司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 梟の城

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    登場人物の腹の中が不透明な状況で敵味方が次々と入れ替わる展開は、理解するのに苦労を要した。しかし読む進めていくと共に、全体像を掴めない感覚そのものが忍者という存在を象徴しているのかなという思いが込み上げ、不思議と納得のいく読後感だった。忍者としての生き様をひたむきに貫いてきた重蔵がクライマックスで選んだ言動は人間味が感じられて温かさがあった。戦いの場面の凄惨さとのコントラストが巧みである。真っ黒なキャンバスに様々な濃淡の同色を重ねたような奥深い色彩を感じる本作品は、とても読み応えがあった。

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    2023年07月28日
  • 花神(中)

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    幕軍との「四境戦争」において、村田蔵六の指揮により、勝利する、長州軍。
    関ケ原の戦い方と変わらない古色蒼然とした幕府軍の戦い方の表現が面白かった。
    歴史の表舞台へと立った、蔵六。その勢いは下巻へと続く。
    下巻も楽しみ。

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    2023年07月29日
  • 峠(上)

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    新潟・長岡出張を契機に20年ぶりくらいに再読。上巻は家老に抜擢された河井継之助が若い藩主を擁して上洛するまでの677頁。圧倒的な刺激とおもしろさで、時が経つのを忘れるくらいなのだが、初読時から年齢を重ねたが故の“違和感”も覚えた。この点については下巻を読み終えたあとに報告することにしよう。

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    2023年07月16日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    様々な黒田官兵衛ものがあるが、さすが司馬遼太郎先生の官兵衛になっていて、膨大な資料を基に描かれていた。
    官兵衛の志しが、グサッと心に染みる感じがした。

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    2023年07月13日
  • 城塞(中)

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     大阪冬に陣が終わり、徳川家康は策略を尽くして大阪城の内堀までを埋めてしまう。その様子を徳川方、豊臣方の両方の立場ら見てゆく。上巻は時代小説のような雰囲気も少しあったが、中巻ではあまりそれはなくて、歴史小説の雰囲気。

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    2023年07月11日
  • 義経(下)

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    なんぼヒーローでも阿呆はあかんのやなと思った。どうやって義経が死ぬのか知らなかったのでサラリと書かれていたのが残念。

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    2023年07月10日
  • 義経(上)

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    久しぶりの司馬遼太郎。知らん事をそれっぽく書くなと思ってしまった。なので歴史小説なのか。
    義経には子供の頃から興味を持っていたので「へー。」と思いながら読めた。

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    2023年07月10日
  • 国盗り物語(二)

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    とうとう有名な斎藤道三としての人物がでてきた。

    美濃の蝮として有名だが、どうやってなっていったのかについて内容が濃く書かれているため物語として人物像を追って行けるのが面白い。

    次はどうなるのか

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    2023年07月09日
  • 関ヶ原(下)

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    ついに関ヶ原の戦が始まった。兵の数、立地などを考えれば西軍の有利だといわれたが実際は家康の謀略により西軍のほとんどは家康に与していて始まる前から結果は決まっていた。三成が負け家康が勝った要因としては情報に三成が重きを置いてなかったことと、三成が利より義で人は動くと思っていたことだろう。家康がいつ江戸を経って進軍しているのかも把握しておらず、また小早川秀秋が秀吉からの寵愛を受けているから絶対に裏切らないと思い込むなど慎重さが足りなかったのかな。結果負けてしまったが三成が挙兵することで秀吉の名誉も保たれ全く意味のないことではなかった。宇喜田秀家、三成、大谷吉継らの軍の勇猛さはとても面白かった。

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    2024年11月19日
  • 関ヶ原(下)

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    大河ドラマに触発されて再読。
    時代背景や人間模様がとても丁寧に書かれていてとても楽しいです。
    人を動かすには、ついていきたいと思わせる力と、欲しい物を与える力が必要なんですね。

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    2023年07月06日
  • 関ヶ原(中)

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    大河ドラマに触発されて再読。
    時代背景や人間模様がとても丁寧に書かれていてとても楽しいです。
    人を動かすには、ついていきたいと思わせる力と、欲しい物を与える力が必要なんですね。

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    2023年07月06日
  • 関ヶ原(上)

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    大河ドラマに触発されて再読。
    時代背景や人間模様がとても丁寧に書かれていてとても楽しいです。
    人を動かすには、ついていきたいと思わせる力と、欲しい物を与える力が必要なんですね。

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    2023年07月06日
  • 花神(上)

