司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 菜の花の沖(二)

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    ▼2巻。嘉兵衛は乞食のような放浪民から兵庫で「船員さん」になる。まだまだ貧しい。ところが優秀である。フリーの特殊技能者としてごりごり出世する。このあたり、農村の秩序のなかで陰湿にいじめられていた前史に比べて、実に爽快に実力主義です。このあたりは、現代でも同じでしょう。なんであれ商売や生産や、工事や料理などの「現場、最前線」では、役に立つ立たないが、学歴や所属会社と関係なくずる剥けに見えてしまう。

    ▼そして嘉兵衛は、「フリーのイチ労働者」から、「船(ぼろだけど)という資本?を所有する商売人」へと変貌していきます。このあたり、言ってみれば出世譚ですね。多少のわくわくがありますが、それだけに流され

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    2023年12月31日
  • 城塞(上)

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    40年振りの再読。
    大阪冬の陣•夏の陣で陥落してゆく大阪城と豊臣家を描く。
    淀殿の戦さに対するトラウマと中途半端なプライド、大阪方に策謀をめぐらす家康と崇伝の大悪党ぶり、豊臣家家老の片桐且元の逐電などめちゃくちゃ面白い人間ドラマ。全3巻。

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    2023年12月31日
  • 新史 太閤記(上)

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    司馬遼太郎の本は初めて読んだ。
    秀吉の行ったさまざまなエピソードの裏で、恐ろしいほどに自分を蔑み、気を遣ってきたことなどが描かれていて、人物像がより深く見えた気がします。
    下巻も楽しみ。

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    2023年12月21日
  • 項羽と劉邦(上)

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    紀元前221年に春秋戦国時代の中国を統一し、秦王朝を打ち立てた始皇帝の末期から始まる本書。それまでの封建性に取って代わり、官僚制による各地を統治するという斬新な方法で全国を支配した。万里の長城を始めとする数々の大型土木工事を行ったが、これを実行する為に各地から労働力を徴用しつづけたことで民心は離反していた。始皇帝が死ぬと各地で武力勢力が蜂起する。宦官の趙高は胡亥(こがい)を担いで形ばかりの後継の皇帝とし自らがすべてを取り仕切る事に成功する。

    統制が乱れた地方では同じ様に各地域の旧王族を担ぎ上げた自称王国が多数誕生する。その中の一つが、江南の楚であった。項梁がかつての楚の王を血を引く男、羊の糞

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    2024年05月25日
  • 菜の花の沖(一)

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    さすがに名作
     「飛びあがった」など、機微は根底が俗に通じてゐるが、比喩の巧みさと語感の選択のうまさが内容を高らしめて、俗を俗たらしめてゐない。総じて名文といへるところが多い。

     展開もうまい。まさか歴史小説で嘉兵衛とおふさの恋愛に惹きつけられるとは思はなかった。

     初心者向けに用語を説明しようといふ気配りも大きい。

     至る所、感心しづくしであって、小説を書かうといふ作家は、歴史小説・純文学・ミステリ・SFの垣根なく、おしなべて読むべし。日本史の勉強にも小説の勉強にもなる。

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    2023年12月15日
  • 国盗り物語(二)

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    庄九郎(斎藤道三)の人間的な魅力がありありと書かれており、その魅力が作品を面白くしている。非凡な活力にまだまだ若いものだと思っていたら、実はかなり歳をとっていて驚いた。

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    2023年12月15日
  • 新史 太閤記(下)

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    家康が臣従し、ある程度近畿、関東の平定までの内容。

    相変わらず司馬遼太郎の読みやすい内容でペラペラと手が進んでしまった。

    九州、朝鮮への出兵はこの本では描かれていない。なぜなんだろうと考えた時、豊臣秀吉といえば確かにそれを物語る上で信長時代の出世。その後の豊臣政権確立までが秀吉だなぁと思った。九州、朝鮮出兵はあくまでその後の蛇足(すごい秀吉に失礼)秀吉の物語として描く必要はないのかなぁと感じた。

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    2023年12月10日
  • 街道をゆく 41

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    私は大の太宰治と縄文のファン。
    津軽と南部、それに斗南のこと・・・
    この本を読んで「北のまほろば」の意味がよくわかりました。
    本当にいい本です!

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    2023年12月04日
  • 坂の上の雲(八)

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    ▼エンタメと考えれば、この小説は(日露戦争は)いろいろあっても最後が日本海海戦で圧勝して終わるので、溜飲が下げられて素晴らしい。その、苦しい辛い中で最後スッキリというヤクザ映画的な語り口がこれまた上手い。海戦でも、まずは三笠が被弾しまくる描写も延々とやる。その次にロシア側の(日本軍と比べ物にならない)被弾を描く。そういう順番構成とか。上手い。

    ▼一つ勘違いしていたことがあって。ポーツマスの和平のあとで、日比谷焼き討ち事件がある。つまり民衆が「より戦争を、戦果を」と暴動を起こした。その戦慄の描写があって。そして、日本海海戦の完勝、その成果であるポーツマス条約。だがその中から昭和の戦争と完敗に向

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    2023年12月01日
  • 坂の上の雲(八)

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    日露戦争は日本の勝利と知っていたが、この本を読む事によって多くの両国の犠牲があった上でのことだと再認識させられる。

    最後の章の、真之が子規庵に行った場面は海上での戦いとのコントラストを強く感じた。他愛ない日常も、戦争のもとでの日々も同じ人間の生活の一部なんだと思った。

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    2023年11月27日
  • 坂の上の雲(七)

