司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 関ヶ原(上)

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    池波正太郎の真田太平記に出てくる徳川家康と本多忠勝、加藤清正等の印象とはまるで違うのが面白い。司馬遼太郎のこの登場人物は好き、コイツは嫌い、と言うのも興味深い。

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    2025年11月13日
  • 坂の上の雲(一)

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    明治初期からの日本の変化、伊予松山や、大阪、東京の様子を、正岡子規や、秋山兄弟の軌跡を追いかけながら知り、感じることが出来、想像しながら読んでいる。小説とはいえ、当時の日本人の価値観と、現代の価値観の差を考えると、ベターになったものもあるし、なくなったものもたくさんあるなぁと思う。特に、明治は武士の心が色濃く残っているのがとても興味深い。これから日本がどのように近代化をさらに進め、国際社会に足を突っ込んでいくのか、続きを読むのが楽しみ。

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    2025年11月02日
  • 街道をゆく 40

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    「街道をゆく」シリーズ、ついに台湾。「週刊朝日」に1993年7月から94年3月まで連載。台湾取材は93年の1月と4月。司馬遼太郎にとっては、最後の海外取材になった。
    「紀行」と聞くと、なにやら優雅な旅の思い出を連想するが、本書はさにあらず。かなり重い歴史紀行。しかも訪ねる先々で、みなが涙を流す。司馬はそうした自分たちを「涙袋」と称する。これまでの「街道をゆく」シリーズにはなかったような光景が展開する。
    冒頭に登場するのは葉盛吉。司馬と同じ1923年の生まれ。日本統治下の台湾で育ち、旧制二高(仙台)を経て東大医学部入学、そして敗戦。帰台し、台湾大学医学部を卒業、マラリア研究所で研究するも、50年

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    2025年10月31日
  • 世に棲む日日(四)

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    吉田松陰という人が真の変態であり、真の革命家だったのだなという学びがある。一般的な人物像とはかなり違うのが発見だった。また、彼が日本一周していたという話は驚く。前に東北で旅した時にたまたま吉田松陰の碑を見つけ、こんな所まで来てたのかと思ったものだ。
    吉田松陰、高杉晋作ともに早すぎる死。明治を待たずして江戸時代の世に棲むまま居なくなってしまったが、幕末のカリスマとしてこれからもその存在が語り継がれる。

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    2025年10月22日
  • 花神(下)

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    YouTubeでは、大久保利通と大村益次郎と会談があって、徴兵制を大村が主張する一方で、大久保が武士階級が消滅するので反対した場面があったけど、本は載って無かったね。あと、大村益次郎は、農民医者だったんだから、刀を差しているのは、違和感があるな。

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    2025年10月19日
  • 竜馬がゆく(四)

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    激動期のリーダー像

    四巻は土佐藩で佐幕派が復権し坂本竜馬の盟友とも言える武市半平太が捕縛されるなど、狂風怒濤の展開であった。🐉さて本巻では、幕末のような激動期のリーダー像について、二つの選択肢を示す。一つ目は「先頭に立って時勢を切りひらいてゆく」タイプ。二つ目は「流されっぱなしになってゆく」タイプである。ありきたりな一つ目のみならず、二つ目を良しとするところこそ、司馬遼太郎の小説が凡百の自己啓発書を上回る所以だろう。🐉先年のコロナ渦における職場の状況を思い起こすと、実に的を得た指摘であった。🐉

    #タメになる

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    2025年10月15日
  • 坂の上の雲(四)

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    乃木希典さん、伊地知幸介さん、毎月26日に決まって銃剣突撃を繰り返させて、2万人以上の兵を死傷させたとある。しかもロシアにバレバレだったというのも、たまらないな。

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    2025年10月13日
  • 竜馬がゆく(八)

