司馬遼太郎のレビュー一覧
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なんだかんだ言っていちばん好き。
日本の統治機構は、政府というべきなのか、それとも「官」といったほうが語感として本質に近いものなのか、ここ十五、六年来、すこしづつ考えてきて、その濃度がやや濃くなったときに、「翔ぶが如く」を書く気になった。
こう書いていて、まさしくそんな感じ。
でもこれは、深いようで浅い。まぁ浅いままなのは、不作為故かもしらんが。
政治家や革命家が一時代を代表しすぎてしまった場合、次の時代にもなお役に立つということは、まれであると言っていい。西郷は倒幕において時代を代表しすぎ、維新の成立によって局面が変わると後退せざるをえなくなったという当然の現象が、一世を覆っ -
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男としてどう生きるべきかの長曾我部盛親の苦悶、葛藤を描いていましたが、現代の「サラリーマン」の日々の葛藤や苦悶に通じるところ、男として、「人生の中で何ごとかを成さねば」という思いは良く分かります(理解出来ます)。
そして盛親自身が「自分の運を愛さない者に運は微笑しない。」云々とのくだりは他者への責任転嫁ではなく「自分自身の態度や言動からくる、いわば自己責任の大切さ」を思い知るくだりですが盛親はそれに気付きます。そこから盛親は成長を遂げていきます。
この事は自分自身と向かい合う事の重要性を記したものであり、私も常々、自分に言い聞かせて、日々の生活を送らなければならない事だと感じました。 -
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最終巻では、いよいよ嘉兵衛がロシアに拉致される。一方のロシア捕虜(ゴローニン)の返還に向けての息詰まる交渉、人間ドラマが描かれている。
最終的には、人間同士の信頼性がものを言うのであるが、『グローバル人材』と声高にいっても、結局は、とてもベーシックなところが重要なのだ。
以下抜粋
「結局は流暢な言語のみが人間の関係を成立させたり、深くしたりするものではないことを、この夜のリカルドと嘉兵衛における交情が物語っている」
嘉兵衛にとっての『上国の対語としてのよくない国』は、「他国の悪口を言い自国をむやにみ誇るという愛国主義が鼓吹されている国と思われる」。
自分の父は函館出身であるが、その先祖は京 -
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ネタバレ時代は幕末。主人公は長州藩の軍師 村田蔵六(後の大村益次郎)。
蔵六はもともと医者なのだが、外国語に精通していることから抜擢され、蒸気船の製造や、長州藩軍師として、才能を発揮していく。
彼の役割はリーダーではなく、どちらかというと軍師・参謀。
軍隊の訓練・武器の調達・実戦における戦略立案を、理論立てて実行していく。時には冷酷な判断も選択しつつ。
読んだのは大学の頃だが、当時から蔵六の生き方にあこがれていた。
蔵六は、自分で望んだり周りにアピールしたりしたわけでもないのに、才能を認められ、やりがいのある仕事をどんどん任されていく。
今の私の仕事が、技術職でも地道な裏方作業が多いため、蔵六の -
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時間もないので箇条書き程度の感想。
肥前佐賀藩は二重鎖国状態であった事。鍋島閑叟が「肥前の妖怪」と言われていた事。知らなかった事ばかり。
枝吉神陽という人物は、長州における吉田松陰のような人。その神陽が作った思想結社「義祭同盟」には、神陽の実弟の副島種臣、門人の大木喬任、大隈重信、江藤新平がいた。
岩倉、大久保、木戸などが洋行中の留守政府で、西郷、板垣がお昼の休憩時間を過ぎても、戊辰戦争の昔話や、相撲の話をしていたというエピソードで、「両人は戦争のはなしとすもうの話がよほどすきらしく、来る日も来る日もそうであった」という文章が、なんだかとても可笑しかった。