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    ▼奉天の戦い〜日本海海戦前夜。▼「坂の上の雲」の、「小説的ではない西洋歴史一般文章部分」を抜いたら、この上なく面白いのでは。なんだかんだ、外交のファクトを確認していくと、白人至上主義や各国の自国エゴが(当たり前だけれど)浮かび上がる。▼また、ロシアもドイツも結局は「遅れてきた新参者」だったから無理をする。日本も日露戦争で一応勝つことで「帝国主義的侵略者の新参者」として、なんというか、「一部リーグに昇格」することになる。講和が匂い立つこの巻あたり、そんな雰囲気が横溢。正義がどうこうではなくて、各自のエゴの問題です。善悪でもない。戦争だけではなくて人生万事その観点で、己と周りを客観視したいものです

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    2023年11月26日
  • 坂の上の雲(六)

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    ▼旅順を、あっという間に落としてしまう児玉さん。ここンところの描き方は天晴。ヤクザ映画の終盤のような、カタルシス。▼当然、戦闘ではなくそこに至る人間模様が滋味深い。確実に「坂の上の雲」で司馬さんが書きたかったことベストテンに入るくだりであろう。▼それにしても、たかが紙に文字がいっぱいあるだけなのに、そこに未知の山河で右往左往する幾万の軍勢が、その足元の凍てつく寒さまで感じられる。割と突き放した「半ルポルタージュ風」なのに。取材の情熱と、話題の並べ方。それに加えて、「感情的にならぬよう」と自分に叫びながら溢れ出ちゃう書き手の思い入れ。▼そうか、敢えて言えば「戦争と平和」トルストイ。アレも読み終え

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    2023年11月26日
  • 坂の上の雲(五)

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    ▼旅順が落ちない。なんともストレスである。ただ、通読3回目にして、司馬さんの「なんとなくの小説的意図」に気づく。司馬さんは旅順描写がストレスであろうとわかっていて、加減してはる。でも後でスカッとするためにはある程度ストレスも与えねばならぬ。▼司馬さんの取材もすごいが、それ以上に語り口がすごい。何かといえば「前代未聞」、「古今に例がない」、「史上初であろう」、みたいな文句が手を変え品を変え。それくらい、つまりは「面白いんだよこれ〜、ね?面白いでしょ?」、「この人物のこのエピソード、最高なんだよね〜、ね?最高でしょ?」ということ。▼これが逆に非難する場合も同じくになる。旅順の作戦司令部とか。▼とい

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    2023年11月26日
  • 坂の上の雲(四)

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    ▼日露戦争開戦。司馬さんは戦争が好きだ。ちょっと言い方が雑だけれど、司馬さんは戦争の細部や人間臭さが好きであろう。司馬さんは人間の明るさとか賢さとか合理性とか機能性とか合目的性とかが好きだし、そういうリーダーに率いられる人間の集団について、汲めども尽きない興味を持っておられる。▼そういうわけで、機械好きの子供がラジオを解体して仕組みを発見して喜び、そしてまた組み立てるように、司馬さんなりに明治日本と日露戦争を解体して検証しておられる。そして、司馬さんのような意では多くの人が戦争が好きであろう。「ガンダム」だって「銀河英雄伝説」だって「大河ドラマ」だって同じくでしょう。戦争が好きなのは男子が多い

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    2023年11月26日
  • 坂の上の雲(三)

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    ▼正岡子規は本編の三人主人公の一人だが、3巻目で死んでしまう。秋山兄弟もそうだけれど、上回るくらいに司馬さんは正岡子規が大好き。その「好き」が泣けてくるような3巻目。それはまた「ひとびとの跫音」になっていく。▼そうだった、十代の頃に「坂の上の雲」を読んで、短歌俳句に興味を持ったんだった。正岡子規の「俳諧大要」とか岩波で買って読んだんだった。

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    2023年11月26日
  • 坂の上の雲(二)

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    ▼2巻は好古・真之・子規を追いつつ、日清戦争勃発。▼結局、秋山兄弟は貧乏のために軍人になる。正岡子規は貧乏とは言えない。なので軍人にはならぬ。単に出世を目指すが落ちこぼれて文学を目指す。その際に「"初めて世代"は良いなあ。大したことなくても世に出れた」と、嘆き羨む。これはほぼ、「西洋化」の第一世代か。▼結局、正岡子規は、アメリカ開拓時代終盤の移民者が必死に空き土地を探すかのように、自分の居場所を探して俳句・短歌の文学評論にたどり着く。▼このあたりの心情は、デジタル化という現今の変化でも、似たようなことがあるんだろうなあ。

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    2023年11月26日
  • 坂の上の雲(七)

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    まずは、6巻まで文字が小さくて読むのに苦労した。この7巻だけは新装版なので文字も大きく読みやすい。8巻はまた字が小さい(;_;)
    (坂の上の雲。義父から借りもののため)

    バルチック艦隊がようやく日本海付近にやってきた。クライマックスに向けて盛り上がってきた。
    それにしてもバルチック艦隊のロジェストヴェンスキーって司令長官にふさわしくないなぁ。

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    2023年11月21日
  • 項羽と劉邦(下)

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    上、中、下巻あるけれど是非。
    10年以上前に初めて読んで、2、3年前にもう1回読んで普通に面白かった。
    たぶんいつか、また読みそう。

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    2023年11月20日
  • 関ヶ原(上)

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    上中下とすべて読んだ上での感想だが、上が一番面白かった。関ヶ原の前に、ここまでの工作が行われていたとは。
    徳川家康の狸親父っぷりが憎い。しかしこれくらいできないと、天下など手にできないし、手にできても収められないんだろうなも感じた。

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    2023年11月16日
  • 国盗り物語(一)

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    半分くらい恋愛/官能小説の感がなくもないが、斎藤道三(庄九郎)の人間味が面白く、一気に読めた。戦国作品はほぼ触れてこなかったが、特に理解が難しいところもなく、初めてでも楽しく読むことが出来た。

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    2023年11月15日