幕末の動きを幕府側・特に慶喜視点で描かれており、これまで長州・新撰組・土州(というか龍馬)視点で見てきた幕末を違う角度から見れた。特にこの作品は竜馬がゆくの直後に書かれたということもあり、内容・表現もリンクしていて、非常に面白かった。
慶喜という人は、これまでの幕末物語で読んで思い描いていた像(弱腰等)とは違っていた。私利私欲⇔国家存亡という単純な構図でもなく、そこには純粋な貴族としての性格があるのかなと思った。
300年の徳川幕府歴史を閉めるために生まれてきた男、大政奉還・王政復古後の隠居生活も含めて、男として潔さが格好良い。