興奮を隠せない。
理解者のいない苦悩とそれをものともしない胆力。
羨ましくもあり悲しい慶喜の人生に初めて魅せ -
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【30年ぶりに読む「坂の上の雲」】
最終第八巻は「敵艦見ゆ」「運命の海」「雨の坂」など。
「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ(p35)」
有名な日本海海戦開戦前の電文はやはり心動かされる。思い立って30年ぶりに全八巻という“一大叙事詩”を読み終えた感想としては、明治日本の若さと日本人の勤勉さ真面目さが眩しい!どうしても成熟した令和日本と比べてしまうが、どちらが良い悪いというものでもない。真之が作文した「聯合艦隊解散ノ辞」の結びの言葉である“勝って兜の緒を締めよ”は日露戦争やジャパン・アズ・ナンバーワン後の日本がもっと意識すべきだったな。
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ネタバレドキュメンタリー映画ちゃわんやのはなし-四百年の旅人- 松倉大夏監督をみて、先代14代沈寿官氏のことを司馬遼太郎が想いも熱く書いた短編が表題。
民族とはなにか、
民族なんてものはない、ただその土地土地での暮らし方や言葉がありその違いがあるだけだ、と15代いまの当主がソウルで悩んだ時に司馬遼太郎からもらった手紙。
映画を見てから読んだ。深い洞察、400年にわたる日本での暮らしその薩摩人ぶりと記憶の伝承。
先代のソウル大学での、日本へのわだかまりを捨てよと諭す講演の最後、あなた方の36年をいうなら私は370年をいわねばならない、という言葉の重み。
巻末の解説は山内昌之先生。