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    これまで幕府と薩摩藩との争いが繰り広げられ、両者ともに消耗していったが、遂に第15代将軍徳川慶喜は大政奉還を受け入れた。これにより徳川幕府は幕を閉じ、朝廷を中心とした新しい時代の幕開けとなる。それまでの過程で、本作の主人公坂本竜馬はペリー来航をきっかけに次の時代に向けて、幕府側と倒幕側の人々に出会い、独自の思想を確立する。その後、無駄な争いをできる限り避けるために交渉にあたり、何とか無血開城のきっかけを導いたというように、竜馬の人たらしぶりが発揮される。結局、竜馬は新しい時代を目の当たりにすることなく何者か暗殺されてしまったが、彼の活躍のおかげでいくつかのことが達成された。

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    2025年10月12日
  • 竜馬がゆく(七)

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    ネタバレ

    長州藩と薩摩藩との対立を解消するように調停した竜馬は、幕府の政権を朝廷に返上する案、すなわち大政奉還を案出する。日本を欧州列強から守り、なるべく早くかつ内乱を避けるために、竜馬はさまざまな人脈を通して実行を図ろうとする。

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    2025年10月12日
  • 坂の上の雲(一)

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    初めての司馬遼太郎。
    もともと学校の授業では日本史が好きだったがこれまで小説を読むという習慣がなかったため、作家の名前は知っていたものの読む機会がなかった。
    この一年、色んな本を読み漁る中で、今村翔吾氏の作品を通じて歴史小説、時代小説の面白さを知り、また小説を読むことで当時の時代風景や人の価値観を感じれることに魅力を感じ、
    歴史小説といえば司馬遼太郎でしょ!ということで
    この本を買ってみた。
    やっぱり面白い。文体は硬く話のテンポは細かく感じ難しく感じるところはあるが、随所に刺さる言葉や当時の価値観を強烈に表現されていて読み応え抜群。
    特に弟が兄に「人間とはどう生きるべきか」との問いに「難しく考

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    2025年10月04日
  • 竜馬がゆく(六)

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    ネタバレ

    倒幕という風潮が高まるものの、依然として長州藩と薩摩藩との対立が解消されない。このままでは欧米列強による支配も時間の問題だった。そこで竜馬が両藩の同盟へ導くために交渉するが、その一方で幕府も本格的に京を監視しているので、いかに監視下をくぐり抜けて目的を果たすのか。第六巻でもそんな緊張感が常に続いていく。

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    2025年10月04日
  • 竜馬がゆく(五)

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    ネタバレ

    長州、薩摩の動向を探った幕府は、彼らを処罰するために新選組を動員して、池田屋、蛤御門など血みどろの戦いが発生した。そんな物騒な出来事が続いているが、竜馬は相変わらずに船のことで色々と取り組んでいた。しかし、幕府の意向で神戸海軍塾は解散させられてしまい、竜馬の意志ではどうしようもできなくなった。

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    2025年10月04日
  • 竜馬がゆく(三)

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    ネタバレ

    脱藩を決意して浪人となった竜馬は幕府側に仕える勝海舟に出会い、それにより竜馬はこれまでの考えを改め、独自路線を進む。攘夷か開国どちらを取るべきかと争うなかで、竜馬は船に関心を持ち始め、学問に精通していない彼がどのようにこれらの知識を吸収していくのかは注目どころ。

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    2025年10月04日
  • 竜馬がゆく(一)

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    ネタバレ

    幕末という動乱期に活躍した坂本竜馬の生涯を描いた歴史小説。竜馬は12歳になっても寝小便をしてしまい、それで近所の子どもにからかわれる。また気が弱い為、相手を言い返すこともできず、泣くことが多かった。しかも父親や兄からは白い目で見られる、というように坂本竜馬は最初から優秀な人物ではなく、さまざまなコンプレックスを抱えていた。それでも、姉の乙女はそんな彼を母親の代わりして支えており、そのおかげで彼は少なからず救われた。そんな彼は、黒船来航という前代未聞の事態を目の当たりにしたことで、今後どんな行動を取るべきかという決断を迫られる。