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     私は作中後半に出てくる「ヘボン式ローマ字」
    という言葉は知っているが、それが、江戸末期に日本へ来た外国人医師「ヘボン」が発明したから、とは知らなかった。
     オランダ語を知ることから始めた村田蔵六が英語を学ぶ為に幕府が招へいしたヘボン医師から英語を学ぶ。
     この頃の外国人は極東の野蛮国と日本を認識していたが、その野蛮人の日本人が、英語が出来ないくせに、二次方程式を含む代数や平面三角法や球面三角法といったものに良く通じていたことに驚き、ヘボンは「アメリカの大学卒業生でもこれら若い日本人を負かすことは出来ないであろう」と驚いている。
     という下りがあるが、江戸時代の日本人には塾などでの、読み書きの

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    2023年07月04日
  • 関ヶ原(中)

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    関ヶ原の戦いがいよいよ始まるまで描かれた。本田正信の謀略のおかげで徳川側に豊臣側大名達が味方していくのは政治の大事さを感じた。三成もそんな政治ができたらまた歴史は変わったのかもしれないが作中に何回か出てきたように民衆は富を散財する豊臣政権に疲弊して吝嗇の徳川を好んでいたそうだから、民意は三成につかなかったのは意外。如水や真田昌幸がこの騒乱に乗じて天下を狙ってるのも野心の高さが表れていで面白かった。堀忠氏が小山での軍議で土地城を全て献上する策を山内一豊が盗む流れも策を巡らす戦国時代っぽい

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    2024年11月19日
  • 関ヶ原(上)

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    天下分け目の関ヶ原の戦、その序章を描いている。太閤秀吉に忠義を尽くす三成と、虎視眈々と天下人を目指す家康の謀略の仕合は読んでてとても緊張感がある。三成はもっと上手く立ち振る舞えば加藤清正や福島正則らを味方にでてたのではと思うけど彼らも彼らで幼稚すぎる気がする。三成の側近島左近は味方としてとても頼もしい感じがして暗殺に来た忍びも返り討ちにする身のこなしや頭の良さとても伝わった。

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    2024年11月19日
  • 竜馬がゆく(七)

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    「竜馬がゆく」の第7作目は、討幕へ向けて薩長同盟を実現させた龍馬が次の一手として土佐藩と連携していく様子が記されている。数多の勤王志士達を死へ追いやった土佐藩の上士らと手を取り合おうとする龍馬の行動に初めは違和感を感じた。しかし、そうせざるを得ない程に状況が逼迫していたのも事実である。仲間を思い信念を突き通す事は大事だが、世の中の動きに敏感になり時勢によって信念をも変えてしまうくらいの器の人が新しい時代を作っていくのかなと複雑な気持ちになった。

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    2023年06月19日
  • 翔ぶが如く(七)

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    5巻、6巻とかなり地味であったが、7巻終盤で遂に動き始めたという感じ。
    西南戦争が如何にして起こらざる得なかったかというのが5巻以降のテーマになっていると思うが、確かに何故そうなってしまったか…と思わざる得ない。
    台湾出兵あたりから明治政府が瓦解し、以降大久保利通によるある意味独裁にはなるのだが…
    西南戦争とは、幕末から続く藩閥と利権争いが混沌としてしまった末に、西郷さんが一時期に政治を諦めてしまった事が要因…と思うが、やはり一言でまとまらないので、このような長い小説になっているわけだなあ。

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    2023年06月06日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    中国関係の積読を先に片づけていたので、上巻から少し間が空いてしまいました。
    下巻ももちろん司馬遼太郎節。小説というより、司馬遼太郎による空海講釈。
    下巻の中心は、長安から帰り、日本に真言密教を伝える空海。中でも、比叡山の最澄との交流。っていうか、対決。対立。歴史の授業では、天台宗の最澄と真言宗の空海とセットで覚えさせられるけど、そう一筋縄にはいかない。
    あとがき読んだら、高野山にも行きたくなった。まずは高雄山かな。

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    2023年05月30日
  • 項羽と劉邦(下)

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    ようやく漢と楚の闘いに決着がつく。個人の武に頼り、戦略と兵站を軽視した項羽が亡びたのは必然といえば必然。戦下手だったが故に戦略と兵站に注力した劉邦は、今日的にも参考になるのではないか。
    それにしても、漢と楚の力関係が逆転し、いわゆる四面楚歌の状況に至る過程がさらっと描かせているのが残念。もう少しドラマチックに描けなかったのか。それが司馬遼太郎的ではあるが。

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    2023年05月23日
  • 梟の城

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    ついに司馬遼太郎に手を出してしまった。大御所は、なるべく避けてきたのだけれど。はまってしまうと、抜け出せなくなりそうだから。でも、やっぱり、面白い。

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    2023年05月23日