司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ江戸時代の鎖国政策により、欧米に比べれば稀にみる平和が300年続いた日本。
列強の植民地政策に依り、いよいよ日本も安穏としては居られなくなり、明治という時代が幕を開いた。
遅ればせながら西洋の物まねで、急速に近代化のピッチを上げた明治時代の日本。
巻頭は、このような背景から、いかに日清戦争が起こったかを解り安く解説している。
西洋の列強は後進国のアジアの国々を帝国主義という名のもとに支配下に置くことに、その食指を伸ばしていた。
列強はシナをその支配下に置くことを熱望していた。しかし、「眠れる獅子」と言われる清国を刺激するのは躊躇われた。
しかし、日清戦争により、その弱さを露呈した清 -
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上巻は秀吉の幼い頃からはじまり、「猿、猿」と呼ばれながら、どんどん頭角をあらわしていく様子が描かれています。
信長と秀吉のやりとりの面白さ(お互いの腹の探り合い)が際立っていました。秀吉が信長に仕え始めたころなんて、かなり激しいコントのよう!自分の出自や容姿へのコンプレックスも、生きる強さに変えてしまう秀吉に圧倒されてしまいます。親ガチャという言葉がありますが、秀吉が知ったら一喝されそうです。苦労人ゆえの人間味ある人物像が、これでもかというほど描かれていました。
秀吉は、出会う人々の良さを見抜き、しかも良いものを盗みとることの才能が卓越していると思いました。信長は、やはり怖いなあという感じ -
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日清戦争が起こり、当時の日本が戦争に挑むときの様子、緊迫感がビシビシ伝わってきた。
この2巻では、正岡子規が俳句の世界に大きな影響を与えていくところが描かれている。
病に侵されながら、血を吐きながら、研究に没頭する姿を感じて、自分の仕事に対する姿勢はどうかと振り返って読んでいた。
また秋山真之の言葉も印象的だった。
秋山真之が言う
「経験は必要だが、それによって智恵と同じだけ固定概念が染み付いてしまう。素人は新鮮な発想を取り入れて、時に玄人を負かしてしまう」
というような考え方が、今も通ずることだと感じる。
今、自分は会社内で新事業を始めようとしている。
素人は武器かもしれない -
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「男子は生涯一事をなせば足る」という言葉が印象的でした。
作中の人物の多くは立身出世を目指していて、時代もあってか勢いを感じる。
翻って、今はどうだろう?と考えていました。
「出世したい」「もっと給料がほしい」
そんな風に語る人は減っているように思いますし、かく言う私もそれらにはさほど欲がありません。
どちらが正しいということはないでしょうが、今となっては、本書で描かれるような「俺が世の中を動かすんだ」くらいの気概を持つことは大切なのかもしれないな、と考えた次第でした。
私にとっての「生涯をかけて成す一事」は何だろう?
常に考えて過ごしていきたいと思います。 -
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『坂の上の雲』の5巻。
この巻では、前巻から続く日露戦争の戦況が進み、騎兵に注目されている。
今回だけに言えることではないが、この作品を読んで痛感することがあります。
「慢心してはいけない」
ということです。
本書におけるロシア軍は、様々な場面で日本軍を侮り、国内の権力争いに明け暮れ、それが悪い結果に繋がります。
仕事においても同じことが当てはまりそうです。
自分たちを過信していては、正しい判断はできません。
正しく状況を把握しなければなりません。
また本来はお客様を見て仕事をするべきところを、社内の上司を喜ばせるために気を配ってしまっている。
そんなことはないでしょうか?