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    2025年10月04日
  • 竜馬がゆく(三)

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    坂竜飛騰目前🐉

    三巻では、いよいよ竜馬が、師の勝海舟と後年の妻おりょうと出会う。竜馬の人生の転機である。🐉さて、著者の司馬は、本巻において、竜馬とメタな会話を展開する。司馬にしては珍しい小説技法である。🐉また、いつもながらに警句鋭く、「古今、一流の人物で暗殺に手段を訴えた者があるか(ない)」と指摘するほか、「株式会社」とは「金のあるやつは金を出し、仕事のできるやつは仕事をする」組織と面白く定義づける。🐉そして本巻最後で、竜馬は越前福井侯松平春嶽から五千両の大金をゲットする。「坂竜飛騰」の機会は目前に迫る。🐉

    #アガる

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    2025年10月04日
  • 竜馬がゆく(一)

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    こんなに面白い小説が出ているのだから、史実以上に坂本竜馬が評価され、人気なのは当然だ。
    読んだのは何年も前だが、全8巻、手が止まらなかった。
    ずっと私の中で1位の小説。近々読み直したい。

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    2025年09月28日
  • 風神の門(下)

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    抜群におもしろかったです。伊賀忍者と甲賀忍者の対比を交えながら、徳川方の風魔獅子王院との決闘も魅力的に描写されています。紙面上で作中の登場人物が本当に動いてるかの如く、読者に相続させる筆致力が凄まじい。

    「わしは生涯、行く雲、流るる水を相手に生きてゆく」

    「従いはせぬ。霧隠才蔵は、あくまで天下一人の霧隠才蔵じゃ。たれの所有物でもない。(後略)」

                『風神の門(上)』より

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    2025年09月27日
  • 世に棲む日日(四)

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    前半が吉田松陰、後半が高杉晋作についての話。驚くのは、高杉晋作が幕藩体制の中で、幕府の攻撃に打ち勝っただけでなく、その行動によって新しい価値観と体制の日本を革命的に創り出していたこと。本当の天才だったんだろう。若くして死んだのは残念だけれど、この本を読むと、明治政府に入っても、直ぐに新政府に絶望してしまったような気がする。人にはその人に与えられた使命と寿命があるのかもしれないと思った。

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    2025年09月26日
  • 竜馬がゆく(二)

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    教育者と男色をディスる。

    二巻は竜馬の土佐帰郷と学問修得そして脱藩までを描く。🐉なぜ勉強をするのか、勉強の弊害とは、最重要科目は何かなど、作者司馬は登場人物達を通じて、自分の想いを披露する。驚くべきは教育者の評で「他人を採点し、侮辱し、いたずらに劣等感のみを植えつける存在」と酷く厳しい。学校教諭は真っ青である。🐉また、衆道(男色)に対し「戦国の悪風」であり、蛮風、悪趣味と手厳しい。現在(令和期)と異なる本書著作時(昭和後期)の世情を表しているのだが、価値観の変転の凄まじさに驚かされた。

    #深い

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    2025年09月25日
  • 竜馬がゆく(一)

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    坂本竜馬vs木戸孝允

    波瀾万丈の幕末を舞台に、明治維新の道筋をつけるという大事業を成した青年坂本竜馬を描く大河小説。🐉一巻は竜馬の江戸剣術修行を描く。終幕は桂小五郎(木戸孝允)と達人同士の一騎打ち。竜馬の豪放にして精緻な剣技と桂の俊敏苛烈な乱撃の描写には目が眩むようだ。🐉また、司馬らしい絶妙好辞の歴史譚も佳い。「近代日本の出発」は「(黒船の)艦載砲が、火を吹いた瞬間から」とする詩的な評には、心奪われた。🐉全八巻の長編を大いに楽しみたい。

    #アツい

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    2025年09月25日