司馬遼太郎のレビュー一覧

  • この国のかたち(三)

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    戦国時代の一所懸命という精神。これは、完全なる主人と家来との私契約である。双方が、契約違反をする可能性を孕む。一方朱子学。これは、家来からの、契約違反は認めない。体裁を重んじる。江戸以降、朱子学が定着したようだが、朱子学以外の思想が定着していたら、当然歴史は変わっていただろう。欧州では、キリスト教だったのか。日本がキリスト教を選択する余地はなかったのかな。

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    2014年03月25日
  • この国のかたち(二)

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    明治維新で大名主を排除。県令による直接統治を目指した。首をきられた彼らは特定郵便局となった。
    師承の国。顕教と密教とでの比較。密教はカルト的なのか。今の左翼右翼も密教的。他者の意見を聞くことが苦手なのか。興味深い。木材に注目しているところも、何とも。
    幕藩体制も。

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    2014年03月16日
  • 菜の花の沖(六)

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    松前藩においては、統治する蝦夷事情にあまりに暗く、さらには蝦夷人に対して極めて横暴であった。対して、意外にも幕府は蝦夷人の人権を保障する姿勢を表明していた。北方領土をめぐる日露の問題については、あのまま蝦夷を天領とし続けて松前藩に戻すことなければ、決着を見ていたやも知れない。

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    2014年03月09日
  • 胡蝶の夢(四)

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    幕末期を松本良順、関寛斎、島倉伊之助という三人の医師・蘭学者の目線から描かれているために幕末物はたくさん読んでいたが、新鮮でとても面白かった。徳川慶喜、新選組などが後半登場して、より面白くなった。
    この『胡蝶の夢』の本質は江戸身分制社会を描き、その身分制社会を突き崩す大きな要因が蘭学であったということを司馬遼太郎さんは描きたかったのだと思う。

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    2014年03月01日
  • 胡蝶の夢(三)

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    長崎医学伝習所開設に続き、小島養生所開設に向けてポンペや松本良順が奔走する。地元長崎に日本初の西洋式病院が開設されたことは初めて知りました。長崎という街は独自の歴史があって、長崎の街をまた散策してみたくなった。
    奥御医師の視点から幕末という時代を見ているのが、今まで読んだ幕末物と違ってとても面白い。読み進めていくと時代はドンドンと変わっていく様を見ることができ、楽しみだ。(^o^)/

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    2014年02月11日
  • 胡蝶の夢(二)

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    二巻は登場人物が豪華だ。勝麟太郎、島津斉彬、井伊直弼、徳川将軍、上野彦馬等が登場する。地元の長崎が舞台になり、長崎海軍伝習所、長崎医学伝習所、そして西洋式病院施設と展開が面白い。地元の長崎について知らないことがまだまだ沢山あると感じました。

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    2014年02月05日
  • 胡蝶の夢(一)

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    幕末を幕府奥御医師の視点から見ており、とても面白い。後半から長崎海軍伝習所やそこで活躍する勝麟太郎やポンペなども登場してくる。続きがとても楽しみだ。

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    2014年01月31日
  • 胡蝶の夢(四)

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    二人の主人公の、一方は華々しき、もう一方は無残な、そんな最後が。。
    西洋医学という共通点はあるけれども、生まれも性格も、まったく違う二人を見事に書き並べていて、興味深いです。
    司馬遼太郎の著作は大好きだけれども、そのなかでも、今まで読んだ本の中でぴか一な話です。

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    2014年01月25日
  • 菜の花の沖(六)

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    高田屋嘉兵衛さんの6冊に渡る物語を読破しました。高田屋嘉兵衛さんについては歴史の教科書で少し習うくらいでした。実際は函館の発展に大きく貢献し、ロシアと日本の外交にも大きく貢献して一商人の範疇を超えており、とてつもなくスケールの大きな方でした。確かに江戸時代後期に現れた快男児であったと思います。嘉兵衛さんとリコルド少佐との友情もなかなか良かったです。読んでいて元気が出る本でした。(^o^)/

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    2014年01月18日
  • 菜の花の沖(五)

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    嘉兵衛さんの出番がものすごく少なく、ロシアの歴史に関する記述が大半を占めた。第4巻の一部とこの第5巻を丸々使ってロシアという国を解説する司馬遼太郎さんの心意気を感じた。日本にとってロシアは決して優しい隣人ではなく、日露戦争、ノモンハン事変、第二次世界大戦、東西冷戦、今日では数多くの領空侵犯と色々なことが起こった。ロシアとの摩擦は江戸時代後期から続く問題なんだと痛感させられた。
    ピョートル大帝やエカテリーナ二世といった専制君主に率いられたロシアという国の歴史を紐解く参考になるとともに、最終巻が楽しみになります。

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    2014年01月13日
  • 菜の花の沖(四)

