司馬遼太郎のレビュー一覧
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征韓論の是非について、廟議開始の岩倉具視の挨拶が巧いなと思った。
いきなり征韓論という本旨に入らず、現下の外交一般問題について、議したいとすりかえた。
相手の主張を認めながら、もっと重要な案件があると、議論をすりかえていくテクニックは、非常に参考になる。
岩倉が、江藤新平の追及に対し、三条実美から代理を頼まれたのではなく、君主より代理を命じられたのであり、三条の認めたという既成事実を継承するつもりはないという、屁理屈で言い逃れて、相手の主張や追求をそらす模様があり、これも面白い。
日本人の判官びいきに関する分析、陽気な人格とは欠点さえ愛嬌になるが、失敗でさえ同情を買える。陰気ということは、
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Posted by ブクログ
ネタバレ吉田松陰と高杉晋作の物語。
松陰は、その師である玉木文之進から、私情を一切捨てて、公のために尽くせ、と教えられ、それを頭の中で考えるだけでなく、実践に重きをおいて生きたひとである。実行の中にのみ学問があるという、陽明学的思想である。孟子的といってもいい。
それが必要だとなれば、武士たるものは断乎行うべきだ。それが成功するかどうかということを論ずるべきではない。こういう思想で松陰はペリーの乗ってきた軍艦に漕ぎ寄せるのであった。
攘夷、攘夷と念仏のように国中の志士がとなえているが、ことごとく観念論である。空理空論のあげく行動を激発させることほど国を破ることはない。世の事に処するや、人はまずものを見