司馬遼太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレしばらく積読になっていましたが、ついに着手。
すんごい情報量とボリュームでした。
時は明治時代の始め。それまで鎖国していた日本が、まだ目立たないアジアのちっぽけな国でしかなかった頃。
名前しか知らなかった歴史上の人物が次々と登場してきて、「うまれたからには日本一になりたい」と、誰も彼もが魂を燃やすようにして生きてる。本気の日本一、その分野で勝てない相手がいると分かれば新たな分野を自ら切り拓くという思考、すごいなと感銘を受けました。
(一方で、仲間たちと夜中の11時過ぎに東京から江ノ島まであるいて無銭旅行しよう〜なんて思い付きで突っ走る青春時代の姿も見られたり。面白く読み進めました。)
それから、戦術に関して、日本が外国から何をどう学び、それを主人公たちがどう操って日露戦争までの勝利を納めたか、これから更に詳細に描かれていくのかな、ここがこの小説の一つの焦点になっていくのかな、という気がします。
正直知らない言葉も多いし難しいけど、頑張って最後まで読もうと思います。
-
Posted by ブクログ
すっかり流し見になってしまった
今年の大河ドラマなのだけど
4月にNHKで放送された「菜の花忌シンポジウム」で本著が取り上げられていたので、手に取りました。
司馬遼太郎さんの本を読むのは実に○十年ぶり。
昔、父の書棚から数々の名作を拝借して、長い通学時間に読んでいたのを思い出しました。
やっぱり面白い!
まるでその場にいたかのような描写で引き込まれます。
稀代の人たらしである秀吉に振り回されて、一族の様々な人の人生が流転していく。
小早川秀秋や宇喜多秀家など
戦国武将としてしか認識していなかったのですが、秀吉との関係性が本著でよくわかりました。
司馬さんはとにかく明るくて賑やか華やかな秀吉が好きで、
家康が嫌いなのかな?
昔、他の作品読んだ時にも感じたような。。家康はほんと陰湿な印象です。
結びの一文。余韻がすごい。
「豊臣家の栄華は、秀吉という天才が生んだひとひらの幻影のようであったとすら思える。」 -
Posted by ブクログ
時勢だけでなくその地その人々の性質をも描写しつつ史記を追っている感覚。題の項羽にしても劉邦にしても、秦将の章邯・司馬欣・董翳にしても、好感一辺倒な人物はいないし、それこそが歴史物なのだなと思わされた。
上巻の最後が中々に苛酷な締め方。楚軍と投降した秦軍との間に不和が起こり、潜在する脅威排除のために秦兵二十余万を坑にしたとはなんとも……。その後の章邯らの覇気が無くなるのも尤もな仕打ちだ。
これを読んでつくづく思うのは、中国のあの広大な土地と種々の人々を一国として治めること自体が間違いとは言わないまでも無理難題ではないのか、ということ。やはり分割統治が一番丸いんじゃなかろうか。 -
Posted by ブクログ
目次
・湖西のみち
・竹内(たけのうち)街道
・甲州街道
・葛城みち
・長州路
「知識があるということは、自分を高いところに立たせることである」=見晴らしがよくなるという意味。
という言葉がぴったりの紀行文。
同じ景色を見ても、解像度が違うんだよなあ。
目を引いたのは、滋賀県にある「穴太(あのう)」という地名。
石垣づくりの「穴太衆」などで近年有名になったけれど、これが卑弥呼の時代から土木工事に活躍していた穴穂と同じ語源なのではないかという説。
要するにこれは、大陸からの技術を持った人たちを先祖としているということなのだ。
穴穂と言えば、推古天皇の弟の穴穂部皇子(あなほべのみこ)や、聖徳太子の母の穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)と、やけに聖徳太子の周囲に多い名前なのが気になるなあ。
ちょいちょい古代史の話が出てくるので、そのたびに高田崇史のQEDシリーズを復習しているような気になる。
一言主の神とか、製鉄の話とか。
あと、長州藩が好きではないので、「長州路」での長州人たちの話はあまり刺さらなかった。
著者も言っているとおり、一流の人ってむやみやたらに熱くならない。→人殺しに手を染めない。
木戸孝允や高杉晋作は、剣の使い手ではあったけれど、命を狙われている時逃げ回るだけで殺しはしなかったらしい。
でも、吉田松陰は志を遂げるためなら、反対する者たちを殺してよいと言っていたし、伊藤博文や井上薫は殺してるよね。
高杉晋作も奇兵隊など煽るだけ煽って使い捨てて見捨ててるし。
そういうあれこれが好きじゃないの。