司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 峠(上)
    p.16
    人間はその現実から一歩離れてこそ物が考えられる。距離が必要である、刺戟も必要である。愚人にも賢人にも会わねばならぬ。じっと端座していて物が考えられるなどあれはうそだ

    p.24
    可能不可能を論ぜず、ねばならぬということのみ論ずる

    p.29
    この人間の世で、自分のいのちをどう使用するか、そ...続きを読む
  • 坂の上の雲(八)
    真之、好古、子規だけじゃなくて、それ以外の主人公やエピソードも結構おもろい。好古の戦地での肝が座った感じがたまらない。あと、乃木希典もディスられ過ぎだけど愛せる。激動の時代にそれぞれの立場で自分の人生を全力で全うしており読んでいて気持ちいい。だいたい、なんで皆あんなに悟ってんだろ。どんな精神力よ?死...続きを読む
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)
    俄(にわか)とは、路上でやる即興喜劇のこと。主人公の明石家万吉の印象的な言葉がとても心に残る小説でした。
    「わが一生は一場の俄のようなものだった。」
    「知恵より大事なのは覚悟や。覚悟さえすれば、知恵は小知恵でもええ、浅知恵でもええ。あとは何とかなる。」
    「それほど死ぬのがこわければ天下国家を論ずるの...続きを読む
  • 梟の城
    この時代に生きている人を、忍者を、本当に見てきたかのような見識と描写。
    司馬遼太郎にしかなしえない、取材力と想像力を結集した最高傑作。
    描かれた一人一人の思考に没入しすぎてしまう中クライマックスの、優しさというか司馬遼太郎らしさが、またカッコよすぎる。
  • 国盗り物語(二)
    司馬遼太郎歴史小説の1つ

    斎藤道三後編

    美濃を切り取るためには土岐頼芸を失脚させなければならない.
    天下を取るための最後の準備にして最大の難関でもあった土岐頼芸を今のポジションから外すために道三は術数権謀であの手この手を張り巡らし,その時を待っていた.

    そして,美濃に点在した邪魔だったものを排...続きを読む
  • 最後の将軍 徳川慶喜
    大河ドラマ「青天を衝け」に登場する徳川慶喜は凄く興味深い人物であり、その慶喜を司馬遼太郎という作者が描いているということで購入した。

    読み終わってみて結局、慶喜の心境は想像できない。
    どこまで真実なのか定かではないが、
    常人のようにも人間らしさも感じる底知れない人物だった。

    そして、『竜馬がゆく...続きを読む
  • 坂の上の雲(八)
    数年ぶりに通しで読み返した。

    本作品全体に対する感想は既に書いているが、それとは別に日本海海戦の戦勝要因に絞って個人的なメモを記載。
    論点の8割方は政略、戦略、戦術(それを支える技能含む)の3点に収斂する。

    -政略の観点
    国家として戦争の着地点を予め想定し用意していたかどうかという点、また戦争の...続きを読む
  • 国盗り物語(三)
    織田信長より明智光秀の話。本当にイケメンだったのかな?と思いながら、麒麟がくるを見てないけど、長谷川博己で脳内再生しながら読みました。
  • 竜馬がゆく(二)
    竜馬が一剣士から
    世を動かす人間になっていく様が
    書かれている。

    勤王倒幕派として一括りだと
    思っていたが、
    武士達其々に少しずつ
    違う思想があることに驚いたし、
    その描写に引き込まれた。

    あんなにも戦友として交流していた武市とも、
    脱藩となると別れなくてはならない場面では
    武士の潔さ、儚さがよ...続きを読む
  • 国盗り物語(二)
    斎藤道三素敵すぎるー!岐阜城に行ってみようかと調べたら、松波庄九郎と道三は親子なの?
    でも足跡をたどりに是非行ってみたいと思うほどに物語が面白かった。
  • 竜馬がゆく(七)
    倒幕への動きが具体化してきた7巻。

    そんな中、竜馬は徳川家を滅ぼすのでは無く一大名と同じ扱いとする大政奉還を思いつく。
    尊皇の志士達がそれぞれの藩の一員として動く中、自分は「日本人」だと言う竜馬。
    今では当たり前のことが、鎖国をしていた当時はどれだけぶっ飛んだ考えだったか。
    でも、竜馬がそんな考え...続きを読む
  • 義経(上)
    私が初めて手に取った司馬遼太郎作品です。
    著名ではありましたが、小難しい言葉で歴史を語る教科書の様な歴史小説の苦手イメージが、司馬遼太郎さんのこの一冊で払拭されました。とても読みやすく、面白く、その当時単純な私は義経の大ファンになりました。
  • 酔って候
    幕末に賢候と呼ばれた四人の大名についての四編の短編が収められた短編集。それぞれの大名が皆別々の思いを抱いて幕末に臨んでいたことが詳しい人物描写を通して知れた作品でした。司馬遼太郎の歯切れの良いリズム感のある文章も相まって日本史のことを勉強したことのない私でも背景が分かりやすく理解できました。容堂の何...続きを読む
  • 梟の城
    1960年(昭和35年)
    前半期の直木賞(第42回)受賞作

    あらすじ
    織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太...続きを読む
  • 竜馬がゆく(一)
    色々なところで勧められていたのと、
    偉人の生き様を知りたいと思い読み始めた。
    思ったよりも読みやすく、
    すらすらと読み進められた。

    1巻は竜馬の幼少期から23歳まで。
    生まれた頃はパッとしない少年だったが
    剣の道を極めていく中で徐々に立派になり
    若かりし頃からの竜馬の天才っぷりにおどろく。
  • 最後の将軍 徳川慶喜
    歴史には、それぞれの側からみた歴史がある。

    将軍になることを望まず、朝敵になり史上に名を汚すのが嫌だった慶喜。

    保身に走り、部下を騙し、捨て去り、己れだけが己を肯定すればよしを貫いた。

    大政奉還、江戸城無血開城。歴史的にみれば、慶喜のこの偉業なくして明治維新は開かれなかったであろう。

    時勢に...続きを読む
  • 燃えよ剣
    土方歳三がひたすら格好良く描かれた小説なんだろうと思っていたら、良い意味で裏切られました。初っ端から女に走り(しかもなぜか高嶺の花狙い)、本気の喧嘩にお腹痛くなったり、遊んでるわりに本気のお付き合い苦手だったり、俳句のセンスが死んでたり。史実をもとに描いてるからもちろん完璧な人間ではないのだけれど、...続きを読む
  • 竜馬がゆく(二)

    竜馬が行く2

    作中に溺れそうになる、これからだ!
    胸の高鳴りを抑えながら進めよう。
  • 峠(上)
    いやあ、やっぱり司馬遼太郎はいい!
    河井継之助。幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。
  • 関ヶ原(下)
    義一本の三成と地道に戦略を一つ一つ遂行していく家康。上中を含めて、戦当日までの情景を鮮やかに浮き上がらせるとともに、下巻では戦当日の流れが、場所・時間ともに手にとるようにわかる。歴史が頭の中に流れ込んでくるかのよう。

    とにかく面白い。