司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新史 太閤記(上)
    泣かぬなら泣かせてみせようというのは本当によく言えているなと思う。秀吉の性格や人間性、商人気質や企画力がありありと描かれている。これほど卑賤から身を興していたとは知らなかった。
  • 坂の上の雲(八)
    クライマックスが一番スピード感あって面白かったから7巻は数ヶ月かかったのに最終巻は2週間半で読み終えました!とはいえ本編だけなので残すところ50ページ近くあるあとがき集を読み切ろうと思います。あとがきは筆者の考えなど当時の事情に寄り添っていたので考察の参考になりそう。
  • 最後の将軍 徳川慶喜
     日本史上の劇的な革命であった明治維新を題材とした小説は多いがほとんどが維新側から見た歴史ばかりで、維新側の視線で当初劣勢であった薩長側が、どのように情勢をひっくり返し維新を成立させたかに焦点が当てられていて、いかに幕府側が腰砕けの政権であったかが強調されている。
     本小説は、多勢の幕府側がなぜ劣勢...続きを読む
  • 竜馬がゆく(五)
    愛されてるなぁ、竜馬。勝さん、残念だったね。船没収だし…、幕府に呼び出されるし…。もー。おりょうさん、やったね。抱かれたね。夢が叶ったね。(書くとき気まずくなってきた。)
  • 竜馬がゆく(八)
    司馬遼太郎さんの本は、何故か風神の門から入り、関ヶ原、花神、峠、戦雲の夢と読みましたが、どれも傑作ではありますが、改めて竜馬がゆくが内容、展開、そして今読み終えての読後感がなんとも言えず最高です。
    幕末の日本人になった気分を味わえた数ヶ月、とても幸せでした。

    創作の部分多数あれど、残した言葉の数々...続きを読む
  • 馬上少年過ぐ
    教科書の中の歴史は、ただの文字の並びとして滑り、過不足なく組み合わされた人工的な記録のよう。
    対してこの本の中で語られる歴史は、人間がもがきながら、必死で各々の越し方行く末を案じ、選び取り、駆け抜けてきた、生温かい記憶である。
  • 菜の花の沖(五)
    ▼こ、これはすごい・・・。江戸後期の船乗り/商人である、高田屋嘉兵衛さんの生涯とその時代を描く司馬ワールドなんですが、この五巻はすごかった・・・。

    ▼高田屋嘉兵衛さんは、その生涯の後半というか終盤のあるポイントで、「ロシア軍艦に身柄を拉致される。そして軟禁生活を送るが、最終的にロシア人と信頼関係を...続きを読む
  • 坂の上の雲(八)
    ロジェストウェンスキーはなかなか考えさせられた。指揮することをまともに考えていない指揮官は戦いにおいている意味のない人に成り下がっている。けれど、皇帝の専制で戦争が行われているという意味ではこの指揮官も気の毒な被害者だとも言える。それらをひっくるめて?戦いあった同士?として敵国軍人に敬意を払う日本の...続きを読む
  • 竜馬がゆく(五)
    西郷さんも登場し、★5つです!
    池田屋の変生き残りが、親の出生地の方であった。。
    感慨深いです。
    長州藩が大変な⑤巻ですが、スズムシの行が面白くホッコリします。
    中岡慎太郎の出番も多くなり、まだまだ楽しんで読み続ける事ができそうです。
  • 竜馬がゆく(四)
    竜馬、やっと、やっと船をもらえたーっ!
    勝さんに取り込んだ甲斐があったーっ。        
    ううう、ヽ(;▽;)
  • 関ヶ原(下)
    関ヶ原合戦、西軍の奮闘、小早川の裏切り、死闘。大谷吉継が最期まで名将すぎて涙目。島左近の17歳の息子さえ戦場で華々しく散った、というのも切なかった。
    石田三成が戦場離脱したのには「あれ?大谷吉継は自刃したのに?」と戸惑ったけど、結局自首して潔く処されたのは(性格的に)筋が通ってて良かった。
    これまで...続きを読む
  • 翔ぶが如く(二)
    西郷隆盛の征韓論を軸に渦巻く人間模様が丁寧に描かれており、まるでその時代にいるかのような気持ちになる。

    ここからの展開が楽しみになる二巻であった。
  • 項羽と劉邦(下)
    局面での戦闘においてあれだけ強い項羽が、劉邦を悉く追い詰めながらも、突如として転がり落ちるように没落して、最終的には劉邦が勝つという、その流れや理由をきちんと知ることができて良かった。また、あまりに有名な四面楚歌や項羽の詩を全体の文脈の中で読むことができ、当時の項羽の心境に肉薄することが出来たように...続きを読む
  • 竜馬がゆく(四)
    またしても★5つ!
    竜馬とおりょうの「一室に馬鹿がふたりそろってしまった」の行やお登勢さんに気持ちの描写が面白いです。
    とはいえ、新選組も出始め、粛清だらけです。。
    独眼竜清岡、半平太の行は。。凄惨です、悲しいです。
    一方で、その後「さな子」さんとの片袖のエピソードが凄くホッコリし、艦上での初日の出...続きを読む
  • 国盗り物語(四)
    光秀と信長の関係性の中で、信長が上洛し、本能寺の変まで到達する。彼らの人となりの描写の豊かさはさすがで、時代の激動さも相まって、ほとんど一気に読んでしまった。基本的に光秀の視点で話が書かれているので、光秀が本能寺に向けて出立を決意する辺りの覚悟はかなり来るものがある。この後の秀吉への展開もぜひ読みた...続きを読む
  • 項羽と劉邦(上)
    登場人物全員、キャラがいいんだよなあ。。。
    劉邦のダメっぷりもいい(笑)
    ちっぽけな自我を捨てられたら、少しは器が大きくなれるかなあ~
  • 竜馬がゆく(三)
    三巻も文句なしですね!★5つです!!
    竜馬も凄いが武市さんも凄い。
    三巻。。登場人物が多い!
    おりょうさん、勝先生、久しぶりのお田鶴さん。
    皆がみんな、竜馬を好いてて気持ちが良いです。
    今後こんなに凄い人が出て来る世になるのだろうか?
  • 竜馬がゆく(二)
    文句なく★五つです。
    どんどん読み進めます。
    司馬さん読みやすいです。
    坂東さんの本を読み、高知という未踏の地に興味が湧き、この本で更に行きたくなります。
    いつか行くんだろうか。。
    二巻で板垣退助まで登場し、もーワクワクが凄いです。
    脱藩の章で「お栄さん」、「乙女さん」の行は悲しくなりました。
  • 草原の記
    司馬遼太郎いわく、126ページ
    日本は1868年の明治維新成立のときは、他国を侵略するような体質要素をもっていなかった。
    すべては、朝鮮半島への過剰な日本の妄想からおこったといっていい。

    その前の段では、
    理屈っぽく言えば、近代日本にとって、満洲は魔の野というべきもので、地理的呼称であるとともに、...続きを読む
  • 菜の花の沖(六)
    末記の谷沢永一氏の解説が明媚。もう一度読みたい。
    ・畏れ入るの精神(日本的精神)
    ・愛国心は国民である誰もが持っている自然の感情。この感情は可燃性が高く平素は眠っている。これにこと更に火をつけようと扇動する人々は国を危うくする。
    ・意地悪の功罪
    ・科学や文学が商業(商品経済の隆盛)の後から踵を接して...続きを読む