司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 風神の門(下)
    あり得ない忍術が描かれていても、司馬さんが書くとそんな術があるんだろうな…とリアルに信じてしまいそうになる。これってつまり伊賀の目眩しで、一番の術使いは才蔵でも佐助でもなく司馬さんだったというお話です。楽しくて上下巻、一気読みしました。
  • 風神の門(上)
    数十年前から、友人が「面白いから」と勧められてたけど、忍者モノはなんだか…という喰わず嫌いが今日までこの物語を遠ざけてきました。もっと素直に彼の言うことに従っておけばよかったと思いつつ、アイツの言う通りにしたら「やろ!」というドヤ顔されるのもシャクなので、読んだことは内緒にしときます。さて明日からは...続きを読む
  • 城塞(中)
    読みやすさ ★★★★★
    面白さ ★★★★★
    ためになった度 ★★★★

    大坂方の愚かしさと徳川方の用意周到さ、現代でも人の波にもまれて生きていくさいの参考になる。
  • 胡蝶の夢(四)
    全4巻、幕末から明治にかけて医学の進展に奮闘した蘭医たちを描いた松本良順を中心とした群像劇。

    幕末、封建社会の因習に苦労しつつも、オランダ人ポンペから学んだ医学を武器に奮闘する人々。手塚治虫の「陽だまりの樹」でも描かれるテーマ。薩長や幕府からの視点の作品は多いが、いずれにも完全には属さない立場から...続きを読む
  • 城塞(上)
    読みやすさ ★★★★★
    面白さ ★★★★★
    ためになった度 ★★★★

    司馬遼太郎の戦国ものが好きでよく読むが、この作品も面白かった。
    大坂夏の陣や冬の陣については、具体的にそれがどういう事件なのか、どうして起こったのかということはほとんどわからなかったが、この小説を読んでよくわかった。
    小説なので...続きを読む
  • ペルシャの幻術師 2【電子限定特典付】
    蔵西さん渾身の、週刊文春連載漫画。絵がとにかくDetail が美しい、風砂の一粒さえも。
    マンガ本として少し大判なので美しい絵、構図、しっかり研究されている文化的背景、事物の描写が堪能できる。
    幻想的。
    蔵西さん最高。
  • 竜馬がゆく(八)
    「竜馬がゆく」の第8作目は、長い時を経て、龍馬の平和を願う気持ちが実を結んだ事を実感出来る巻だった。今回特に感じたのは、偉人と言われている人達も一人の人間である事に変わりなく、時には悩んだり行き詰まったりするという事である。その中で無我夢中になりながらも自らの進むべき道を模索し、一人一人を相手に自分...続きを読む
  • 竜馬がゆく(六)
    薩長連合を考えたときに、おなじ尊王主義の両藩がいがみあっているのはおかしい。考えが同じなら一つになるべきではないか、と思い、その方角から手を握らせようとした。観念や思想から入った。ところが竜馬は、利害関係から入っていく。薩長の実情をよく見て、利害が一致するところはないかと見た。
    「長州が可哀そうでは...続きを読む
  • 坂の上の雲(四)
    日本史としてしか知り得ていなかった日露戦争。
    その結果と背景しか知らなかったが、そのプロセスにはここまでも凄惨な生々しい戦争が繰り広げられていたとは。また、その上に自分たちの生活があることをありありと感じさせられる。
    日本人として読むべき一冊。
  • 最後の将軍 徳川慶喜
    読破。
    切ない、複雑。

    お芳のその先が気になった。

    彼は、もっと後世の、役者の家系に生まれるべきだった。

    そして彼でなければ、このポジションに生まれついて、ここまで生き長らえず、また歴史に一点の儚さを投ずることはできなかったのだろうと思う。

    賢さが無駄な"英雄道"を進ませず、その合理さが現世...続きを読む
  • 梟の城
    解説のなかで、女の忍者を「くノ一」というのは、漢字の「女」を分解した
    呼び方だというのを、この歳で初めて知った。
    武士の心理、戦国時代の忍者の心理、くノ一として育てられた女性の心理などが書かれている。
    本書を読んで、自分は封建制度の元に生まれていなくて、ほんとに良かったと思えた。
  • 関ヶ原(上)
    関ヶ原の戦いの流れがよく分かりました。
    徳川家康の戦略が凄すぎて、そりゃ勝つよなと思っていたけれど、戦いの展開が熱くて面白かったです。
    石田三成は残念な言動に歯痒くなる所もあるけど、結末を含めてとても好きな人物になりました。

    人物の描写、細かいエピソード、武将ギャグ含めて全部面白いまとめられていま...続きを読む
  • 国盗り物語(一)
    斎藤道三のまだ牢人の頃の話が好きです。
    特にお万阿とのやり取りが面白くて好きです。
    また、登場人物の心中を表現するのに、(あっ)を使っているシーンが多々出てきて大好きです。
    普通の人?が使ったらただの語彙量ない文章になるのに、司馬遼太郎だからこそ面白く深みのある(あっ)になるんだと思いました。
  • 竜馬がゆく(二)
    ここではさらっとした中岡慎太郎との出会い、江戸から土佐へ戻り、伊予、長州への外遊?や土佐勤王党のはじまり。岩崎弥太郎も登場したり、遂には脱藩。良く知る坂本龍馬イメージへのルーツみたいのが多いに感じられるワクワクする2巻でした。
  • 覇王の家(上)
    小説としての家康像は様々あって、好き嫌いを感じることもあったが、司馬遼太郎の本を初めて手に取り読んでみて、こういう歴史書があったんだと、今更ながらしみじみ感動した。
    下巻も続けて読んでいく。
  • 城塞(下)
    豊臣家滅亡に向かっていく夏の陣。
    豊臣方の牢人達が貫こうとする敗者の美学に惹きつけられた。毛利勝永の最期も描写してほしかったな。あと、上編で話を盛り上げたお夏の最期、あっさりしすぎてたのは残念。
  • 城塞(中)
    大阪冬の陣の前夜から合戦後まで。
    続々と入城してくる真田幸村、後藤又兵衛他牢人達のエピソードが面白い。
    徳川の間者になりきれない小幡勘兵衛をうまく語らせている。
  • 城塞(上)
    関ヶ原の合戦後、片桐且元の退去までを描く上編。徳川方、豊臣方の人物を小幡勘兵衛を通して浮き彫りにしていく。共感できるかどうかはともかく家康の心理描写が見事。
  • 空海の風景 上巻 (改版)
    完全な小説でもなくノンフィクションのドキュメンタリーでもないという難しいスタイルにもかかわらず、とても引き込まれました。本書を通じて題名通り空海がどういう人物であったか、空海がどういう風景を見ていたかということで、司馬遼太郎氏の執念のようなものを感じました。かすかな手がかりでさえ用いて空海がどういう...続きを読む
  • 空海の風景 下巻 (改版)
    上巻に続き一気に読みました。下巻では真言宗の創立と最澄との交流が中心的に書かれています。書かれている内容自体、当事者たちからするとタブー的なこともあるかもしれませんが、そこは司馬遼太郎氏の立場から、かなり自由奔放に思いのまま書かれていて好感が持てました。個人的には本書を読んで、まだ行ったことがない高...続きを読む