司馬遼太郎のレビュー一覧
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どうも良いですね。やはり司馬さんは性に合いますね。
しかも司馬さんの作品の中でも、私の好みからすれば1、2を争う作品です。
最近の作家さんの作品を読むと、ショーウインドに飾ってる服を眺めて「良いな〜」って感じ。ところが司馬さんの作品だと、それを着て肌にしっくりなじんだ感じがします。
司馬さんといえば、どうしても歴史上の武将を初めとした偉人伝のイメージ(忍者ものも有りますけど)です。でもこの作品は、実在の人物とはいえ一介の侠客を描いたもの。そのせいもあるのでしょうか、肩から力が抜けたような、自由で奔放な感じが良く出ていて、堅苦しさが無い。その分、物語としての面白さに充溢した、隠れた名作では無い -
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大久保利通がはるばる清国までいって李鴻章と談判する巻。もしかしたら清と戦争になっちゃうかも?ならないかも?やっぱりなっちゃうかも??果たして大久保利通の腹のうちは如何?教えて、大久保さん★ 大久保さんの寡黙さが周囲に不安を与えまくっている様子が可笑しい。結果から言えば戦争にはならなかったわけですが、台湾の先住民が日本人を殺害した件で清国(台湾の宗主国)から賠償金をゆすり取ろうとしてるヤクザな日本は無茶。木戸孝允は「清と戦争になったら日本は大挙して北京を攻撃できたとしても、その地にずっと拠有できるワケないよ」ということを仰っていますが、これは見事な予言です。のちの太平洋戦争までこの予言は常に的中
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国民的歴史小説家による徳川家康一代記。上下巻で人によっては長いと思うだろうが山岡荘八先生の徳川家康全26巻(自分は未読)に比すと短い。余談好きな司馬遼太郎が端折らずに執筆したら全50巻くらいになりそうだ。
さて話の方はもちろん家康が主役だが、武田信玄と織田信長が重要な登場人物となっている。三方ヶ原の敗戦の影響から信玄の軍法を取り入れたりする学びの姿勢は素晴らしい。特に感じ入ったのは織田信長への対応。妻と息子を喪う事になっても働く自制心の強さには驚いた。戦国最強の信玄在世中から絶対に裏切らなかったのは律儀さよりも信長への恐怖ともみえる。しかしトップの判断としては間違いでは無い。 -
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明治という時代を生きた人々の知的エネルギーに圧倒された。秋山好古や秋山真之、正岡子規は、英仏独語の文献しかないという厳しい環境の中で必死に学び、日本一を目指して努力し続けていた。当時の日本は大きな危機感があったが、今の時代を生きるにも、これほどの努力が必要だなと感じた。
現代の日本の高校・大学入試制度のあり方についても考えさせられた。明治時代は思考力を重視し、経済状況に関係なく入学できた。秋山好古が陸軍士官学校を受験した際、作文の題の意味が分からず、問題の趣旨から外れた内容を書いたにもかかわらず合格した。試験は3科目あるのに、漢語しかできないと言えばそれも受けいれられた。入試はこうあるべきだ -
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息子へ)
ここ1年間くらい、本屋大賞作品に浮気して、司馬先生の作品から離れていた。しばらくぶりに司馬先生の長編小説を読んだが、やはり、文句なしにおもしろい。
時代背景が、戦国よりも前の鎌倉幕府創世記。文化や価値観になじみなく、その辺を理解しないと、主人公のよさや人間味を味わうことはできない。
そこを、遼太郎氏は見事に表現する。ストーリーの流れを決して損なうことなく、その時代のバックグラウンドや価値観を教えてくれる。
当時の人々の気分になって、主人公のすごみに感服させてもらえる。
司馬遼太郎作品は、他と一線を画す。と、あらためて実感した。これからも、流行の小説を楽しむことがあるだろうが、