司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 峠(中)
    p.20
    「あいつは私情も私心も捨てているだけでなく、命もすててかかっている。そういう男に、文句のつけようがない」
    p.207
    (なにごとかをするということは、結局はなにかに害をあたえるということだ)
    p.516
    「とにかく意見がこうもまとまらないと」
    「意見じゃないんだ、覚悟だよ、これは。
    「覚悟...続きを読む
  • 街道をゆく 6
    司馬さんの本は小説しか読んだことがなかったんですが、紀行本がこれほど面白いとは思いませんでした。内容自体もですが、ちょいちょいこちらの鳩尾を的確に衝いてくる表現が出てくる。須田さんの糞便のくだりは爆笑してしまいました(4Pも割く話なのかと…笑)。
    ところでこれは40年以上前に書かれた本ですが、本土の...続きを読む
  • 城塞(上)
    大阪城内の女社会を鮮やかに描き出し、徳川と豊臣の板挟みになる片桐市正の苦悩と、家康とその取り巻きの悪知恵が、非常に分かりやすく書かれている。
    絶えず機会を狙い、勝つべくして勝った徳川家と、滅ぶべくして滅んでいく豊臣家の没落をこれほどまでに分かりやすく書いている書を私は知らない。
    上巻は、まだ冬の陣の...続きを読む
  • 坂の上の雲(四)
    1巻から読んできたが、4巻が一番面白かった。

    海軍→黄海海鮮
    陸軍→遼陽、沙河、旅順要塞総攻撃


    ユダヤ人との繋がり、下瀬火薬、
    バルチック艦隊が英国漁船を誤って攻撃した話など、知らなかった事実を知れた。

    といっても、戦場は悲惨。


    食料や弾薬不足、合理性のない命令、失敗を学ばない総攻撃で何...続きを読む
  • ペルシャの幻術師 1
    細密画のような緻密で華麗な表現で蘇る、司馬遼太郎のデビュー作。
    謎あり、ロマンスあり、戦いありの物語を彩るキャラクターが忠実かつ生き生きと描かれ、新しい魅力を発見できます。
    もちろん、原作未読でも十分楽しめます。
    上空に渦巻く雲、砂をはらんだ風、陽射しの強い市場とは対照的な暗い宮殿内など、物語...続きを読む
  • 尻啖え孫市(下) 新装版
    雑賀孫一の一向一揆から最後亡くなるまで。
    駆け抜けるような一生、読み終わるのもあっという間だった
    タイトルにもなっている「尻啖え」って織田信長に対してということで妙に納得してしまった
    あっけない最後に関しては本当に謎だけど
    暗殺されたのか、はたまたどこか患っていたのかさえ謎
    痛快で剛毅、司馬遼太郎が...続きを読む
  • 項羽と劉邦(上)
    キングダムにハマり、中国の歴史に興味を持ち読み始めました。 どの視点で物語を見るかによって感じ方も大きく変わりますね。 司馬遼太郎さんの歴史小説は面白く、次に進みたくなりますね!
  • 花神(中)
    明治維新の長州藩の雰囲気がつたわってくる。村田蔵六は中国春秋時代の孫武のような思考をするんだなぁ。それにしても司馬先生の知識量と詩情豊かな表現力にはいつも驚く。
  • 新選組血風録 新装版
    『長州の間者』
    物語は京都浪人深町新作が琵琶湖の竹生島弁財天参拝へ向う船中で合う男女の縁から始まる。その後長州の間者として新選組に入隊するが、物語の最後に新作の懐中から出てきたものは?
    『池田屋異門』
    「腰ぬけの将監の曾孫が、なにやら義士の子孫とか自称して歩く歩くおのれを討つ。討入りはおのれのほうの...続きを読む
  • 項羽と劉邦(下)
    将の将たる人と将たる人の違い。でもやっぱり将として優れていないと、将の将たる人にはなれないということもあるし、常に変わり続けるしかないのだなと。
  • 新選組血風録 新装版
    高校時代に読んだにも関わらず、大人になって読むとこうも味わい方が変わるのか、と。
    日本史嫌いの学生時代とは180度変わり、歴史を知る面白さを分かるようになってから読む歴史小説の味わい深さよ。名作が沢山あって嬉しい。

    昔はミーハー丸出しの如き沖田好きでしたが、大人になると土方さん素敵と思うようになり...続きを読む
  • 新装版 妖怪(上)
    久々の司馬遼太郎。今回は短め・室町時代の物語をチョイス。いやーやっぱり面白い…!ページを捲る手が止まらなかった。タイトル見て「何読んでるの…?」と夫は少し心配していたけれど。笑 下巻もすぐ読む!
  • 覇王の家(上)
    久々の司馬遼太郎。昔と違って、地名が出た時に検索すればすぐスマホで確認できるので、物語りが頭に入ってきやすくて、読み応えが上がったように感じた。
  • 馬上少年過ぐ
    いかにも司馬遼太郎らしい、戦国〜幕末の梟雄を描いた短編集。地元でも賛否が分かれる河合継之助、仙台の英雄伊達政宗、伊予の伊達家の御殿医であり家老にもなった重庵。時代に早すぎた、遅すぎた、場所が違ってたら、、、などなど、たらればを言ったらキリがないが、ロマンを掻き立てられるし、同情も禁じ得ないし、なんだ...続きを読む
  • 世に棲む日日(二)
    第1巻は『燃えよ剣』等と比較して、ややストーリーが平坦な印象を受けたが、第2巻は激動の幕末そのものと言える内容。吉田松陰から高杉晋作へと思いは受け継がれ(と言うほど単純なものではないが)、久坂玄瑞、桂小五郎といった志士たちが次々と登場してくる。
    史実である点で概ねの展開は分かるのに、目が離せないスト...続きを読む
  • 尻啖え孫市(上) 新装版
    雑賀孫市の話。
    こんなに傾いてたらさぞ、舞台である戦国時代に凄かったんだろうなぁと妄想しながら
    歴史小説、読み応え充分。
    鉄砲の名手なのは知ってはいたけど、半生に関しては全くと言っていいほど知らなかった
    石山本願寺の一向一揆のちょっと前までで上巻は終わり。
    こんなに面白い人ならもうちょい前から調べて...続きを読む
  • 燃えよ剣

    映画をみた後でも読むべき

    映画!おおしろかったです。でもこまかな人物像は本でないと伝わらないです。ぜひ読む事をお勧めします。司馬ワールド最高です。
  • 最後の将軍 徳川慶喜
    「円四郎までよく申しておく」 と、言いすて、馬主をめぐらせて去った。…その時渋沢はこの貴人のために身命をなげうちたいと思った

    ○大河ドラマ『青天を衝く』でも有名な場面。司馬遼太郎が徳川慶喜から見た幕末から維新をどう描いたか、いくつかの場面で確認するために久方ぶりに再読しました。


    「薩人の奸謀は...続きを読む
  • 燃えよ剣
    とても良かった。映画を観て、映画も良くて再度読んだ。
    土方歳三は自分の信念や道を貫き通した人だと思った。周りに何と言われようとも自分を貫く姿はどこか羨ましく格好良い。
    京都での華やかな活躍、池田屋事件などからだんだんと暗雲が立ち込め、近藤勇の断首、沖田総司の病死のシーンなどはとても悲しくなった。そん...続きを読む
  • 国盗り物語(四)
    明智光秀の不器用さ、織田信長のパワハラ上司っぷり、自分に重ねて泣ける。
    もっと楽しくラクに生きられなかったのか。
    その性格、その時に置かれた状況、最良の方向を各々が進み、それらが偶然に重なり合った結果が人生であり歴史になるのかな。