司馬遼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
奉天会戦と日本海海戦に向けての巻。
戦争をある程度のカタチに帰着させることの難しさがよくわかる。
現場の状況と、後方から見えている図と、国民の感情は違うもの。
どのレンズを使うか、どの視野で見るか、対象を絞るか広げるかによっても出来事の真相は違ってくる。
100年以上前の歴史であり、いろんな視点を織り交ぜることができる群像劇だからこそ解ることもあるもんだ。
とは言え、その多くの視点から見える画はやはり著者である司馬遼太郎の目に一旦集約されて描かれるものなので、やっぱりバイアスかかるよね。
この巻で印象に残ったのは、主にロシア側に対する行動の冒頭に記された
「信じられないことに」
「信じが