司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    合理性を追い求めた米露に対して、偏ったこだわり(見た目の美しさ、ディーゼルエンジン)で戦えない戦車を作らせた旧陸軍。
    目的の達成のための理性的な判断よりも思想的・抽象的な考え方を好んだ軍司令部。
    それらは今の社会にも連綿と受け継がれているという気がする。
    無駄な資料、無駄な会議、狭いこだわり、属人化した仕事。
    けれど一方で、合理性を追い求めるだけでは物足りないのもまた事実。目的を達成するための合理的判断と、付加価値としてのこだわりや理想の境を明確にし、本当に捨てられないもの(それは魂に通ずるかもしれない)の立場を明確にすることこそ必要なのではないか。
    戦時中、軍の無茶な作戦に不満を漏らす者はい

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    2024年12月20日
  • 翔ぶが如く(一)

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    「翔ぶが如く」第1巻は、明治維新を詳細に描いた全10巻シリーズです。この第1巻では、川路と桐野、西郷隆盛の偉大さとその離反の理由、征韓論、島津久光、薩摩隼人等がテーマとなっています。

    まず、川路と桐野の対立が描かれています。謹厳実直な川路と豪放磊落な桐野の対照的な性格が興味深く、彼らの行動は相手との間合いを保つことで偶発的な戦闘を避ける姿勢を学ばせてくれます。

    次に、西郷隆盛の偉大さとその離反の理由についてです。西郷は部下や敵対した藩に対しても尊大な態度を取らず、その謙虚さから庄内藩に西郷遺訓が残りました。しかし、黒田や川路はヨーロッパを見た後、西郷の魅力が薄れたと感じました。新政府の腐敗

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    2024年12月17日
  • 燃えよ剣

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    土方さんカッケェーーー!!!
    いままでなんとなく歴史もの避けてたけど、すごくドラマティックでエンタメとして面白いし、実際の歴史を下敷きにしているぶん興味深い。ありがとう司馬遼太郎。

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    2024年12月14日
  • 国盗り物語(二)

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    女でも店でも国でも、綻びをみつけてスルスルと入っていって最後は奪ってしまう、という構造的な繰り返しがとても面白い

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    2024年12月04日
  • ひとびとの跫音 下

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    ネタバレ

    著者が「坂の上の雲」を書き始めていたころ、「大阪の料理屋にこの作品に登場するひとびと(正岡子規・秋山好古・真之)のお子さんたち(と言っても54歳~72歳)に集まってもらった。このことは取材というものではなく私としてはかぼそいながらも儀礼のつもりでいた。見も知らない人間が自分の父について書くというのは、気味悪さがあるだろうと思い、せめて作者の顔を知っておいてもらいたいと思ったのである」

    その後、そのメンバーのうちの正岡律(子規の妹)の養子となった正岡忠三郎氏夫妻と、彼の旧制二高時代の親友であった「タカジ」(詩人:ぬやまひろし=本名:西沢隆二)らとの交友を描く物語である。

    恐らくこの本を読んだ

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    2024年12月03日
  • 梟の城

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    歴史作家として名高い作者だが、初期には伝奇小説で山田風太郎と人気を二分していたとか。その頃の傑作であり、直木賞受賞作。忍者の手に汗握る心理、頭脳戦が素晴らしい。史実を絡めた見事な結末は後の歴史作家としての片鱗も窺える。

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    2024年12月02日
  • 坂の上の雲(八)

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    戊辰戦争後の明治時代を、正岡子規、秋山兄弟を主人公にして描いた作品。
    日清日露戦争が特に中心になっており、陸軍の秋山好古と海軍の秋山真之が中編からは主軸となっていた。
    文庫本全八巻と非常に長く、読むのに時間がかかったが、全体的には非常におもしろかった。
    とくに日露戦争の戦術面での勝因を明確に記載しており、わかりやすかった。

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    2024年12月02日
  • 竜馬がゆく(一)

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    読む手が止まらなく、一気読み。

    過去に大河ドラマの龍馬伝を観ていたから、少しだけ知っているつもりだったけど、改めて読んでみたらまぁ面白い!

    変わった人だったんだなぁ
    この時代に、色々なものに好奇心を持って挑戦していくのはかなり勇気のいることだと思うけれど、自分の好奇心に素直になれるのが羨ましいと思った。。

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    2024年11月28日
  • 菜の花の沖(六)

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    嘉兵衛がペトロパブロスクに連行されて、国後島に戻ってくる。ちょっとした折衝があって、ゴローニンが解放されて別れとなる。

    ロシアでの生活や日本での交渉など、全てが面白い。一気に読んでしまった。

    ロシアも嘉兵衛を人質にできて大変幸運だったろうと思う。嘉兵衛以外に務まる人はいなかったのではないか。

    それにしても、最期の言葉とかは史実なのか気になった。

    読んでるこっちも胸が熱くなる展開で、文句なく最高のロマンスである。

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    2024年11月24日
  • 峠(下)

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    誰よりも早く洋式を取り入れた継之助。
    一方、志や思考・思想は誰よりも武士だった継之助。特にこの下巻ではその色が濃くなる。

    継之助は完璧主義でもなければ適当主義でもない人なのだろうと思う。あえていうなら最適主義といった人物。

    複数の方が書いているが、幕末や明治維新の時代、学校の勉強ベースや歴史の書籍ベースだと、殆どといってよいほど、倒幕側の目線、あるいは幕府側の目線で書かれている。それがこの『峠』では長岡がとった『中立の立場』として描かれており、同じ時代でも全く違った世界を知ることが出来る。