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    国後水道における国後島と択捉島との航路発見、択捉島開発と大活躍する嘉兵衛さん。これは一商人の範疇を超え、蝦夷開拓という志の高さは素晴らしい。
    当時のロシア南下政策や幕府の北方防衛政策、今日まで繋がる北方領土問題を知ることができ、とても面白かった。この4巻は次の5巻や6巻に繋がる上でとても大事な内容だと思う。

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    2014年01月05日
  • 菜の花の沖(三)

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    念願の北前航路を就航させて、商いを拡大させていく。さらに幕臣との出会いで蝦夷にさらに深く関わっていくことになり、ロマンを感じる。話がさらに大きくなっていくようで、今後の展開がとても楽しみ。年末に高田屋嘉兵衛さんという人物に出会て、とても嬉しい。

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    2013年12月31日
  • 菜の花の沖(二)

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    江戸時代後期に現れた快男児高田屋嘉兵衛の物語。二巻では着々とステップを上がる話。江戸時代の日本について特に商品経済の発達を知ることができ、この動きが農本主義との矛盾を産み、やがて幕末に繋がると感じました。

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    2014年01月02日
  • 菜の花の沖(一)

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    前回、同じ司馬遼太郎さんの城塞を読んだ後だけに明るい本を読みたいと思い高田屋嘉兵衛さんを主人公にしたこの本を読んだ。本の紹介で快男児という言葉に惹かれた。
    一巻は苦しい淡路島時代から兵庫に出て行くまでの話。今後の展開が楽しみです。

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    2013年12月21日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    ちょうど十月に、歌舞伎の「夏祭浪花鑑」を見ました。大坂の侠客のあんちゃんが主人公で愛之助、世話になってる親方みたいなおやじが翫雀、というキャストでとても楽しんだのですが、この「俄 浪華遊侠伝」もまさに「舞台は大坂」「侠客もの」ということで、タイムリーに楽しめました。
    以下備忘メモ。

    *主人公の万吉が、かっこいい。特に印象に残っているのは、「男稼業は泣くな」のシーン。
    *万吉その他の侠客仲間は、決して思慮深いタイプの人物ではなく、勢いと男気あふれる台詞を軽快な大阪弁でしゃべる。それだけでなんとなくおかしみがあるというか、かっこつけてない雰囲気になる。ように感じた。
    *幕末の動乱にも巻き込まれる

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    2013年11月24日
  • 功名が辻(二)

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    ネタバレ

    木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についた伊右衛門の出世は、遅々としてならない。そして日の出の勢いだった織田家に転機がきた。信長が本能寺で斃されたのである。跡目をねらう諸将の中で、いち早くとび出したのは秀吉であった。伊右衛門にも運がむいてきた。四十歳を目の前にして、彼はやっと大名になった、わずか二万石の…。

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    2013年11月16日
  • 功名が辻(三)

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    ネタバレ

    絢爛たる栄華を誇った豊臣秀吉の天下がかたむきはじめた。かれに老耄の翳がさし、跡継ぎの秀頼はなお幼年の域を出ない。諸大名を掌握し、じりじりと擡頭してくる徳川家康に対して、秀吉は防戦にまわった。かれが死をむかえれば大波瀾はまぬがれぬであろう…。伊右衛門・千代の夫婦は二人して将来への道を必死に探し求める。

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    2013年11月16日
  • 功名が辻(四)

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    ネタバレ

    関ケ原決戦―徳川方についた伊右衛門は、この華々しい戦でも前線へ投入されたわけではない。勝ち負けさえわからぬほど遠くにあって銃声と馬蹄の轟きを聞いていた。しかし、戦後の行賞ではなんと土佐二十四万石が…。そこには長曽我部の旧臣たちの烈しい抵抗が燃えさかっていた。戦国痛快物語完結篇。

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    2013年11月16日
  • 胡蝶の夢(四)

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    最終巻が一番面白かった。特に新撰組との絡みが。他の方も書いているが、僕の中で伊之助の大村益次郎が被る。

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    2013年11月13日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    さて下巻です。

    以下いきなり多少、ネタバレ。

    大雑把に言うと、幕末の混乱期。
    万吉、基本は幕府側の流れになっていますが、長州が没落したときに、落ち武者刈りを命じられてるのに「かわいそうだから」という理由で逆にかくまって落ち延びさせる。
    それが理由で幕府側から殺されかかる。
    にもかかわらず、また頼まれて、鳥羽伏見の戦いに、幕府側として参戦、惨敗。
    維新政府に死刑にされると思いきや、かつて志士を助けたご縁で生き延びる。
    明治になって、混乱期に右往左往するが、かつての縁で米相場師となって金持ちに。
    「頼まれたから」自腹で自警団、消防団、難民救済所までイロイロ趣味で作って、顔役として長生き。

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    2013年11月05日