司馬遼太郎のレビュー一覧
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大村益次郎の生涯を記した司馬遼太郎氏作の小説。靖国神社の参道のほぼ中央に銅像があり学生の時からこの像も、この人も気になってました。今回初めて人となりを本を通して知りました。幕末はほんとに面白い。ほんの数年の間に日本が変わってしまった、と思っていたら、それには背景があって、バトンを渡すようにその時その時の人物が役割(未来の私達が評価する上での枠組みかもしれない)を果たして、結果明治維新が成功した。
長州藩はそれがはっきりしていて、吉田松陰、高杉晋作、大村益次郎だったんだと、司馬先生は書いている。
また、人となりとして、医師として、翻訳家、技術者、軍人として、職業は違えど全て同じ考えをもって取組 -
Posted by ブクログ
読破。
切ない、複雑。
お芳のその先が気になった。
彼は、もっと後世の、役者の家系に生まれるべきだった。
そして彼でなければ、このポジションに生まれついて、ここまで生き長らえず、また歴史に一点の儚さを投ずることはできなかったのだろうと思う。
賢さが無駄な"英雄道"を進ませず、その合理さが現世の人心を汲まず、後世にだけ語りかけた。
時に惹かれて、時に憎く、また最後には儚い。
飯盒で自ら炊いた晩年の彼の飯に、ご相伴に預かってみたかった。
そのシーンが一番沁みた。
臣は将に振り回され、将は時代に振り回されるの図。
この世に、「我が人生を生きた」と満足して死んでゆ