    峠の主人公である河合継之助、同じ時代を生きた坂本竜馬、うつけと言われた信長、皆若い頃は総じて周囲か

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    2024年11月04日
  • 峠(下)

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    北越戦争、こんな歴史があったとは。
    戊辰戦争、無血開城以降は函館までほぼ素通りしてたけど、こんな人が長岡にいたんですね。
    結果的に批判されるのはやむなしとしても、その粋は美しいし、結果については運の巡り合わせにもよるのかなと思う。

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    2024年11月04日
  • 竜馬がゆく(一)

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    竜馬が生き生きと描かれていて面白いです。ペリーの襲来や南海トラフ地震の記述もあり、改めて勉強になります。

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    2024年11月01日
  • 竜馬がゆく(八)

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    全8巻を読み終わっての感想

    竜馬の凄いところは、この時代にあって世界という大局観を持っていたことに尽きると思う。まだこの本を読まず、何となく坂本龍馬のことを知っていた時は「薩長同盟の立役者」「北辰一刀流の達人」「昔はアホだった」位の認識しかなかった。もちろん小説だということを認識した上で、英仏が日本を狙ってることを認知し、幕府の体制は既に腐敗し限界だったことを説き、尊皇攘夷でも佐幕でもなく近代化への絵図を諸藩の英雄に認めさせ、仲間を増やして討幕に至る。この流れが非常にスリリングであった。竜馬には多くの人生の師匠が登場する。乙女姉さんを始め、千葉貞吉、勝海舟、松平春獄などなど。特に勝海舟から受

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    2024年10月23日
  • 手掘り日本史

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    司馬遼太郎作品の活字の奥に、こんな深淵が広がっていることを改めて認識し、彼の作品の面白さや魅力に納得。
    史観だけでなく、文化、民俗、宗教含め総合的な洞察が語られていて、歴史小説に興味がない人が読んでもとても勉強になると思う。

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    2024年10月18日
  • 街道をゆく 38

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    とても面白かった。街道をゆくシリーズを初めて読みましたが、司馬遼太郎の巨人さたるや、造詣の深いこと。

    北海道の文化の系譜がよく分かりました。
    北海道は、日本は、昔から北方からの影響も受けていて、ルーツを知る上で非常に興味深かったです。今度、オホーツク側へ足を運んでみたいなぁ。

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    2024年10月17日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    明日からの兵庫城廻りに向けて、姫路城ゆかりの小説を検索した結果、黒田官兵衛が主人公ということも知らず読み始めた本。黒田官兵衛のことを全然知らなかったけれど、こんなすごい人がいたということに驚いた。戦国末期を秀吉や信長ではなく別の角度から詳しく知ることができ、とても面白かった。またいつか岡山の城巡りをする時には福岡村を訪ねてみたい。

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    2024年10月11日
  • 峠(上)

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    継之助を見ていると、きっと今の時代に生を受けても大物になっていただろうと思います。

    日本人は性質上、昔からステレオタイプな人種なのかなと思うことが作中でも散見される中、継之助は物事の原理・本質を見極めることが出来る人物。

    幕府の非常警察である某組が有名な事件に関わることで上巻が終わりますが、いよいよ継之助が本領発揮しそうな中巻以降が楽しみです!

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    2024年10月09日
  • 最後の将軍 徳川慶喜

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    天によって登場させられた人物


    馴染みのない単語や厄介な言葉の羅列しかない今作だが、これほどまでに面白さがあるのは、やはり司馬遼太郎その人のおかげである。

    徳川慶喜を歴史の授業で習ったのは小学生の頃。当時は坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟の物語に魅せられ、徳川慶喜など敗者くらいにしか考えていなかった。
    しかし、今作を読んで別の一面があると思った。

    それは"宮廷史劇"ぽいところである。
    このやりすぎなくらいの物語が現実で実際に起き、他の人物と照合しても辻褄の合う面白さに興奮を隠せない。
    理解者のいない苦悩とそれをものともしない胆力。
    羨ましくもあり悲しい慶喜の人生に初めて魅せ

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    2024年09月27日
  • 竜馬がゆく(七)

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    竜馬がゆく全8巻読み終わりました。
    壮大で波乱万丈な幕末。竜馬がすごく魅力的ですっかりファンになりました。幕末志士たちが日本のために奔走して闘っている姿に胸熱でした。新撰組との対立は胸痛でした。最終巻、やはり辛かったです。寂しい。

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    2024年09月16日
  • 坂の上の雲(八)

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    【30年ぶりに読む「坂の上の雲」】
    最終第八巻は「敵艦見ゆ」「運命の海」「雨の坂」など。
    「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ(p35)」
    有名な日本海海戦開戦前の電文はやはり心動かされる。思い立って30年ぶりに全八巻という“一大叙事詩”を読み終えた感想としては、明治日本の若さと日本人の勤勉さ真面目さが眩しい!どうしても成熟した令和日本と比べてしまうが、どちらが良い悪いというものでもない。真之が作文した「聯合艦隊解散ノ辞」の結びの言葉である“勝って兜の緒を締めよ”は日露戦争やジャパン・アズ・ナンバーワン後の日本がもっと意識すべきだったな。

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    2024年09月15日